IP電話なら固定電話回線の導入コストを抑えられる?

IP電話を導入しようと思い立った時に一番気になるのは、コスト面ではないでしょうか?
気になるIP電話のコストについての解説をしていきます。

背景

IP電話のコスト

これから独立開業しようとしている方や個人事業主の方で固定電話回線を契約しようと思ったとき、「一番気になるのはコスト」という方は多いのではないでしょうか。


以前であれば固定電話回線を契約するとなると回線工事だったり、加入権(施設設置負担金)の購入が必要なため、5万円~10数万円と、回線種別や回線をひく工事の規模によって料金は異なりますが高額な導入コストがかかりました。


今や連絡手段はメールやチャット、携帯電話など多岐にわたっているため、連絡手段としての固定電話の重要度は以前に比べれば下がっていますが、社会的な信頼度という意味合いでは固定電話番号の重要度は変わっていません。「必要なものだけどあまり使わない」というものに対して、できるだけコストをかけたくないと思うのは当然のことでしょう。


そのため、インターネット回線を利用したIP電話で固定電話の導入コストを抑えたいと考える方も多いかと思います。


IP電話を大雑把に説明すると「インターネット回線を利用した電話」となりますが、ひとえにIP電話といっても様々なサービス形態が存在します。


NTTなど通信キャリアの光回線サービスのオプションで利用できる「ひかり電話(光IP電話)」などのIP電話や、インターネットプロバイダ(ISP)がオプションサービスで提供しているIP電話、またスマホアプリで市外局番や050番号の発着信ができるIP電話サービスなどなど、IP電話には様々なサービスが存在しており、取得できる番号も市外局番だったり050番号だったりとサービス内容に大きな違いがあります。


そこで、このコラムではIP電話のサービス種別によって導入時のコストがどれほどかかるのか、どのサービスがお得なのかご紹介していきます。


インターネットプロバイダ(ISP)が提供しているIP電話サービスでは、基本的に「050」のIP電話用番号しか利用できず、市外局番は利用できないため、ここでは言及しません。


NTTが提供する「光IP電話」と「スマホで固定電話の発着信できる」IP電話サービスで、それぞれどのような初期コストがかかるかみていきましょう。

NTTの「ひかり電話(光IP電話)」の初期コストは?

固定電話番号を取得しようと考えたとき、多くの人が思い浮かべるのが「ひかり電話(光IP電話)」ではないでしょうか。NTTの加入電話(アナログ電話)よりも基本料や通話料が安く、電話加入権取得費用(36,000円)もかからないため、近年はひかり電話が固定電話サービスの主流といっていいでしょう。


そのひかり電話はNTTの光回線サービス「フレッツ光」のオプションサービスで、ひかり電話自体は初期費用:3,000円~、月額費用:500円~で利用できるためとても安価ですが、利用するためにはフレッツ光のインターネット回線契約が必要となります。


そのため、フレッツ光を既に契約しているかしていないかで初期コストが大きく変わってきます。


(1)フレッツ光回線を契約済みの場合の初期コストと月額費用
[基本工事費] 3,000円~
[基本料金]500円/月(住宅用) or 1,300円/月(付加サービスセット割) or 1,500円/月(ひかり電話A)


既にフレッツ光のインターネット回線を契約済みの場合はひかり電話の基本工事費用(3,000円~)がかかるだけで、月額500円から利用可能です。


ただし「ナンバーディスプレイ」や「ナンバーリクエスト」、「キャッチホン」、「ボイスワープ」、「ダブルチャネル」などの機能はオプションとなります。
仕事用途で使う場合なら上記オプションのうち3つまで利用できる「付加サービスセット割(月額1,300円)」か、上記オプションにプラスして「迷惑電話お断り」と「着信お知らせメール」機能も使える「ひかり電話A(エース)(月額1,500円)」がお得です。


このように、光回線を契約済みの場合であれば、光回線の基本料と併せても大よそ月5,000円~6,000円程度でIP電話で固定電話の利用が可能になります。


(2)フレッツ光回線を敷設していない場合
[フレッツ光契約料] 800円
[フレッツ光工事費] 15,000円(マンションなど集合住宅)/18,000円(戸建て)
[ひかり電話交換機等工事費] 3,000円
[基本料金]500円/月(住宅用) or 1,300円/月(付加サービスセット割) or 1,500円/月(ひかり電話A)


500円/月(住宅用) or 1,300円/月(付加サービスセット割) or 1,500円/月(ひかり電話A)


フレッツ光を契約しておらず、新規で契約する場合はひかり電話(光IP電話)の他に光回線の工事費用が必要となります。ひかり電話の初期費用以外に光回線の工事として15,000円から18,000円の初期費用がかかります。


また、マンションなどの集合住宅で光回線が引き込みされていない物件の場合、回線を物件まで引き込むための工事が必要な場合もあり、その場合はさらに高額な工事費用がかかってしまいますので、お住まいの物件がフレッツ光回線が敷設済みなのかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。


物件によってはauひかりなど他社の光回線しかひけない場合もあり、その場合は回線工事費用や初期費用が異なってきますが、IP電話は月額500円~から利用できひかり電話と同等です。


→光IP電話でもどのみちインターネット回線の工事費は必要となる


ひかり電話(光IP電話)は、フレッツ光のオプションという位置づけのため、電話回線の工事自体はありませんが光回線の工事が必須となります。


光回線を契約している場合であればIP電話オプションで500円から1,500円程度と低コストで固定電話を利用できますが、光回線を新規契約する場合は光回線の工事費用で2万円以上かかり、さらに光回線の利用料で月々4~5,000円程度は固定でかかってきます。


光回線も必要な方であれば光回線工事費用やランニングコストは決して高くはありません。というより、これ以上劇的にコストを抑える方法はありません。


ただ、個人事業主の方や開業したばかりで規模が小さい法人の場合、外出が多く事務所が留守になりがちなので携帯の4G回線やモバイルWi-Fiルーターしか契約しておらず、光回線の契約をしても費用対効果が合わないという方もいらっしゃいます。また最近ではシェアオフィスやコワーキングスペースの利用者が右肩上がりに伸びており、活動拠点がそのような場所だと専用回線が引けないというケースがよくあります。


このように、わざわざ光回線を契約するメリットが無い/契約できないというようなケースの場合、ひかり電話などのIP電話を契約するメリットはありませんが、しかし次に紹介する「スマホで固定電話が使えるIP電話サービス」であれば、光回線を契約しなくても工事不要で低コストで固定電話番号の取得が可能です。

スマホで固定電話番号が使えるIP電話サービスの初期費用は?

その名の通り「スマホアプリで固定電話番号で発着信ができる」IP電話サービスの最大の特徴は、電話回線やインターネット回線などの回線工事が不要で固定電話番号の取得にかかる初期コストを大幅に削減できるという点で、従来のひかり電話などのIP電話サービスと大きく違う点です。


スマホの4G回線やモバイルWi-Fiルーターなどのインターネット環境さえあれば、スマホでIP電話が利用でき、しかも固定電話番号での発着信が可能です。


03plusもこのタイプのIP電話サービスとなり、費用面や利便性の面で大変メリットの多いサービスになりますが、純粋に競合となるようなサービスはあまり存在しないのが実情です。


ここでは弊社の03plusの他、「GoodLine SOHO」というサービスを紹介します。


尚、スマホで固定電話番号が使えるIP電話というといわゆる「クラウドPBX」サービスなども存在しますが、これらのサービスはNTTなどでひかり電話の契約が必要となるため、サービスの初期費用や月額費用の他に光回線・ひかり電話の初期費用と月額費用がかかりやや高価なサービスとなりますのでここでは割愛します。


(1)03plus
[初期費用] 3,800円(年払いプランの場合) or 5,000円(月払いの場合) 
[基本料金]1,280円~(1番号・1回線)


全国主要エリアの市外局番を取得でき、スマホで固定電話番号が使えるIP電話サービスです。


電話回線契約・工事は勿論不要、携帯キャリアの4G/LTE回線やWi-Fi環境などスマホがインターネット回線に接続されてさえいれば利用でき、固定電話機も不要なため導入コストや設備コストをかけずに固定電話を導入できるのが特徴です。


申し込みが全てWeb上で完結しており、面倒な書類の送付手続きも不要なため、申し込みから最短10分で市外局番の取得が可能です。


オプション機能も豊富に揃えられており、留守版電話や時間外アナウンス、転送電話など必要に応じて電話オプションを利用できるだけでなく、スマホだけでFAXの送受信が可能なクラウドFAXを利用することも可能です。


また、利用人数が増えた場合や電話番号を増やしたい場合も工事不要で簡単に追加できるため、個人事業主や開業したてのスモールオフィスから事業規模を拡大しようとしている法人まで、幅広い層に最適なIP電話サービスです。


(2)GoodLineSOHO
[初期費用] 20,000円~
[基本料金] 3,000円/月/1番号・2内線


こちらもスマホで固定電話番号が使えるIP電話サービスで、電話回線契約や機器の購入は不要でスマホの4G回線やWi-Fi環境下であればどこででも固定電話を利用できます。


「03plus」より初期費用や基本料金は高めの設定ですが、「通話録音機能」や「時間外アナウンス」などの機能を追加料金なしで利用できたり、市外局番の他に「0120」や「0800」のフリーダイヤル番号も契約できるのが特徴です。

IP電話は通話料も安い

IP電話の初期費用や月額費用について見てきましたが、忘れてはならないポイントとして、IP電話は通話料も安価に抑えられるという点があります。

従来の固定電話は地域ごとの交換機を経由して相手へと接続するため、距離が遠いほど電話代が高くなるという仕様がありました。

一方でIP電話サービスであれば、インターネット回線を使って通話を行うため、相手との物理的な距離は料金に影響しません。 そのため、固定電話に比べて通話料金が抑えられる傾向にあります。

まとめ

このように、IP電話といわれるサービスの中でも様々な形態のサービスが存在し、サービスやネット環境の有無などによって固定電話導入の際の初期コスト・ランニングコストは大きく異なってくることが分かりました。


各々の固定電話の運用方法や環境によって最適なIP電話サービスというのが変わってきますが、その中でも「スマホで固定電話番号」が使える新しいタイプのIP電話は初期コストやランニングコストを抑えられるだけでなく、運用面の利便性も高いため、個人事業主の方や開業したての法人、スモールオフィスには特におすすめです。

固定電話がスマホで使える。IP電話なら03plus

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