電話回線の種類とそれぞれの特徴まとめ|自社に適した回線の選び方も

背景

仕事で電話を利用するものの「自社で使っている電話回線の種類は?」と聞かれると、一瞬戸惑う方も多いのではないでしょうか。実は電話回線にはいくつか種類があります。「種類ごとにどんな特徴がある?」「自社に適している電話回線はどれ?」と疑問を持つ方もいることでしょう。

今回は、電話回線の種類とそれぞれの特徴・費用、自社に適した回線の選び方について解説します。

電話回線とは

電話回線とは、電話機と電話交換機を接続するための伝送路です。電話機によって受け取った音声は、電話回線によって電話交換機へ送られ、さらに電話回線によって相手の電話機に届きます。糸電話の糸の部分をイメージすると分かりやすいかもしれません。

電話回線にはさまざまな種類があります。詳しくは後述しますが、最も古いのがアナログ回線です。その後、多くのデータを送れるデジタル回線が登場し、さらに多くのデータを送信できるIP電話回線、光回線が登場します。

電話回線の種類とそれぞれの特徴

電話回線には、アナログ回線・デジタル回線(ISDN回線)・IP電話回線・光回線といった種類があります。以下で、それぞれの電話回線の特徴について解説します。

アナログ回線

アナログ回線は最も古くから使われている電話回線です。回線には銅線が使われていて、アナログ信号によって音声やデータの送受信を行います。1回線で1着信であることから、一般家庭で多く使われている回線です。通話料金は通話する相手との距離が遠くなればなるほど高くなるのが特徴です。距離が遠くなるほど経由する基地局が遠くなることがその理由です。

また、アナログ回線はさらに「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」に分類できます。通話料金は同じですが、それ以外の異なる特徴があります。それぞれの特徴を以下で解説します。

ダイヤル回線

黒電話のようにダイヤルを回して電話をかける機種で使われているのがダイヤル回線です。受話器を上げたときにスイッチが入り、ダイヤルを回した数字が発するダイヤルパルス信号によって発信を行います。ダイヤルを回したときに「ジジー」と音がします。ボタン式の電話機であっても、そのような音がする場合はダイヤル回線です。

プッシュ回線

プッシュ回線とは、ボタンを押すことで電話をかける電話機で使用されている回線です。ボタンは数字ごとにそれぞれ異なる周波数の音(プッシュボタン信号)が設定されています。ボタンを押すことで電話交換機がその信号を読み取り、発信するという仕組みです。プッシュ回線はダイヤル回線とは違い「ピポパ」という電子的な音がします。

前述の通り、ダイヤル回線・プッシュ回線どちらも通話料金は変わりません。しかし、プッシュ回線のほうが相手に早くつながります。また、自動音声応答はプッシュ回線によるプッシュボタン信号でないと反応しません。そういったいくつかのメリットがあることから、アナログ回線ではプッシュ回線を利用することがほとんどです。

デジタル回線(ISDN回線)

デジタル回線はISDN回線とも呼ばれる回線で、アナログ回線と同じく銅線を使用します。既存のアナログ回線をそのまま利用できるため、電話回線をすでに契約している場合は改めて工事する必要がなく、初期費用を抑えられます。電話番号も、「03」などの市外局番をそのまま利用可能です。その代わり、アナログ回線よりも音声がクリアに聞こえるという特徴があります。

こうした多くのメリットを持ちますが、ISDN回線は、1回線で利用できるのが2回線までとなっています。通話料はアナログ回線と同じですが、回線利用料がアナログ回線と比べて割高です。また、ISDN回線のディジタル通信モードは2024年1月に新規サービスが終了となります。そのままでも音声通話は使えますが、ディジタル通信モードを利用した機器での不具合が予想されています。

IP電話

IP電話とは、ADSLや光ファイバーなどによるインターネット通信を用いるサービスのことです。IP電話の回線はISDNよりもさらに多くのデータ通信を行えます。

料金面で見ると、アナログ回線よりも月額基本料金が安くなる傾向にあります。通話料金については、通話する相手との距離に関係なく一律料金です。そのため、全体的な通話料がアナログ回線と比べて安くなる傾向にあります。携帯電話への発信や国際電話も、アナログ回線より安くなります。また、プロバイダによっては、同一プロバイダ同士の通話であれば通話料が無料になることが多く、通話料の面ではかなりお得感があるといえるでしょう。

ただし、IP電話の電話は一般的に電話番号が市外局番付きではなく、「050」になることがほとんどです。050番号は市外局番付き電話番号と比べて社会的信用を得にくく、ビジネスで利用する場合は注意が必要です。もしIP電話へ移行して、それまで市外局番付き電話番号を使っていた場合は、ホームページや名刺の記載を変更し、顧客へ050番号に変更になったことを周知する手間がかかります。

また、「110」などの緊急通報番号や「0120」などの特殊番号への発信が利用できなくなるのも、IP電話のデメリットです。

なお「03plus」を始めとするIP電話サービスであれば、「03」などの市外局番付き電話番号を取得でき、IP電話移行後も既存の市外局番付き電話番号をそのまま使えるように手続きできる可能性があります。ビジネス利用する場合は、そうしたIP電話サービスを選ぶのがおすすめです。

光回線

光回線とは、光ファイバーのインターネット通信を利用するサービスのことです。インターネット回線を利用するという点ではIP電話と同じで、光回線はIP電話の一種といえます。光回線とIP電話との大きな違いは、光ファイバーを所有する回線事業者が提供するサービスであるという点です。また、IP電話はIPパケットという信号で通信を行いますが、光回線は電気信号を光信号に変換してから光ファイバーでデータを送信します。そのため、同じIP電話ではありますが、仕組みが大きく異なります。

光回線は、ガラスまたは樹脂素材の光ファイバーの中を光信号が反射することでデータを送信します。そのため通信速度が速く、大容量データを送信できるのが特徴です。また、通信速度が安定していることから、通話音声がクリアになります。

さらに、IP電話の一種であることから、月額基本料金がアナログ回線と比べて安く、通話料金も距離に関わらず全国一律です。もちろん、携帯電話への発信や国際電話の通話料金も、アナログ回線よりもリーズナブルになります。

取得できる電話番号は「03」などの市外局番付き電話番号です。アナログ回線で使用していた既存の電話番号もそのまま引き継ぐことができます。

数多くのメリットがありますが、いくつかデメリットもあります。光回線は回線契約とは別に、プロバイダへの加入が必要です。また、光ファイバーが建物まで引かれていない場合、新規申込時に別途費用がかかります。新しく建築されたオフィスビルなどであれば、光ファイバーが引かれていることが多くほぼ問題ありませんが、古い建物の場合は引かれていない可能性があるため注意が必要です。

電話回線ごとの利用可能な電話サービスと費用相場

電話回線ごとにさまざまな事業者でサービスを提供しています。例えば、アナログ回線や光回線というとNTTのイメージが強いですが、実はその他にもサービス提供事業者がいくつかあります。以下では、それぞれの電話回線ごとの利用可能な電話サービスや費用相場について解説します。

・アナログ回線

アナログ回線を提供しているのは、NTTおよびソフトバンクのみです。かつては他にも存在しましたが現在は新規受付を停止しています。ソフトバンクについても、過去には一般向けサービスがありましたが、現在は法人向けサービスのみです。

費用については、NTTを例にすると以下の通りです。

  • 基本料金:2,640円(事務用1級局の場合)
  • 通話料金:一般電話8~80円/3分(距離により変動)、携帯電話20~40円/1分
  • 初期費用:設置負担金39,600円、契約料880円

・デジタル回線

ISDN回線は2024年1月から段階的にディジタル通信モードがサービス終了になります。ですが、通話モードについてはこれまで通り利用でき、新規受付もしています。デジタル回線を提供しているのはNTTやソフトバンクです。費用についてはNTTを例にして以下に記載します。

  • 基本料金:3,530円
  • 通話料金:一般電話8円〜80円/3分 携帯電話20〜40円/1分
  • 初期費用:新規であれば設置負担金39,600円、契約料880円、アナログ回線からの切り替えであれば、契約料800円+工事費2,000円

上記は「INSネット64(事務用)」の費用です。「INSネット64ライト(事務用)」であれば、月額料金が250円高くなる代わりに、設置負担金を支払わずに済みます。そのため、初期費用を大幅に抑えることが可能です。

・IP電話回線

IP電話回線はNTTやdocomo、au、ソフトバンク、NURO他多数の業者でサービスが提供されています。費用は提供するベンダーごとにさまざまです。以下では、おおまかな費用目安を記載します。

  • 基本料金:数千円程度
  • 通話料金:一般電話8円/3分 携帯電話16~17.5円/1分ほど 同一プロバイダ同士なら無料になることもある
  • 初期費用:数千円程度

IP電話の特徴は初期費用がアナログ回線よりも安くなることです。ベンダーによっては初期費用が無料というケースもあります。また、インターネット環境があれば導入工事は不要です。

通話料金については、同一プロバイダ同士であれば無料になる場合があります。また、「03plus」の「10分かけ放題」のように、通話料が大幅にお得になるオプションに加入できる場合もあります。

・光回線

光回線もNTTやdocomo、au、ソフトバンク、NUROを始め、多くの事業者でサービスが提供されています。費用についてはNTTのひかり電話オフィスタイプを例にして以下に記載します。

  • 基本料金:1,300円(3ch)
  • 通話料金:一般電話8円/3分 携帯電話16~17.5円/1分
  • 初期費用:基本額8,250円(1工事ごと)交換機等工事のみ2,200円(1工事ごと)

光回線は通話料がIP電話と同じく安くなるのが特徴です。初期費用については、ケースによって異なりますが、基本的なところは上記の通りです。

自社にとって最適な電話回線とは?

電話回線にはさまざまな電話回線があります。自社にとってどれが最適なのか、迷う方も多いのではないでしょうか。以下で、最適な電話回線を選ぶポイントを解説します。

オフィスの規模をもとに考える

まずはオフィスの規模をもとに検討してみましょう。

例えば、小規模で社員数が少なく、かつ電話番スタッフを置けないようなケースではアナログ回線だと電話に出られないケースが増えます。このようなケースでは外出先でもスマホで電話対応できるIP電話回線のほうが便利です。

また、規模はそれほど大きくないものの電話対応をする機会が多いというケースもあるかもしれません。こういったケースでは一次対応が問題になることが多いです。そのため、自動音声応答などのオプションをつけやすいIP電話回線だと便利でしょう。

用途をもとに考える

用途や目的によっても最適な電話回線は異なります。

例えば、業務的に架電をたくさんするのであれば、市外局番付き電話番号があるほうが信頼を得やすくなります。そのため、アナログ回線や光回線の導入を検討すると良いでしょう。また、IP電話サービスの中にも市外局番付き電話番号を取得できるところがありますので、そちらも検討してみましょう。

テレワークやオフィス移転が多い場合は、アナログ回線だと不便さを感じやすいです。このようなケースでは、インターネット環境さえあれば通話できるIP電話回線を導入するのがおすすめです。

おすすめのIP電話サービス「03plus」

03plusは東京「03」を始めとした主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるIP電話サービスです。番号ポータビリティにも対応しているので、アナログ固定電話からの移行でもそのまま既存番号を使える可能性があります。

03plusはスマホやPCにアプリをインストールして使うIP電話サービスです。外出先や自宅からでもスマホから発着信できるため、オフィスに縛られることなく電話対応できます。営業のため外出する機会が多い、リモートワークを導入したいといった企業にとっては便利なサービスです。

また、さまざまな機能が使えることも03plusの特徴です。例えば、「留守レポ」は、電話代行サービスのように電話の一次対応を任せられます。そのため、社員数が少ない小規模オフィスでも、電話業務に追われることなくコア業務に集中できます。「10分かけ放題」を活用すれば、1通話10分までの通話であれば無料になるため、通話料金を下げたいケースで役立つでしょう。

03plusは導入・運用コストが低い点もメリットです。1IDあたり初期費用5,000円、月額料金980円で利用できます。30ID以上であればよりリーズナブルなエンタープライズ版も申し込めます。電話回線で悩んでいる、IP電話の導入を検討しているならば、ぜひ03plusをお選びください。

まとめ

今回は、電話回線の種類とそれぞれの特徴について解説しました。

電話回線には大きく分けてアナログ回線・デジタル回線・IP電話回線・光回線の4種類があります。以前はアナログ回線が使われていましたが、IT化が進む現在はIP電話回線や光回線がメインです。費用的な面で見ると、導入コストを抑えやすいIP電話は企業にとってメリットがあるといえるでしょう。

IP電話サービスをお探しなら、ぜひ03plusをご検討ください。

固定電話がスマホで使える。IP電話なら03plus

こちらの記事も読まれています

背景