IP電話とは?従来の固定電話との違いやメリット

背景

近年、アナログ回線の固定電話から、IP電話に乗り換える企業が増えてきました。しかし「IP電話ってよく聞くけど、一体何?」「固定電話とどこが違うの?」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、IP電話とは何なのか、従来の固定電話との違い、IP電話のメリット、IP電話サービスの選び方について解説します。

IP電話とは?

固定電話を利用
インターネット回線を利用

IP電話とは、固定電話の回線の代わりに、インターネット回線(3G/4Gやブロードバンド)を利用した電話です。固定電話とは違い、インターネットプロトコル(Internet Protocol)と呼ばれる技術を利用して通話を行います。

これによりインターネットの利便性を生かした使い方が可能となっており、スマホにIP電話アプリを導入すれば外出中でも固定電話番号を使った通話が可能です。

これまでは、インターネットプロバイダーがインターネット接続サービスのオプションとして提供する、050で始まる番号のものがほとんどでしたが、近年では、プロバイダーフリーのものや、スマートフォン用のIP電話アプリで利用できるものなど、様々な種類が増えています。

IP電話と固定電話の違いとは?

①導入にかかる費用の違い

IP電話と固定電話では、導入時にかかる費用や、利用時の通話料金が大きく異なります。

導入費用 通話料(一例)
固定電話 35,000円前後
(NTT電話加入権の新規購入にかかる費用)
距離によって変動
区域内通話なら3分あたり9.35円
距離が伸びると料金も増加
IP電話 3,000円前後
(インターネット回線の費用は別)
全国一律
IP電話機、宅内機器からの発信の場合
[市外局番宛]8円/3分

※通話料は固定電話から固定電話への発信の場合

②通話品質の違い

IP電話はインターネット回線を使用するため、通信状況によって通話品質が悪化することがあります。

一方、固定電話回線の通信は安定しており、通話品質の悪化が起きる機会は少なくなっています。

③利用できる発信元番号の違い

IP電話と固定電話では発信元番号に違いがあります。

固定電話の電話番号は「03」などの市外局番から始まる「0AB-J型」です。

一方、IP電話の場合は、サービスを提供するベンダーによって取得できる番号に違いがあります。IP電話では、以下の電話番号を取得可能です。

・0AB-J型:市外局番から始まる10桁の番号
・050型:IP電話を示す050から始まる11桁の番号
・電話番号不要型:LINEやSkypeなどの通話機能を持つアプリ

「0AB-J型」であれば固定電話番号と同じですが、050型の場合は発信元番号の種類が異なります。電話番号不要型については発信元番号がなく、同一アプリ同士でしか通話ができません。

④発信可能な番号の違い

一部のIP電話では、0120ではじまるフリーダイヤルへの発信や、110番などへの緊急通報ができない場合があります。

⑤通話できる場所の違い

通話できる場所にも違いがあります。

固定電話は、固定電話機がアナログ回線につながっている必要があるため、オフィス内でしか通話できません。

一方、IP電話はスマホ・パソコン・タブレット・SIPフォンなどのインターネット回線を利用できるさまざまな端末で通話を行えます。そのため、オフィス内だけでなく、外出先やリモートワークで自宅にいる場合でも通話できます。IP電話はインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも通話できるため、業務効率を高められます。

⑥利用できる端末の違い

固定電話はアナログ回線に対応した据え置き型電話機のみ使用できます。

一方でIP電話はスマホ、パソコン、タブレット、SIPフォンなどインターネット回線を利用できるさまざまな端末で利用可能です。用途によって端末を使い分けることができ、業務効率を高めることができます。

⑦利用できる機能の違い

固定電話は、電話機能以外に利用することはできません。

一方でIP電話は通常の電話機能はもちろんのこと、クラウドサーバーを活用したWeb電話帳やクラウドFAX、勤怠管理、その他さまざまなITシステムと連携することが可能です。

IP電話の歴史

日本では、2002年から総務省が050番号の割り当てを開始し、多くの通信事業者が順次サービスを開始しました。2004年にはNTT東西の「ひかり電話」がサービスを開始、2005年にはSkypeが利用されるようになり、パソコンでIP電話を利用できるようになっていきます。

スマートフォンがリリースされはじめた2007年以降は、050番号をスマートフォンで利用できるアプリが登場。2010年代には、LINEをはじめとするメッセージアプリが多くの人に利用されるようになり、その機能の一つとして利用者同士の無料の音声通話機能が提供されるようになりました。

現在は03plusのように、スマートフォンで「東京03」や「大阪06」など市外局番の付いた固定電話番号を利用できるアプリも増えています。まだまだ歴史と言うには短い期間ですが、これまで「IP電話」は時代に合わせた様々なかたちで提供されてきており、今後も進化していくものと考えられます。

「03」「06」など主要都市の市外局番に対応!

固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」 ▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」

IP電話の仕組み

IP電話は、インターネット回線を利用して音声通話を行うものです。より具体的には、各端末(電話機など)はインターネット回線を通じて、一般には「IP-PBX」や「SIPサーバー」と呼ばれるものに接続されます。音声はデジタル化され、「パケット」と呼ばれる単位に分割されて、通信が行われます。

「IP-PBX」は、PBX(電話交換システム)をIPに対応させたもので、「SIPサーバー」は「サーバー」にIP電話機能を追加したものです。

アナログ電話機を利用する場合は、VOIPゲートウェイと呼ばれる機器に接続して利用します。VOIPゲートウェイが音声のデジタル化や届いたパケットを音声に復号する処理などを行います。

パソコンソフトやアプリなどソフトウェアとして利用する場合は、ソフトウェアでデジタル化や復号を行うため、特別な機器は必要ありません。

「IP-PBX」を、インターネットに接続できれば、どこからでもサービスを利用することが可能なクラウドサービスとして提供しているものを、「クラウドPBX」と呼びます。

「クラウドPBX」でIP電話サービスを利用することで、単に音声通話を行う以外に、様々な機能を手軽に利用することができるようになり、ビジネスの分野で普及が加速してきています。

03plusもクラウドPBXを利用しているので、回線工事や設置工事などが不要で、内線通話、パーク保留、時間外アナウンス、インターネットFAXなど、様々な機能を利用することが可能となっています。

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固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」 ▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」

IP電話のメリット

【メリット①】コストを抑えて導入できる

従来の固定電話の場合、「設置負担金(加入権)」や「オフィスでの工事」など導入時に多くの手間や費用がかかります。また、運用時では通話料が割高になる傾向があります。アナログ回線は距離に応じて基地局を経由するため通話料が高くなる仕組みです。そのため、架電する相手が遠距離であればあるほど通話料が高くなってしまいます。

一方、IP電話の場合はインターネット環境さえあれば配線工事が不要で、固定電話機を設置する必要がなく手間がかかりません。また、設置負担金や工事費、固定電話の購入などの初期費用を抑えられます。通話料については、インターネット回線を利用して直接相手と通話できます。基地局を経由しないため全国一律料金であり、通話料金を安く抑えやすいのです。

【メリット②】インターネット環境さえがあればさまざまなデバイスで電話可能

これまで固定回線で使っていた電話機がそのまま使えるだけでなく、PCやスマートフォンなどのデバイスでも使うことができます。新しいデバイスを購入することなく環境を移行できるため、機器購入コストを抑えることができます。

【メリット③】人数の増減に対応しやすい

IP電話は使用する人数が増減する場合も、配線などの工事は必要ありません。管理画面等から申し込むことで、簡単に利用人数を変更することができます。
スマホでの利用もできるので、電話機の追加購入なども必要ありません。

【メリット④】複数の拠点を一括管理できる

IP電話による電話網を構築すれば、拠点が複数ある場合もひとつのサービスで企業全体の電話環境を管理できます。拠点ごとの電話サービス契約や工事、メンテナンスの必要がなくなるため、コストカットにつながります。
また、遠方の拠点同士であっても同一契約内であれば内線扱いとなるため、通話料をかけずに拠点同士での通話が可能です。

【メリット⑤】各種機能・サービスとの連携が可能

IP電話サービスを利用すると、固定電話にはなかったさまざまな機能も利用できるようになります。
例えば連絡先をクラウド上で一元管理できる「電話帳機能」は、同じ電話番号を使う社員間で自動的に連絡先情報が同期されるため、ビジネス利用においてとても便利な機能です。
その他にも、顧客情報を詳しく記録する機能、インターネットFAX機能などを搭載したIP電話サービスが存在します。

回線工事不要、プロパイダーフリー
フリーアドレス、テレワーク
スマホ内線化、BYOD

このほかにもIP電話にはさまざまなメリットがあります。

IP電話のデメリット

【デメリット①】通話品質が低下する可能性がある

IP電話サービスは数多く存在していて、中には通話品質が低いものもあるため注意が必要です。システム管理が適切でなかったりアプリの質が低かったりなど理由はさまざまです。このような質の低いサービスを選ばないためにも、事前に実績や口コミの確認を行いましょう。

また、IP電話はインターネット回線を使用するため、ネットワークの混雑状況や回線速度等の影響も受けてしまいます。ネット環境が不安定である場合はノイズやラグが発生する可能性があるため注意が必要です。社内ネットワークの環境を確認し、外出先で利用する際にはスマホキャリアの通信帯域を利用するなどして対処しましょう。

【デメリット②】停電時に利用できない

IP電話は停電時に利用できなくなる可能性が高いです。

停電が発生するとネットワーク接続機器が動作しなくなり、インターネット回線に接続できない状態となります。アナログ回線は停電時も利用できるため、固定電話(黒電話等のみ)の場合は一部通話を行うことも可能です。しかしインターネット回線を使用するIP電話の場合は通話が行えない状態となります。

ただし、IP電話端末としてスマホを使用している場合は通話できる可能性があります。各キャリアの基地局がダウンしていなければ電波を受信することができるためです。災害時に備え、IP電話端末はパソコンやSIPフォンだけでなく、スマホ端末も使えるようにしておきましょう。また、社内で災害や停電発生時にどのように対処すべきかをマニュアル化しておくと業務復旧もスムーズに行えるようになるので安心です。

【デメリット③】緊急電話等にかけることができない

IP電話は緊急電話等にかけることができません。IP電話はスマホ等で移動可能な端末を利用することからどのエリアから発信されたか特定しにくく、「110」「119」のような緊急通報を利用できないのです。

とはいえ緊急時に連絡ができないと困ってしまいます。最寄りの警察署や消防署などの直通番号を登録しておき、いつでも連絡できるようにしておくことをおすすめします。

【デメリット④】番号が変わる可能性がある

固定電話からIP電話へ乗り換える際に、電話番号が変わってしまう可能性があります。会社代表番号が変更となれば、会社ホームページや名刺の記載を変更しなければいけませんし、顧客へのお知らせも行う必要があります。それには多大な手間とコストがかかるため、できることなら避けたいものです。

たとえば03plusのようにIP電話サービスの中には番号ポータビリティに対応しているところもあります。条件さえ整っていれば既存の電話番号をそのまま引き継いで乗り換えることができますので、ぜひ番号ポータビリティ対応のサービスを選びましょう。

IP電話の通話品質

IP電話では、インターネットを通じて音声通話を行うので、通話の品質はインターネットの回線状況に左右されます。

高速な回線であれば、データの通信速度や処理速度も速いので、通話品質に影響はありません。しかし、低速な回線でインターネットの接続が途切れ途切れなっている場合、IP電話の音声も途切れ途切れになってしまいます。

また、ご存じの通り、インターネットは主にホームページの閲覧や動画の再生、メール送受信などに利用されています。IP電話では、これらの複数の通信の一つとして、音声通話を実現しているため、大量のファイルの送受信や高画質のストリーミング動画の再生などを行っている場合、通信領域が圧迫され、通話が不安定になる可能性があります。

無線LANや携帯キャリアの回線(3G/4G/5G)を利用している場合は、障害物や電波状況に左右されることもあります。無線LANで接続している場合は、他の電波に影響を受けて、通信が遮られたり、障害物の影響で電波が届かなくなったりすることがあります。

これらが原因で、IP電話の使用中に相手の声が聞こえなくなったり、音声が途切れてしまったりするなど、トラブルが発生する可能性があります。

便利なIP電話ですが、利用する際には、自分がIP電話を利用するインターネット環境が問題ないかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

「03」「06」など主要都市の市外局番に対応!

固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」 ▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」

IP電話で利用する回線と利用時の注意

IP電話は、インターネット回線を通じて利用するものです。現在広く利用されている主なインターネット回線には以下のような種類があります。それぞれIP電話で利用する際の注意点と合わせて説明します。

・ADSL
ADSLはAsymmetric Digital Subscriber Lineの略称で、メタルケーブル(従来の電話回線)を使用してインターネット通信する方式です。電話回線でデジタル化された電気信号を使って通信するため、NTTの基地局から距離的に離れるほど、通信スピードが遅くなるなどの影響が出てしまいます。ADSLの通信速度は、最大50Mbps程度です。距離の影響のほか、電話回線同士が近接した状態にある場合、ノイズを起こしやすい性質があり、これがインターネット通信の品質に影響を及ぼすことがあります。

IP電話で利用する場合、他の用途での通信が大量に発生した場合、回線が圧迫され、通話品質が低下することが考えられます。また、ルーターの設定などでIP電話の通信を許可する設定が必要になる場合もあります。

・光回線
光ファイバー(光回線)の中に光信号を通して高速通信を実現している方式です。ADSLのように距離はほぼなく、環境を問わずに高速通信が可能になっています。光回線の通信速度は、回線の種類にもよりますが、最大速度1Gbpsが主流となっています。

IP電話で利用する場合、直接LANケーブルで接続していれば、余程のことがなければ、通話品質が低下することはないものと考えられます。ただし、ルーターの設定などでIP電話の通信を許可する設定が必要になる場合があります。Wi-Fiアクセスポイントを設置して、スマートフォンやタブレットなど接続する場合は、Wi-Fiの電波状態などに注意する必要があります。また、プロバイダーが接続方式として、V6プラスを利用している場合、IP電話サービスによっては利用できないものもあるようですので、この点には注意が必要です。

・CATV
ケーブルテレビ回線は、同軸ケーブル(テレビ線)を利用したインターネット回線です。サービスにより、光ファイバーと組み合わせたものもあるようです。ADSLよりは、回線速度、安定性共に高いといわれています。

IP電話で利用する場合、光回線ほどではないかもしれませんが、直接LANケーブルで接続していれば、余程のことがない限り、通話品質が低下することはないものと考えられます。ただし、ルーターの設定などでIP電話の通信を許可する設定が必要になる場合があります。Wi-Fiアクセスポイントを設置して、スマートフォンやタブレットなど接続する場合は、Wi-Fiの電波状態などに注意する必要があります。

・モバイルWi-Fi
モバイルWi-Fiでは、インターネット接続するために持ち運び可能なモバイルWi-Fiルーターを利用します。ポケットに入るサイズのものが多いため、ポケットWi-Fiとも呼ばれます。携帯キャリアの回線などを利用しますので、通信の質は利用する環境の電波状況に依存します。回線工事が不要で、スマートフォンやタブレットなどの機器をWi-Fiで接続することで、電波が届く場所であればどこでもインターネット通信が利用できます。

IP電話で利用する場合、電波状況が悪いと通話品質に影響が生じます。また、接続した機器が一定時間通信を行わない場合などに自動でスリープしてしまうことがあるため、着信を待ち受けるような利用方法には不向きです。一定の通信量を超えると、速度制限がかかるプランなどの場合、速度制限時には、IP電話の品質が低下する恐れがあります。また、IP電話の通信を利用する場合、設定が必要になる機種もあるようなので、導入前に事前の確認が必要となります。

・ホームルーター
回線工事が不要で設置するだけでWi-Fi環境を作ることができるWi-Fiルーターです。 モバイルルーターと違って置き型なので、コンセントにつないで使います。モバイルWi-Fiに比べて同時接続台数が多いので、複数の端末をつなぎたい場合に便利です。モバイルWi-Fiと同様に、携帯キャリアの回線などを利用しますので、通信の質は利用する環境の電波状況に依存します。

IP電話で利用する場合、電波状況が悪いと通話品質に影響が生じます。一定の通信量を超えると、速度制限がかかるプランなどの場合、速度制限時には、IP電話の品質が低下する恐れがあります。また、そもそも仕組み上、IP電話の通信を利用できない機種もあるようなので、導入前に事前の確認が必要となります。

・フリーWi-Fi
公衆無線LANと呼ばれ、自治体や施設運営会社、コンビニエンスストアなどが提供している無料でWi-Fiを利用できるインターネット回線です。スマートフォンを利用している場合、電波が届く範囲(無線LANスポット)に入ると、SIM認証やアプリ利用で自動的に接続されるものあります。

IP電話で利用する場合、電波状況により、通話品質が低下することが考えられます。また、自動で接続されてしまう場合、音声の途切れや通話の切断などが発生してしまうこともあります。

サービスにより、そもそもIP電話の通信を許可していないものもあるので、注意が必要です。
サービスにもよりますが、フリーWi-FiでIP電話を利用することはあまりお勧めできません。

・移動通信回線(モバイル回線)
携帯キャリアが提供する、3G/4G/5Gなどと呼ばれる電波を利用したインターネット回線です。

モバイルWi-Fiと同様、IP電話で利用する場合、電波状況が悪いと通話品質に影響が生じます。また、一定の通信量を超えると、速度制限がかかるプランなどの場合、速度制限時には、IP電話の品質が低下する恐れがあります。ただし、スマートフォンアプリでIP電話を利用する場合、インターネット回線側について特別な設定を行うことなく利用できるのは便利です。

IP電話のアプリの種類

IP電話アプリには、050番号でのみ利用できるもの、東京03や大阪06といった市外局番の電話番号(0ABJ番号)が利用できるもの、電話番号を利用しないものの3つがあります。

1.050番号でのみ利用できるもの
050番号でのみ利用できるものスマートフォンアプリを利用して、050で始まる電話番号で発着信、通話を行うサービスです。比較的安価で利用可能であり、電話番号を無料で取得できるものもあります。個人向けの製品が多く、発信した場合の通話料を安く済ませたい場合などに広く利用されているようです。

2.0ABJ番号が利用できるもの
スマートフォンアプリを利用して、03や06など、0ABJの番号で始まる電話番号で発着信、通話を行うサービスです。0ABJの番号は、地域特性があり、社会的信用性も高いというイメージが広く根付いているため、ビジネス用途の利用に最適です。サービスの内容も、ビジネスに便利なものが多く、条件次第で、既存の電話番号を移転して利用することができるものもあります。03plusもこの種類のIP電話サービスとなります。

3.電話番号を利用しないもの
スマートフォンアプリで、電話番号を利用せずに、音声通話を行うサービスです。アプリに登録されたIDなどを利用してアプリの利用者同士の通話が可能です。具体的には、LINEやFacebookメッセンジャーなどが該当します。

おもなIP電話サービス

IP電話サービスはさまざまなベンダーが提供しています。以下で、主なIP電話サービスを紹介します。

  

① おうちのでんわ

【提供会社】
SoftBank

【機能・特徴】
おうちのでんわは、LTE回線を利用したIP固定電話サービスです。携帯と同じ4G回線を利用するため、プロバイダーと別途契約する必要はありません。さらに、電話番号や電話機を継続して利用できるというメリットがあります。また、おうちのでんわやSoftBank携帯を始め、特定の発信先への通話料が無料になります。

【プラン・料金】
月額550円から

② LINEの通話

【提供会社】
LINE株式会社

【機能・特徴】
スマホに導入することで、友達になっているユーザーとメッセージチャットを行えるアプリです。さらに、同一アプリ間であれば音声通話やビデオ通話も行えます。ただし、電話番号不要型のIP電話アプリであるため、他のアプリや電話番号宛への通話はできません。

【プラン・料金】
無料(課金要素あり)

③ 03plus

【提供会社】
株式会社グラントン

【機能・特徴】
「東京03」を始め全国主要46局の市外局番つき電話番号を取得可能。番号ポータビリティにも対応しているため既存の電話番号をそのまま引き継ぐことができます。1通話10分までなら無料になる「10分かけ放題」やクラウドで顧客情報を一元管理できる「Web電話帳」、大阪市でも導入実績のあるクラウド上でFAXの送受信を行える「クラウドFAX」などビジネスに役立つ機能があり、業務効率化やコスト削減を実現できます。

【プラン・料金】
1IDあたり月額980円

④ 050 plus

【提供会社】
NTTコミュニケーションズ株式会社

【機能・特徴】
スマホに導入することで通話ができるアプリサービスです。アプリ同士や「050」で始まる提携プロバイダーのIP電話と無料通話できるため、顧客がそれらを利用していれば、毎月の通話コストを抑えられます。海外からでも日本と同じ通話料でかけられます。また、留守番電話の通知がメールで届く機能もありビジネスで有用に活用できます。
ただし、新規受付については終了となっています。

【プラン・料金】
月額基本料330円

⑤ 楽天コミュニケーションズのIP電話サービス

【提供会社】
楽天コミュニケーションズ

【機能・特徴】
楽天コミュニケーションズのIP電話と電話網を活用し、インターネット回線を利用して通話を行うIP電話サービスです。050番号の他に、オプションにて「0120」「0800」の番号も利用できます。無料接続事業者対応のIP電話サービスの利用者間であれば、通話が無料になります。顧客が該当する場合は、通話料を抑えられます。

【プラン・料金】
月額基本料380円

⑥ ビジネスLaLa Call

【提供会社】
株式会社オプテージ

【機能・特徴】
同アプリかつ「050」番号同士であれば無料通話を行えます。内線はもちろん企業内チャットを行えるため社内コミュニケーションが活性化できます。リモートコントロールにてスマホ内の情報を削除することができるため、万が一スマホを紛失した際も情報漏洩の心配はありません。また、公私分計ができ、清算業務を簡略化できるため業務効率化も図れます。

【プラン・料金】
5番号まで通常タイプ 月額550円
5番号までセントレックスタイプ 月額2,750円

IP電話サービスの選び方

IP電話サービスは数多くあるため、どこを選ぶべきか迷うかもしれません。以下で、IP電話サービスの選び方を簡単に解説します。

必要な機能を洗い出す

自社の業務でどのような機能が必要なのかを考えましょう。業務に必要な機能が搭載されていなければ、IP電話サービスを使う意味が半減してしまうためです。

まずは、自社の電話業務において解決したい課題を洗い出しましょう。そして課題解決に必要な機能について検討し、どのIP電話サービスならば求めている機能があるかをチェックしていきます。

ベンダーごとに利用できる機能には違いがあり、同じような機能でも性能面で異なることもあります。じっくりと吟味していきましょう。

無料お試し期間や無料プランを活用する

気になるIP電話サービスがあれば、無料お試し期間や無料プランを活用して実際に試してみましょう。

IP電話サービスは実際に使ってみないと使用感や音声品質などが分かりません。たとえば、自社の年齢層が高い場合、あまり複雑な操作をするアプリだとスムーズにサービスを活用できません。実際に試してみれば、そうした問題があるかが分かります。

ベンダーにもよりますが、ほとんどのケースで無料お試しのようなプランが用意されていますので、ぜひ活用しましょう。

セキュリティ対策を確認する

ビジネス利用するのであれば、セキュリティ面もこだわるべきです。

IP電話アプリでは、各種データはベンダーが管理するサーバーに保管されています。たとえば、通話録音機能を利用している場合、そのサーバーに録音データが保存されているわけです。万が一サイバーテロなどにより録音データが流出してしまえば、自社の信用問題に関わることでしょう。そのため、IP電話サービスを選ぶ際には、セキュリティ面にしっかりこだわりましょう。

サポート体制を確認する

サポート体制も重要なポイントです。IP電話サービスは導入にそれほど手間はかからないものの、最初はやはり戸惑うものです。導入にあたって、担当者がしっかりサポートしてくれるかどうか必ず確認しましょう。

また、導入したら終わりではなく、導入後の運用についても丁寧にサポートしてくれるベンダーを選びましょう。電話は長く使うものですから、長く付き合っていく担当者の人柄も見ておくとよいでしょう。

料金を試算する

これまでのポイントをチェックしていくと、数多くあった候補の中から数社に絞り込まれるはずです。ここまでくると最終的には、IP電話の費用対効果が重要なポイントになります。

サービス内容と初期費用・月額費用を見て、より自社にとってメリットのあるところを選びましょう。

03plusについて

03plusは、プロバイダーフリーで利用することができ、IP電話アプリを使用して、050で始まる電話番号のほか、03や06といった市外局番を使用することができるIP電話サービスです。アプリ以外にも、専用のIP電話機や宅内機器を利用して複合機を接続する、といったことも可能です。

「03」「06」など主要都市の市外局番に対応!

固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」 ▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」
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