
技術の発展により電話サービスもさまざまなものが登場しています。中でも企業で多く利用されているのがPBXやIP電話です。
しかし意外と「PBXとIP電話はどこが違う?」「クラウドPBXとIP電話は同じもの?」といった疑問を持っている方も少なくありません。また、「PBXを使うならクラウドPBXとIP-PBXどちらがいいの?」と悩む方もいらっしゃいます。
そこで今回は、PBXやIP電話とは何なのか、PBXとIP電話は何が違うのか、クラウドPBXとIP-PBXのメリット・デメリットなどを解説していきます。
目次
PBXとは?
PBXとは「Private Branch eXchange」の略で、電話交換機のことです。
PBXは主装置とも呼ばれ、オフィス内に設置することで内線・外線・転送といったさまざまな機能が利用可能です。外線を内線につなぎ、各電話機を外線につなぐといったことができます。たとえば、企業の代表電話番号へかける(外線)と、PBXにつながってオフィス内の各電話機(内線)へと転送されて応答できるわけです。他にも、「内線同士の通話」「代表番号着信」「転送」「パーク保留」「ダイヤルイン」などさまざまな機能をPBXでは利用できます。
PBXは固定電話のアナログ回線を利用しており、主装置とオフィス内の各電話機も有線にて接続します。そのため導入する際には大掛かりな設置・配線工事が必要です。申込みから使用開始までは1ヶ月以上、費用も数十万円かかるため導入ハードルは決して低くありません。
しかし、PBXはビジネスに必要な機能が備わっており、多くの企業で導入されています。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXとは主装置をインターネットのクラウド上に設置して電話環境を構築するクラウドサービスです。もちろん、従来型のPBXと同様に内線・外線・転送などさまざまな機能を利用できます。
PBXはクラウド上にありインターネット回線を利用するため、設置および配線工事の必要がありません。導入に必要な費用も従来型のPBXと比べて大幅に抑えることができます。
また、スマホ・PC・タブレットなどインターネットに接続できるさまざまな端末で利用することが可能です。インターネット環境さえあればオフィス内外を問わず利用できるのもクラウドPBXの特徴となります。
IP電話とは
IP電話はインターネット・プロトコル(Internet Protocol)技術を利用した通話サービスです。アナログ回線ではなくインターネット回線を利用した通話サービスとなります。アナログ音声をデジタル音声データに変換し相手側に送信、それをアナログ音声に復元して通話する仕組みです。
IP電話には「東京03」のように市外局番で始まる「0AB-J型」、「050」から始まる「050型」、アプリ同士によって通話する「電話番号不要型」の3種類あります。
IP電話とPBXは違う?
IP電話とPBXではそもそもの立ち位置が違います。
前述の通り、IP電話とはIP技術を利用して通話を行うものです。一方、PBXとは内線・外線をつなぐ交換機であり、ビジネス効率化を果たす電話環境を構築する機器となります。
簡単に言えば、IP電話はインターネット回線を使う通話技術・サービスであり、PBXは電話をビジネス利用するために構築するシステムとなるわけです。
IP技術を利用した2つのPBX
IP電話とPBXという2つを組み合わせ、両者の特性を活かした方法が「IP-PBX」や「クラウドPBX」です。アナログ回線を利用した従来型のPBXと異なり、インターネット回線を利用したPBXとなります。
「IP-PBX」や「クラウドPBX」なら、内線の構築にアナログ電話回線を必要とせず、電話機能だけでなくデータ管理やシステム連携等も行えます。そのため、従来型のPBXとはコスト面や業務効率の面で一線を画すものと言えるでしょう。
クラウドPBXとIP-PBXの違い
クラウドPBXとIP-PBXはどちらもインターネット・プロトコル技術を利用したIP電話であり、回線にはインターネット回線を使用します。両者は似ているように見えますが、主装置をクラウド上に設置するかオフィス内に設置するか、という大きな違いがあります。
たとえば、IP-PBXは主装置をオフィス内に設置する必要があるため、装置購入や工事に数十万円の費用がかかります。しかしクラウドPBXならばクラウド上に設置されるため、工事の手間や装置購入費はかかりません。
また、ランニングコスト面で言えば、クラウドPBXはシステム利用のために月額費用がかかりますが、IP-PBXは一度設置してしまえば月額費用はかかりません。
メンテナンスや管理の面で見ると、IP-PBXは従来型と同様にオフィス内に主装置を設置するため、自社にてメンテナンスやセキュリティ管理が必要です。もちろん、主装置が故障した際には修理費用の負担もあります。一方、クラウドPBXはサービス提供側でメンテナンスや管理を行うため、自社での手間や費用はかかりません。
クラウドPBXを選ぶメリット・デメリット
クラウドPBXは主装置がクラウド上に設置され、インターネット回線を使用するPBXです。クラウドPBXにはどのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介していきます。
クラウドPBXならではのメリット
まずはクラウドPBXのメリットを以下にまとめましたのでご覧ください。
・オフィス内外問わず無料で内線・転送・社員連絡ができる ・外出先でも会社の代表番号で受発信できる ・主装置がクラウド上にあるため導入コストが低い ・導入に手間がかからずスピーディーに利用開始できる ・スマホやPCで利用でき、固定電話機を購入する必要がない ・主装置のメンテナンスにかかる手間・費用がない ・セキュリティ管理はサービス提供会社にて行われる ・IP技術を利用しているためアナログ電話より通話料が安い ・さまざまなオプション機能やシステム連携ができ、業務効率アップにつながる ・契約台数の増減が容易である |
クラウドPBXは主装置をクラウド上に設置しインターネット回線を使用するPBXです。そのため上記のようなさまざまなメリットがあります。特に外出先でも内線・外線・転送機能が利用できる点は従来型のPBXにはない大きな利点と言えるでしょう。
クラウドPBXのデメリット
クラウドPBXにはさまざまなメリットがありましたが、デメリットもいくつかあります。以下にまとめましたのでご覧ください。
・月額料金がかかる ・電話番号引継ぎができない場合がある ・インターネット環境によっては通話品質が落ちる ・特殊番号にかけることができない |
クラウドPBXは導入費用こそリーズナブルですが、月額料金がかかります。また、インターネット回線を利用するため、ネット環境が悪いと通話が不安定になる点も注意が必要です。
しかし、これらのデメリットは事前に対策することが可能です。
たとえば料金については、自社に必要な機能などを検討した上で月額料金を比較すれば抑えられます。音声品質についても利用するクラウドPBXサービスの質を見極めた上で、インターネット環境の悪いところでは利用しないことを徹底すれば気にならないでしょう。特殊番号については、万が一に備えて最寄りの警察署や消防署の連絡先をスマホに登録することで解決可能です。また、電話番号引継ぎについても「03plus」のように対応しているサービスがありますので、検討してみてください。
IP-PBXを選ぶメリット・デメリット
IP-PBXは主装置をオフィス内に設置し、インターネット回線を使用するPBXです。IP-PBXにはどのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介します。
IP-PBXのメリット
IP-PBXのメリットを以下にまとめましたのでご覧ください。
・インターネット回線を使用しアナログ回線よりも通話料を抑えやすい ・電話環境の利用には月額費用がかからない ・ITシステムとの親和性が高くビジネスを効率化するオプションを利用できる ・スマホやPCで通話を行えて固定電話機を購入しなくても良い |
IP技術を利用しているためIP-PBXはクラウドPBXとメリットがほとんど同じです。ただ、オフィス内に主装置を設置するため、月額費用がかからない点はIP-PBXならではの利点と言えるでしょう。
IP-PBXのデメリット
ではIP-PBXにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。以下にまとめましたのでご覧ください。
・主装置の購入 ・設置費用がかかる ・主装置の設置工事に1ヶ月程度かかる ・セキュリティ管理は自社で行う必要がある ・メンテナンスおよび修理費用がかかる |
IP-PBXはクラウドPBXと違い主装置をオフィス内に設置する必要があるため、このようなデメリットが生じます。
設置工事の期間については早めに予定を組むことである程度は気にならなくなるかもしれません。これから起業・開店するといった場合は早めの行動を心がけましょう。
それ以外のデメリットについては、事前に対策することが難しいものです。クラウドPBXと比較した場合、大きな懸念点となるのではないでしょうか。
クラウドPBX・IP-PBX・IP電話ならどれがおすすめ?
IP電話はIP技術を利用し、インターネット回線を使用する通話サービスです。アプリの導入でスマホでも利用できるためアナログ回線の固定電話よりも機動性が高く、通話料金も距離に関わらず一律でお得感があります。そのような理由から、IP電話をビジネス利用する企業は少なくありません。
しかし、社員数が多く外出するケースが多いのであれば、ビジネスIP電話サービスを単体で利用するよりもPBXの仕組みを取り入れるべきです。PBXで連携すればスマホ同士で内線化することができますし、さまざまな便利システムも利用できるため業務効率が圧倒的に改善されます。
前述の通り、IP技術を利用したPBXには「IP-PBX」と「クラウドPBX」があります。インターネット回線を使用するため、スマホで会社代表番号を持ち歩くことができ、外出先であっても外線・内線・転送を利用可能です。また、どちらもビジネスに役立つシステムとの連携が容易であり、業務効率をアップさせることができるでしょう。
しかしこれまでご紹介してきたように、「IP-PBX」と「クラウドPBX」では主装置の設置場所に違いがあります。
コスト面や導入やメンテナンスに手間をかけたくないのであれば、クラウドPBXの方が良いと言えるでしょう。
おすすめクラウドPBXサービス「03plus」

業務効率のアップやリーズナブルなクラウドPBXをお探しならば「03plus」がおすすめです。
03plusは「東京03」「大阪06」など全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXサービスです。申込み・導入はスマホまたはパソコンから簡単・スピーディーに行えます。本人確認もオンラインで完結でき、最短10分で電話番号取得・発着信が可能です。
03plusの特徴は「固定電話番号をスマホで持ち歩ける」点です。アプリを導入すれば、外出先であっても市外局番入りの電話番号でスマホから発着信できます。また、契約台数に合わせて複数人で会社代表番号を共有することも可能です。これにより、顧客からの電話も複数名でスムーズに対応できますし、リモートワーク時にも電話対応しやすくなることでしょう。
また、03plusはオプション・機能も充実しています。中でも人気なのが「10分かけ放題」オプションです。その名の通り1通話10分まで何度でも通話無料のサービスです。顧客と1日に何度も細かく連絡を取り合う必要がある、などのケースであれば大幅に通話料金を抑えることができるでしょう。
「クラウドFAX」「WEB電話帳」も03plusでは定番・人気の機能です。特にクラウドFAXは大阪市にて導入されており、ペーパーレス化・コスト削減・業務効率アップといった成果を上げています。
03plusの料金は1IDあたり初期費用5,000円、基本料金980円です。年払いスタートプランなら初期費用0円、10分かけ放題プランも月払いの半額となる年間6,000円で利用できます。
市外局番付き電話番号を取得でき、機能性も高くリーズナブルなクラウドPBXをお探しなら、ぜひ03plusをご検討ください。
まとめ
今回はクラウドPBXとIP電話の違いについて解説しました。
ご紹介したように、IP電話はIP技術を利用した通話サービスであり、PBXはビジネス用の電話環境システムであるという違いがあります。そして、IP技術を利用してインターネット回線を使用するPBXにはIP-PBXとクラウドPBXがあります。
競争が激しくなり業務効率アップが求められる中でアナログ回線を使用した従来型のPBXは使い勝手の悪さが目立つようになりました。IP電話とPBXが組み合わさり、ITシステムと容易に連携でき外出先でもスムーズな電話対応ができるIP-PBXとクラウドPBXは、今後多くの企業で導入されていくことでしょう。
IP-PBXとクラウドPBXはどちらも利便性が高く、どちらを導入すべきか迷う場合もあるかもしれません。両者ともにメリットはほぼ同じで、初期費用やメンテナンスの手間・費用を考えた場合、クラウドPBXの方に軍配が上がります。特に、初期にあまり費用をかけたくないスタートアップ企業にとってはクラウドPBXの方がスムーズに導入できるのではないでしょうか。