VoIP技術普及の背景
VoIP技術がなぜ普及したか、IP電話を取り入れる事によるメリットと合わせて解説していきます。
VoIPとは
VoIP(Voice over Internet Protocol)とは、音声をパケット化してIP網で伝送する通信方式です。音声をパケットデータに変換することで、電子メールの送受信や、Web閲覧などで利用する際と同様にインターネット回線経由で音声データ伝送できるというわけです。
IP電話が普及してきた背景
IP電話が急速に普及してきた要因として、VoIPに関する様々な技術の発展やインターネット網の急速な発展が挙げられますが、それを後押した背景というものがあります。
1 様々な技術の発展
VoIPで音声データを伝送する際、音声品質の低下をどれだけ防げられるかという課題があります。
例えば遅延、ノイズ、パケットロスやエコーといった課題です。これらは伝送帯域や電話機器の特性など様々な要因で発生しますが、音声帯域幅の圧縮化や音声パケットの優先制御、エコー キャンセラ等の技術の発展により改善され、現在の安定した音声品質に繋がっています。
2 インターネット(IP網)の発展
ADSLからCATV、光回線など近年の急速なブロードバンド網の発達によりもはやインターネット網は無くてはならない通信インフラとなってます。安定したデータの伝送が求められるIP電話も発達したIP網があってこそです。
3 VoIP技術普及の背景にあったものは?
このように、様々な技術の発展やインターネット網の急速な発展によりVoIP技術が発達してきました。
また、その背景には通信事業者の思惑も働いています。
従来のNTTのアナログ電話は、電話専用の「電話回線」を使って音声のやり取りをしていました。また、回線の敷設や維持のほか、基地局や局舎の管理・維持に莫大な手間とコストがかかっていました。例えばNTTのアナログ電話の新規加入者がいると、その加入者の住まいがどんなに山奥や離島だろうと、NTTは加入者の家庭まで電話線を敷設し、各家庭内に引き込んでいました。電話線を1本ひくというのはそれだけ大変な労力とコストがかかるわけです。
しかしNTTはこれを断るわけにはいきません。国から命じられているからです。
そんななか、インターネット網がこれだけ発達・浸透したこともあり、電話の通信を従来の電話回線網からインターネット回線網に移行できれば、それらの手間やコストがかからなくなります。また、それはそのまま利用者へのコストダウンへと転嫁されるため、事業者・利用者の双方にとって大きなメリットになるわけです。
そためには、IP網でも従来通りの安定した通話品質を実現することが不可欠となり、それを実現するためにもVoIP技術が普及・発達してきたといえます。
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