IP電話とは?固定電話との違いやメリット、おすすめサービスを紹介

背景

更新日: 2024年04月02日

ビジネスシーンにおいて、「コスト削減」や「DX化」は企業の課題となっています。無駄を省けば経営が安定しますし、業務が効率化すれば業績アップのチャンスが見えてくるためです。

実は近年、官公庁などでもコスト削減やDXを進めるためにさまざまな施策が行われています。例えば、大阪市ではIP電話の導入によるDX化でコスト削減とペーパーレス化を実現しました。

では、なぜIP電話で多くの企業が頭を抱える課題を解決できたのでしょうか。

今回はIP電話とは何か、固定電話との違いやメリット、そして大阪市でも導入された「03plus」について解説します。

IP電話とは?

IP電話とは「Internet Protocol(インターネット・プロトコル)」、つまりIPを利用した電話のことです。従来型の電話のように基地局を経由して声を届けるのではなく、音声をデジタル化してインターネット経由で相手に届けています。

従来の固定電話のようにアナログ回線を使う方法ではなくインターネット回線を使って通話を行うため、従来型の電話よりも通信コストが低いという特徴があります。また、遠方であっても音声品質は落ちにくく、料金も従来型より安価になります。ただし、料金については各事業者により異なりますので、利用の際は確認しましょう。

なお、2024年以降は従来の固定電話もIP電話網を使用した通話に移行されました。そのため通信コストや通話品質について、現在は大きな差はありません。

従来型の電話は「市外局番・市内局番・加入者番号」という構成ですが、IP電話は多くの場合、市外局番が「050」です。そのため、市外局番から発信地を特定されることがなく、プライバシー保護につながる側面はありますが、一方でビジネス利用においては、相手によっては信頼性の低い電話番号と見られてしまうこともあるでしょう。

IP電話の種類

IP電話にはいくつかの種類があります。

  • 0ABJ番号
  • 050番号

まず0ABJとは、03や06など市外局番で始まる固定電話番号です。「市外局番」ー「市内局番」ー「加入者番号」の形で構成されています。もともと0ABJ番号はNTTの加入電話やひかり電話などに向けて割り当てられていた番号で、IP電話や携帯電話のような地域が特定できないものには割り当てられていませんでした。最近になってIP電話にも割り当てられるように変わったため、IP電話でも「03」など市外局番が持てるようになりました。ちなみに0ABJ番号を扱うためには、総務省が設けた厳しい通話品質基準を満たす必要があります。つまり、IP電話の中で市外局番付きの電話番号を取得できるものは、高い通話品質で利用できるサービスであることを示しています。

続いて050番号ですが、こちらは050から始まる11桁の電話番号で、IP回線であることを示す「050」ー「事業者の識別番号」ー「加入者番号」の順になっています。こちらは市外局番など地域に関する情報は含んでおらず、前述の0ABJ番号に対応していないIP電話で採用されています。0ABJ型とは違って通話品質の厳しい条件はありませんので、インターネット環境によっては通話品質が下がる場合もあります。

電話番号の種類や特徴については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

「050」番号と「03」番号の違い

IP電話と固定電話の違い

IP電話と従来型の固定電話にはさまざまな違いがあります。具体的にどこが違うのか分かりやすく解説していきます。

固定電話とは

固定電話とは据え置き電話のことを指します。固定電話という言葉は、携帯電話の普及により対比として用いられるようになりました。

固定電話=アナログ回線と誤解されることもありますが、従来型のアナログ回線だけでなくインターネット回線を使った据え置き電話機も存在します。つまり、IP電話は固定電話に含まれる電話の種類のひとつということになります。

ここでは分かりやすいように固定電話(アナログ回線)とし、IP電話と別にして考えていきます。

費用の違い

固定電話(アナログ回線)とIP電話では導入費用と通話料金に大きな違いがあります。

まずは導入費用から見ていきましょう。固定電話は電話加入権を新規で購入した場合、導入費として3万5000円前後が必要です。さらに、基本料金として1,500円~3,000円前後かかります。一方でIP電話はインターネット回線がすでにある場合、導入にかかる費用は2,000円~3,000円程度となります(具体的には業者によって違いがあります)。また、基本料金も500円~1,000円程度です。導入にかかるコストはIP電話のほうが抑えられるでしょう。

また、通話料についても仕組みに違いがあります。固定電話(アナログ回線)の場合、各地の基地局を経由して通話を行うことになるため、距離が遠い相手との通話は品質が低下しやすく、にもかかわらず通話料金は高く設定されています。一方IP電話の場合は、音声がデジタル化されデータとしてインターネット回線を経由して届くため、距離が離れていたとしても品質の劣化が起きにくく、また、距離によって通話料金が上がると言ったこともありません。その結果、固定回線に比べると通話料金も抑えることができます。ただし、遠距離でも通話料が変わらないとはいえ、海外との通話の場合はサービスによって追加料金が発生するなど、国内通話とは料金体系が異なりますのでご注意ください。

さらに、IP電話の場合は「おなじプロバイダ」のもとでIP電話を契約している利用者同士の通話は、通話料無料となります。

回線の安定性の違い

アナログの固定電話はNTTが所有する音声通話用の回線を使用しています。そのため、通話品質が安定しています。また、電源を必要としない機器(黒電話など)であれば停電時にも使えるため、いつでも安定的に使える点がメリットです。

IP電話はインターネット回線を使用しているため、通話品質の安定性という面ではアナログの固定電話よりも劣ります。ただし、光ファイバーを用いたひかり電話は安定性が高くて速度も速いことからアナログ回線と同様に安定した利用が可能です。

また、前述の通り0ABJ番号を扱うことのできるIP電話は、総務省の設けた基準を満たしているため、品質がある程度保証されていることとなります。この点を踏まえると、安定性の観点ではIP電話が大きく劣っているわけではないというのが現状です。

通話できる番号の違い

IP電話は種類にもよりますが、フリーダイヤル(0120で始まる番号)や緊急通報電話の番号にかけることができない場合がほとんどです。例えば、IP電話から企業が提供するお客様用フリーダイヤルにかける場合、0120ではない番号にかけなくてはなりません。

また、緊急通報ができないため、緊急時にどうしても電話をかけなければいけない場合は、各地域の最寄りの警察署・消防署などの電話番号に直接かけるしかありません。IP電話を利用する場合は、もしものために事前に関連機関の番号を登録しておくとよいでしょう。

機能の違い

IP電話は固定電話とは異なり、PCなどのIT機器との連携が可能です。各種ツールとの連携は必要ですが、例えば着信時に相手の情報をPC画面上に表示したり、過去の通話履歴を簡単に見られるようにしたりといったことが可能です。

また、PCを使って通話内容を録音することもできるため、ビジネスにおける電話の利便性を高めることができるでしょう。

IP電話とインターネット電話の違い

IP電話とインターネット電話はどちらもインターネット回線を利用しています。しかしその中身を見てみると、両者はまったく別の電話サービスであることが分かります。IP電話とインターネット電話の違いについて解説します。

インターネット電話とは

インターネット電話とはインターネット回線の中でも「VoIP(Voice over IP ボイスオーバーアイピー)」を利用した電話です。音声をデジタル信号に変換してVoIPを通って相手方に届けています。

インターネット電話は電話番号を持たないことが特徴で、パソコン、タブレット、スマホなどの端末に導入したアプリを利用して音声通話を行います。基本の通話料は無料で、月々のインターネット接続料やアプリごとに必要な利用料金(無料もある)を支払うことで利用できます。コスト面からいえば、最も安価な電話といえるでしょう。

インターネット電話で代表的なものはLINE、Skype、Facebookなどです。その他SNSで提供されている音声通話もインターネット電話となります。

ネットワークの違い

IP電話もインターネット電話も大まかにいえばインターネット回線を利用しています。ただし、細かく見るとその回線の種類は異なっています。

インターネット電話は誰もが使える公衆回線を利用しています。前述のように無料通話を行うことができるため、低コストで利用可能ですが、通信回線の状況によっては品質が著しく低下します。安定性という面ではIP電話よりも見劣りすることでしょう。

一方、IP回線はプロバイダごとに所有している専用のIP電話回線を利用しています。電話専用の回線であるため、通話品質は公衆回線を利用しているインターネット電話よりも安定性が高く高品質です。

電話番号があるかどうか

公衆回線を利用しているインターネット電話には電話番号が存在しません。アプリごとに識別され、同じアプリ同士でしか通話できないのが普通です。そのため、インターネット電話は低コストで導入・通話できますが、会社の代表番号として利用することは難しく、ビジネス利用には不向きです。

一方、IP電話はアナログの固定電話と同様に電話番号があります。インターネット回線のように同一アプリでなければいけないといった制約もありません。そのため、IP電話は低コストでの導入・通話ができるうえに会社の代表番号としても利用できます。ビジネス利用するのであれば断然IP電話のほうが便利です。

IP電話を活用するメリットとは

IP電話はアナログ回線の固定電話とは異なりインターネット回線を利用した電話です。従来型の固定電話で問題となっていた導入・ランニングコストの削減、システム連携といったことも、IP電話であれば容易に行えます。

IP電話をビジネスで活用するメリットについてまとめましたのでご確認ください。

コストが抑えられる

IP電話はアナログ回線の固定電話と比べて導入コスト・通話料金を抑えることができる点がメリットです。
アナログ回線の固定電話では電話加入権の新規購入で3万5000円前後を必要としますが、IP電話ならば2,000~3,000円程度で導入費用を済ますことができます。
また、通話についてもアナログ回線では基本料金が1,500円~3,000円で遠方になればなるほど通話料金がかかります。一方、IP電話は基本料金が500円~1,000円程度で遠方であっても通話料金は一定です。

また、多くのIP電話サービスはスマートフォン向けにもアプリを提供しています。これを利用することで、外出中でもアプリから通話を行えばIP電話の通話料で発信ができるほか、スマホを内線として利用できるため社員同士の通話は無料で行えます。

従来、社外にいる社員のスマホへ固定電話への着信を転送すると、アナログ回線では転送料金が発生していました。このコストは転送の頻度次第で高額になりますが、IP電話ではスマートフォンも内線の一部として利用できるため、転送が不要となり転送料金がかかりません。

このように、IP電話はアナログ回線では実現できない電話料金の低コスト化を実現できます。ビジネスにおいて無駄なコストを削減できることは大きなメリットとなるでしょう。

番号・回線を簡単に追加できる

IP電話ならば、番号や回線の追加・削除を簡単に行えます。IP電話はアナログ回線と違いインターネット回線を利用しているため、番号の追加・削除を行う際も回線工事が不要なことから生まれるメリットです。

アナログ回線の固定電話では番号や回線を増やすためには電話加入権の追加購入や設備工事といった手間・費用が必要です。しかし、IP電話は社内のインターネット回線の許容範囲内であれば、追加工事不要で番号・回線の追加を行えます。もちろん、番号を削除したい場合も大掛かりな工事をすることがなく、時間を短縮できます。

これは例えば、事業拡大により外部からの問い合わせへスムーズに対応したい場合でも、番号・回線を速やかに追加できることを意味しています。ビジネスチャンスを逃さず、業務拡大をスムーズに行えることはIP回線の大きなメリットといえるでしょう。

システム連携が容易

IP電話はインターネット回線を使用しているため、業務に必要となるシステムやアプリとスムーズに連携できるのがメリットです。

例えば、電話帳のWeb一括管理や通話の録音および保存などのシステムと簡単に連携できます。管理している電話番号や録音データはクラウド上で管理でき、いつでも閲覧できますし、IP電話使用時にも簡単にアクセス可能です。

また、クラウド型のシステムであれば、連携をするために物理的な工事や配線作業などは行う必要がありません。工事にかかる手間や費用がなく、スムーズに導入・連携できるのもIP電話の強みです。

PCやスマートフォンで利用できる

IP電話はPCやスマートフォンでも使えるというメリットがあります。インターネット回線を利用しているため、音声を入出力できる端末さえあれば基本的には通話可能です。

例えばスマートフォンでIP電話を利用する場合、専用のアプリケーションをインストールすることで利用できます。利用手順や条件などは提供業者によって異なりますが、導入すること自体はそれほど難しくありません。

また、ブラウザを利用してアプリケーションを導入することなく通話できるIP電話サービスもあります。導入の手間すらなく、使いたいときにすぐ使えるため便利です。

複数の拠点の電話網を一括管理できる

自社の電話網をIP電話にまとめることで、拠点を複数持っていても電話に関する管理をひとつにまとめることができます。

これにより、電話回線の導入や保守業務を拠点ごとで行う必要がなくなるため、設備管理のシンプル化や業務の効率化につながります。

IP電話を使うなら「03plus」

「03plus」は大阪市でも導入され、コスト削減に大いに貢献しているIP電話です。主要46種類の市外局番を取得できるため、「050」番号にはない社会的信頼性を持っている点が大きな特徴となります。

「03plus」とはどのようなIP電話サービスなのか、特徴や導入をおすすめする理由を紹介します。

03plusとは

「03plus」はアプリを導入すれば、スマートフォンで気軽にIP電話を利用できるサービスです。電話番号は登録住所の市外局番を利用でき、外出先でも端末さえあれば固定番号を持ち歩くことができます。もちろん社会的信頼性の高い市外局番入りの固定電話番号であるため、名刺やホームページの代表番号としても使いやすい点が特徴です。

また、「03plus」はクラウドサービスでありWeb電話帳や時間外の自動応答、クラウドFAXなど便利なツールとして利用できます。

実際に、「03plus」は大阪市でインターネットFAXとして導入され、コスト削減やペーパーレス化、業務上の手間を削減するなどに大きく貢献しています。

03plusがおすすめの理由

「03plus」はIP電話の持つメリットを最大限に活かすことができるサービスです。

「03plus」の最も大きな特徴は、主要46の市外局番を選択できるという点です。東京03を始め北は札幌、南は福岡、大阪・京都・広島など幅広い地域の市外局番を使用できます。申し込みした住所の市外局番が割り当てられるため、例えば横浜で申し込めば、「045」を使用でき、提供エリア外は「050」となります。ただし、「サービス付きシェアオフィスオプション」に加入することで、全国どこでも東京「03」を取得可能です。

「03plus」の導入はとても簡単で、申し込み後にアプリを導入して本人確認すればすぐに固定電話番号をスマートフォンで利用できます。本人確認はアプリにてオンラインで完結できるためスムーズです。

また、「03plus」は複数人で電話番号を共有できます。電話機またはアプリごとにIDが付帯され、社員それぞれが持ち歩くことも可能です。また、電話番号の追加も容易に行えます。

さらに、大阪市での導入事例のようにクラウドFAXを利用することもできます。ペーパーレスやコスト削減を達成でき、ビジネスの最先端を走るためには、もはや必須の機能といえるでしょう。

まとめ

IP電話はアナログ回線の固定電話と異なりインターネット回線を利用するため、さまざまなメリットを持っています。導入・ランニングコストの削減はもちろん、システム連携が容易であるため、DX化を目指す企業にとっても導入検討すべきものです。

もちろんメリットだけでなく、安定性の低さへの懸念や一部IP電話は市外局番が「050」になる、一部番号にかけられないといったデメリットもあるため、理解したうえで最適なサービスを選ぶことが重要です。

「03plus」はスマートフォンアプリにより簡単に導入できるIP電話です。主要46の市外局番を取得でき、信頼性の高い電話番号を使えるのが大きな特徴です。移動中でも簡単に利用でき、大阪市でも導入事例のあるクラウドFAXなど、「03plus」はDX化の推進にも役立ちます。

業務上の手間やコスト削減、DX化を進めていきたい企業の方はぜひ導入をご検討ください。

固定電話がスマホで使える。IP電話なら03plus

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