IP電話アプリとは

IP電話アプリを提供しているサービスを契約し、スマホに専用アプリをインストールすると、携帯番号とは別の電話番号で電話が可能になります。ここでは、IP電話アプリのメリット・デメリットを中心に解説していきます。

背景

IP電話アプリとは?

IP電話アプリを提供しているサービスを契約し、スマホに専用アプリをインストールすると、携帯番号とは別の電話番号で電話が可能になります。


090や080など携帯番号で電話をする際は「電話回線」を利用するのに対し、IP電話アプリは「インターネット回線」を利用します。IP電話は「電話回線」を利用する携帯電話などに比べて設備コストが安いため、IP電話サービスを提供する会社も比較的安い料金でサービスを提供できます。ですので、IP電話アプリなら電話番号を安く取得し、通話料などなどのコストを削減することができるのです。


一般的にIP電話アプリでは「090」や「080」などの携帯電話番号や「03」や「06」などの市外局番から始まる固定電話番号は取得できません。利用可能な番号は050-〇〇〇〇-△△△△というような「050」から始まる電話番号となりますが、多くのメリットがあり、利用用途によっては役に立つサービスです。

IP電話アプリのメリット、デメリット

【メリット】

1プライベート用の携帯番号とは別の電話番号を持てる
1台のスマホでプライベートの携帯番号とは別の番号が持てます。
個人事業主や店舗経営者、オンラインショッピング運営者など「仕事用に電話番号が必要だけど携帯電話は使いたくない」「電話番号が欲しいけど回線契約や工事など初期コストはかけたくない」という方でも仕事用の電話番号が持てるので「プライベートの携帯番号をネット上に公開したくない」という方にはお勧めです。

2通話料が下がる
携帯電話の通話料は各キャリアとも大よそ20円/30秒です。格安SIMを提供しているMVNO(仮想移動体通信事業者)も通話料に関しては大手キャリアと変わらず、大よそ20円/30秒となります。
これに対しIP電話アプリの通話料は、各サービスによって多少異なりますが、おおむね携帯電話より安い通話料になります。電話を発信する頻度が高い方は、携帯での発信に比べ通話料を下げることが可能になります。各サービスごとの通話料ついては後述します。

3データ通信専用の格安SIMでも通話が可能になる
スマホにIP電話アプリをインストールすれば、インターネット環境がある場所ならどこでも電話ができるようになります。
そのため、格安SIMのデータ専用SIM利用者でも電話番号が持て、キャリアと音声通話の契約をすることなく電話をすることが可能になります。

上記のようにメリットはありますが、インターネット回線を利用したIP電話がゆえのデメリットもあります。

【デメリット】

1携帯電話での通話に比べると通話品質がやや劣る
固定電話や携帯電話は通話時に専用の電話回線を利用しているのに対し、IP電話はインターネット回線を利用してます。通話品質はインターネット環境に依存するため、回線状況によっては途切れや発着信ができないというケースが起こりかねません。また、音声をデータに変換してから通信をしているため、利用環境によって遅延が発生することがあります。
しかしIP電話の技術や4G回線環境の発達もあり、通話が全くできないというということはほとんどありません。安定したネット環境で利用しているのであれば携帯電話との違いも気にならないことがほとんどです。絶対確実で常時安定した高品質な通話を求めるなら固定電話サービスを利用するべきですが、ほとんどの方にとってIP電話の通話品質でも問題ないと考えられます。

2番号によっては発信できない
IP電話アプリでは「110」や「119」などの緊急通報用番号に発信できません。また提供している電話事業者によっては、「104」「116」「177」など3桁番号へも発信できない場合があります。
その場合は携帯電話(080-や090-)や固定電話から緊急電話をかける必要がありますが、格安SIMのデータ専用プランの契約者で携帯番号を取得していない方、さらに固定電話も引いてないという方は緊急電話の手段が確保できないので注意が必要です。また、それ以外にもフリーダイヤルや「0570」のナビダイヤルなどかけられない電話番号があることが多いので、事前に各サービスのWebサイトなどで確認することをお勧めします。

3LINEなど、IP電話番号では登録できないサービスがある
スマホアプリには電話番号認証が必要なサービスがありますが、LINEなどでは050のIP電話番号では登録できません。
またSMS認証が必要なサービスもありますがその場合もIP電話の050番号ではSMSが使えないため登録できないことがあるため、格安SIMで音声通話やSNSなしのデータ専用SIMを利用する人は注意が必要です。

4番号移転(MNP)ができない
IP電話の050番号は他社サービスへ番号移転(MNP)することができません。IP電話アプリのサービスを変えると必然的に番号も変わってしまうため、契約前にこの点について覚えておいた方がベターです。

こんな方にIP電話アプリはお勧めです

1通話頻度が高い
大手キャリアや格安SIMを提供しているMVNO各社の通話料は、固定電話にかけても携帯電話にかけても一律で大よそ20円/30秒となります。1日に平均で10分は通話する場合、20日間の通話料だけで8,000円もかかってしまう計算になります(10分×40円×20日)。
ほとんどのIP電話アプリは携帯電話よりも通話料が安く(各社の通話料は後述します)、特に固定電話宛の通話料が8円/3分と携帯キャリアの通話料(20円/30秒)に比べて大幅に通話料が安いのが特徴です。下記のように固定電話番号宛に携帯電話とIP電話から発信した場合の通話料は大きな差が生じます。


  • 携帯電話から固定電話に60分間通話した場合の通話料
    →2,400円
  • IP電話から固定電話に60分間通話した場合の通話料
    →160円

このようにIP電話から発信した場合は携帯電話に比べて最大で1/15程度に通話料を抑えることができます。IP電話で携帯電話へ発信した場合は通話料がもう少し割高になりますが、それでも携帯電話に比べればかなり安い通話料です。
通話頻度が高い方は携帯電話番号とは別に、IP電話アプリでもう一つ電話番号を取得し、電話を発信するときはIP電話アプリの番号を使うというような運用をすると通話料を大幅に抑えることができます。

2仕事の電話番号に携帯番号を使うのは抵抗がある
仕事で使用する電話番号をWebサイトに掲載したり名刺に記載する必要がある場合、自分の携帯番号を使用するのは誰しも抵抗があると思います。
そのような場合でもIP電話アプリでもう一つ電話番号を取得すれば、携帯番号に仕事の電話がかかってくるということを回避することが可能になります。しかもスマホアプリで発着信ができるため、どこにいても電話をすることができます。個人事業主や小規模オフィスで事務所を不在にしがちな方の場合、転送電話サービスを利用している方が多いと思いますが、IP電話アプリがあれば転送をする必要がなく、どこにいても電話の発着信をすることができるので、月々の電話にかかるコストも安く抑えられます。

3データ通信専用の格安SIMを検討しているが、やはり電話番号は持っておきたい
LINEなどのコミュニケーションアプリの普及により、そもそも携帯番号で電話することがなくなった、もはや携帯番号を契約している必要が無い、という方も多いと思います。そういう方は格安SIMで音声通話なしのデータ通信専用プランのみ契約している方も多くなっています。
データ通信専用プランの契約を検討している方でも、いざという時のために「やっぱり1つは電話番号を持っておきたい」と考える方もいるでしょう。しかし、音声通話付きのSIMを契約すると、一切発着信を行わなくても携帯番号の維持費用(契約料)で700円/月が発生します。ほぼ使わない電話番号に毎月700円もかけるのはもったいないですよね。そのような場合でも、IP電話アプリを利用すれば電話番号を安く手軽に取得できコストも抑えることができます。

サービス比較

主なIP電話アプリの基本料と通話料は下記の通りとなります。
サービス詳細については各サービスのWebサイトで確認してみてください。

1050 plus


  • [基本料] 300円/月
  • [通話料] 固定電話宛: 8円/3分 携帯電話宛:16円/1分

2FUSION IP-Phone SMART


  • [基本料] 無料
  • [通話料] 固定電話宛:8円/30秒 携帯電話宛:8円/30秒

3LaLa Call


  • [基本料] 100円/月
  • [通話料] 固定電話宛:8円/3分 携帯電話宛:8円/30秒

4050Call


  • [基本料] 無料
  • [通話料] 固定電話宛:8円/3分 携帯電話宛:15円/1分

5G-Call050


  • [基本料] 280円/月
  • [通話料] 固定電話宛:8円/3分 携帯電話宛:15円/1分
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