法人の固定電話を解約する場合のデメリットとは?解決策となるサービス

スマホやメールが主流の現代において、固定電話は使いにくいツールとなっています。このまま継続して使用するか、それとも解約すべきか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。しかし、安易に固定電話を解約することは企業にとって重大なリスクを引き起こすことになるためおすすめできません。解約をするのであれば、デメリットを極力抑えることができるサービスを活用することをおすすめします。

今回は固定電話を解約するデメリット、そしてデメリットをなるべく抑えて企業のお悩みを解決できるサービスについて解説します。

固定電話は不便?ビジネスにおける課題点

アナログ回線を使用する固定電話には、ビジネスにおいてさまざまな課題点があります。

たとえば、物理的に電話回線に接続させる必要があるためオフィス内でしか利用できません。固定された電話であるため外出時には使用することができず、外出先ではやむを得ずスマホ等で連絡する必要があります。

もちろん顧客から会社宛にかかってきた電話は外出先で受けることができません。そのため、転送や取り次ぎといった負担がかかります。顧客側からすれば、取り次ぎに時間がかかることは大きなストレスになります。万が一取り次ぎミスが発生してしまえば、顧客は愛想をつかしてしまい、せっかくのビジネスチャンスを棒に振る可能性もあるでしょう。

また、折り返し電話時に携帯電話番号からかかってきた場合、顧客は「誰からの着信だろうか?」と不審がる可能性もあります。結果的に電話に出てもらえず、大切な顧客を逃してしまうかもしれません。

固定電話の導入には開通・配線工事が必要となり多大なコストや期間が必要となります。社員が増えた際には新たに配線工事や固定電話機の購入も必要です。

また、一度配置してしまうと、固定電話機は基本的にその場所に固定されるため、その後はオフィスレイアウトを簡単に変更することはできません。さらに固定電話のままではオフィスに誰かいないと電話対応ができなくなってしまうため、テレワークの推進も難しくなります。

このように、ビジネスを円滑に進めようと考えた場合、固定電話にはさまざまな課題があるといえるでしょう。

固定電話の解約によるデメリットとは?

個人であればそれほど問題にはなりませんが企業の場合、固定電話の解約には注意が必要です。業務で利用している固定電話を解約すれば代表番号を失うなど、重大なデメリットがあるためです。企業の場合、そのデメリットが大きな問題や業務への足かせになる可能性が高く、業績にも影響する可能性があります。

固定電話解約ではどのようなデメリットがあるのか、具体的に解説していきます。

代表電話番号がなくなる

固定電話を解約してしまうと、それまで使用していた会社代表番号も失われてしまうことがデメリットとなります。

会社代表番号がなくなれば新たな電話番号を周知しなければいけません。会社ホームページや名刺の記載変更や顧客へ電話番号を伝えるといった手間がかかります。

新たな電話手段としてはさまざまなものが考えられますが、たとえば社員の個人スマホを活用するBYODを採用するのも一つの方法です。企業側にとってはコスト削減などのメリットがある一方で、社員個人の携帯番号を顧客に知らせなければならないといったプライバシー面でのデメリットが生じます。その結果、業務時間外にも仕事の電話がかかってくるなどし、公私の切り分けが難しくなるといった点も懸念点です。

このように、安易に固定電話を解約することはメリットが少なく、むしろさまざまなデメリットを引き起こしてしまうため注意が必要です。

社会的信用に影響が出る

固定電話を解約してスマホのみで業務を行う場合、社会的信用に影響が出るおそれがあります。

固定電話で使われる電話番号の頭には東京なら「03」、大阪なら「06」などのように市外局番がついています。これは地域を示す番号を入れることが国の方針であるためです。地域を示す番号が入っていると、どこからかかってきた電話なのかある程度把握できるため、一定の受信者側は安心感を得られます。一方、携帯電話番号は個人のイメージが強く、見知らぬ番号からかかってくると「いたずら電話や迷惑電話かも」と思う人も少なくありません。特に年代が上の人であるほど、特殊詐欺対策などで不審な番号に警戒するよう意識を持つことからも、市外局番以外の電話番号に不信感を持ちやすい傾向にあります。

イメージの問題だけでなく、業務においても固定電話番号解約の影響を受けてしまいます。たとえば、法人用の銀行口座は、市外局番つき固定電話番号がないと、開設できないことが少なくありません。また、口座だけでなく融資やローンの審査でも、固定電話番号を持っていないと、審査が通りにくいといわれています。これは、市外局番つきの固定電話番号には社会的信用があり、それ以外は信用されにくいことが関係しているといえるでしょう。

ビジネスを有利に進めるためにも、固定電話番号は安易に解約することはやめた方が良さそうです。

法人登記に記載した電話番号の変更

固定電話番号の解約は法人登記にも影響します。

固定電話を解約して他の電話番号、たとえば携帯電話番号を業務用として使用するとします。もちろん携帯電話番号でも登記申請を行うことはできますが、電話番号を変更するたびに登記も変更しなければいけません。つまり、固定電話を解約すれば必ず登記変更の手間がかかるのです。

そして携帯電話番号で登録した場合、キャリア変更などにより電話番号が変わる際にも登記変更手続きが必要となります。他にも紛失・盗難時等でも手続きが必要となるため将来にわたって変更リスクが伴うのです。

FAXの利用もできなくなる

アナログ回線を使用する固定電話を解約すれば、同じくアナログ回線を使用するFAXも使えなくなります。

IT技術の進歩によりメール等でのやり取りも増えましたが、企業によってはFAXを現役で使っているケースもあることでしょう。また、個人事業主やフリーランスの場合は顧客によってFAXを使用しなければならない場合もあるため、固定電話を解約するのはデメリットとなるでしょう。

緊急時の連絡手段が減る

固定電話を解約してしまうと、緊急時の連絡手段が一つ減ってしまいます。

携帯電話だけしかない場合、通信障害が発生した際にどこにも連絡できません。しかし緊急事態でも固定電話があり、携帯電話と回線業者が異なれば家族や友人・知人に連絡を取ることが可能です。

また、災害が起きて停電になった場合、IP電話は停電によりインターネットが遮断されるため利用不可になります。携帯電話は停電でもただちに使えなくなることはありませんが、災害で通信が混雑してしまい通信障害が起きて、まともに連絡できなくなる可能性が高いです。しかしそんなときでも、アナログ回線で回線から供給される電力により電話機を稼働できるタイプの固定電話であれば、連絡することができます。

万が一ということを想定した場合、連絡手段は一つでも多い方が安心ですので、固定電話は残しておく選択肢もあるのではないでしょうか。

通話料が高くなる可能性

固定電話を解約することで、通話料が高くなる可能性があります。

固定電話がなければ、携帯電話で電話対応をすることになります。着信(国内)だけであれば通話料は発生しませんが、顧客に電話することが多い場合は通話料が発生します。携帯電話は料金体系が変動することが多いため一概には言えませんが、プランによっては固定電話よりも高くつく可能性もあります。長時間通話をすることが多いのであれば、固定電話を解約する前に、固定電話と携帯で料金を比較してみることをおすすめします。

固定電話を解約するメリットとは?

企業にとって固定電話の解約は業績に影響しかねないデメリットが数多くあります。しかしその一方で、わずかですが解約するメリットも存在しています。以下に2つご紹介しますのでご覧ください。

ただしご紹介するメリットは決してデメリットを許容できるレベルではありません。「固定電話をほとんど使っていない」「会社規模を縮小したい」など特殊な理由がない限りは安易な固定電話解約をおすすめするものではないことを念頭に置いていただけますと幸いです。

コスト削減

固定電話を解約することでコスト削減を実現できる可能性があります。

たとえば社員数が少なくて外出する機会が多く、固定電話での応対はほとんどしていないという場合は固定電話の費用が無駄になってしまっています。さらに転送設定までしているのであれば余計にコストがかさんでしまっていることでしょう。月額費用だけでなく電話機のメンテナンス費用、故障時の修理費用なども含めれば企業規模が大きいほどコストがかかります。

そのようなケースであれば、固定電話は解約した方がコスト面で有益となりえます。また、個人事業主等であれば場所に縛られず仕事ができるため、業務では携帯電話をメインに使っているというケースもあります。

このようにほとんど利用していない固定電話を解約すれば、年間で数万円のコストを削減可能です。

オフィス設備のシンプル化

固定電話を解約すれば、オフィス設備はシンプル化されることでしょう。

たとえば、電話機を設置していたスペースは他のことに有効活用できます。床下に通さずに配線していた場合であれば、オフィスの見た目もスッキリします。足を引っ掛けてしまうなどのリスクもなくなりますので、社内環境は改善される可能性があります。

営業電話や迷惑電話への対応がなくなる

固定電話を解約すると、営業電話や迷惑電話などへの対応回数が減りやすいです。

市外局番つきの固定電話番号は、いたずら電話や営業電話などの迷惑電話、さらにはオレオレ詐欺などの特殊詐欺電話などがかかってくる可能性があります。これは、固定電話がセールスや詐欺のターゲットになりやすい傾向にあるためです。

固定電話を解約すれば、こうした迷惑電話などがかかってきにくくなるため、対応回数も減らしやすいです。

固定電話の解約方法・手続き

では、固定電話の解約方法や手続きの流れについて具体的に解説していきます。

利用休止・一時中断・解約の違い

固定電話を使わなくなった場合の手続きには、「利用休止」「一時中断」「解約」の3種類があります。それぞれの意味について以下で簡単に解説します。

・利用休止

電話加入権を残すものの、料金の支払いを休止する場合の手続きです。利用休止時には電話を止めるための工事が必要で、利用再開時には電話番号が変更となります。5年毎の更新が必要で、最大で10年間休止状態を継続できます。

・一時中断

利用を一時中断するものの、将来的に同じ電話番号で利用再開予定がある場合の手続きです。利用休止と違い、再開時には同じ電話番号を使えます。電話を止めるときと再開するとき、それぞれに工事が必要です。期限は無期限ですが、回線使用料は毎月かかります。

・解約

今後、固定電話を利用する予定や、電話加入権も残すつもりがない場合の手続きです。

固定電話解約手続きの流れ

固定電話を解約する手続きの流れを、NTTを参考に解説します。

1.対象エリアを確認する

解約手続きを始める前に、まずは固定電話を利用している地域を確認します。NTTの場合、東日本と西日本でどちらの管轄エリアになるか調べましょう。

たとえば、神奈川県と静岡県は隣り合っていて、「関東甲信越」としてひとまとめにされることが少なくありません。しかしNTTでは、神奈川県はNTT東日本、静岡県はNTT西日本となります。それぞれ解約窓口が異なりますので、事前にどちらの管轄エリアになるか確認しておきましょう。特にエリアの境目になる中部地方にお住まいの方はご注意ください。

2.解約の意思を事業者に伝える

解約手続きを進める際には、NTT東日本・西日本のサイトまたはそれぞれの電話窓口から申し込みを行います。NTT東日本・西日本の電話番号は以下の通りです。

  • NTT東日本:固定電話からなら「市外局番なしの116」、携帯電話からは「0120-116-000」
  • NTT西日本:固定電話からなら「市外局番なしの116」、携帯電話からは「0800-2000166」

携帯電話からの場合は電話番号が異なりますのでご注意ください。

3.契約者死亡の場合は遺族がその旨を伝える

固定電話の契約者死亡により解約する場合もあることでしょう。そうしたケースでは、配偶者や子供などの遺族が解約手続きを行います。NTTに電話をした際に担当者へ、「契約者死亡により解約する」ことを伝えましょう。

4.必要書類を提出する

解約手続きでは各種書類が必要となります。

たとえば、契約者死亡による解約であれば、死亡診断書や戸籍謄本などが必要です。また、解約ではなく「譲渡」の場合は現契約者と新契約者、「承継」の場合は新契約者(遺族や遺言書記載の人物)の本人確認書類が必要です。

解約手続きの内容や状況によって必要な書類が異なりますので、担当者の案内に従って準備しましょう。

5.レンタル機器があれば返却する

固定電話契約に伴ってレンタルサービスを利用していた場合は、解約と同時にレンタル機器などの返却も行います。

たとえば、固定電話とともにフレッツ光も契約していた場合は、レンタルWi-Fiルーターなどの機器返却が必要です。解約手続き後にNTTから返却用のキットが届きますので、梱包して返却しましょう。

ただし、レンタル機器の中には返却不要のものもあります。担当者に確認の上、返却すべきものだけを返却しましょう。

ビジネス利用における固定電話の解約はデメリットが大きい

これまでご紹介したように、固定電話の解約ではメリット・デメリットがそれぞれあります。しかし、デメリットを受け入れられるほどのメリットはなく、むしろ解約によって起こる問題の方が大きいのが実情です。

近年はスマホやメールでのやり取りが増えたとは言え、市外局番つきの固定電話番号は会社の顔となります。社会的信用も高く、特に企業の重要な役職についているような年齢の高い方からすると「携帯電話番号はあまり信用できない」と考えているケースも少なくありません。ビジネスにおいて信用・信頼は最も大切にすべきことである以上、固定電話の安易な解約はやはりデメリットの方が大きいといえるのではないでしょうか。

他にも登記の手間やFAXが使用できなくなること、新たな電話番号の周知にかかる手間・コストなど総合的に考えた場合、何の手段も講じずに固定電話を解約することは企業にとって悪手であると断言できます。

固定電話は「クラウドPBX」への移行で便利に!

固定電話番号を安易に解約することは企業にとってデメリットばかりが目立ちます。解約のメリットを残しつつデメリットをできる限り解消するためには何らかの手段を講じることが必要です。

ここでは、固定電話解約のメリットを残し、デメリットを解消する「クラウドPBXへの移行」について解説していきます。

固定電話のデメリットを解消

クラウドPBXはアナログ回線を使用する固定電話とは異なり、インターネット回線を使用して通話を行います。そのため、固定電話にあったさまざまなデメリットを解消することが可能です。

たとえば、クラウドPBXならばスマホで固定電話番号を持ち歩くことができるため、外出先であっても会社代表番号から発着信することができます。顧客からの着信を逃すことが減りますし、会社代表番号で発信できるため、不審がられることなく電話に出てもらいやすくなることでしょう。さらにスマホを内線化することができるため、拠点間の連絡もスムーズになりますし、テレワークの導入もスムーズに行うことが可能となります。

また、クラウド上に電話環境が構築されるため、導入の手間やコストもほとんどかかりません。契約後にスマホやパソコン等の端末にアプリを導入すればすぐに利用することができます。

さらに、クラウドPBXには固定電話になかったビジネスを便利にする機能が豊富に用意されています。Web電話帳やクラウドFAXなどを活用すれば業務効率化アップやコスト削減等を実現できることでしょう。

固定電話の番号そのままで移行できるサービスも

クラウドPBXを導入する際にはベンダー側で用意された電話番号を取得して利用するのが一般的です。「東京03」などの市外局番つき電話番号も取得できるサービスがあるため、社会的信用についても問題ありません。

また、クラウドPBXサービスによっては番号ポータビリティに対応しているところもあります。番号ポータビリティとは、新たな電話サービスに乗り換え後も電話番号を引き継げる仕組みのことです。つまり、その仕組みを採用しているクラウドPBXであれば、既存の電話番号をそのまま使用することができるわけです。

既存番号を引き継ぐことができれば、会社ホームページや名刺の記載変更や顧客への周知は必要なくなります。固定電話番号を安易に解約するよりも、番号ポータビリティに対応しているベンダーと契約した方が、ビジネス的には有利になるのでおすすめです。

おすすめクラウドPBX「03plus」

固定電話解約のメリットを残しつつデメリットをできる限り排除したい、という企業におすすめなのが「03plus」です。

03plusは「東京03」「大阪06」などの全国主要46局の市外局番つき電話番号を取得できます。番号ポータビリティにも対応していますので、条件さえ満たしていればそれまで使っていた固定電話番号をそのまま利用することが可能です。不便だった固定電話からインターネット回線を使用した便利なクラウドPBXに移行しても、番号を変える必要はまったくありません。

他にも03plusは固定電話にはないさまざまな便利機能があります。たとえば、「10分かけ放題」は1通話10分までであれば通話料が無料になるオプションサービスです。スマホでたびたび短時間通話をしていた場合、それらはすべて無料になるため、コスト削減に大いに役立つことでしょう。

また、クラウドFAXは大阪市でも導入されている便利な機能です。FAXを使用している企業はいまだに多いですが、ペーパーレス化の推進や業務効率化の実現のためにはどうにかしたいと思っているのが本音ではないでしょうか。

クラウドFAXはクラウド上でFAXデータの送受信を行うことができる機能です。相手方から送られてきたデータは印刷することなくクラウド上で確認できます。そのため、印刷代や専用紙を必要としません。また、外出先でスマホにより撮影したデータをそのままFAXデータに変換して送信することもできます。従来のFAXでは利用するためにわざわざ会社に戻る必要がありましたが、クラウドFAXならば場所に縛られずいつでもどこでも利用することができるのです。

このように03plusは「固定電話を解約したいけどデメリットも多いから…」「固定電話番号はそのまま使いたい…」といったお悩みを解決できるクラウドPBXです。ぜひ導入をご検討ください。

03plusについて詳しくはこちら

まとめ

今回は法人が固定電話を解約する場合に考えられるデメリットとそれを解決するサービスについて解説しました。

IT技術が進化している現代において、固定電話は確かに使いにくいツールです。しかし安易に解約してしまうと、社会的信用が低下したり電話番号を失ってしまったりなどの重大なデメリットが発生してしまいます。メリットも多少はあるものの、デメリットをカバーできるほどのものではありません。

なるべくデメリットを排除し、固定電話から新たな電話環境へ移行したいとお考えでしたらクラウドPBXがおすすめです。中でも番号ポータビリティに対応し、さまざまな機能をリーズナブルに使える「03plus」は多くの企業にとって良いサービスとなります。ぜひ導入をご検討ください。

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