IP電話が利用できる回線の種類は?

他のコラムでも触れたように、IP電話がインターネット回線を利用して音声の伝送を行っていますが、インターネット回線であればどのサービスでもIP電話が利用できるのでしょうか。現在主流のフレッツ光などの「光回線」の他、「ADSL」「CATV」の回線や「4G/LTE」などを例にみていきましょう。

背景

光回線 [IP電話の利用:◎]

光回線は、現状のインターネット回線の中でも最も安定して高速の通信速度でのデータ通信が可能なため、IP電話にも最も適した回線といえます。
ちなみに日本の企業のうち、8割以上の企業がインターネット回線に光回線を利用しているともいわれていることからも、光回線は現在最もポピュラーなインターネット回線といえます。


注意点として、光回線が引かれていない建物などの場合、新たに光回線の敷設工事が必要となります。そのため工事費用が発生するほか、敷設工事までに時間を要するので注意が必要です。

ADSL [IP電話の利用:△]

光回線の普及により利用者は減っているADSL。
しかしながら、山奥や離島など、光が届かない僻地のエリアでも利用することが可能です。
ADSLは従来のアナログ電話回線を利用してインターネット通信を可能にする通信サービスです。


光回線とは異なり、電話回線でデータ通信を行うため通信速度に限りがあり、一度に大容量のデータ通信をとすると通信速度が低下します。 また、電話回線が収容されているNTTの電話局から各個に分配されているため、夜間など利用者が集中する時間帯でも通信速度が低下します。
また、NTTの電話局からの距離が遠ければ遠いほど通信速度が遅くなるという性質を持ちます。
これらの理由からIP電話の利用でも通話品質が確保できない状況になる可能性があることから、△評価となります。


インターネット用の回線を引くことなく既に設置されている電話回線を利用でき、光回線より低価格で使えることほどの安さの魅力もあり、光回線が普及するまでは広く使われていましたが冒頭の理由などもあり、2016年6月には新規申し込みが停止されるなど、近い将来に廃止される可能性が高いサービスといえます。

4G/LTE回線  [IP電話の利用:〇]

スマホやモバイルWi-Fiルーターの普及で一般的になっている無線のインターネット回線ですね。Docomoやau、Softbankの大手キャリアやUQ WiMAXやY!Mobileなど各キャリアが回線を提供しています。


外出先でも4G/LTE回線の電波が飛んでいる場所であればアプリなどでIP電話を利用することができ、また回線工事も不要ですので、便利で手軽にIP電話用のアプリを利用することが可能です。
一方で、人が多い場所などで通信速度が遅くなったり、場所によっては電波が入らない場所では通話が途切れてしまったりする場合があります。また、モバイルWi-Fiルーターなどはデータ通信使用料に応じて速度制限を受けやすかったり、昼間や夜間は速度制限があったりしますので、そういった場合にIP電話での通話に影響を及ぼすことがあります。

CATV回線  [IP電話の利用:〇]

ケーブルテレビのインターネット回線を利用してIP電話を使うことも可能です。 テレビ用の配線として使われる同軸ケーブルに光ファイバーを組み込んだ回線が主流となっていますが、光ファイバー単独の回線に比べると品質は落ちます。 ただ、4G/LTEの回線に比べると通信速度も安定しておりIP電話の利用にも特段問題はありません。 また、回線の提供事業者やサービスプランは様々な種類があるため、利用環境や利用用途によっては、光回線よりメリットを享受することが可能なこともあります。 また、光回線と同様、CATVの回線が引かれていない建物の場合は回線工事が必要になるので注意が必要です。


このように、従来のアナログ電話と比べてIP電話が使えるインターネット回線は様々な種類があり、またそれを提供している事業者によっても様々な料金プランやサービスが提供されています。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自身の利用用途は環境に応じて、適切なインターネット回線を選ぶことをおすすめ致します。

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