クラウドPBXの7つのメリットと注意すべき3つのデメリット

ビジネスにスピード感が求められるようになった昨今、クラウドPBXは注目されているサービスの一つです。クラウド経由で利用できるサービスであり、導入までのスピードが早くコストが安価であるため、大手企業はもちろん個人事業主・店舗・中小企業にて利用を考えている方も多いのではないでしょうか。

しかしクラウドPBXは具体的にどういった部分が優れているのでしょうか。今回はクラウドPBXのメリットを7つの側面から解説、さらに注意点とおすすめクラウドPBXサービスをまとめてご紹介します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、PBXをクラウド上のサーバーに設置して、内線通話などビジネスフォンの機能やその他さまざまな機能を提供するサービスです。従来のPBXと異なり、オフィス内だけでなく外出先でも、アプリがインストールされたスマホがあれば会社の内線・外線通話を行うことができます。

また、従来のPBXと異なり機器購入や設置工事費用がかからないため、初期費用をリーズナブルに抑えることが可能です。低コストで導入できることでスモールスタートもしやすく、後からIDの追加や機能拡張も簡単に行えます。

このようにコスト・運用面において、従来のPBXよりメリットの多いものがクラウドPBXとなります。

クラウドPBXの7つのメリット

クラウドPBXはクラウド上に設置され、インターネット回線を利用しているため、従来のPBXにはない多くのメリットがあります。具体的にどのような特徴・メリットを持つのか、費用や機能面・将来性など7つの観点から解説します。

導入にかかる費用が安い

クラウドPBXは従来のPBXと比べて導入費用を安く抑えやすい点が大きなメリットです。

たとえば、従来のPBXは機器の購入が必要で、その設置工事費用もかかりました。しかしクラウドPBXはクラウド上にPBX機能が設置されているため、機器を購入してオフィス内に設置する必要がありません。

また、クラウドPBXはスマホやPCにアプリをインストールして利用するため、固定電話機の購入も不要です。

このように、さまざまな面からクラウドPBXは初期費用を抑えやすいというメリットがあります。

通話料が安い

通話料を安く抑えやすいのもクラウドPBXのメリットです。

たとえば、従来のPBXは社内の電話回線でつながっている電話機同士であれば内線通話を無料で行えます。しかし外出しているスタッフに通話する際は、携帯電話への外線通話となり通話料金がかかります。

一方、クラウドPBXならサービス登録されているスマホ同士であればオフィス内外問わず無料の内線通話が可能です。また、本社・支社・各店舗など拠点が異なっていても、クラウドPBX上でつながっていれば無料で内線通話できます。

外線通話も固定電話と比べると安くなる傾向にあります。クラウドPBXはアナログ固定電話と異なりインターネット回線を利用しているため、遠距離であっても通話料金が一定であるためです。

このように、クラウドPBXは従来のPBXより通話料金を安く抑えやすいメリットがあります。

いつでも・どこでも固定電話が使える

いつでもどこでも固定電話番号が利用できる点もクラウドPBXのメリットです。

従来のPBXは社内の電話回線でつながっている電話機であれば代表番号から発信することができました。しかし外出時には社内の電話回線を利用することができませんでした。

一方、クラウドPBXはスマホを固定電話化して持ち歩くことが可能です。登録されたスマホであれば外出時でも会社の代表番号から受発信できます。

このメリットによりいつでもスムーズに取引先とコミュニケーションを取れるようになります。

利用台数の変更が簡単

スタッフの増減に伴う利用台数の変更もクラウドPBXならスムーズです。

従来のPBXは契約台数の増減時に設定などが必要でかなり手間がかかりました。特にPBX機器のキャパシティを超える台数の増加は大変で、機器の買い替えや工事が必要で多くのコストと工数が必要です。

クラウドPBXは増減に伴う配線工事や機器の買い替え等は必要ありません。ライセンス追加を申し込むだけで済みます。業務の拡張にもストレスなくフレキシブルに対応できる点はクラウドPBXの大きなメリットです。

申し込み後スピーディーに導入

クラウドPBXは導入がスピーディーである点もメリットです。

従来のPBXは申し込みから工事スケジュールの確認・日程調整、そして実際の工事・設置完了までに1~2ヶ月かかるのが当たり前でした。ビジネスにスピードが求められる昨今、これではあまりに遅すぎます。

クラウドPBXならば設備の購入・工事が必要なく、申し込みから利用まで最短即日で完了します。起業や開店などですぐに利用したい時にとても便利です。

多彩なオプションサービスが利用できる

ビジネスに役立つさまざまなオプションを利用できる点もクラウドPBXのメリットです。

たとえば、クラウド上でデータの確認・送受信を行えるクラウドFAXや顧客情報をリアルタイムに一括管理できるグループウェア・電話帳といった機能を利用できます。

他にもクラウドPBXサービスによってさまざまなオプション機能がありますので、業務に必要なものを探して利用を検討してみましょう。

市外局番が使えるものも

クラウドPBXの中には市外局番を利用できるものもあります。

市外局番のついている番号は高齢者を中心に信頼されやすい傾向にあります。たとえば050から始まる電話番号はしつこい営業電話に利用されるケースも多いため不審がられやすいです。

クラウドPBXサービスのうち「03plus」は全国主要46都市の市外局番を取得することができます。もちろん取得した番号をスマホで持ち歩き、外出先でも受発信可能です。

ビジネスに信頼感を持たせたいとお考えならば、市外局番を取得・利用できる03plusを検討してみましょう。

注意しておきたいクラウドPBXのデメリット

クラウドPBXは従来のPBXと比べて多くのメリットを持ちます。その一方で、インターネット回線を使っているからこそのデメリットもいくつか存在しています。ここではクラウドPBXの注意点をご紹介いたします。

一部の番号に発信できない

IP回線を利用しているクラウドPBXは一部の電話番号に発信できません。たとえば以下のような番号は発信不可です。

・「110、118、119」警察・消防・救急・海上事件等の緊急通報・「177」天気予報・「117」時報・「115」電報の申し込み・「0570」ナビダイヤルなど

IP電話はインターネット回線を利用しているため位置情報が相手に伝わらないため、緊急通報には利用できません。また、特殊番号にはNTT独自のサービスが多く、NTT以外の回線を使うIP電話はかけることができないのです。

緊急通報に関しては万が一に備えて緊急通報アプリをインストールしたり、最寄りの警察署・消防署の連絡先を登録したりなど対策しておくと良いでしょう。

通話品質はサービスや通信環境次第で変わる

クラウドPBXを提供する会社やインターネット環境によって通話品質が安定しない場合があります。

クラウドPBXはアナログの電話回線ではなくインターネット回線を利用しています。そのため、通信環境が悪い場所ではノイズや音声の途切れなどが発生する可能性があるので注意しましょう。

また、サービス提供会社によってはクラウドサーバーが弱く、多少の負荷で安定性が損なわれてしまう場合があります。クラウドPBXを選ぶ場合は口コミや実績などを参考に、安定性の高い会社を選ぶべきです。

現在の電話番号や市外局番が使えないケースも

クラウドPBXでは現在使用している電話番号や市外局番が使えないケースもあります。

現在使用しているアナログ固定電話から、新たにクラウドPBXを導入したいという企業も多いことでしょう。その場合、クラウドPBXによっては電話番号をそのまま引き継げません。新規に電話番号を取得しなければならず、取引先などに番号変更を周知する必要があります。また、市外局番つきの番号を使えないサービスもあるので注意が必要です。

03plusや光回線を利用した一部サービスであれば、固定電話番号ポータビリティに対応しています。ただし引き継げる番号には条件がありますので必ず確認しましょう。また、03plusは全国主要46都市の市外局番を取得できるサービスです。市外局番を利用したい場合はぜひ検討してみてください。

おすすめクラウドPBXサービス5選

クラウドPBXサービスを提供している会社は数多くあるため、迷ってしまう方も多いことでしょう。ここではクラウドPBXらしいメリットをしっかり活用でき、信頼性・安定性の面からも評判の良いサービスをご紹介します。

03plus

03plus」は全国主要46都市の市外局番つき電話番号を取得できるクラウドPBXです。スマホにアプリをインストールし、そのまま申し込み・本人確認も行えます。電話番号取得まで最短10分と導入がスピーディーで簡単な点が特徴です。また、固定電話番号ポータビリティに対応しており、NTTの加入電話やISDNで取得した電話番号で条件が合えば既存番号をそのまま活用することができます。

03plusは導入実績が多く40,000ユーザー以上が利用しています。中でも大阪市が03plusのクラウドFAX機能を導入し、コスト削減やペーパレス化に成功していることで注目を浴びています。

また、1通話10分以内まで無料の「10分かけ放題サービス」というオプション機能があるのも特徴です。このサービスを利用すれば、短時間ながら何度も電話をかける機会が多い場合は、通話料を大幅にカットすることができるでしょう。

1IDから申し込むことができ、初期費用は5,000円から、月額は980円からとなっています。

ArcstarSmartPBX

NTTコミュニケーションズが提供しているのが「ArcstarSmartPBX」です。NTT系列が提供しているため信頼感が高く、通話品質も安定している傾向にあります。

内線・外線機能はもちろん、ユーザー自身がWeb上で各種設定を行えるのが特徴です。また、VoIP端末のレンタルやIPフォンの販売などのサービスもあります。

導入時には新設工事費11,000円、月額料金5,500円(契約基本料)+ID利用料550円がかかります。

BIZTEL

「BIZTEL」は低コストで利用できるクラウドPBXサービスです。「東京03」「大阪06」「050」「0120」などから発着信することができます。

機能は多く、音声ナビによる鳴り分け機能やAPIを利用した外部システムとの連携、顧客情報の一元管理などを行うことが可能です。また、電話機器がなくてもソフトフォンをパソコンにインストールすることでサービスを利用できます。固定電話機以外の端末を利用したい場合でも使い勝手は良いでしょう。

初期費用は55,000円から、月額利用料金は23,100円からです。

MOT/TEL

「MOT/TEL」は中小企業など小規模でもリーズナブルに利用できるクラウドPBXです。スマホの内線化やパソコンのビジネスフォン利用はもちろん、音声会議通話機能もあります。またiPad端末を受付用に活用するiPad受付システムという機能もあるのが特徴です。

20内線から利用可能で初期費用32,780円、月額4,378円から利用できます。

MiiTel

「MiiTel」は人工知能が搭載されていて、会話を可視化や生産性の向上を図れるクラウドPBXです。

通話の録音はもちろん、自動文字起こしを行うことができます。会話を可視化することができ、営業電話内容を社内・チーム内で共有して生産性向上を目指せます。また、人工知能による通話スコアリング機能もあるため、社員教育がしやすいのも特徴です。

どちらかといえばコールセンターなど電話業務がメインの企業に向いています。

初期費用は0円で月額5,980円(1ID)かかります。10ID以下で単月契約の場合は事務手数料が別途必要です。

まとめ

クラウドPBXは安価かつスピーディーに導入することができます。そのため、既存電話からの変更や、起業・開店時の新規電話環境の構築に向いているサービスです。通話コストも抑えやすく、業務の規模やスタッフの増減にも対応しやすいため利用価値は高いといえるでしょう。スモールスタートしやすいため個人事業主や中小企業でも導入しやすいのではないでしょうか。

一方で、発信できない番号があったり提供会社によっては通話品質が低かったりとデメリットもあります。実際に導入する際には料金だけでなく機能面もじっくり検討するべきでしょう。

今回の記事でご紹介した5つのサービスはクラウドPBXの中でもおすすめです。特に03plusは実績も多く大阪市での成功事例もありますので、特におすすめです。

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