【2025年最新】おすすめIVRツール12選を徹底比較

IVR(自動音声応答システム)は古くからコールセンターなどで活用されてきたシステムです。現在では、クラウド化されて低コストかつスムーズに導入できるようになってきたことから、コールセンターや大企業だけでなく中小企業での導入も増えています。

本記事では、自社でIVRを利用したいものの「どんなIVRを選べば良い?」「選ぶときのポイントは?」という疑問をお持ちの方のために、IVR導入のメリットや選ぶ際のポイント、2025年おすすめのIVRツールをご紹介します。

IVR(自動音声応答システム)とは

IVRとは「Interactive Voice Response」の頭文字を取った略称で、電話の自動応答システムのことです。顧客からの着信に自動で応答し、あらかじめ設定した音声を再生して問い合わせ内容に応じて番号をプッシュしてもらい適切な担当部署・担当者に振り分けを行います。

例えば「商品に関しては1を、サポートは2を」といったような音声を流してヒアリングを行い、問い合わせ内容に応じて自動で対応するシステムとなります。コールセンターや金融機関、大企業など電話応対業務の多い企業にて利用されています。一次応対を自動音声に任せることができるため、業務効率化や人件費削減などを図れるのがメリットです。

IVRの主な機能

ツールによって細かな違いはありますが、IVRにはおもに以下のような機能が搭載されています。

  • 顧客の用件を確認し、選択肢で選んでもらう
  • 顧客の用件ごとに、対応先を振り分ける
  • 折り返し電話の予約(コールバック機能)
  • 営業時間外などの音声アナウンス
  • 着信の自動振り分け

これらの機能を利用することで、電話受付の一次対応にかかっていた手間を削減することが可能になります。また、このほか電話対応をより便利にする機能として、

  • 通話録音機能
  • 外部の顧客管理システムなどとの連携

などが利用できるツールもあります。

IVRの機能についてはこちらの記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

IVRからの発信が可能なものもある

IVRは着信での活用だけでなく、発信での活用も可能です。

例えばリストにある顧客の電話番号に自動で発信し、音声での案内を再生することが可能です。

キャンペーンや新商品の告知のほか、自動音声でのアンケートなど、さまざまな用途で活用することができます。

ただし、ツールによって着信対応のみできるものと、発信での利用ができるものがあるため、目的に応じたツール選びが必要です。

おすすめIVRツール&IVR搭載PBXを比較

IVRサービスやIVR機能を利用できるクラウドPBXは、現在さまざまなベンダーから提供されています。こちらでは、2025年の最新版としておすすめの9つのサービスを紹介します。

※以下の内容は記事執筆時の情報をもとに記載しております。最新の情報は各社公式サイトをご覧ください。

03plus エンタープライズ

03plus エンタープライズは、全国46局の主要市外局番付き電話番号を取得でき、スマートフォンで発着信できるクラウドPBXサービスです。番号ポータビリティに対応しているため、電話環境を切り替える際も既存の番号をそのまま利用できます。

2025年現在、導入実績は100,000回線を突破。個人事業主や中小企業、大企業、さらには大阪市をはじめとする自治体まで幅広く導入されています。

03plusは1番号1IDあたり1,280円という低コストで、個人事業主から中小企業、大企業まで幅広い規模で利用されています。特にエンタープライズ版は30ID以上の法人向けサービスとなっており、多人数での運用にも柔軟に対応できるのが特徴です。

外出先でも会社番号で発着信ができるのはもちろん、クラウド上でFAXを送受信できる「クラウドFAX」、電話の一次受付を自動化できる「留守レポ」、音声ガイダンスによる自動振り分けができる「IVR」、着信情報をパソコンにポップアップ表示する「着信ポップアップ」など、業務効率化につながる多彩な機能が搭載されています。これらの機能を組み合わせることで、一般企業の電話業務の効率化だけでなく、小規模コールセンターの構築も可能です。

例えば30IDで法人利用する場合、初期費用は150,000円、月額費用は27,380円となっています。100ID以上にも対応でき、用途や規模に合わせてプランや機能を選べます。

03plusのIVR機能について詳細はこちら

03plus エンタープライズについて詳しくはこちら

VoiceMall

VoiceMallは、NTTテクノクロス株式会社が提供するクラウド型IVR(自動音声応答)システムです。NTTデータセンターを活用することで、大規模でありながら高品質・高セキュリティなサービスを提供しています。

VoiceMallは、SMS発信やボイスボット機能があり、従来のIVRよりも柔軟な運用を行えるのが特徴です。また、既存のWebシステムとも連携しやすく、自社の業務フローや用途に合わせた運用もスムーズに行えます。さらに、IVRの導入から運用・管理までをトータルで支援されるため、安心感があります。

費用については個別相談となります。例えば、着信型のベストエフォートタイプであれば、初期費用300,000円~、月額費用260,000円~が目安です。導入規模や運用形態に応じて柔軟に見積もりがされますので、詳しくはお問い合わせください。

IVRy

アイブリーは、株式会社IVRyが提供するクラウド型のIVR(自動音声応答)+AIシステムです。累計アカウント数は30,000件以上、顧客満足度も5点満点中4.9点と高評価のサービスです。

アイブリーは、従来の自動音声応答に加え、AIを活用した自動応答や音声認識、通話内容の文字起こし・要約・分析といったAI機能が大幅に強化されています。累計アカウント数は30,000件以上、顧客満足度も5点満点中4.9点と高評価のサービスです。

Webやアプリの管理画面から、AIによる自動対応フローの作成やカスタマイズが簡単にでき、問い合わせや予約、一次受付業務を効率化できます。電話番号は050番号のほか、03・06などの市外局番や0120・0800番号にも対応しています。

スタータープランは初期費用0円、月額2,980円~利用可能です。050番号取得時は番号維持費として月額550円が必要です。

トビラフォンcloud

トビラフォンcloudは、トビラシステムズが提供しているクラウド型ビジネスフォンです。PBX機器や工事は不要で、市外局番・050・フリーダイヤルなど複数番号の一元管理に対応。リモートワークやオフィス移転、BCP対策にも活用できます。

管理画面からユーザー追加や着信設定が簡単にでき、自動音声ガイダンス(IVR)、通話録音、音声テキスト化、迷惑電話フィルタなど多彩な機能を搭載。CRMやチャットツールとの連携、セキュリティ対策も強化されています。

基本セット料金は月額3,300円+通話料、初期費用は33,000円となっています。基本セット内にて、通話のテキスト化を含んだほとんどの機能が利用可能です。

BIZTELコールセンター

BIZTELコールセンターは、株式会社リンクとブライシス株式会社が共同事業として運営しているクラウド型のコールセンターシステムです。2,000社を超える導入実績があり、業種や規模を問わず幅広い現場で利用されています。

標準で豊富なコールセンター機能が用意されており、リアルタイムの入電状況可視化や、管理画面からの即時設定変更、各種CRM・SFAとの連携も可能。0120・03・06などの各種電話番号の継続利用にも対応しています。

音声認識や生成AIなどの最新技術を活用した業務効率化も特徴で、在宅オペレーターやBCP対策、金融機関向けの高セキュリティプランなど多彩なニーズに応えられます。クラウドならではの短納期・低コスト導入、システム稼働率99.99%以上、24時間365日の電話サポートなど、運用面の安心感も強みです。

1席あたり15,000円から利用できます。ライトプランの場合、初期費用200,000円~、月額利用料は81,000円~です。

CT-e1/SaaS

CT-e1/SaaSは、コムデザインが提供するクラウド型CTI(コールセンターシステム)です。2025年6月時点で32,000シート・1,825テナントと、国内トップクラスの採用実績を誇ります。

自社開発によるワンストップ体制を活かし、ACDやIVR、通話録音などの基本機能に加え、ダッシュボードやボイスメール、高度な外部連携など多彩な機能を標準搭載。IP電話機だけでなく、ビジネスフォンや携帯電話を活用した柔軟な運用や、音声認識・会話解析・AIソリューションなど先進的なDXにも対応しているのが特徴です。

料金は初期費用300,000円~、月額費用は外線ライセンス5,000円、シートライセンス5,000円、管理機能ライセンス5,000円からとなっています。

LINE AiCall

LINE AiCallは、LINE WORKSが提供するAI自動応答型の電話対応サービスです。自社AI技術を活用し、シナリオ設計から音声学習、システム連携まで企業ごとにカスタマイズできるのが特徴です。FAQ対応や本人確認、シナリオ分岐、PBXやCRMとの連携など幅広い機能を備え、発話内容に応じて自動で案内・対応を完結します。

AIが発話内容を理解し、不要なフィラーの除去や復唱確認、専門用語の学習も可能。大量の着信にも自動で対応できるため、有人対応の削減やサービス品質向上、業務負荷軽減に貢献します。オペレーターへの転送や顧客情報に合わせたパーソナライズ、SMSやLINEでの自動通知にも対応しています。

料金については、お問い合わせください。

じゃんじゃんコール

じゃんじゃんコールは、株式会社メテムが提供しているクラウド型自動応答サービスです。資料請求や受注、予約受付、問い合わせ対応などを自動化でき、録音機能やWeb管理画面を通じて情報共有や管理も簡単に行えます。着信時にあらかじめ登録した音声を自動再生し、24時間365日対応可能な受付体制を構築でき、大量の資料請求やキャンペーンダイヤル、短期的な大規模受付にも適しています。

料金は、初期費用が30,000円、月額費用は基本構成が14,800円、回線追加は10,000円(月額)となっています。

Smartdesk W

Smartdesk Wは、株式会社Wizが提供しているクラウド型電話対応サービスです。自動音声応答(IVR)とオペレーターによる電話代行を組み合わせた独自のサービスを提供しています。

受電内容に応じて自動で部署や担当に振り分け、必要な電話のみを対応できるため、業務効率化と顧客体験の両立が可能です。24時間365日対応で、営業時間外や定休日の着信もカバー。電話内容の文字化・メールやチャット通知・SMS送信・録音など多彩な機能を備えており、

料金は有人オペレーターの電話対応50件が付いているミニマムプランで初期費用無料、月額料金8,800円~となっています。

MediaVoice

MediaVoice(メディアボイス)は、メディアリンク株式会社が提供するASP型クラウドIVR(自動音声応答)サービスです。

あふれ呼対策やCSアンケート、クレジットカード決済、Web電話認証など、電話業務に関する幅広い課題を自動音声で解決できるのが特徴です。

IVRを「低コストかつ高機能」で導入できる点が大きな強みで、月間600万コール以上に耐える安定性も備えています。24時間自動応答や大量発信、アンケート調査など多彩な機能を持ち、直感的な管理画面でシナリオ変更も自社で行えるため、運用コストも抑えられます。

また、オーダーメイドのIVR構築や外部サービスとの連携にも対応しており、幅広い業務フローに柔軟に組み込むことが可能です。費用は個別相談となりますが、フルクラウド型利用の場合は初期費用が数万円~、月額費用は基本使用料55,000円に加え、1ユーザーあたり1,500円~が目安です。導入規模や利用形態に応じて柔軟に見積もりされますので、詳細は問い合わせが必要です。

ロボット自動受付

ロボット自動受付は、DHKクラウドサービスが提供する対話型IVR(自動音声応答)サービスです。

利用者がロボットに話しかけるだけで受付が完結し、従来のプッシュ操作型IVRに比べて直感的でスムーズに利用できます。

大きな強みは、人材不足対策と応答率向上に直結する点です。オペレーター1人分のコストで300体規模のロボットを稼働でき、繁忙期でも安定した受付体制を維持できます。音声認識や固有ワードのチューニングにより、住所変更や契約解約といった定型業務も自動化可能です。さらに、SMS送信やマイページ機能を組み合わせれば、ユーザー自身で内容を確認・修正でき、利便性も高まります。

導入事例では、対象コールの約2割を自動化し、その半数を無人対応に移行できたケースもあります。これにより有人対応が必要な問い合わせに人員を集中でき、業務の平準化や顧客満足度の向上につながります。

費用は個別相談となりますが、例としてコールバック予約の簡易受付を導入する場合、初期費用100,000円~、月額費用100,000円~が目安。導入規模や運用内容に応じて柔軟に見積もりがされるため、詳細は問い合わせが必要です。

DXでんわ

DXでんわは、AIを活用したクラウドIVRサービスです。

従来のように、発信者がガイダンスを聞いて番号を押す必要がなく、AIが用件を聞き取り自動で分岐・転送できるのが特徴です。通話内容は自動で要約・テキスト化され担当者に通知されるため、録音を聞き直す手間を省けます。

自動音声は速度や声質を自由に調整でき、日本語・英語・中国語・韓国語など40言語以上に対応しています。管理画面も直感的で、応答フローも3ステップで簡単に構築できる点も利便性が高いといえます。

導入事例では、電話対応件数を60〜70%削減できたケースもあり、医療機関や宿泊業など幅広い業界で成果を上げています。人手不足解消や営業時間外の自動受付など、さまざまなシーンで役立ちます。

費用は初期費用0円、月額10,000円から利用可能で、月100件までは追加費用がかかりません。100件以降は1件あたり100円の従量課金制で、ボリューム割引も用意されています。

IVRを導入するメリット

IVRを導入することで自動音声によって一次対応が行えるようになりますが、これはさまざまなメリットをもたらします。

企業側のメリット

・電話取次業務の負担軽減

コールセンターや大企業になると、毎日かかってくる電話が多くなります。その一つ一つに対応し、適切な部署・担当者に振り分けを行うだけでも人手や時間を多く取られてしまうことでしょう。

しかしIVRに一次対応を任せることができれば、一次対応・電話振り分けという業務を短縮することができます。

自動で対応した後に専門部署・担当者がすぐに対応できるため、電話応対スタッフの数を減らすこともできるでしょう。

・営業時間外にも対応ができる

IVRであれば営業時間外にも稼働でき、営業時間外の案内をおこなったり、問い合わせ内容によっては営業時間外でも担当者に繋がるように誘導するなど、柔軟な設定が可能です。

顧客側のメリット

・電話の待ち時間が減る

IVRの導入は企業側だけでなく顧客側にもメリットとなります。自動音声によって適切に振り分けが行われるため、顧客は自分の用件に合わせてプッシュできます。たらい回しされることなく適切な部署・担当者につながることで、ストレスから解放されることでしょう。結果的にこれは顧客満足度向上にもつながります。

・問題解決までの時間短縮

IVRで電話の待ち時間が減るだけでなく、問い合わせの内容によってはIVRのみで対応が完了するケースもあります。

例えば営業時間に関する質問や、実施中のキャンペーンに関する質問など、頻繁に問い合わせがある項目について企業側が音声案内できるよう設定しておけば、顧客がその選択肢を選んだときにIVRのみで問題が解決でき、人力での対応が不要になります。

業種別おすすめのIVR活用方法

IVRは、業種や規模を問わず幅広く利用できる仕組みです。自動音声で一次対応を任せることで、人手をかけずに効率的かつ正確に振り分けが可能になります。さらに、迷惑電話の対応を自動化したり、特定の取引先は直接担当者につないだりといった柔軟な設定もできるため、業務効率化と顧客満足度の向上に貢献します。

業種ごとの活用方法は次の通りです。

・医療機関:診療予約やキャンセルをIVRで自動受付。診療時間外でも患者が手続きを行え、電話対応の負担を軽減。

・宿泊業:宿泊予約やキャンセル、チェックイン確認を自動化。繁忙期でも顧客対応を滞りなく進められる。

・小売り・EC:配送状況や返品受付を自動音声で案内。顧客が自ら解決できるため、オペレーターの負担を削減。

・金融業:残高照会や取引履歴の確認をIVRで提供。セキュリティを確保しつつ顧客がスムーズに情報へアクセス可能。

・不動産業:物件情報の案内や内覧予約を自動化。営業担当が不在でも機会損失を防げる。

・大企業・コールセンター:問い合わせ内容を自動振り分け。営業電話や迷惑電話は自動対応や着信拒否で処理し、業務の効率化を実現。

このようにIVRは、業種ごとに最適化して活用できます。そのため、自社の課題に合わせて柔軟に導入できる点が大きな強みです。、対応数が増えると電話番を多く配置しなければなりません。また、人力による対応スピードや正確性には限界があります。

IVRによる自動対応であれば、顧客自身が自分の問い合わせ内容に合わせてダイヤルをプッシュすることで、自動的に最適な担当者へと繋がります。一次対応を自動化できるため人件費を削減できますし、効率的かつ正確に振り分けを行えるようになるため業務を効率化できることでしょう。

さらに、営業電話や勧誘電話への対応といったケースにもIVRは役立ちます。

特に大企業の場合は毎日多くの営業電話がかかってきます。その対応に貴重な人材が割かれるのは効率が良くありませんし、しつこく営業電話がかかってくる場合は業務に支障をきたす可能性すらあるでしょう。IVRを導入すれば営業電話等の対応も自動音声でカバーできます。しつこく迷惑な営業電話についてはブラックリスト登録でき、着信そのものを拒否することも可能です。

そのほかにも、取引先企業の電話番号をあらかじめ登録しておくことで、IVRを経ずに直接最適な担当者へと繋がるように設定することもできます。

IVRの導入パターン

IVRには従来型であるオンプレミス型や、インターネット回線を使用するクラウド型、さらにはPBXに付随しているケースもあります。それぞれどのような特徴があり、どのようなケースで導入されているのかを解説していきます。

クラウド型かオンプレミス型か

IVRシステムには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウド型はインターネット上のクラウドを利用する方式で、オンプレミス型は専用機器を自社に設置して利用する方式です。

それぞれ、以下のようなメリット・デメリットがあります。

クラウド型オンプレミス型
メリット・初期費用が安い・導入が早い・保守をベンダーに任せられる・拠点追加や人数増減に柔軟・自社に合わせたカスタマイズが可能・システムを自社でコントロールできる・大規模利用では長期的にコストメリットが出る場合がある
デメリット・通信環境に依存する・月額制で長期利用ではコストがかさむ可能性・カスタマイズ性は限定的・初期費用が高額・導入に時間がかかる・保守・運用を自社で担う必要がある

クラウド型は中小企業やスピード導入を重視する場合に向きます。一方、オンプレミス型はカスタマイズ性を重視したい、あるいはシステムを自社で細かく管理したいケースに適しています。

ビジュアルIVRという選択肢も

上記2つのIVRシステム以外に、ビジュアルIVRという選択肢もあります。

ビジュアルIVRは、従来の音声案内に代わってスマートフォンの画面にメニューを表示し、利用者が視覚的に選択できるIVRシステムです。音声を最後まで聞く必要がなく、直感的に操作できるため、従来よりも短時間で目的にたどり着けるのが特徴です。

メリットとしては、操作が分かりやすく、ユーザーが必要な情報やサービスにアクセスするまでのステップを減らせる点が挙げられます。ユーザー体験を重視したい企業にとって有効な手段です。

一方で、導入には開発費がかかることや、場合によっては専用アプリのインストールが必要になるなど、コストや手間の面で課題もあります。

クラウドPBXに付随するIVRを利用するケースも

IVRは、IVR単体のシステムを導入するだけではなく、「クラウドPBX」にIVR機能が搭載されているケースもあります。このケースではPBXシステムを導入すれば、個別に契約することなくIVRシステムを利用可能です。

クラウドPBXは、インターネットを使用してビジネスフォン機能や各種機能を利用できるシステムです。外出中でもスマホを使って外線・内線を活用できます。そのため、担当者が外出中であってもIVRによって振り分けられた着信にすぐ対応できます。わざわざ会社に戻ったり、折り返し電話をしたりする手間がかからないため、スムーズな顧客対応を行えるでしょう。

クラウドPBXは、ビジネスに役立つさまざまな機能を利用できますが、その中にIVR機能が搭載されているケースが多くあり、オプション追加するなどですぐに自動音声応答を活用できるのです。

費用面でもIVRを契約するよりお得感があるため、現在では多くの企業でIVR機能が付帯しているクラウドPBXを導入しています。

IVRの比較ポイント

IVRと一口に言ってもさまざまな形態がありますし、サービスを提供しているベンダーも数多くあります。実際にIVRを導入しようと思っても、どのようにサービスを選べば良いか迷ってしまうことでしょう。

ここではIVRを比較する際のポイントについて紹介します。

自社の導入目的を整理しよう

まずは、「なぜIVRを導入するのか」目的を明確にしておくことが重要です。目的によって導入すべきIVRサービスが異なるためです。

例えば、日常的に大量に着信する電話をIVRによって効率的にさばきたい場合は、同時に対応可能な着信数が多いサービスを使う必要があります。

一方、同時着信は多くないものの、選択肢をしっかり作り込んで適切に誘導したい場合は、カスタマイズ性が高いサービスが必要です。

その他、既存システムと連携させて顧客管理を効率化させたい場合は、自社のシステムと連携できるものを選ばなければなりませんし、IVRによる誘導の内容を分析したい場合は、分析機能が充実しているものを選ぶ必要があります。

このように、IVRの導入で実現したいことによって最適なサービスは異なります。何らかのこだわりたいポイントがある場合は、あらかじめ明確にしておき、選定に役立てましょう。

導入形態

IVRシステムは前述の通り、大きく分けて3つの形態があります。

  • オフィス内に専用機器を設置するオンプレミス型
  • クラウド上にIVRシステムを設置するクラウド型
  • PBXの付帯機能として利用できるタイプ

の3つです。

オンプレミス型は専用機器の導入コストが高く、工事期間も必要であるため、実際に利用するまでには時間がかかります。また、月額料金だけでなく保守点検を自社で行う必要があるため、ランニングコストが多くかかってしまう点がデメリットです。

クラウド型は物理的に専用機器を設置する必要がなく、導入コストが低く、すぐに利用できる点がメリットです。保守点検はベンダー側で行うため、労力・コストを削減できます。ただし単体で導入する場合は、自社の電話環境システムとIVRシステム両方を契約して、それぞれ月額料金の支払いが必要となります。

現在多くの企業で導入されているのは、IVR機能が搭載されているクラウドPBXです。クラウド型であるため導入ハードルが低く、IVRの月額料金も数千円程度からとリーズナブルであることがほとんどです。保守点検はクラウド型であるため、ベンダー側で行うので心配はありません。また、IVR機能だけでなく、クラウドPBXに搭載されたさまざまな機能を活用することができ、業務効率化やコスト削減を実現できます。

利用できる機能

IVRはサービスによって搭載されている機能が異なります。また、登録できるメッセージやフローの数もサービスによって違ってくるため、自社の抱える課題に合ったものを選ぶことが大切です。

IVRツールは単に自動音声対応をおこなうだけでなく、電話の振り分けやオペレーターにつなぐ前に必要な情報を取得する機能、折り返し電話の予約機能などさまざまな機能を活用することができます。

基本的に、多機能なIVRツールであるほど料金も高くなります。搭載されている機能を余すことなく利用できているのであれば問題ありませんが、自社で使わない機能が多いなら無駄が発生しているかもしれません。

自社の業務には何が必要なのかを洗い出し、それに見合ったサービスを選ぶようにしましょう。

IVRツールの主な機能についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。機能を軸にツールを選びたい方はぜひご覧ください。

費用

オンプレミス型は、専用機器の設置や工事が必要となるため導入コストが多くかかります。保守点検も基本的には自社で行うこととなるため、月額料金以外のランニングコストも頭に入れておかなければいけません。

クラウド型やクラウドPBXは導入コストや保守コストが低く、費用を抑えることができます。ただし、オプションを追加する場合はその料金がかかるため、実際にどのような機能を必要とするかじっくり検討した上で契約することが大切です。

導入によってどのような業務を効率化したいのかを明らかにした上で、ベンダーに見積もりを取るようにしましょう。そうすれば、無駄を省くことができますし導入後のミスマッチを防ぐことができます。

同時通話数

テレビショッピングや予約システムの電話受付など、同じタイミングに多くの電話がかかってくることがある場合は、同時に受信・発信が可能な通話数をチェックしておきましょう。

あらかじめ自社が必要とする同時通話数を確認しておき、その上でツールの同時通話数上限を確認しましょう。ツールによっては同時通話可能数が無制限のものもあります。

サポート体制

導入時やトラブルが起きた際にどのようなサポートが受けられるのかもチェックしておきましょう。

導入時はIVRによる対応のシナリオ設定などさまざまな初期設定が必要となります。自社に合った設定を実現するためにも、ベンダーの導入サポートが受けられるとよいでしょう。

また、運用中も、万が一IVRが停止したり問題が起きたりした場合にすぐ回復できなければ、顧客の利便性が下がってしまいます。問題が起きた際にどのようなサポートが受けられるのかという点も事前に確認しておきましょう。

まとめ

今回はIVRの基礎知識や、最新版のおすすめIVRツールについてご紹介しました。

IVRはオンプレミス型やクラウド型、クラウドPBXに付帯するものなどがあります。オンプレミス型は導入コストの高さや工事が必要であるため、現在ではあまり選ばれません。

費用面や導入までのスムーズさ、さまざまなWeb機能との連携などを考えた場合、クラウド型・クラウドPBXを選ぶほうが現実的であると言えるでしょう。

本記事を参考に、自社に最適なIVRの導入方法をご検討ください。

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