市外局番とは?電話番号の構成や歴史、取得方法、メリットを徹底解説
市外局番は、固定電話番号の頭に付いている番号のことです。市区町村ごとに番号が割り当てられている、ということは多くの人が知っているのではないでしょうか。しかし、それ以外の市外局番の意味や歴史については知らない方も多いはずです。「市外局番はなぜ割り当てられるようになったの?」「取得するのはどうしたらいい?」そういった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、市外局番とは何なのか、電話番号の構成、市外局番の歴史、市外局番の取得方法、市外局番がもたらすビジネス上のメリットについて解説します。
電話番号の構成
「03」などの市外局番から始まる固定電話番号は、ランダムで数字が割り振られているわけではありません。10桁ある数字は部分ごとに意味があり、一定のルールによって構成されています。そして、その番号は総務省によってルールが定められ、管理されています。
日本においては、固定電話番号は「市外局番」「市内局番」「加入者番号」という3種類の番号によって構成されています。以下では、固定電話番号を構成するそれぞれの番号の持つ意味について解説します。
国内開放番号
市外局番は「03」や「06」のように、頭に必ず「0(ゼロ)」が付きます。多くの人は、この「0」も含めて市外局番と思っているのではないでしょうか。しかし、厳密に言うと、「0」は国内開放番号(国内プレフィックス番号)と呼ばれるものであり、市外局番とは別物です。国内開放番号とは、国内に発信することを宣言する合図のような番号であり、頭に「0」が付く番号は日本国内の電話番号であることを示しています。
また、詳しくは後述しますが、市外局番は国内開放番号である「0」を抜いたものです。例えば、東京なら「3」、大阪なら「6」が本来の市外局番です。
市外局番
市外局番とは、日本国内各地域に番号を割り当てることで、都道府県などを区別するために使われる番号のことです。市外局番を頭に付けることで、割り当てられた地域への通話が可能になります。
市外局番の頭には日本の国内開放番号である「0」が付き、その後に1~3桁の数字が並びます。大都市であれば1桁であり、電話加入者が少ない地域の場合は2桁または3桁になります。例えば、東京23区であれば「03」ですが、大都市と比べると人口が少ない茨城県の水戸市周辺の地域であれば「0291」のように3桁の数字が続きます。
ちなみに、市外局番は北側から順に若い数字で始まり、南西側は大きな数字が割り当てられています。例えば、札幌であれば「011」、那覇市であれば「098」という市外局番が使われています。
市内局番
市内局番とは、市外局番の後に並ぶ1~4桁の数字です。総務省によって電話会社ごとに指定し、都道府県内の市区町村に割り当てられています。市外局番と合わせて5桁になるように調整されているのが特徴です。例えば、東京23区であれば「03」の後に4桁の市内局番、水戸市であれば「0291」の後に2桁の数字が並び、地域を特定する電話番号が構成されます。
加入者番号
加入者番号とは、電話回線一つ一つに割り当てられた、個別番号のことです。4桁の数字が並び、固定電話番号全体で10桁の数字になります。
国際電話の場合
前述の通り、国内からの電話であれば国内開放番号である「0」が必ず頭に付きます。「頭に0が付いていない番号からかかってきたけど……?」と疑問に思う方もいることでしょう。頭に「0」が付いていない電話番号であれば、それは海外の電話番号です。
日本で国際電話をかける場合は、日本を示す国際番号である「81」が自動的に付き、さらに国内開放番号の「0」が抜けて相手に表示されます。そのため、例えば東京から国際電話をかける場合は、「81-3-◯◯◯◯-◯◯◯◯」という番号で相手方に表示されます。
0120は市外局番?
ここまでの説明を聞いて、「0120は市外局番?それとも別の番号?」と疑問に思う方もいるかもしれません。確かに、0から始まって120と3桁の数字が並びます。そのため、「北の地域からの電話番号なのでは?」と思う方もいることでしょう。
しかし、0120は市外局番ではなく、「着信課金電話番号」と呼ばれる番号です。NTTの付加サービスであり、発信者(顧客側)が通話料を負担するのではなく、着信者(企業側)が通話料を負担する特殊な電話番号です。企業のお問い合わせ窓口の番号などによく利用されます。
市外局番に似ている特殊番号には、0120と同じ着信課金番号である「0800」や指定した番号につなぐ「0570」があります。
市外局番の歴史
市外局番は地域に割り当てられる数字であり、電話をするうえで欠かせない番号です。ほとんどの人はなんとなく使っていますが、どのような経緯で市外局番が生まれたのか知っている人は少ないのではないでしょうか。少し、市外局番の歴史についてお話します。
日本において電話サービスは、明治時代に開始されました。開始当初は官公庁や企業で使われることがほとんどであり、家庭で使われることはほぼありませんでした。しかし、昭和に入って黒電話が登場すると、一気に一般家庭でも加入者数が増えて電話の文化が広がっていきます。電話加入者数が少ないうちは問題ありませんでしたが、各地の家庭に普及することで、ネットワークを識別する仕組みの必要性が高まりました。そうした背景があって、市外局番や市内局番が誕生していったのです。市外局番は市外通話を行うために割り当てられ、市外局番は都市ごとに割り当てられていき、地域が番号によって識別できるようになったのです。
当初、市外局番は東京を起点にして割り振られていました。しかし、より分かりやすいようにするために、北から南へ1から9までの数字を割り当てることになります。現代もそのときの市外局番の割り当てが継続されています。ただし、IP電話の普及と利用者数の増加によって、電話番号数が足りなくなってきています。それをどう解決するかが今後の課題です。もしかしたら、将来的に市外局番に変わる新たな識別法が誕生するかもしれません。
市外局番の割り当て
前述の通り、市外局番には誕生から割り当てられるまでに意外と深い歴史があります。そんな市外局番はどのように割り当てられているのか、そしてどのように調べれば良いのかを以下で具体的に解説します。
9つの地域に分けた番号
市外局番は前述の通り、「0」に続いて並ぶ1~3桁の番号のことです。日本の北側(北海道や東北など)から「1」で始まり、南にいくにつれて番号が大きくなり、最終的に九州・沖縄地方の「9」までが割り当てられています。各地域の市外局番は以下の通りです。
- 1:北海道・青森・秋田・岩手
- 2:宮城・山形・福島
- 3:東京23区
- 4:埼玉・千葉・神奈川・東京都下(23区外)
- 5:山梨・静岡・愛知・岐阜・三重
- 6:大阪
- 7:富山・石川・福井・京都・奈良・和歌山
- 8:中国・四国
- 9:九州・沖縄
この割り当てからも分かるように、市外局番は東京23区や大阪のみ単一で割り当てられています。これは、人口が多い大都市であり、加入者が多いためです。また、市外局番は市区町村の合併・新設によって変更されるため、地域の電話加入者数の増加や番号の枯渇などが予想される場合に変更・新設・既存番号の再利用が行われる可能性があります。
市外局番を調べる方法
市外局番は北から「1」が割り当てられて「9」は南側の地域に割り当てられます。そのため、数字の大きさを見れば、おおよその地域を予測することが可能です。しかし、よほど各地域の市外局番に詳しくないと、番号を見ただけでどこの地方の市外局番なのか当てるのは難しいものです。また、同一市内であっても市外局番が異なるケースがありますし、市区町村合併などにより、市外局番が変更になる可能性もあります。ひと目見て判別することは、知っている地域でなければ難しいでしょう。
しかし、市外局番は電話帳・地図・手帳といったものから調べられます。また、Web検索やアプリでも市外局番を検索することが可能です。例えば、市外局番検索ツールで表示された電話番号を調べれば、どこの地域からかけられた電話なのかを簡単に調べられます。
こうした検索ツールを活用すれば、市外局番を分類してエリアごとのマーケティングを行うなど、ビジネスに役立てることも可能です。
市外局番で始まる番号を取得する方法
では、市外局番で始まる電話番号を取得するにはどうしたら良いのでしょうか。以下で市外局番付き電話番号の取得方法について解説します。
管理は総務省
市外局番は前述の誕生から現在までの歴史からも分かるように、地域を識別するコードの役割があり、総務省が管理しています。通信事業者ごとに適当に数字を割り当ててしまうと、地域識別コードとしての機能が損なわれます。そのため、市外局番は総務省にてルールが定められ、適切な運用をするために厳密に管理されているのです。例えば、電話番号の需要が増えて番号が枯渇することが予想される場合は、市外局番を変更するなどして対応しています。
ちなみに、0120や0800、0570といった特殊番号も、総務省が管理して事業者に割り当てています。
取得はNTTや電話番号取得代行業者
市外局番付き電話番号を取得するためには、NTTの固定電話に加入するのが一般的です。市外局番は申込者が固定電話を使用する住所によって決められています。そのため、「沖縄に住んでいるけど東京03を取得しよう」といったように、申込者が好きな市外局番を選ぶことはできません。
NTTの固定電話への加入以外では、電話番号取得代行業者に申し込むという方法があります。こちらの場合も、市外局番は契約者の住所に依存するため、申込者が好きなように市外局番を選ぶことはできません。
企業が市外局番で始まる番号を取得するメリット
法人の場合、携帯電話番号よりも市外局番で始まる番号を取得した方が良いとされています。それは、市外局番から始まる電話番号には、ビジネスに役立つメリットがあるためです。以下で、そのメリットについて解説します。
法人登記や口座開設に必要
市外局番から始まる電話番号は、法人登記や口座開設する際にメリットがあります。
起業する場合、法務局にて法人登記を行わなければなりません。提出書類には企業の住所はもちろん、電話番号も記載する必要があります。携帯電話番号でも構わないのですが、後から固定電話を取得したり、携帯電話番号が変更になったりする場合に登記変更手続きを行わなければなりません。法人登記の変更手続きは時間がかかりますので、二度手間を避けるためにも、最初から市外局番から始まる電話番号を取得しておいた方が良いのです。
また、銀行の法人口座を開設する場合も同様で、後から変更手続きを行う手間を省くためにも、最初から法人用の市外局番から始まる電話番号を取得しておくことをおすすめします。
社会的信用度が上がる
市外局番から始まる電話番号は、社会的信用が高い傾向にあり、企業への信頼を高めやすいです。
スマホが普及した現代において、固定電話はあまり使われなくなっています。しかし、顧客からすると連絡先がスマホだけというのは不安や誤解を抱かせる要因になります。例えば、「急に連絡が取れなくなるのでは」「詐欺系の怪しい会社かも」と思われる可能性があるのです。
スマホは市外局番から始まる電話番号に比べて、簡単に取得できて番号を変更しやすいことから、このような誤解・不安を生んでしまいます。また、携帯電話番号には地域情報が含まれていないので、「事務所を構えていないかもしれない」と思われる可能性もあります。
一方、市外局番は申込者の住所によって割り当てられる番号であるため、「確実に実在する会社」「正規のビジネスを行っている」というイメージを持たれやすくなります。そのため、社会的信用度が高まりやすいのです。スマホはビジネスツールとして有用ですが、企業の窓口として市外局番から始まる電話番号も取得しておきましょう。
市外局番で始まる番号を使うなら03plusがおすすめ
「市外局番から始まる番号を取得したいけど、固定電話機は使いにくい」という企業は多いことでしょう。そこでおすすめなのが、スマホで市外局番付き電話番号を取得できる「03plus」です。
03plusとは
03plusは、電話回線一体型のクラウドPBXサービスです。クラウドPBXの導入と同時に全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得できます。番号ポータビリティにも対応していますので、条件が合えば既存の市外局番から始まる電話番号をそのまま継続して使える便利なサービスです。
03plusのメリット
03plusは、インターネット回線を使用して通話を行うクラウドPBXサービスです。固定電話機だけでなく、スマホやパソコンなどの端末でも通話を行えます。例えば、スマホにアプリを導入すれば、外出先でも市外局番から始まる番号にて発着信が可能です。固定電話があるオフィスに縛られることなく、いつでもどこでもスムーズに電話対応できるため、業務効率アップや顧客満足度向上を実現できます。
また、ビジネスで役立つさまざまな機能を利用できる点もメリットです。例えば、自動音声で着信の振り分けを行う「IVR」、クラウド上で電話帳を共有・管理できる「Web電話帳」、電話の一次対応を任せられる「留守レポ」など、さまざまな機能があります。ネット上でFAXの送受信を行える「クラウドFAX」は、大阪市でも導入されています。そのことからも分かるように、搭載機能の質の高さや信頼性は抜群です。
「固定電話は面倒だけど、市外局番から始まる番号は取得したい」というご希望がありましたら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。
まとめ
今回は、市外局番とは何なのかについて解説しました。
市外局番は総務省が管理し割り当てている、地域を識別するための番号です。電話が普及して電話番号を持つ人が増えたことをきっかけに割り当てられるようになったという歴史があります。
市外局番から始まる番号は地域を識別できることから、信頼性が高いなどのビジネス上のメリットがあります。そのため、企業では当たり前のように使われています。しかし、固定電話はオフィス内でしか使えないなどの制約があります。「外出先でも市外局番付き電話番号を使えたらいいのに」という需要は非常に多くあります。もしそのようなご要望があれば、ぜひ03plusをご検討ください。03plusならば市外局番付き電話番号を取得でき、スマホからでも発着信を行えます。ビジネスに役立つ機能も豊富にありますので、ぜひご相談ください。