クラウドPBXは従来のPBXと比べて機能性や利便性が高いことから普及が進んでいます。しかし実際に自社で導入する場合「本当に課題は解決できるのか」と不安になることもあるでしょう。
そこで今回は、クラウドPBXの導入事例をご紹介しつつ多様なメリットについて解説していきます。
目次
クラウドPBXとは?知っておくべき基礎知識
クラウドPBXはインターネットを使用してスマホ・パソコン・タブレット等の端末で内線・外線・転送といった電話機能を利用できるサービスです。
従来のPBXは主装置が設置されたオフィス内でしか電話機能を使用できません。また、アナログ回線を使用するため電話機が設置された場所でしか対応できませんでした。
クラウドPBXは、オフィス内外を問わずインターネット環境さえあればどこでも電話機能を利用できます。外出先でも顧客からの電話にスムーズに対応できますし、リモートワーク導入も容易です。場所に縛られずいつでもどこでも世界中すべてがオフィスのような空間になる、それがクラウドPBXとなります。
クラウドPBXで業務はどう変わる?導入事例10選
実際にクラウドPBXを導入した企業ではどのように業務が改善されていったのか、導入事例をご紹介いたします。
事例1:外出中も電話対応ができ顧客満足度アップ
ポータルサイトを運営するA社はクラウドPBX導入前、事務所を開設したばかりということもあり社員数が少なく全員が外出することが多くありました。固定電話機しかなかったため、電話番のアルバイトを雇うべきか、費用面から社員が直接対応すべきかで悩んでいたのだそうです。そんな折にとあるクラウドPBXサービスの営業から連絡が入り、その存在を知って導入を決意されました。
クラウドPBXの導入により、顧客から会社宛てにかかってきた電話に対して外出中のスタッフがスマホで直接出られるようになりました。電話対応できない、折り返し電話をするといったことがなくなったため営業チャンスを逃さずスムーズに対応できるようになり満足しているそうです。電話番のアルバイトを雇う必要がなくなり、不要なコストをかけずに済んだ点も導入のメリットとなっています。
また、クラウドPBX導入により、社員が外出先から顧客へ電話する際に携帯電話番号ではなく会社番号で発信できるようになったために、顧客満足度もアップしたとのことです。
出典:https://www.mot-net.com/case/1220
事例2:店舗の固定電話を廃止して電話業務の効率が向上
関東圏にドラッグストアを運営する株式会社ウェルパークでは、もともと各店舗に固定電話機を設置していました。ただ、着信時に店長宛てに取り次がなければならない場面も多いのですが、固定電話のため保留にした状態で店内に居る店長を探さなければならず、時間がかかってしまって電話が切れてしまうなどの問題が起きていました。
そこで、固定電話を廃止してスマホで固定電話が使えるようクラウドPBX「03plus」を導入。電話業務の効率化だけでなく、独自のかけ放題サービス「10分かけ放題」を利用することで、通常の固定電話に比べて通話コストを3分の1程度まで削減することに成功しました。
電話のレスポンスも向上したことで、顧客満足度の向上にもつながったそうです。
出典:https://03plus.net/case/welpark.html
事例3:クラウドPBXで拠点間の連携が向上
部品の開発・製造・販売を行うB社は拠点が複数ありました。業務上、各拠点間で連絡を取り合う機会が多いそうですが、そのたびに外線通話料金がかかっていたため通話コストがかかっていました。さらに他拠点で受けた顧客からの連絡を担当者に回すため、一旦通話を切ってから折り返しするという手間がかかっていて、顧客を待たせてしまうことが懸念点だったそうです。電話の取り次ぎによるロスも悩みの種でした。
しかしクラウドPBXを導入することで、これらの問題は一気に解決します。拠点間の連絡は内線で行えるようになり、他拠点にかかってきた顧客からの電話もスムーズに担当者へ取り次ぐことができるようになったのだそうです。間を置かずにそのまますぐに電話を取り次げるようになることで、時間的なロスや社員への負担が減ったことが大きな収穫になったとのことでした。
また、クラウドPBXならではの便利機能を活用し業務の効率化も実現できたとのことです。
出典:https://office110.jp/cloud-pbx/precedent/corporation02/
事例4:グループ会社をクラウドPBXでつなぎ管理効率化
ワインの輸入販売を行うC社では以前、従来型のPBXを利用されていました。問い合わせがあっても外出中の担当者には直接取り次ぎができないため折り返し対応となり、顧客を待たせてしまうことが懸念されていたそうです。また、社員の個人携帯を業務利用していたため、折り返し電話が多い社員に対して通信手当を支払っていたのだそうです。
クラウドPBX導入により回線数を削減することができ管理が簡素化されました。アプリからの通話料は会社宛ての請求となるため、通信手当を廃止することでコストを下げることも可能になったのだとか。
また、スマホを内線化することで外出中の社員との連絡も外線ではなく無料の内線通話となったため通話コストが安くなり、取り次ぎも簡単になったそうです。社内コミュニケーションも活性化され、顧客対応も迅速に行えたことで業務効率化を実現できたそうです。
出典:https://www.mot-net.com/case/office/852
事例5:クラウド電話帳を徹底活用して取り次ぎを効率化
家具・インテリア専門店のD社は店舗数や部署が多く、その一つひとつに代表電話が存在していました。担当者を呼び出すためにはその代表電話にかける必要があり、社内電話環境におけるタイムラグが問題とされていたそうです。
クラウドPBX導入後は電話番を置くことなく、担当者の持つスマホで直接連絡できるようになりました。さらに内線発信者が特定できるようになったため社内コミュニケーションが活性化されたそうです。
また、以前は従業員数が多く人事異動も頻繁に行われる業種であるため個人の内線番号がそのたびに変更になっていました。しかしクラウドPBX導入後はクラウド電話帳を用いて組織変更にもフレキシブルに対応できるようになり、余計な取り次ぎを行わずにスムーズなコミュニケーションが取れるようになったのだそうです。
出典:https://phoneappli.net/product/casestudy/casestudy-32.html
事例6:従来の電話番号のままクラウドPBXへ移行
Web関連業務を行っているE社は社員数が少なく外出する機会も多くあったため電話対応が滞るケースが多かったそうです。それに加えて事務所移転に伴う電話番号変更を回避し、そのままの番号を使い続けられるサービスを探していました。
クラウドPBXを導入することで電話対応についてはかなり楽になったそうです。外出中の社員はもちろん、リモートワーク中でも顧客からの電話に対して漏れなく対応できて心理的に安心感が生まれたとのことでした。従来のPBXではオフィスに電話番として誰かいないといけませんが、そうした無駄も省くことができたわけです。
また、小規模であるがゆえ、会社番号を変えずに済んだこともクラウドPBX導入での良かった点とのこと。移転後も番号が変わらず顧客が安心して問い合わせできるということはビジネスチャンスを逃さないという点でも大きなメリットになったそうです。
出典:https://www.tramsystem.jp/pbxcloud/case/hikidas/
事例7:インターネットFAXの導入でコスト削減&テレワークの実現
大阪市の財政局税務部ではFAXを利用した業務が多く、機器の保守費用や用紙・トナーなどの消耗品に費用がかさんでいました。また、テレワークに対応できていないことから、コロナ禍などの非常事態の発生時に業務に支障が出る可能性があるという課題も抱えていました。
解決策となったのが、クラウドPBXサービス「03plus」が備えるインターネットFAXサービスです。このサービスを利用すれば、既存のFAX番号をそのままインターネットFAX番号として引き継ぐことができ、機器や消耗品コストの削減や業務の効率化に成功。また、税務部ではインターネットFAXの「500枚使い放題」オプションも利用し、部署によっては7割程度の通信コスト削減につながったそうです。
出典:https://03plus.net/case/osaka_city.html
事例8:転送電話の問題解消にクラウドPBXが活躍
業務用食品の卸売業を行っているF社は元々、家庭用の電話機を使用して電話対応をしていたそうです。外出する機会も多いため転送電話を利用していたそうですが、折り返しが携帯電話番号になることから顧客から不信感を持たれることもあったのだとか。また、受電を受けきれないことも多く、限界を感じていたそうです。
クラウドPBXを導入することで、スマホで会社代表番号を持ち歩くことができるようになりました。どこでも通話できるようになり、オフィスに社員がいなくても柔軟に電話対応できるようになったことが導入の大きなメリットとのことです。折り返し電話も会社代表番号で行えるため、社員も使いやすさを感じているとのこと。
また、月額コストが安く利便性を考えた場合はオプション追加も納得できるレベルであるとのことです。小規模オフィスでも安心して使える点がクラウドPBXの大きな魅力であると実感されているそうです。
出典:https://office110.jp/cloud-pbx/precedent/corporation01/
事例9:BCP対策としての活用
投資関連業務を行っているG社。投資商品を販売していることもあって毎日変動する基準価格に対応し、全国の顧客からの売買注文を受け切るためにもスムーズな電話対応が求められていました。また、災害発生時にもできる限り止めることなく業務を継続しなければいけないため、BCPオフィスを設置することになりました。当初はVPNサービスを導入して電話環境を構築しようと考えていたそうですが、稼働テスト時に想定外の問題でシステムが停止してしまうことがあり、他の手段を探していたのだそうです。
最終的にクラウドPBXを導入したところ、各拠点で問題なくシステムを稼働させることができたとのこと。クラウド上にシステムがあるため災害にも強く、BCP対策としても十分であることが実感できたそうです。また、コストが当初想定していたものよりもリーズナブルであったことには驚いたそうです。
出典:https://www.tramsystem.jp/pbxcloud/case/kamakuratoshin/
事例10:IVR機能を活用&内線番号の追加も手軽
資産運用コンサルティング業を行うH社では大量の着信を事務所で受電しきれないことが課題とされていました。また、人員の増減や異動により内線追加に工数やコストがかかることを懸念していたそうです。
クラウドPBXを導入することで電話対応業務は大幅に改善。11番号ある外線番号も容易に使い分けることができ、顧客満足度も向上したそうです。内線番号も110番号契約してほぼ全社員に割り当て、顧客からの電話を外出先の担当者に取り次ぐことでスムーズに対応できるようになったのだとか。
また、IVR機能(自動応答システム)を活用することで顧客がどのようなサービスを求めているのかを絞り込み、適切な担当者へスムーズにつなげられるようになったこともクラウドPBX導入の大きなメリットであるとのことです。無駄な取り次ぎが減り、顧客満足度を高められるとともに業務効率化にもつながったそうです。
クラウドPBXの導入メリットをおさらい
クラウドPBXは導入する企業の規模感によっても享受できるメリットに違いがあります。大企業・中小企業・個人事業主に分けてそれぞれのメリットを解説します。
大企業の場合
大企業の導入メリットは以下の通りです。
- 複数の拠点の電話環境をまとめて導入、管理できる
- 遠方の拠点とも内線通話でつなぐことができる
- 主装置の購入や配線工事が不要で導入コストを抑えられる
- 利用人数の拡大、縮小に対応しやすい
- テレワーク導入もスムーズに進められる
大企業は従業員数が多く、複数拠点を所有している場合もあります。そのため、複数拠点を一つのネットワークで管理でき、外出先や別拠点とも無料で内線通話できるクラウドPBXはコスト削減や利便性の向上に最適です。
また、クラウドPBXは従来のPBXのように主装置や固定電話機の購入・管理の必要がありません。そのためコストを抑えてスムーズに導入できます。規模が大きくなればなるほど導入・管理コストも高くなるため、これも大きなメリットとなることでしょう。
さらに、クラウドPBXは管理画面上でアカウントを追加・削除するだけで利用人数を調整できます。利用機器が増えたとしても配線工事は不要なので、大企業のように人材の入れ替わりが激しい場合にも適しています。
従来のPBXと併用できるため、テストをしつつ段階的に導入できる点も大企業向きです。
中小企業の場合
中小企業の場合も、クラウドPBXの導入はさまざまなメリットをもたらします。
- 従来のPBXに比べて、導入費用、月額費用を抑えられる
- 申し込みから数日で利用開始できる
- 事業の拡大に対応しやすい
- 社員のスマホが利用できるため新しい電話機が不要
- 同一市外局番エリア内であれば移転しても電話番号が変わらない
- 業務の効率化を実現する便利な機能が利用できる
中小企業ではかけられるコストも限られているため、導入・管理コストのかかる従来のPBXは大きな負担となります。クラウドPBXならば導入・管理コストを大幅に抑えることができるため大きなメリットとなることでしょう。新規事業立ち上げなどの際にも素早く対応できる点も魅力です。
また、大企業のメリットでも紹介したように、クラウドPBXは利用人数が変更した場合も、配線工事は不要です。将来的に規模を拡大する予定があったとしても、クラウドPBXであれば簡単に調整できるため安心です。
さらに、クラウドPBXなら社員に支給しているスマートフォン、または社員自身のスマートフォンで利用できるため、新しい通話端末の購入が不要なケースが多くあります。
そのほかにも、CTIやIVR、勤怠管理システムなどの便利機能が搭載されたクラウドPBXも多いため、業務効率化を図ることもできます。限られたコストで業務を円滑に行うことが求められる中小企業にとってこうした機能を利用できることはメリットになります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合も、これまでに紹介したさまざまなメリットがそのまま活かせます。
コストを抑えて短期間で導入できるほか、手持ちのスマートフォンで利用できるため、初期費用をかなり抑えることができます。規模を拡大する場合も簡単です。
クラウドPBXで市外局番付きの電話番号を取得している場合、事務所が移転したとしても、同一市外局番エリア内であれば電話番号は変わりません。ちなみに050番号を取得している場合は、エリアの制約がないため、全国どこへ移転しても番号は変わりません。
こうしたスピード感と利便性は個人事業主にとって大きなメリットとなることでしょう。
クラウドPBXの導入時にチェックしておくべきポイント
クラウドPBXはさまざまなサービスがありますが、適切なサービスを選ばないと課題を解決できずに頭を抱えることになるかもしれません。クラウドPBX導入時にチェックしておくべきポイントをご紹介します。
自社の課題を解決できるか
クラウドPBXの導入により自社が抱えている課題を解決できるかどうかは必ず確認しましょう。
たとえば、スタッフ数が少なくて顧客からの電話に対応しきれない、拠点間の通話コストに頭を抱えている、BCP対策をしたい、といった課題があればクラウドPBX導入に向いています。
他にも、自社の業務に必要な機能を備えているかどうか、業務拡大に伴い新たな機能をオプション追加できるかもチェックしましょう。
通話品質に問題がないか
クラウドPBXでは通話品質にも注目しましょう。品質が悪いと通話中にノイズやラグが発生し、大切な内容を聞き逃してしまう可能性があります。問題発生のたびに聞き返せば顧客の印象も悪くなりますし、ビジネスチャンスを逃すきっかけになるかもしれません。
近年はほとんどのクラウドPBXで安定した通話品質が保たれていますが、それでも安価なサービスでは品質が極端に悪い場合があります。口コミや事例を確認し、慎重に選ぶようにしましょう。
トライアルができるか
クラウドPBXサービスの中には無料トライアルを実施しているところもあります。サービスを契約すべきかどうか迷った際にはぜひトライアルを利用しましょう。
無料トライアルでは以下のようなことをぜひ確認してください。
・音声品質 ・サポート体制 ・操作性 ・トラブル時の対応 ・必要な機能があるか、使えるか |
トライアルを通してこの5つのポイントをチェックし、自社にマッチすると感じるのであれば本導入を検討してみましょう。導入後の失敗が大幅に減るはずです。
まとめ
今回はクラウドPBXの導入事例とさまざまなメリットについて解説しました。
クラウドPBXは従来のPBXと比べて多機能です。また、インターネット回線を使用するため場所に縛られずスムーズに電話対応できる点が魅力となります。そのような理由からご紹介したように導入企業では電話対応や社内コミュニケーションが円滑化され、顧客満足度向上や業務効率化を図れているようでした。
クラウドPBXサービスはメリットが多く近年、普及が一気に進んでいます。「当社でもぜひ導入を検討してみたい」という方は、選ぶ際のポイントを参考にサービスを選定してみてください。「どのサービスにすべきか迷う」という場合は、スモールオフィスから大企業まで柔軟に対応できるリーズナブルなクラウドPBX「03plus」をぜひご検討ください。