法人向け050アプリ(IP電話アプリ)のメリットとは?導入の際の注意点や選び方

近年、使い勝手の良さから法人向け050アプリ(IP電話アプリ)の導入を検討する企業が増えています。スマホ等にアプリをインストールするだけで利用でき、通話料が安くて外出先からでも通話できるといったメリットがあるためです。

今回は、法人向け050アプリ(IP電話アプリ)を使うメリット、導入の際の注意点、サービスの選び方について解説します。

050アプリ(IP電話アプリ)とは

050アプリ(IP電話アプリ)はインターネット回線を用いて通話するアプリです。従来の固定電話はアナログ回線を使用して、基地局を通じて音声を相手に伝えていました。しかし、050アプリ(IP電話アプリ)は基地局を介することなくインターネット回線を通じてデジタルデータ送信にて直接相手とやり取りできます。そのため、遠距離通話でもリーズナブルに通話が可能です。

また、従来の固定電話は固定電話機のみでしか使用できませんでした。しかし、050アプリ(IP電話アプリ)はスマホ・PC・タブレットなどさまざまな端末にインストールできます。そのため、外出先からでもスマホで発着信を行えるのが特徴です。

他にもさまざまなシステムと連携できるため、法人で導入すれば業務効率アップや顧客満足度アップなどの効果も期待できます。

LINEやSkypeとの違い

インターネット回線を使って通話するIP電話アプリというと、LINEやSkypeをイメージする方もいるかもしれません。中には、050アプリ(IP電話アプリ)と混同している方もいることでしょう。しかし、050アプリ(IP電話アプリ)とLINE・Skypeは全くの別物です。

LINEやSkypeは、050アプリ(IP電話アプリ)とは違い、電話番号が割り当てられない「電話番号不要型」という種類のIP電話アプリです。通話料は無料ですが、同一アプリ間でしか使用できません。また、通話品質が低い傾向にあり、通話の途切れやノイズが入ることもしばしばあります。こうしたことから、電話番号不要型は法人での利用には向きません。家族や友人・知人など、同じアプリを持っている親しい関係にある人同士での通話に向いています。

法人が050アプリ(IP電話アプリ)を使うメリット

050アプリ(IP電話アプリ)はインターネット回線を用いて通話するツールで、従来の固定電話とは利便性に大きな違いがあります。法人で利用すると、コスト削減や手軽に導入できるなどさまざまなメリットがあります。

以下で、法人が050アプリ(IP電話アプリ)を使うメリットを解説します。

費用の削減

050アプリ(IP電話アプリ)は導入・運用コストが低く、法人で利用すれば費用削減できるのがメリットです。

従来の固定電話は、ビジネスフォンを使うためのPBX装置や固定電話機の購入、機器設置・配線工事が必要で、多くの費用がかかります。

一方で、050アプリ(IP電話アプリ)は、インターネット回線さえあればすぐに導入でき、機器の設置や工事は不要です。端末については、現在利用している社用または個人のスマホやPCをそのまま利用できます。そのため、機器購入や工事費用がかからず、導入コストを大幅に抑えられるのです。

また、固定電話はクラウドPBXに比べるとやや通話料金が高い傾向にあります。NTTの固定電話は2024年1月からIP網へ移行し、通話料金が全国一律になりました。そのため、移行前と比べると通話料金がお得になりましたが、それでもクラウドPBXの方が通話料は安い傾向にあります。さらにクラウドPBXの場合は、スマホを内線化することで、外出先の社員や離れた拠点との通話を内線で行えます。そのため、社員同士の通話コストをゼロに抑えられます。

このように、固定電話に比べてクラウドPBXは導入・運用面でコストが低く、費用削減を実現しやすいのです。

データ通信専用SIMで通話可能

データ通信専用SIMは利用料金が安く設定されているものの、データ通信のみしか行えず通常の通話は行えません。しかし、インターネット回線を用いる050アプリ(IP電話アプリ)をデータ通信専用SIMの入ったスマホに導入すれば、通話を行えるようになります。

利用料金の安いデータ通信専用SIMと通話コストを抑えられる050アプリ(IP電話アプリ)を組み合わせれば、運用コストを抑えることが可能です。

BYODを取り入れやすい

BYODを取り入れやすいことも050アプリ(IP電話アプリ)のメリットです。

BYODとは「Bring Your Own Device」の略で、日本語だと「私的デバイスを持ち込む」という意味があります。より分かりやすく言うと、BYODとは個人が所有するスマホなどの端末を仕事でも使うということです。

050アプリ(IP電話アプリ)は、アプリをインストールできる端末であれば、機種を問わず利用できます。つまり、企業側で端末を購入・支給しなくても、社員個人のスマホをそのまま流用できてコストを抑えられるわけです。

また、社員としても自分の端末をそのまま利用できることは大きなメリットがあります。例えば、会社支給のスマホと個人用のスマホを2台持ちする必要がなくなります。さらに、使い慣れた自分の端末であれば、新しいことを覚える必要がなく、ストレスなく操作して電話対応できます。

このように、050アプリ(IP電話アプリ)はさまざまなメリットのあるBYODを取り入れやすいのが特徴です。

社外にいても仕事用電話番号で通話可能

050アプリ(IP電話アプリ)で仕事用電話番号を取得している場合、通常の社用携帯と同様に社外でも通話ができます。

050アプリ(IPアプリ電話アプリ)はスマホ・PC・タブレットなどのさまざまな端末にインストールできて、インターネット環境さえあれば通話が可能です。そのため、スマホにアプリをインストールすれば、外出先でもデータ通信を用いて仕事用電話番号で発着信できるわけです。

営業先や出張先など、外出していても通話できるのは、050アプリ(IP電話アプリ)の大きなメリットと言えるでしょう。

複数拠点の一元管理

複数拠点ある法人の場合、050アプリ(IP電話アプリ)により一元管理できます。

従来の固定電話だと、導入や保守管理は拠点ごとに行わなければいけません。それぞれの拠点で個別に導入・運用するのは、人的リソースを多く使うこととなります。また、拠点間の連絡は外線通話となるため費用もかかることでしょう。

しかし、050アプリ(IP電話アプリ)ならば複数拠点でもひとつのサービスのみの導入で運用が可能です。拠点ごとに導入する手間が省けますし、共通のサービスなので運用時の混乱もありません。

また、同じアプリ同士であれば通話無料となることがほとんどなので、拠点間は内線通話として無料で通話できます。そのため、050アプリ(IP電話アプリ)ならば、複数拠点を一元管理できて、費用や人的リソースの無駄を省くことができるわけです。

システム拡張性の高さ

050アプリ(IP電話アプリ)は拡張性が高いため、法人で導入すると多くのメリットがあります。

050アプリ(IP電話アプリ)は物理的機器の設置や配線工事が不要です。そのため、オフィス移転や社員の増減があっても柔軟に対応できます。また、顧客情報を管理するCRMや電話システムと統合するCTIなどのITサービスとの連携も可能です。ただの通話ツールではなく、システム連携することで業務効率を高める柔軟性の高いツールとして050アプリ(IP電話アプリ)は有用といえるでしょう。

また、050アプリ(IP電話アプリ)は、システムの変更や設定をインターネット上から簡単に行えるため、自社に合わせてカスタマイズしながら利用できる点もメリットです。

業務内容に合わせて端末の選択が可能

050アプリ(IP電話アプリ)ならば、業務内容にあわせて端末を選択できます。

例えば、コールセンターではパソコンを使って顧客情報や商品情報、マニュアルなどを参照しながら電話対応しなければなりません。050アプリ(IP電話アプリ)ならば、パソコン一台で情報を調べながら電話対応可能です。営業で外回りが多い、工場など広い敷地内を動き回る必要があるといったケースであれば、スマホを活用できます。また、リモートワークであれば自宅の環境にあわせて、パソコンやスマホどちらで050アプリ(IP電話アプリ)を使うか選べます。

このように、業務内容や環境に合わせ、自由に端末を選べることは050アプリ(IP電話アプリ)の強みといえるでしょう。

法人が050アプリ(IP電話アプリ)を導入する際の注意点

050アプリ(IP電話アプリ)は導入・運用コストが安価であり、社外での通話やシステム連携ができるといったさまざまなメリットがあります。

しかし便利な一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、050アプリ(IP電話アプリ)を使用する上で注意すべき点を解説します。

インターネット環境がなければ使用できない

050アプリ(IP電話アプリ)はスマホを利用して外出先からでも社用電話番号にて発着信できます。しかし、インターネット環境の無い場所では通話できません。そのため、電波の届かない場所での利用はできませんし、PCにアプリがインストールされていてもオフィスにインターネット回線がつながっていない場合は使用できないので注意が必要です。

050アプリ(IP電話アプリ)は、インターネット環境を確認の上で使用しましょう。

通信環境が通話品質に影響を与える

050アプリ(IP電話アプリ)は通信環境によって通話品質が左右される可能性があります。

インターネットの通信品質は天気や電磁波、その他さまざまな影響を受けることがあります。例えば、スマホは外出先でも使用できますが、周囲に遮蔽物が多い場合は通信品質が著しく落ちてしまうこともあります。そうした環境化だと、050アプリ(IP電話アプリ)の通話品質も低下する可能性が高いのです。また、インターネット回線が混雑している、低速回線状態のときも通話品質が落ちやすいです。

通話中に途切れたり雑音が入ったりすると顧客に迷惑をかけてしまいます。通話品質の低下を避けるためには、通信環境が安定している場所や時間帯を選ぶようにしましょう。

発信できない番号がある

050アプリ(IP電話アプリ)は「110」「119」といった緊急通報の番号にかけることができず、「0120」を始めとする特殊番号にもかけることができません。従来のアナログ固定電話はもちろん携帯電話であれば問題なくかけられるため、勘違いする方も多くいます。もし外出中に緊急通報する場合は050アプリ(IP電話アプリ)からではなく、スマホから普通にかけるようにしましょう。

アプリによって対応OSが異なる

050アプリ(IP電話アプリ)を導入する際は、対応OSに注意しましょう。

050アプリ(IP電話アプリ)はたくさん種類がありますが、対応OSはアプリによって異なります。どんなに機能性が高く高品質な050アプリ(IP電話アプリ)であっても、利用予定の端末のOSに対応していなければ利用できません。たとえ利用できたとしても、突然の強制終了などの不具合や、将来的に完全に利用できなくなるなどの問題が生じる可能性が高いです。特に古いスマホを利用している場合は、サポート終了によりOSのバージョンが古く、アプリのインストールすらできないこともあります。導入する際は、利用したい050アプリ(IP電話アプリ)の対応OSと、利用予定の端末のOSの種類やバージョンを必ず確認しましょう。

社会的信用度は固定電話番号の方が高い

固定電話番号に比べると、050アプリ(IP電話アプリ)は社会的信用度が低い傾向にあります。

固定電話番号は、「03」や「06」などの市外局番を頭につけた電話番号です。市外局番は発信者の地域を示すものです。受信者側はその市外局番を見れば、だいたいどのエリアからの着信なのかが分かるため、安心しやすくなります。また、市外局番つきの固定電話番号を取得しているということは、そのエリアにて会社が実在している裏付けにもなります。そのため、固定電話番号は社会的信用を得やすいのです。

一方、050アプリ(IP電話アプリ)で使われる「050」番号には、地域の情報が含まれていません。会社の存在有無にかかわらず取得できるため、社会的信用は固定電話番号に比べるとどうしても劣ってしまうのです。また、050アプリ(IP電話アプリ)は比較的簡単に利用できることから、迷惑電話や詐欺電話に使われることも少なくありません。これもまた、「050」番号の信用を下げている理由のひとつです。

法人向け050アプリ(IP電話アプリ)の選び方

法人向け050アプリ(IP電話アプリ)は多くのメリットがある一方でいくつかの注意点もあります。導入する際にはそれを踏まえておき、自社に合ったサービスを選びましょう。ここでは、050アプリ(IP電話アプリ)を選ぶ際に覚えておきたいポイントを解説します。

料金プランや割引の有無を確認する

050アプリ(IP電話アプリ)を法人で導入するならば、トータルでかかるコストをまずチェックしましょう。

050アプリ(IP電話アプリ)は従来の固定電話や携帯電話と比べると月額料金や通話料はリーズナブルです。しかし、ベンダーによって料金には大きく差があります。また、自社の業務に必要な機能を利用するならば、オプション追加してさらに費用がかかってきます。

法人利用の場合は通信量・通話量が多くなりやすいものです。初期費用・月額料金・通話料・オプション料金をトータルで見て、自社に合った最適な料金プランのあるサービスを選ぶようにしましょう。

機能性やCRMなどの利用中システムとの相性を確認する

050アプリ(IP電話アプリ)に搭載されている機能はサービスによって異なります。法人利用する場合は、通話ができるだけでなく自社での用途や目的に合った機能があるかどうかもチェックすべきです。

例えば、CRMやCTI機能を利用・連携できるのか、時間外アナウンスや自動音声応答は可能なのかなどをチェックしましょう。こうした機能は基本料金プラン内で利用できるケースもあれば、オプションとなるケースもあります。

求める機能がない場合は、その機能だけ他のサービスで賄う必要性もでてきます。運用コストにもかかわることなので、機能面については必ずチェックしておきましょう。

操作しやすいか確認する

法人利用する場合は全社員が使いやすいかどうかをチェックすることも大切です。

個人事業主などスモールビジネス展開しているのであれば、自分や仲間内で共有しながら使い方を学べば済みます。しかし、多くのスタッフがいる場合、050アプリ(IPアプリ)の操作性が悪いと、使いこなせるようになるまでに時間がかかります。特にITツールに疎い方もいる場合は難しい操作が必要なものはなかなか使いこなせません。

050アプリ(IP電話アプリ)を導入する際は、自社スタッフのスキルに合わせて直感的にミスなく使えるシステムを選ぶようにしましょう。事前にテスト導入してアンケートを取るなどすれば、より使いやすいものを選びやすくなるのでおすすめです。

サポート体制が万全か確認する

050アプリ(IP電話アプリ)選びでは、ベンダーのサポート体制も重要なポイントです。

050アプリ(IP電話アプリ)はインターネット回線を用いて外出先でも便利に利用できて、ITシステムとの連携もできる便利なツールです。しかし便利な分だけ、なにか不具合があると業務が止まってしまうなどのリスクがあります。例えば、使い方がわかりにくい、通話できない、システム連携がうまくいかないなどが発生した場合、自社で対応しきれません。

導入実績を確認する

050アプリ(IP電話アプリ)を法人利用するならば、ベンダーの導入実績を必ず確認しましょう。

導入実績が多いということは、それだけ信頼されているサービスであるという裏付けになります。また、信用・信頼を重視する自治体や大企業の導入実績があるならば、品質も安定している可能性が高いでしょう。こうした理由から、サービスを選ぶ場合は導入実績をチェックすべきなのです。

それとあわせて、導入事例も確認しておきましょう。導入事例では、実際に利用している企業がサービスの質や解決した課題などを伝えてくれています。実在する企業の声は、サービスを選ぶ際に、役立つ情報となることでしょう。

ベンダー側のサポート体制が充実していれば、こうしたトラブルやお悩み解決もスムーズです。

法人利用なら電話回線一体型クラウドPBX「03plus エンタープライズ」

03plus エンタープライズ」は050だけでなく、「東京03」「大阪06」など主要46局の市外局番つき電話番号を取得できる、電話回線一体型のクラウドPBXです。番号ポータビリティにも対応しているので、契約の際は使っていた固定電話番号をそのまま使い続けられるケースもあります。アプリをインストールするだけで即日利用可能で、導入の手間はかかりません。

03plus エンタープライズは低コストで利用できる30名以上の法人向けクラウドPBXです。30IDの場合は、1IDあたり月額700円台で利用できます。さらに「10分かけ放題」オプションを追加すれば、1通話10分までであれば無料になるため、通話料もお得にできます。

また、03plus エンタープライズは機能も充実しています。パーク保留や留守番電話、通話録音、転送電話などを利用可能です。さらに、時間外アナウンスや自動音声応答(IVR)、Web電話帳も利用可能です。

そのほか、03plus エンタープライズならばクラウドFAX機能で、ネット上でFAXの送受信を行えます。この機能は大阪市でも導入され、コスト削減や業務効率化を実現しています。

03plus エンタープライズはサポートも充実しています。専任のコンシェルジュが、固定電話から・他社サービスからの乗り換え、自社の用途と目的に合わせた機能についてなど、導入前から相談に乗ります。もちろん導入後の運用についてもフォローしますのでご安心ください。

03plus エンタープライズについて詳しくはこちら

まとめ

今回は050アプリ(IP電話アプリ)を法人利用する場合のメリットや注意点、導入する際のポイントについて解説しました。

050アプリ(IP電話アプリ)はインターネット回線を用いて通話を行えるため、導入しやすく外出先でも通話を行えるというメリットがあります。運用コストもリーズナブルになりやすく、システム連携もできるため業務効率化やコストダウンといった目的も果たせます。一部かけられない電話番号や通話品質がネット環境に左右されてしまうといった懸念点もありますが、注意すればそこまで大きな問題にはなりません。

050アプリ(IP電話アプリ)を選ぶ際には、自社でどのような運用をするのか、必要な機能は何かを事前に洗い出しておきましょう。その上で、機能や料金プラン、サポート体制を比較して、自社に合ったサービスを選んでください。低コストで多くの機能を利用でき、サポート体制が充実しているサービスをお探しでしたら、03plus エンタープライズをぜひご検討ください。

電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ