双方向番号ポータビリティはいつから開始?メリットや対象番号など詳しく解説

電話番号を引き継げる「番号ポータビリティ」について知っていても、「双方向番号ポータビリティ」について知っている方は少ないのではないでしょうか。従来の片方向番号ポータビリティとは違い、NTT東西以外の事業者間でも番号を引き継げるようになる仕組みのことです。

今回は、双方向番号ポータビリティとは何なのか、いつからスタートするのか、メリットや番号ポータビリティの流れについて解説します。

固定電話の双方向番号ポータビリティとは

「固定電話の双方向番号ポータビリティ」とは一体何なのでしょうか。まずは、双方向番号ポータビリティがいつから始まるのか、メリットは何なのか、さらに対象番号や対応事業者についても解説します。

従来の番号ポータビリティ

番号ポータビリティとは、携帯電話や固定電話の事業者を変更する際にそれまで使っていた電話番号をそのまま使えるようにする仕組みのことです。携帯電話であればMNP(Mobile Number Portability)と呼ばれ、固定電話であればLNP(Local Number Portability)と呼ばれます。

従来の固定電話の番号ポータビリティは、NTT東日本・西日本で取得した電話番号でしか行えず、それ以外の方法で取得した電話番号については引き継ぎできませんでした。つまり、NTT東西から他の事業者に変更する際にしか利用できなかったわけです。

このようにNTT側からの片方向のみ適用であることから、従来の番号ポータビリティは「片方向番号ポータビリティ」と呼ばれることもあります。

双方向番号ポータビリティとは

双方向番号ポータビリティは、2025年1月から施行された新しい制度です。NTT東西はもちろんそれ以外の事業者で取得した固定電話番号についても、事業者を変更する際にそのまま引き継ぐ仕組みとなっています。

従来の片方向番号ポータビリティでは、NTT東西で取得した番号から他事業者への移行だけが対象でした。しかし、現在はNTT東西やひかり電話、他の通信事業者で取得した固定電話番号の間でも、番号を柔軟に引き継ぐことができます。

例えば、現在は次のような移行が可能です。

・NTT東西やひかり電話から他の事業者への移行

・他の事業者からNTT東西やひかり電話への移行

・NTT東西やひかり電話以外の事業者間での移行

これにより、事業者を乗り換える際も電話番号を変えずに利用できるようになり、事業環境の変化やサービスの見直しに柔軟に対応できるようになっています。

双方向番号ポータビリティのメリット

双方向番号ポータビリティが導入されたことで、利用者は以下のようなさまざまなメリットを受けられるようになりました。

・通信事業者やサービスを自由に選択できる

従来は「NTT東西で取得した番号から他事業者への移行のみ」という制限がありました。しかし現在は、双方向番号ポータビリティにより、どの事業者で取得した番号でも柔軟に引き継げるため、サービスや料金プランを自由に選べるようになりました。

・コスト削減がしやすくなる

双方向番号ポータビリティでは電話番号を変えずに事業者を乗り換えられるため、コストや機能の面でより有利なサービスへ移行しやすくなりました。

・番号変更による手間やコストを削減できる

双方向番号ポータビリティを利用すれば通信事業者やサービスを変更しても電話番号が変わりません。そのため、顧客や取引先への周知、名刺やWebサイトの修正といった業務負担やコストが大きく減ります。また、連絡ミスや顧客離れのリスクも抑えられます。

・業界全体のサービス向上が期待できる

双方向番号ポータビリティがスタートしたことで、移行のハードルは大きく下がりました。そのため、事業者間の競争が活発になり、より良いサービスや料金プランが登場しやすくなっています。

双方向番号ポータビリティはいつから?

総務省の電気通信番号計画(令和元年総務省告示第6号)により、2025年1月末日までに全ての事業者間で相互の番号ポータビリティができるよう定められています。なお、2025年7月現在、双方向番号ポータビリティはすでにスタートしています。

双方向番号ポータビリティの対象番号

双方向番号ポータビリティで対象となる電話番号は「0AB-J番号」、つまり「03」「06」などの市外局番付き電話番号です。「050」から始まるIP電話番号については対象外となります。050番号は市外局番付き電話番号と違い、事業者の認識番号が含まれています。そのため、事業者変更が前提である番号ポータビリティの仕組みとはマッチしないことがその理由であると考えられます。

双方向番号ポータビリティの対応事業者

NTTの「固定電話サービス提供事業者間における双方向番号ポータビリティの開始について」によれば、双方向番号ポータビリティに対応する事業者は以下の通りです。

  • 株式会社アイ・ピー・エス・プロ
  • アルテリア・ネットワークス株式会社
  • 株式会社STNet
  • NTTコミュニケーションズ株式会社
  • 株式会社エネコム
  • 大江戸テレコム株式会社
  • 株式会社オプテージ
  • 株式会社QTnet
  • KDDI株式会社
  • Coltテクノロジーサービス株式会社
  • 株式会社三通
  • ZIP Telecom 株式会社
  • ソフトバンク株式会社
  • 中部テレコミュニケーション株式会社
  • 株式会社トークネット
  • 楽天モバイル株式会社(楽天コミュニケーションズ株式会社)
  • NTT東日本株式会社
  • NTT西日本株式会社

なお、対応事業者であっても、一部エリアでは番号ポータビリティに制限がある場合もありますので、実際に移行をする前に事業者に確認しましょう。

番号ポータビリティの仕組みの変化

従来の片方向ではなく双方向が実現できるようになった背景には、番号ポータビリティの仕組みが変化したことが関係しています。

片方向番号ポータビリティでは、「リダイレクション方式」というものが使用されています。従来のPSTN(公衆交換電話網)では、番号取得事業者であるNTT東日本・西日本しか番号データベースを持っていません。番号を引き継いだ場合、一度そのデータベースへ接続して移転先を確認したうえで移転先に再接続するというのがリダイレクション方式です。このデータベースにはNTT東西で取得した番号のみが登録されていて、他の通信事業者は接続できません。そのため、従来の片方向番号ポータビリティでは制限があったわけです。

しかし、双方向番号ポータビリティでは「ENUM方式」が採用されます。これは、各事業者の番号データベースがシステム連携する仕組みで、NTT以外のどの事業者でもNTTのデータベースに接続できます。そのため、「ENUM方式」を採用した双方向番号ポータビリティでは、どの事業者で取得した電話番号であっても電話番号を引き継げるのです。

双方向番号ポータビリティに対応する光回線の種類

双方向番号ポータビリティが始まったことで、さまざまな事業者で取得した電話番号を引き継げるようになりました。これにより、光回線のIP電話で取得した市外局番付き電話番号も、他のIP電話サービスやクラウドPBXなどに移行する際に、そのまま引き継ぐことが可能です。

ここでは、双方向番号ポータビリティに対応する光回線の種類を紹介します。

フレッツ光

フレッツ光は、NTT東日本・西日本が提供する光回線サービスです。2001年8月にサービスが始まり、市外局番付き電話番号を取得できるIP電話サービス「ひかり電話」も利用できます。信頼性の高いNTTブランドであることや長年の実績から、多くの企業に選ばれている光回線です。

一方で、フレッツ光は光回線とプロバイダーをそれぞれ契約する必要があるため、一体型の光回線サービスと比べるとコストが高くなりやすいという特徴があります。

また、従来は片方向番号ポータビリティの制限があったため、ひかり電話で取得した市外局番付き電話番号を、他のIP電話サービスに引き継ぐことができませんでした。しかし現在は、双方向番号ポータビリティの導入により、電話番号の引き継ぎに関する課題は解消されています。ひかり電話で取得した市外局番付き電話番号も、他のIP電話サービスやクラウドPBXへ移行する際に、そのまま引き継ぐことが可能です。

光コラボレーション

光コラボレーションは、NTT東日本・西日本の光回線を基盤として、さまざまな事業者が自社の特徴あるサービスと組み合わせて提供するサービスです。多くの場合、プロバイダーが光回線サービスを一体型で提供しており、NTTのフレッツ光よりもコストを抑えやすい傾向にあります。

また、光コラボレーションはフレッツ光と同じ回線や設備を利用しているため、提供エリアは全国規模であり、ひかり電話も利用できます。

番号引き継ぎについては、もともとフレッツ光や光コラボレーション同士であれば可能でした。一方、独自回線への番号ポータビリティについては、片方向番号ポータビリティの制限がありました。

しかし現在は、双方向番号ポータビリティの導入によって、フレッツ光や光コラボレーションだけでなく、独自回線を含む他のIP電話サービスやクラウドPBXへの番号ポータビリティも可能になっています。

独自回線

独自回線とは、NTT以外の企業が所有する光ファイバー網(例えば鉄道会社や電力会社のインフラ)を、通信事業者が利用して提供する光回線サービスのことです。

独自回線は、フレッツ光や光コラボレーションとは異なる回線設備を利用しているため、回線が混雑しやすいという課題があります。その一方で、独自の通信技術を活用することで高速な通信速度を実現している事業者もあり、光回線の選択肢の一つとして注目されています。

以前は、片方向番号ポータビリティの制約により、フレッツ光や光コラボレーションから独自回線への番号引き継ぎができませんでした。しかし現在は、双方向番号ポータビリティの導入により、こうした制限がなくなっています。独自回線への乗り換え時でも、今まで利用していた電話番号をそのまま引き継げるようになったため、回線選びの自由度が大きく広がっています。

固定電話の番号ポータビリティの申し込み方法・手順

固定電話の番号ポータビリティは、事業者を変更しても今までの電話番号をそのまま使い続けられる仕組みです。従来は、NTTで取得した電話番号から他事業者へ移行する場合だけが対象でしたが、双方向番号ポータビリティが導入されたことで、NTT以外の事業者やIP電話・クラウドPBXで取得した番号も、さまざまな事業者間で柔軟に引き継げるようになりました。

ここでは、固定電話の番号ポータビリティを申し込む際の方法や手順について、流れで解説していきます。

移行先の通信事業者に申し込む

まずは移行先の通信事業者に、番号ポータビリティの申し込みを行いましょう。申し込む際には、移行先となる通信事業者に以下のような情報を伝えます。

  • 契約中の事業者名
  • 契約している名義人
  • 設置場所住所
  • 契約サービス内容
  • 現在使っている固定電話番号

同じ事業者を長期間利用していた場合、契約内容について忘れていたり契約書をどこにしまったか忘れてしまったりすることもあり得ます。契約中の事業者に確認するなどして、事前に契約内容の情報を集めておきましょう。

また、事業者によっては市外局番付き電話番号を使用できない、使用する住所のエリアに対応していないという場合もあります。そのため、事前に必ず詳細を確認することをおすすめします。

移行の日時を決める

番号ポータビリティを申し込んでから数日後に、移行先の通信事業者からLNPの可否について連絡が届きます。番号ポータビリティが可能であれば、実施する日時について担当者と相談しましょう。

回線を切り替える

相談して決定した日時にて、電話番号はそのままで回線が切り替わります。回線の切り替えは、移行先となる通信事業者側で行いますので、利用者側で特別なことをする必要はありません。切り替え後、担当者から連絡が入るのが一般的です。

お得に電話を使うなら03plus

お得で便利な電話サービスなら03plusがおすすめです。

03plusは番号ポータビリティに対応しているクラウドPBXです。全国の主要46局の市外局番付き電話番号に対応していますので、乗り換えもスムーズに行えます。引き継いだ電話番号は、スマホを使って外出先からでも利用できますので、オフィスに縛られることなく機動力あるビジネスを実現可能です。新たなサービスに移行したいとお考えなら、ぜひご検討ください。

また、03plusは電話業務を効率化しコスト削減を実現できるさまざまな機能が搭載されています。

  • Web電話帳:クラウド上に会社共有の電話帳を持てる機能です。スマホを紛失した際も、顧客の電話番号などが流出する恐れがありません。
  • クラウドFAX:クラウド上でFAXの送受信を行える機能です。スマホやPCから受信データを確認でき、外出先でもスマホで撮影した画像をそのまま送信できます。
  • 通話録音:通話を自動で録音しクラウド上に保存する機能です。録音データは30日間保存され、その間はいつでもダウンロードできます。対応品質向上や聞き逃し防止などに役立ちます。
  • IVR:着信時にあらかじめ設定した音声で対応する機能です。音声による案内だけでなく、プッシュ番号により着信先を適切な部署・担当者に振り分けることもできます。
  • 10分かけ放題:1通話あたり10分までであれば通話料が無料になるオプションです。短時間の通話が多い場合、大幅なコストダウンが見込めます。

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まとめ

今回は、双方向番号ポータビリティはいつから開始されたのか、制度のメリットや対象番号について解説しました。

双方向番号ポータビリティは、2025年1月よりスタートした新しい制度です。この制度が導入されたことで、従来のような制約を気にせず、さまざまな事業者で取得した固定電話番号を引き継げるようになりました。

「サービスを変えたいけれど、番号が変わるのは困る」と感じていたケースでも、現在は番号をそのまま維持したまま自由に事業者やサービスを選べる環境が整っています。

自社の目的やコスト、必要な機能に合わせて最適な電話サービスを選ぶためにも、双方向番号ポータビリティの仕組みを上手に活用してみてください。

通信事業者の変更をしやすくなった今、使いやすくてお得な電話サービスを探しているなら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。

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