固定電話をワイヤレス化するメリットと方法を詳しく解説

「デスク周りの配線が邪魔」「電話対応のためにデスクに張り付くのが嫌」など、固定電話でのお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。実は、固定電話をワイヤレス化すれば、そうしたお悩みを解決して業務効率をアップできます。

今回は、固定電話をワイヤレス化するとどうなるのか、ワイヤレス化のメリットや方法について解説します。

固定電話をワイヤレス化すると何ができる?

固定電話は端末とアナログ回線をつなぐ必要があり、端末本体にも通電が必要で、周囲には多くの線があってごちゃごちゃしやすいものです。「この線がなくなればすっきりするのに」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。

では固定電話をワイヤレス化した場合、何ができるようになるのでしょうか。具体的に以下で解説していきます。

どこでも発着信できる

固定電話をワイヤレス化できれば、場所を問わずどこでも発着信できるようになります。

通常、固定電話機はアナログ回線とつながっているため、設置場所でなければ通話を行えません。そのため、会社にいつ電話がかかってきても良いように、社員は誰かが席についていなければいけません。トイレ休憩などでたまたま席を離れたタイミングで電話がかかってきてしまうと、顧客に迷惑をかけてしまいます。

しかし、ワイヤレス化されていれば、場所や時間の制限なく移動しながら電話業務が可能です。例えば、工場で事務所から倉庫に行くタイミングでも、移動しながら通話し続けられます。営業のために会社を出る際にかかってきた電話にもすぐ対応できますので、顧客はストレスを感じなくなり、満足度を高めてくれることでしょう。また社員にとっても、固定電話がワイヤレス化されればオフィスに縛られることがなくなり、働き方の幅が広がって、ストレスなく業務を行えるようになります。

電話周りがすっきりする

固定電話がワイヤレス化されれば、電話周りがすっきりして、オフィスも自由に使えるようになります。

固定電話はアナログ回線の配線だけでなく、端末のコンセントなども必要であるため、デスク周りにたくさんの線が集まってしまいます。ノートPCを持って移動しようとしたときに線が絡まってしまってストレスを感じたり、オフィスレイアウトに制限が出たりすることは、固定電話のデメリットです。

しかし、ワイヤレス化すれば、配線が減るためオフィス環境が快適になります。例えば、電話配線に縛られなくなるため、席を自由に移動できるフリーアドレス制を導入できます。レイアウトもより使いやすく変更できるため、社員のストレス緩和や業務効率アップを見込めます。

引っ越し作業が楽になる

固定電話をワイヤレス化すれば、オフィス移転や引っ越し作業がとても楽になります。

固定電話を利用するには、固定電話機を電話回線でつながなければなりません。企業の場合はビジネスフォンが使える環境を構築する必要があるため、PBX装置の設置工事も必要です。そのため、引っ越しする際は配線作業や工事、それらを行う業者の手配などのさまざまな手間がかかります。

しかし、固定電話をワイヤレス化してしまえば、手間はかかりません。ワイヤレス化されているため、電話機と電話回線をつなぐ必要がないためです。また、詳しくは後述しますが、クラウドPBXで固定電話をワイヤレス化するのであれば、PBX装置の設置工事も必要ありません。クラウドPBXであれば、工事しなくてもビジネスフォン機能を利用できるためです。

このようなことから、固定電話をワイヤレス化すれば、オフィス移転や引っ越し作業がとても楽になり、時間を大幅に短縮できます。引っ越し後すぐに電話を使えますので、移転・引っ越し後の業務もスムーズに進めることができるでしょう。

固定電話をワイヤレス化する方法

企業にとって固定電話のワイヤレス化は、さまざまなメリットがあることはお分かりいただけたことでしょう。では、固定電話をワイヤレス化するにはどうすれば良いのでしょうか。以下でその方法を紹介します。

子機のついている電話機を使う

固定電話をワイヤレス化する最も簡単な方法、それは子機のついている固定電話機を使うことです。この方法であれば、親機から発している電波が届く範囲内のみですが、固定電話をワイヤレス化できます。

子機のついている電話機にはさまざまな種類があります。カールコードレスは、家庭用でも使われる一般的な卓上型の子機付き固定電話機です。本体は卓上に設置し、受話器がコードレスになっています。受話器を持ち運べるため、会話中にデスクから離れて資料を取りに行くなど便利に利用できます。アナログコードレスやデジタルコードレスは受話器と本体が一体化してコードレス化された電話機です。設置した主装置から発せられる電波を受信して通話します。カールコードレスよりもやや広い範囲で利用できます。とはいえ、電波の届く範囲には限界があり、外出先まで持ち運んで通話することはできません。

このように、子機のついている固定電話機を使えば、簡単にワイヤレス化できます。小中規模の企業で、オフィス内のみで使用するのであれば、選択肢の1つとして考えても良いかもしれません。

NTTのワイヤレス固定電話を使う

NTTが2024年4月1日より提供開始予定の「ワイヤレス固定電話」というサービスもあります。

ワイヤレス固定電話とは、他社の携帯電話網を用いる電話サービスのことです。近年、メタルケーブルの老朽化により、固定電話サービスを提供し続けることが困難になってきています。そうした事情を背景に、今後も安定した電話サービスを提供するため、NTTはワイヤレス固定電話を始めるとしています。

NTTのワイヤレス固定電話を利用するには、室内にSIMカードが入ったターミナルの設置が必要です。ターミナルアダプタは携帯電話網とワイヤレスで接続され、そこに固定電話を接続することで利用できます。もちろん、現在利用している電話番号や電話機・FAXはそのまま利用可能です。ただし、利用できる携帯電話網はNTTが指定するもののみとなります。

予定されている提供エリアは、災害発生地域や離島地域といった条件があります。さらに、他社の携帯電話網を用いるため、NTTが法人向けに提供していたサービスが一部使えなくなるといった問題があります。

また、ワイヤレス化される部分はターミナルアダプタと携帯電話網の間です。固定電話機そのものをワイヤレス化するものではありません。そのため、他の方法とは異なる点に注意しましょう。

クラウドPBXを使う

固定電話をワイヤレス化する方法として最もおすすめなのが、クラウドPBXを導入することです。

クラウドPBXはインターネットを利用するサービスです。詳しい仕組みやメリットについては後述しますが、スマホなどの端末で利用でき、オフィス内だけでなく外出先でも固定電話番号で通話できます。子機のついている電話機と違い、オフィスに縛られることがないため、いつでもどこでも電話対応できるようになるのが魅力です。

固定電話をワイヤレス化するならば、ぜひクラウドPBXの導入を検討しましょう。

固定電話をワイヤレス化する「クラウドPBX」とは?

固定電話をワイヤレス化するには、クラウドPBXを導入するのがおすすめです。クラウドPBXとはどのようなものなのか、従来のPBXとの違いや、クラウドPBXでできることを解説します。

クラウドPBXと従来のPBXの違い

クラウドPBXと従来のPBXの違いは大きく2つあります。

1つは主装置の設置場所です。従来のPBXはオフィス内に主装置を物理的に設置します。そのため、導入時には設置工事や配線工事が必要です。しかしクラウドPBXは、主装置となるシステムをクラウド上に設置します。そのためオフィス内に設置場所を用意する必要はなく、導入工事も不要です。

2つ目は使用する回線の違いです。従来のPBXは、アナログ回線を使用します。固定電話機と物理的に回線をつなぐ必要があるため、電話の周囲は線でごちゃごちゃしてしまいます。一方、クラウドPBXはインターネット回線を使用します。物理的に回線をつなぐ必要はなく、インターネット環境があればどこでも利用できます。そのため、従来のPBXと違ってデスク周りがすっきりします。

クラウドPBXでできること

クラウドPBXでは、従来のPBXでできなかったさまざまなことを実現できます。

インターネット回線を使用するため、インターネット環境さえあればスマホやPCなどの端末を使って、いつでもどこでも通話できます。例えば、外出や出張中の社員が、スマホから会社電話番号を使って顧客に電話をかけるといったことが可能です。テレワーク中の社員が、PCから電話対応業務を行うということもできます。

また、クラウドPBXはインターネットを活用した、業務効率化の機能を利用できます。例えば、インターネットFAX機能を利用すれば、FAXの送受信をクラウド上で行えます。内容確認のためにわざわざ紙に印刷する必要はなく、スマホの画像データからFAX送信も可能です。さらに、チャットツールとの連携も可能なクラウドPBXもあります。クラウドPBXには他にもさまざまな機能があり、うまく活用することで業務効率を格段にアップさせることが可能です。

クラウドPBXで固定電話をワイヤレス化するメリット

クラウドPBXを活用すれば、固定電話をワイヤレス化できます。では、ワイヤレス化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で解説します。

スマホやノートパソコンなどの既存端末で通話できる

クラウドPBXで固定電話をワイヤレス化すると、さまざまな端末から通話できるようになります。

従来のビジネスフォンの場合、アナログ回線でつながった固定電話機でしか通話を行えません。しかし、クラウドPBXならば、スマホやPC、タブレットなどさまざまな端末で通話できるようになります。例えば、外出先からでもスマホを使って会社電話番号で通話できるほか、テレワークで自宅や喫茶店からPCを使って、会社宛にかかってきた電話の対応を行えます。そのため、働き方の幅が広がって業務効率が高められ、スムーズな電話対応により顧客満足度向上を見込めるのがメリットです。

また、ベンダーにもよりますが基本的に機種の制限がないため、すでに持っている端末をそのまま流用できます。例えば、社員の個人用のスマホにアプリをインストールすれば、携帯電話番号と会社電話番号をそれぞれ使えるようになります。もちろん会社ですでに支給している端末があれば、それを流用でき、新規端末の購入費用を抑えられます。

すぐに導入できる

クラウドPBXはすぐに導入できることがメリットです。

クラウドPBXはクラウド上にPBXを設置するため、従来のビジネスフォンのように設置工事は不要です。ベンダーにもよりますが、申し込みから最短即日、遅くとも1週間前後で導入できます。

また、クラウドPBXは現在使っているスマホやパソコンなどの端末をそのまま利用できます。そのため、導入後はアプリを端末にインストールするだけですぐに使用できます。

こうした導入のスムーズさや簡単さは、クラウドPBXならではのメリットといえるでしょう。

端末の増減が簡単にできる

固定電話をワイヤレス化すると、端末の増減をスムーズに行えます。

従来のビジネスフォンでは端末を増やす場合に手間や費用がかかります。固定電話機の購入や配線工事、主装置のキャパシティを超える増加の場合は主装置の買い替えが必要となるためです。

しかし、クラウドPBXであれば急な増減にも簡単に対応できます。スマホやPCなどから設定画面に入り、契約台数を変更するだけでOKです。例えば、キャンペーンや季節ごとの需要の変化により、会社に問い合わせが増えることがあります。そうした際でも、設定画面から簡単に契約端末数を増やして対応できます。もちろん、需要が落ち着いた後は契約数をすぐに減らせるため、無駄なコストもかかりません。端末の増減を柔軟に行えることは、クラウドPBXによる固定電話のワイヤレス化の大きなメリットといえるでしょう。

便利な機能を利用できる

クラウドPBXはビジネスに役立つ便利な機能を利用できます。

従来のビジネスフォンでも、通話録音など電話業務を効率化する機能を追加できます。しかし、途中で追加したい場合は主装置の設定から変更する必要があるため、手間がかかります。

クラウドPBXならば、ベンダーにもよりますが、最初からさまざまな便利機能を利用できます。オプション機能も、機能端末の増減と同様に設定画面から簡単に追加できるため手間がかかりません。

例えば、通話録音や時間外アナウンスなど従来のビジネスフォンでも利用できた機能を使えます。さらに、WEB電話帳やインターネットFAXなど、インターネットを活用するクラウドPBXならではの便利機能も利用可能です。クラウドPBXの便利な機能をうまく利用すれば、従来のビジネスフォンよりも幅広い課題を解決でき、業務効率化を実現できることでしょう。

コストを削減できる

クラウドPBXによって固定電話をワイヤレス化することで、コスト削減を実現できます。

従来のビジネスフォンは、導入するためにPBX機器や固定電話機の購入と工事が必要です。そのため、多大な導入費用がかかります。機器のメンテナンスは自社で行わなければならず、定期的に業者へのメンテナンス依頼も必要です。さらに、PBXの耐用年数は6年であり、故障トラブルなどを避けるためにも、その年数を目安に機器の買い替えおよび工事をしなければなりません。買い替え・工事費用は導入時と同程度であり、定期的に多大な費用が必要となります。

一方、クラウドPBXはベンダーがクラウド上にPBXを設置するので工事費用がかかりません。既存のスマホやパソコンをそのまま利用できるので、周辺機器の購入費用も不要です。メンテナンスやアップデートはベンダー側が行いますので、月額料金以外の費用もかかりません。

また、固定電話とクラウドPBXでは通話料も異なります。固定電話は2024年1月からIP網になって全国一律料金になったことで、以前よりはお得になりました。しかし、クラウドPBXの通話料相場に比べるとやや高めです。さらにクラウドPBXはスマホを内線化でき、外出先の社員や離れた拠点とも内線通話できるため、通話コストを削減できます。「03plus」の「10分かけ放題」のようなオプションを活用すれば、通話コストをよりお得にすることも可能です。

クラウドPBXを選ぶポイント

固定電話をワイヤレス化できるクラウドPBXはどのサービスを選べば良いのでしょうか。ここでは、数多くある中から自社に合ったサービスを選ぶために、必要となるポイントを解説します。

現場の社員が使いやすいものを選ぶ

クラウドPBXを選ぶ際は、社員が使いやすいものを選びましょう。

従来のビジネスフォンであれば固定電話機を使用しますので、難しい操作はありません。年配の社員でも、昔から固定電話機を使い慣れていますので、機能を追加した場合でもそれほど悩まずに覚えられることでしょう。

しかし、スマホやPCの操作というと年配の社員は戸惑ってしまうかもしれません。クラウドPBXの操作画面はベンダーごとに違いがありますので、サービスによっては操作が難しく感じてしまう可能性もあります。せっかく多くのメリットがあるサービスであっても、使いこなせなければ意味がありません。業務をスムーズに進めるためにも、クラウドPBXは、誰でも分かりやすく簡単に使える操作性の良いものを選びましょう。

必要な機能のあるものを選ぶ

自社にとって必要な機能のあるクラウドPBXを選ぶことも大切です。

クラウドPBXは、ベンダーごとに利用できる機能が異なります。例えば、A社では無料で使える機能であっても、B社では有料オプション、C社ではそもそも提供していないということがあるのです。また、無料と有料では機能性に差があることもあります。

そうした違いがあるため、まずは自社で「どのような課題を解決したいのか」「そのためにはどんな機能があるといいのか」を洗い出してみましょう。その上で「従来のビジネスフォンで使っていた機能はあるのか」「機能性に差はあるのか」といった視点で、クラウドPBXサービスを比較してみましょう。

サポートが万全のものを選ぶ

クラウドPBXを導入するのであれば、サポートが万全なところを選びましょう。

サービスを提供するベンダーは数多くあり、料金設定もそれぞれで違います。「コストを抑えたい」からといって格安サービスを選んでしまうと「満足いくサポートを得られなかった」と後悔するかもしれません。

クラウドPBXに限らず、ITサービスを利用する場合はサポート力がとても重要です。使ってみて分からないことやトラブルが発生した際、担当者が対応してくれなければ業務を止めなければいけません。そうなれば、ビジネスチャンスを逃してしまい、損をしてしまうことになるでしょう。

また、サポート力が高くないベンダーは、セキュリティ対策も万全とはいえないことも少なくありません。電話業務は個人情報や機密情報を取り扱うものですから、サポート力・セキュリティ対策レベルの高いところを選ぶようにしましょう。

固定電話をワイヤレス化するなら「03plus」

固定電話をワイヤレス化したいとご希望なら「03plus」をご検討ください。

03plusは「03」「06」を始め、全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXです。番号ポータビリティ対応ですので、条件が合えば既存番号をそのまま使い続けられます。そのため、固定電話をワイヤレス化するケースで相性の良いクラウドPBXです。

また、03plusは数あるクラウドPBXの中でも、さまざまな機能を取り揃えています。代表的なものには、自動的に通話を録音する「通話録音」、クラウドで電話帳を共有できる「WEB電話帳」、自動音声で効率よく着信を振り分ける「IVR」、電話の一次対応をスマート化する「留守レポ」などがあります。大阪市では、インターネット上でFAXの送受信を行える「クラウドFAX」を導入しています。業務効率アップだけでなく、印刷用紙の削減も実現できるなど好評です。1通話10分までの通話が無料になる「10分かけ放題」というオプションは、コスト削減を実現したい企業に人気があります。

このように多くの機能がある03plusですが「どの機能を選んだら良いか……」と迷うかもしれません。03plusなら、導入から運用まで担当者がしっかりサポートするので安心です。

まとめ

今回は、固定電話をワイヤレス化するメリットやその方法について解説しました。

固定電話は古くから使われてきた電話端末であり、多くの社会人にとって慣れ親しまれてきたものです。しかし、スマホ利用が当たり前の昨今において、固定電話は利便性が悪く、場合によっては邪魔と感じられてしまうこともあります。

クラウドPBXを導入すれば、会社の固定電話番号をスマホで使えるようになり、固定電話がワイヤレス化されます。そしていつでも、どこからでも通話でき、豊富な便利機能で業務効率化やコスト削減、さらには顧客満足度向上も果たすことができます。

働き方の幅が広がり、将来性も高いクラウドPBXの導入をお考えなら、小規模から大規模まで対応できる03plusをお選びください。

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