テレワークで受電業務を行うには「IP電話への転送」がお勧め
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、多くの企業でテレワーク利用が急速に進んでいます。
会社の電話応対をテレワークで実現するためにはいくつか方法がありますが、今回のように政府から緊急事態宣言が発令され急を要する場合はとにかく「導入までのスピード」が重要になります。
しかしその他にも「複数のスタッフで電話応対ができるか」といった点も重要になります。
受電業務をテレワークでおこなう場合の代表的な方法は以下のような方法があります。
(1)スタッフの携帯電話番号に転送する
(2)会社の電話番号をIP電話サービスにナンバーポータビリティ―する
それぞれのメリット、デメリットを整理しておきましょう。
「スタッフの携帯電話番号に転送をかける」
場合のメリット、デメリット
現在契約中の電話番号で転送電話サービスを利用し、在宅勤務中のスタッフの携帯番号に転送させる方法です。
●メリット
- ・契約中の電話会社で転送電話オプションを申し込むだけなので、すぐにテレワークでの受電業務が開始できる
●デメリット
- ・1人にしか転送できない
- ・転送された電話の保留・転送(電話の取次ぎ)ができない
- ・折り返し電話の際、会社の固定電話番号では発信でできない
- ・転送分の通話料が発生する(1分/17円)
この方法は契約中の電話会社で転送電話を申し込めばすぐにテレワークを始められるので、この点はメリットです。しかし、「会社の受電業務」という観点でいうとデメリットの方が多いのでお勧めできません。
着信があると1人の携帯にしか転送されないので、その人間が電話に出られない場合は他の人が対応することができません。また、通話の保留・転送ができないため、他のスタッフへの電話の取り次ぎができません。お客様には担当から折り返す旨を伝え、その担当にお客様から電話がった旨を伝え、担当は自分の携帯番号で折り返し電話をしないといけないため手間がかかります。また、携帯からの折り返しとなり会社の番号では発信することができないため、相手がなかなか電話に出てくれないというケースも起きやすいです。
また、お客様から電話を受ける頻度が高い会社の場合、転送通話料がかかるので注意が必要です。通常だと着信時の通話料は電話をかけてきた人の負担ですね。しかし転送時の通話料はこちら側の負担となります。会社の固定電話からスタッフの携帯番号宛への通話料が発生することになり、大体どのキャリアでも約17円/1分の通話料が発生します。
●まとめ
以上を踏まえ、この「スタッフの携帯電話番号に転送をかける」の向き/不向きは大まかに下記のように分類されます。
【向いている方/会社】
- ・個人事業主
- ・小規模な法人
- ・電話を受ける機会がほとんどない法人
【向いていない会社】
- ・ある程度の人数規模の法人
- ・電話がかかってくる頻度が高い法人
「会社の電話番号をIP電話サービスにナンバーポータビリティ―する」
場合のメリット、デメリット
ナンバーポータビリティ―(番号移転)を利用し、IP電話サービス事業者に利用中の電話番号を移転する方法です。携帯電話のナンバーポータビリティー(MNP)の固定電話版といったところですね。クラウドPBXなどのIP電話サービスに番号移転することで、番号はそのままでスマホでの発着信が可能になります。
●メリット
- ・スマホで会社の受電業務ができるようになり、さらに会社番号での発信も可能になる
- ・複数のスタッフのスマホで着信がとれる
- ・転送電話とは異なるので、着信分の通話料は無料
●デメリット
- ・番号移転手続きに時間がかかるため、すぐには導入できない
- ・ひかり電話発番の番号など、そもそも他社に移転ができない番号がある
- ・番号移転での転入(受け入れ)に対応していないIP電話サービスもある
- ・インターネット回線経由での通話となるため、各スタッフ毎のネットワーク環境によって発着信や通話に支障がでる可能性がある
- ・現在事務所で使っているビジフォンは使えなくなるケースが多い
- ・固定電話機が必要な場合はIP電話機など機器の購入が必要になる
社員のスマホで着信時の電話応対ができるだけでなく、折り返し電話も会社の電話番号から発信できるのがIP電話サービスへの番号移転する方法の大きな強みです。しかも多くのサービスで「複数名のスマホで応対」したり「受けた電話を他のスタッフに取り次ぐ」ことが可能なため、テレワークでも事務所内にいるのとほぼ変わらないかたちで電話応対業務をおこなうことが可能になります。
ただ固定電話の場合、他社に移転できる番号は元々加入電話やISDNなどの「アナログ電話」で取得した番号でないとそもそも他社に移転できません。よって、ひかり電話サービスなどで取得した番号だとこの方法はできません。また、IP電話サービス事業者への番号移転が完了するまでには少なくとも1週間~2週間ほどかかるため、今すぐにテレワークで会社の受電業務をはじめたいケースには向いていません。
さらに、番号移転をすると社内にあるビジフォンでは使えないというサービスが多く、そのIP電話サービスで利用できる端末で運用しないといけません。ビジフォンのリースを組んだばかりの会社にとっては大きな損失が発生します。また、社内にいるスタッフ固定電話機で対応したいという場合にはIP電話サービス指定のIP電話機などを購入しないといけないため余分にコストがかかってしまいます。
●まとめ
以上を踏まえ、この「IP電話サービスに番号移転する方法」が向いている会社、向いていない会社は大まかに下記のようになります。
【向いている会社】
- ・今すぐにでもテレワーク環境を始めたい会社
- ・一時的なテレワークでの受電業務をおこないたい会社
- ・ひかり電話発番など利用中の番号が他社移転できない会社
このように、「携帯番号への転送」にも「IP電話サービスへの番号移転」にもどちらにも課題があります。しかし、コロナウィルス感染拡大の影響で急いでテレワークを開始し、オフィスにいるときと遜色ないかたちで受電業務をおこないたいという場合、どちらもデメリットが大きいのが現状です。
しかしある方法を使えばこれらのデメリットを解消することができます。
03plusで番号を契約し、会社の電話番号を転送させる方法
それはIP電話サービスの「03plus」で新規番号を契約し、会社の番号を03plus契約番号に転送させるという方法です。この方法がなぜお勧めなのか、その理由は以下の3つです。
会社の電話番号を03plus契約番号に転送させるメリット
(1)複数のスマホで転送された電話をとれる
この方法も複数のスタッフで受電業務を行う事が可能になります。会社の電話番号宛に電話がかかってくると、03plusアプリをインストールしたスタッフのスマホに一斉に着信し、誰かが電話に出ると他の端末は鳴りやみます。090の携帯番号へ転送する方法と違って、複数人で応対できるので電話の取り逃がしが減ります。03plusはIP電話のため、各スタッフのインターネット回線を通じて電話の通信をおこないます。
(2)電話の取次ぎ(保留・転送)ができる
03plusは電話の取次ぎができます。誰かが出た電話に出た後通話を保留して他の人に取り次ぐというように、いつものオフィスにいるときと同じように受電業務を行う事が可能です。最初に電話を受けた人が通話を一旦保留しておき、内線電話機能を使って担当者に電話がある旨を伝え、その担当者が保留中の電話をとれば通話を再開できます。一度電話をきって担当者から折り返し電話をする手間を省けるのでスムーズな電話応対が可能です。
(3)2-3日あればテレワークでの受電業務をはじめられる
1)と(2)のメリットについては他のクラウドPBXのIP電話サービスでも実現できるケースが多いです。しかし、03plusがお勧めなのはこの導入までのスピードです。
従来の固定電話サービスと同様、IP電話サービスも申し込み時に、法人または個人の確認書類を郵送で提出する必要があります。郵送した書類が通信会社に届いてから書類内容の確認があり、その後はがきなどで所在地確認をするサービスが多く、それを受け取ってから開通となるケースが多いため、利用開始までに1-2週間かかるのが一般的です。
しかし03plusは法人または個人の確認書類は画像データでWeb申し込みフォームから登録できるので、郵送の手間が必要ありません。申し込み完了後すぐに書類内容の審査があり問題が無ければ即日はがきが郵送されます。東京近郊などであれば最短申し込み翌日に、通常でも2-3営業日あればはがきが届き開通することができます。
開通処理までにアプリをインストールしておき、開通後に電話会社に転送電話の申し込みと転送の開始処理をおこなえば、すぐにスタッフのスマホアrプに着信が転送され応対することが可能になります。
また、他のクラウドPBX/IP電話サービスと異なり、別途電話回線の契約が不要なので工事もありません。また、IP電話機やアダプタなど機器を設置する必要もなく、スマホにアプリをインストールするだけなので導入コストや手間を大きく省けます。
このように、03plusへ転送させる方法であれば複数人での応対や電話の取次ぎなど、会社の受電業務に必要な要件を満たすことができ、なおかつスピィーディーなテレワーク導入が実現可能です。その他にも以下のようなメリットがあります。
●03plusに転送させる方法のその他のメリット
- ・年契約など契約期間の縛りがないので短期間の導入も可能
- ・携帯番号宛に転送するのに比べると転送通話料が安い(携帯番号宛転送料:1分約17円、03plus番号宛転送料:3分8円)
- ・スマホから固定電話番号で発信できるので、携帯番号からの発信に比べれば相手に与える信頼度が高い場合がある
デメリットもある?
03plusに転送させる方法はメリットだけでなくデメリットもあります。ただし03plus特有のデメリットというわけではなく、他のIP電話サービスに転送させる場合にも同様のデメリットが生じます。
(1)転送分の通話料がかかる
通常会社の固定電話で着信した場合の通話料は相手もちとなるため通話料は無料ですが、会社の番号から03plus契約番号へ転送した分の通話料が自己負担となります。ひかり電話を契約している場合、転送時の通話料は約8円/3分程度ではありますが、着信頻度が高い法人の場合は事前に注意が必要です。ちなみに携帯番号宛に転送した場合は約17円/1分の転送通話料がかかるので、それに比べればIP電話サービスに転送する方が約1/6程度に転送料を抑えられます。
(2)通話品質は社員ごとのネットワーク環境や端末環境に依存する
03plusをはじめとするIP電話サービスはインターネット回線を使用するので、音声品質や通話の安定性はインターネット環境に大きく左右されます。テレワークの場合、各スタッフの自宅毎にWi-Fiや4Gなどネットワーク環境がばらばらになるため、スタッフによっては通話に支障をきたす場合がありますので注意が必要です。
IP電話サービスによっては無料お試し利用が可能で、03plusも初月無料のお試し利用が可能です。無料期間内は1アカウント分だけお試し利用が可能ですが、スタッフ毎に順番に動作検証しておくことが可能でなので、最低限のスタッフだけでも動作検証をしておくことをお勧めします。また03plusでは動作保証外の端末や一部利用できないWi-Fiサービスがあるため、事前に各スタッフの端末やインターネット環境が動作保証環境かどうか確認しておくことが必要です。
●03plus「動作確認済み端末、インターネット環境の注意事項」について
https://03plus.net/device.html
(3)折り返し電話は03plusで契約した番号から発信しないといけない
他のIP電話サービスも同様ですが、テレワーク中のスタッフのスマホからは会社の番号から発信することはできず、03plusで取得した番号から発信する必要があります。お客様の端末には会社の電話番号ではなく見知らぬ番号が表示されるため、なかなか電話にでてもらえないケースが生じる可能性があります。
ただ、03plusは新規で契約した固定電話番号で発信できるので、携帯電話の090番号に比べれば相手に与える社会的信頼度は高いという側面があります。自宅からでもどうしても会社の番号で発信する必要があるいう場合は、前述のようにIP電話サービスへ番号移転して契約会社を変更する必要があります。
このようにデメリットもいくつかありますが、「至急テレワーク環境を構築したい」、「複数人で受電業務を行い、取次もおこないたい」という場合には、この会社の電話番号を03plusのようなIP電話機サービスで取得した固定電話番号宛に転送させるという方法がお勧めです。
03plusを使った転送について、詳しい導入手順などについてはこちらの記事でもご紹介しています。導入をご検討中の方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
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