IP電話といえば050?03や06などの固定電話番号が使えるIP電話サービスを紹介
更新日: 2024年09月06日
IP電話といえば、「050」から始まる番号をイメージする方がほとんどです。しかし実は、東京「03」や大阪「06」のように市外局番から始まる固定電話番号を使えるIP電話サービスも存在しています。
「050って怪しいのでは?」「IP電話の通話品質は大丈夫?」「IP電話は安いって本当?」
と、IP電話について導入にあたって気になるポイントがある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、IP電話の特徴やメリット、信頼性やビジネス利用での優位性、おすすめのIP電話サービスについて解説していきます。
IP電話とは
IP電話とはインターネット・プロトコル(Internet Protocol)を利用した電話サービスです。VoIP(ブイオーアイピー)という音声用のインターネット回線を利用して通話を行っています。
従来型のアナログ回線電話はNTTの回線を使用して基地局を経由し、相手方に声を届けていました。IP電話ではインターネット回線を使用して音声を送り、通話を可能にしています。
また、IP電話は固定電話だけでなく、スマートフォンで外出先からでも利用できます。
なお、2024年以降は従来の固定電話も、アナログ回線からIP電話網を使用した通話に移行しました。
そのため固定回線についてもインターネットを使って音声を送るIP電話と同じ仕組みを使っています。
IP電話の仕組み
IP電話はインターネット回線を利用して通話を行います。簡単に説明すると、音声がデジタルデータ化され、インターネット回線を通って相手方に届き、データを基にアナログ音声として再構築して通話を可能にしています。つまり、声をデータ化して相手に送って通話をしているということです。
さらに詳しく解説しますと、IP電話ではVoIPという装置を通り音声がデジタル化=音声パケットが作成されます。音声パケットがVoIPから送信されインターネット回線を通じて相手方のVoIPに届き、音声パケットから音声を再現して通話を実現しています。
アナログ回線との違い
アナログ回線の固定電話は電話機につながった電話線が電話局とつながり、さらにそこから電話線によって相手方の電話機につながっています。つまり電話機同士が基地局を介して物理的につながっている状態ということです。そして、中継地点にある電話局の交換機が相手方との通話を実現しています。
アナログ回線はこのような仕組みであるため、遠方になればなるほど中継地点が増えることとなり、結果的に通話料金も高くなります。
一方、IP電話では遠方であっても通話料は一定です。インターネット回線を利用するIP電話とはこの点が大きく異なる点となります。
さらに、動画の送信も行えるため、テレビ電話として使える点も従来のアナログ回線電話とは異なります。
IP電話の主なメリットとは?
IP電話には以下のようなメリットがあります。
- 他システムと連携しやすい
- アナログ回線より基本料・通話料が割安
- IP電話同士なら通話料無料
- 柔軟で効果的な運用ができる
IP電話はインターネット回線を使用して通話できます。そのため、さまざまなITシステムと連携しやすいのが大きなメリットです。例えばコールセンターならばCTIやCRMなどと連携して、電話業務の効率を高められます。このようなことから、IP電話は固定電話と違ってDX化を図りやすいといえます。
電話回線に比べると基本料金や通話料金が割安な傾向にあるのもIP電話のメリットです。固定電話も2024年からIP網に移行したことから、アナログ回線時代よりも通話料はお得になっています。それでも、固定電話よりも通話料金が安く設定されているサービスは少なくありません。そのため、外線通話でもIP電話の方がコストを抑えやすいでしょう。
また、IP電話同士であれば通話料は無料です。例えば、全国に複数の拠点を持っている企業であれば、IP電話の導入がお得になります。固定電話だと拠点間の通話は外線で行いますが、同一のIP電話でつながっている拠点同士ならば無料で通話できるためです。拠点間の情報共有もコストを抑えて活発化できることでしょう。
さらに、IP電話は柔軟で効果的に運用できるというメリットもあります。IP電話はサービスによってさまざまな機能を利用でき、自社の業務にあわせてカスタマイズできます。そのため、業務効率アップや社員の負担軽減などのニーズにあわせて柔軟に利用できます。回線の追加や削除もスムーズに行えます。そのため、キャンペーンなどで短期的に入電が集中することが予想されるケースでも、社員の増減や業務上必要なタイミングで柔軟に対応可能です。
IP電話には紹介した以外にもさまざまなメリットがあります。さらに詳しいIP電話のメリットについては、こちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
IP電話とは?固定電話との違いやメリット、おすすめサービスを紹介IP電話と固定電話の違い
これまで解説してきたIP電話についての情報を踏まえ、固定電話との違いについて解説していきます。
使用できる電話番号
IP電話と固定電話では使用できる電話番号に違いがあります。
固定電話の電話番号は、「03」「06」などの市外局番から始まる10桁の番号です。「市外局番-市内局番-利用者番号」という形で構成されています。こうした構成であることから、受信した側は「03」であれば「東京からの着信だな」と理解できます。そのため、受信側にとっては安心感が生まれやすく、固定電話番号を使用している企業はある程度信頼されやすい傾向にあります。
IP電話で使われる電話番号の代表は「050」です。この番号はIP電話に割り当てられる番号であるため、受信側は「IP電話だな」と判断できます。ただ、市外局番付き電話番号と比べると信頼性が低い傾向にあります。そのため、サービスによっては固定電話のように市外局番から始まる電話番号を取得できるものもあります。会社としての信頼性を高めたいケースでは、IP電話であってもそちらを選択することをおすすめします。
使用できる端末
IP電話と固定電話では使用できる端末にも違いがあります。
固定電話はその名の通り、電話回線につながった固定電話機でなければ使用できません。例えば、オンプレミス型のPBXをオフィスに設置している場合は、PBX機器に対応した固定電話機を使用しなければならないことがほとんどです。そのため、電話機の選択肢は限られています。
一方、IP電話はインターネット回線を使って通話を行います。そのため、インターネット接続できるスマホ・PC・タブレットなどさまざまな端末で利用できます。例えば、スマホを使って外出先からいつでも発着信できます。パソコンから発信して通話しながら必要な情報を検索できますので、コールセンターでも利用可能です。インターネット回線がさまざまな端末から利用できるため、リモートワークの推進にも役立ちます。
国内通話と国際通話の料金差
IP電話と固定電話では、国内通話や国際通話の料金に差があります。
固定電話は、アナログ回線時代は距離に応じて通話料金が変動していました。現在はIP網に切り替わりましたので、全国一律料金です。しかし、海外へ通話する場合は国内通話よりも割高な国際通話料金がかかります。
一方、IP電話はインターネット回線によって通話を行うため、全国どこであっても通話料は一律です。固定電話よりも通話料金が安く設定されているサービスも少なくないため、お得に利用しやすいでしょう。国際通話については利用できるベンダーと利用できないベンダーがあります。利用可能である場合は、インターネット回線を使用することから比較的リーズナブルな料金になることがほとんどです。また、同一サービス同士であれば通話料無料というIP電話の特徴を活用すれば、離れた拠点間や海外出張している社員との国際通話を無料で行えることもあります。
契約申し込みから利用開始までの時間
申し込みから利用スタートまでの時間にも違いがあります。
固定電話は固定電話機やPBX機器の購入、その設置や配線工事が必要です。購入した機材が届くまでに時間がかかりますし、工事業者の都合によっては数週間待つこともあります。そのため、固定電話は契約してもすぐに利用できません。
一方、IP電話は契約後すぐに利用スタートできます。IP電話は機材を購入する必要がなく、スマホやPCなどのいつも使っている端末にアプリをインストールすれば使えます。工事も不要なので契約完了すればすぐに通話を行えるのです。
IP電話は「電話番号なし」と「電話番号あり」に分かれる
IP電話はインターネット回線を利用した音声通話サービスです。実は大きく分けて、電話番号なしと電話番号ありが存在しています。それぞれどのようなサービスなのか詳しく紹介します。
電話番号のないIP電話とは?
特定の電話番号を取得しなくても通話できるものを、電話番号不要型のIP電話といいます。例えば、LINEやSkypeといったサービスは電話番号が割り当てられておらず、IDによって識別して相互通話を可能にしています。
使われている技術はIP電話であるためVoIPであり、通話料金は同一サービス同士であれば基本的に無料です。ただし月額のインターネット回線使用料はかかりますし、スマートフォンであれば通信量に応じた使用料が必要です。
電話番号のあるIP電話とは?
さまざまな種類がありLINEなど電話番号不要型も存在するIP電話ですが、電話番号を取得できるIP電話も2種類存在しています。一つは品質が高い「0AB-J型」、もう一つはスマートフォンでも導入できる「050型」です。
それぞれ具体的にどのような特徴を持つのか見ていきましょう。
0AB-J型
「0AB-J型」とは電話番号の形式の一つで、「0」から始まる10桁の番号が割り当てられます。日本国内では一般のアナログ回線電話もこの形式を使用しています。例えば東京「03」、大阪「06」のように地域と紐付けられた市外局番が先頭にくる点が特徴です。
0AB-J型はひかり電話などのIP電話で使われており、通話品質はアナログ回線と同等の安定性が求められています。ネットワーク品質・安定品質・接続品質・総合品質の4項目で規定があるため、遅延や雑音が少ないことがメリットです。
また、アナログ回線で使用されていた形式であることから、アナログ回線の電話加入権を持っている場合は引き続き同一の番号を使用できます。
050型
「050」はその名の通り、050から始まる11桁の電話番号が割り当てられます。スマートフォン等で利用できる点が最大の特徴であり、その利便性や手軽さがメリットとなっています。
一方で、「0AB-J型」のように通話品質に規定はなく、インターネット回線の環境によっては遅延や雑音が多く、やや使い難い側面があります。
また、「050」はフリーダイヤルにかけることができず、地域と紐付いていないため緊急通報にも使用できません。もし緊急通報をする場合は地元の警察署・消防署の電話番号を直接入力することになります。
さらに、「050」は「03」などの市外局番(地域番号)に比べると社会的な信用度は低く見られる傾向にあります。スマートフォンで気軽に利用できるため、しつこい営業電話用として利用されやすいためです。
ちなみに、「050型」は地域と紐付いていない代わりにプロバイダーごとに電話番号が指定されています。そのため、プロバイダーを変更する際に電話番号を持ち越すことはできず、変更しなければなりません。
0AB-J型と050型の違い
「0AB-J型」と「050型」にはさまざまな違いがありますが、特に「IP電話への乗り換えやすさ」「通話品質」には決定的な違いがあります。
乗り換えやすさという点で見てみると、「0AB-J型」のほうが圧倒的に有利です。というのも、加入電話として使っている番号をそのまま引き継ぐことができるためです。つまり電話番号の変更なくIP電話へ乗り換えることができるため、取引先への周知などの手間がなくなります。「050型」はプロバイダーを変更するたびに電話番号が変わるため取引先への周知、ホームページや名刺の修正などが発生して手間となります。
通話品質においても「0AB-J型」は「050型」よりも優位です。IP電話は通話品質ごとに、「Aクラス(固定電話同等レベル)」「Bクラス(携帯電話レベル)」「Cクラス(携帯電話以下のレベル)」の3段階あります。「0AB-J型」は厳しい4つの品質規定を満たす必要があり、その結果としてAクラスの通話品質になっています。
一方で「050型」は品質規定がなく、Cクラスでも問題なくサービスを提供できます。つまり、プロバイダーによっては低品質なIP電話サービスを提供している可能性があるわけです。
電話番号の種類や特徴については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
引っ越したときに番号は変わる?
「050型」は引っ越しをしたとしても番号が変わることはありません。地域と番号が紐付いているわけではないためです。その代わりプロバイダーを変更する場合は電話番号も変わります。つまり、引っ越しによりプロバイダーを変更せざるを得ない、という場合に限り引っ越し要因での変更は起こり得るということになります。
「0AB-J型」は引っ越しをすると番号が変更されます。これは利用者の住む地域と紐付いた番号であるためです。しかし番号ポータビリティを利用すれば、引っ越ししても番号の変更をしないで済みます。「0AB-J型」は加入電話で取得した電話番号を移転することが可能であり、この性質を利用することで番号変更なしを実現できるのです。
例えば、主要46の市外局番を取得できるIP電話「03plus」も引っ越し後に番号を変えずに済むサービスです。
ビジネスで使いやすいのはどっち?
ビジネスにおいて圧倒的に使いやすいのは「0AB-J型」です。ビジネスにおいて大切な「信頼性」が「0AB-J型」のほうが「050型」よりも高いためです。
確かに近年は「050型」も浸透してきました。スマートフォンでも利用できる点や引っ越しをしても番号を変えずに済むといった利便性が主な理由です。
しかし、気軽に利用できる「050型」のメリットは信頼を損ねるデメリットにもなっています。例えば、「050」発信でしつこい営業電話などがかかってくるケースはIP電話普及後に増えてきました。そのイメージもあってか、高齢者を中心に「050」は信頼されにくい傾向にあります。
一方で「0AB-J型」は、東京「03」などの市外局番(地域番号)を利用できます。地域と紐付いている市外局番は社会的信頼性も高く、名刺やホームページに掲載する代表番号としてもうってつけです。新規開拓はもちろん継続した取引でもその信頼は武器になることでしょう。
また、050番号の場合は利用するIP電話サービスを変更する場合は番号が変わってしまいます。これは電話番号の中に電話サービス提供会社の識別番号が含まれているためです。電話番号の変更は取引先などへ通知しなければならず、手間がかかります。
一方0AB-J型の電話番号を使う場合、後述の番号ポータビリティによって別のサービスへ移行する場合も電話番号を換えずに済むため、サービスの乗り換え時もしやすいというメリットがあります。
一部サービスは番号ポータビリティも可能
すでに固定電話の番号を持っている場合でも、別のIP電話事業者へ番号移転(番号ポータビリティ)することが可能です。
コスト削減や利便性を求めてIP電話に移行したいものの、すでに固定電話番号を持っていて「番号を変えたくない」という事業者の方もいらっしゃることでしょう。実は一部サービスを利用すれば条件次第で固定番号ポータビリティを可能にすることができます。例えば、NTT東日本・西日本の一般加入電話である場合、東京03エリア内に電話局が一つしかないIP電話サービスへの乗り換えであれば番号を変えることなく移転可能です。
もちろん、「03plus」であれば、既存の固定電話番号を移転することも可能ですのでお問い合わせください。
固定電話と比べたときのIP電話のデメリット
IP電話にはさまざまなメリットがありますが、固定電話と比べた場合、以下の点がデメリットといえます。
- インターネット環境が必須である
- かけられない電話番号がある
IP電話はインターネット回線を使用して通話を行います。その仕組み上、インターネット環境がなければ利用できません。インターネット環境があるオフィスであっても、Wi-Fiの電波が届きにくい場所では通話が途切れたり雑音が入ったりなどの問題が生じることもあります。そのため、IP電話を利用する際はインターネット環境を確認することが大切です。
また、IP電話は「110」や「119」などの緊急通報にかけることができません。これは、IP電話の電話番号に位置情報が含まれないためです。緊急通報をする場合は、個人のスマホや固定電話機を用いるようにしましょう。IP電話で通報したい場合は、最寄りの警察署・消防署へ直接電話をかけてください。
固定電話番号がスマホで使えるおすすめIP電話サービス
「050」番号は気軽に利用できるものの信頼性が低く通信品質も低いことが大きなデメリットです。ビジネスで利用するならばやはり固定電話番号が使えるIP電話の導入を検討すべきでしょう。
ここではスマホで固定電話番号を使えるIP電話サービスを2つ紹介します。
03plus
「03plus」はスマートフォンで気軽に利用できるIP電話アプリです。主要46の市外局番(地域番号)を取得でき、「サービス付きシェアオフィスオプション」を利用すれば全国どこの住所でも「東京03」を取得できます。IP電話であっても050ではなく信頼性の高い市外局番を使えるため、ビジネスシーンでも有利に活用できるのが特徴です。
また、「03plus」は年払いならば初期費用0円、月額980円と低コストで導入・利用できます。社員が増えてもアプリをインストールすれば、代表番号をすぐにスマートフォンで利用できるため番号追加などの手間やコストもかかりません。もちろんスマートフォンの2台持ちのようなムダもなくなりますので、コスト削減を目指す企業に「03plus」はうってつけです。
さらにシステム連携も容易で、時間外自動応答やWeb電話帳、大阪市でも導入事例があるクラウドFAXなど機能も充実しています。
CITVPlus
「CITVPlus」はご家庭での利用に適しているIP電話アプリです。
アナログ回線の加入電話やひかり電話といったIP電話サービスよりも安い月額980円で利用でき、通話料も固定電話宛8円/3分とリーズナブルであることが特徴です。一般加入電話(携帯電話と併用)と比較した場合、年間で1万5000円以上削減可能となります。
もちろん固定電話機は不要で、スマートフォンにそのまま固定電話番号を入れることができます。一つの番号を5人で利用でき内線は無料であるため、例えばお子様の連絡網用として、外出中でも利用できる固定電話番号として、などさまざまな使い方ができます。
もちろん、固定電話番号なので公的な手続きに記載する電話番号としても信頼性が高く安心してお使いいただけます。他にもIP電話なのにフリーダイヤルにかけられるなどのメリットがありますので、ぜひご家庭での利用をご検討ください。
まとめ
IP電話といえば「050」というイメージが大きいですが、実は東京「03」や大阪「06」のような市外局番も取得して利用できます。今回紹介したように「050型」と「0AB-J型」の違いによるところです。
どちらにもメリットはあるものの、ビジネス利用という視点で考えた場合は社会的信頼性という点において「0AB-J型」のほうが有用であることは間違いありません。
もちろん「050型」には引っ越ししても電話番号が変わらないという強みがあります。しかし「0AB-J型」でも番号ポータビリティを利用すれば、引っ越し後もそのまま同じ番号を利用可能です。
「03plus」であれば主要46の市外局番(地域番号)を取得できるため、ビジネスにおける信頼性を確保できます。「サービス付きシェアオフィスオプション」を利用すれば、全国どこでも「03」を使うことができるため、ビジネスで大いに役立つことでしょう。
また、「03plus」は月額980円と低コスト・スマートフォン認証で導入がスムーズ・システム連携をしやすいといった特徴を持ちます。ビジネスを促進したいとお考えの方はぜひご検討ください。

こちらの記事も読まれています

IP電話とは?固定電話との違いやメリット、おすすめサービスを紹介

IP電話といえば050?03や06などの固定電話番号が使えるIP電話サービスを紹介

IP電話アプリとは?利用メリットと選び方を徹底解説