IVR(自動音声応答システム)は電話業務の効率化が求められている昨今、人気を博しているサービスです。現在数多くのサービスが存在しています。また、クラウドPBXにIVR機能が搭載されている場合もあるため、「どのIVRサービスを選べばいいかわからない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
今回は自社に合ったIVRサービスを選ぶ際に役立つ、IVRのメリット・デメリットを解説し、人気の高いIVR単体のサービスとIVR機能を搭載したクラウドPBXを比較紹介していきます。
目次
IVRとは?
IVRは「自動音声応答システム」のことです。英語の「Interactive Voice Response」を略してIVRと表記しています。
IVRは、あらかじめ設定したシナリオに沿って自動音声にて電話応答や対話を行います。例えば、「○○の方は1を、△△の方は2を、その他の方は3を押してください」のように、問い合わせ内容をヒアリングしてダイヤルを押してもらい、それに合わせて担当者へ振り分けます。
荷物の再配達受付や、企業のカスタマーサポート窓口などでよく活用されています。最近では手軽に導入できるIVRサービスが増えたことから中小企業など小規模な組織での活用も増えています。
音声ガイダンスとの違い
IVRと似たものに「音声ガイダンス」があります。
音声ガイダンスは、電話が混み合っている場合や休業日などにあらかじめ録音・設定しておいた案内音声を流すシステムです。音声を流すだけの機能なので、ダイヤルを押してもらって顧客を振り分けるといったことはできません。
IVRと音声ガイダンスはどちらも電話応対を代替するものですが、自社の持つニーズに応じて、どちらを利用するか選ぶとよいでしょう。
ボイスボットとの違い
IVRと似たものに「ボイスボット」もあります。
ボイスボットとは、AI(人工知能)を用いた自動音声応答システムのことです。まるで人間と話しているような自然な対話ができるのが特徴です。
仕組みとしては、顧客からの問い合わせがあった際、会話内容を音声認識AIによりテキスト化します。そしてテキストをもとにして言語処理システムを用いて適切な回答文を作成し、合成音声で読み上げることで会話を行います。AIが自己判断および自分で文章を作って会話することがボイスボットの大きな特徴です。
一方、IVRは事前に人間がテキストを作成しておいて、それを人によって録音または人工音声で読み上げさせています。つまり、回答文章が事前に用意されているのはIVR、その場で回答文章を作成して柔軟に対応するのがボイスボットというわけです。
IVRの活用例
IVRは電話対応の効率化やスタッフの負担軽減、人件費削減などを実現できるシステムです。そのため、多くの企業にてさまざまなシーンで活用されています。
IVRの活用例として代表的なのが、コールセンターでの使用です。コールセンターには多くの電話がかかってきます。IVRを導入すれば、顧客はガイダンスに従って番号をプッシュし、スムーズに適切なオペレーターとつながれます。そのため、オペレーターの負担軽減や適切な問い合わせ対応、顧客満足度向上をIVRで実現できます。
また、IVRはリストにある連絡先に一斉発信できます。そのため、災害情報の発信でも活用されています。登録されているユーザーに対して、事前に用意したガイダンスを流すことで、災害情報や安否情報をスムーズに伝えることが可能です。
他にもIVRは、病院や飲食店などの予約やキャンセル対応、金融機関などの督促連絡などさまざまなシーンで活用されています。
IVRのメリット・デメリット
IVRは顧客からの問い合わせに対して自動で応答できるシステムです。導入することでコスト削減や業務効率化はもちろん顧客満足度向上など、企業・顧客双方に様々なメリットが生まれます。その一方で、適切に運用しないと顧客に不満を感じさせてしまう可能性もあるため注意が必要です。ここではIVRを導入するメリット・デメリットを解説します。
メリット
IVRの導入は企業・顧客の双方にメリットがあります。それぞれどのようなメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。
企業側のメリット
・24時間いつでも顧客対応できる
IVRは24時間365日稼働が可能です。営業時間中はもちろん、営業時間外であっても自動で顧客応答できます。そのため、営業時間外しか時間がない顧客からの電話を取りこぼすことがなくなり、ビジネスチャンスをより拡大しやすくなります。電話代行サービスでも営業時間外の対応は可能ですが、IVRの方がよりリーズナブルである点もメリットと言えるでしょう。
・業務効率化を実現できる
IVRに一時対応を任せることができるため、電話番スタッフの配置が不要となりコストやスタッフへの負荷削減が見込めます。また、スキルを持つ専門スタッフへ適切に着信を振り分けることができるため効率よくオペレーター業務を行うことが可能です。迷惑電話や意図しない連絡への一次対応もIVRが行うため無駄を省くことで業務効率化を果たせます。
・顧客管理がしやすくなる
IVRに搭載されているシステムを活用することで顧客管理がスムーズになります。顧客ごとの電話履歴の確認や通話内容のメモなどを利用してデータ分析や顧客ニーズの把握につなげることができるためです。
・電話応対スタッフの離職率を改善できる
IVRを導入すれば新人への電話対応研修を簡略化することができます。基本的に一次対応はIVRに任せることができ、スタッフは電話番の研修が不要となって必要な専門知識習得のみに注力できるためです。また、適切なスタッフに振り分けられてスムーズに仕事を進められるため、ストレスなく電話応対でき、離職率の低下も見込めます。
顧客側のメリット
・効率よく問い合わせができる
IVRにより適切な知識・応対ができるスタッフにつながるため、顧客はたらい回しされることなく問い合わせをスムーズに行えるようになります。無駄な通話を減らしてスムーズに問題解決できることは顧客にとって大きなメリットです。
・自動応答のみでも解決できる
人によっては「オペレーターとの会話が面倒」と感じている場合もあります。IVRを導入すれば、オペレーターとの会話は最小限で抑えることができます。顧客にとってストレスなく問い合わせができる点がメリットと言えるでしょう。顧客情報の確認やよくある質問への回答などであれば、オペレーターと会話することなく問題解決することも可能です。
デメリット
IVRの導入は企業・顧客にとってさまざまなメリットがあります。その一方で、導入によるデメリットや注意点もわずかながら存在します。
・時間がかかることがある
規模の大きな企業やコールセンターであればスムーズに取次できます。しかし規模がそれほど大きくない企業の場合は、担当者につながるまでかえって時間がかかる可能性があります。その結果、顧客はストレスを感じてしまう可能性があるでしょう。企業規模がそれほど大きくないのであれば、番号入力を何度もするより担当者へ直接連絡してもらった方が顧客へのストレスは減らせます。
・シナリオ設計次第では顧客が迷う
IVRは顧客の問い合わせ内容に合わせてシナリオを設計します。適切に設計できれば顧客はスムーズに問い合わせできるため満足度向上につながるでしょう。しかし、質問数が多い、内容が複雑といった顧客ニーズに合っていないシナリオだと顧客は迷ってしまいストレスを感じます。IVRはたらい回しを無くすメリットがありますが、回りくどくてわかりにくいシナリオは顧客に「たらい回しにされている」イメージを与えてしまうのです。
・その他の問い合わせが増える
上記のようにシナリオ設計が悪いと、顧客は適切な選択肢を選ぶことができなくなります。その結果、「その他のお問い合わせはこちら」の選択肢へ顧客が流れやすくなってしまいます。
これでは結局、担当者が顧客の希望を聞くところから始めなければならないため、IVRを導入する意味がなくなってしまいます。
適切なシナリオ設計を心がけ、「その他」の問い合わせへの振り分けが最小限になるように注意しましょう。
IVRサービスの導入形態とは?
IVRシステムにはオンプレミス型とクラウド型があります。
オンプレミス型はオフィス内に専用機を設置するタイプで、導入には規模によって数万~数千万円の費用がかかります。他にも回線工事費やサービス月額利用料が必要です。クラウド型はインターネット上にIVRシステムを設置するため導入コストが低く、メンテナンスも容易で様々な機能を利用できるため現在の主流となっています。
また、IVRにはIVR単体のサービスとクラウドPBXの機能の中に含まれているものがあります。IVR単体のサービスは、基本的にIVR機能のみを利用できます。一方クラウドPBXに付帯する場合は、IVR機能はもちろんのことPBX機能や業務効率化・コスト削減につながる機能を活用可能です。
IVR導入ならクラウドPBXがおすすめである理由
IVRを導入するのであれば、クラウドPBXが最もおすすめです。なぜクラウドPBXがおすすめなのか、その理由を解説します。
オンプレミスよりクラウドの方が時代に合っている
IVRにはオンプレミス型とクラウド型がありますが、クラウド型の方が時代に合っているといわれています。
オンプレミス型とは、オフィス内に専用機器を設置してサービスを利用するものです。業務にあわせて自由に自社でカスタマイズできます。ただし、初期費用が高く工事も必要なので導入ハードルが高いです。故障時には自社対応または業者依頼が必要になりますので、万が一のときに業務が長期間止まることがあります。また、発着信は機器が設置されているオフィス内でしか行えません。
クラウド型とは、クラウド上にシステムを構築してサービスを利用するものです。初期費用が低く工事不要なのでスムーズに導入できます。故障があった際はベンダー側で対応しますので、自社リソースを割く必要がありません。クラウド上にシステムがありますので、発着信はスマホやパソコンなどを用いて外出先や自宅からでも行えます。そのため、災害時にオフィスに出勤できなくても、電話対応業務を止めずに済みます。
このような違いがあることから、近年はより柔軟な対応が可能であるクラウド型を導入する傾向にあります。
複数のクラウドサービスを導入するより低コスト
複数のクラウドサービスを導入するよりも、クラウドPBXを導入した方がコスト面で有利といえます。
前述の通り、クラウド型の方が時代に合っている仕組みです。そのため、IVRもクラウド型を検討されるケースがほとんどです。しかし、同じクラウドサービスでもクラウドIVRとクラウドPBXでは、機能の豊富さに大きな差があります。IVRは自動音声応答機能のみですが、クラウドPBXならば自動音声応答の他にもさまざまな機能を利用できます。
このようなことから、IVR単体とその他サービスをあわせて契約するよりも、さまざまな機能がまとまっているクラウドPBXを導入した方が、全体的なコストを抑えやすいわけです。
サービス間の連携が可能かを気にする必要がない
クラウドPBXならば、各機能の連携を気にする必要もなくなります。
IVR単体を契約し、その他必要なサービスも契約した場合、サービス間で連携できれば業務改善や効率化を図れることでしょう。しかし、異なるサービスをいくつも契約する場合、連携できない、または連携できるものの不具合が出るといった可能性も少なくありません。
しかし、複数の機能がまとまっているクラウドPBXであれば、機能の連携を気にする必要がなくなります。そのため、導入時に迷うことがなくなり、スムーズに運用することができます。
クラウド型IVRを導入する際の比較ポイント
クラウド型IVRにはさまざまなサービスがあります。自社に合ったサービスを導入するために、おさえておきたい比較ポイントを解説します。
機能性
クラウド型IVRを選ぶ際は、その機能性を確認しましょう。
IVRは、自動音声によりあらかじめ設定された案内をして、顧客の用件にあわせてプッシュボタンで着信を振り分ける機能です。どのサービスであってもその基本的な部分に違いはありません。
しかし、設定できるシナリオ数や階層などには違いがありますし、備わっている機能もサービスごとに異なります。また、必要な機能がオプションになっている、そもそも備わっていないこともありえます。
多機能なIVRであれば幅広いニーズに応えられることでしょう。しかし、多くの機能を利用できるということは、それだけ費用も高いことでもあります。そのため、費用対効果が低くなる場合もあります。
このようなことから、クラウド型IVRを選ぶ際は自社に合った機能を有しているかどうかで選ぶことが大切です。
音声の作成方法
音声作成の方法も必ず確認しておきましょう。
IVRでは、顧客へ音声案内するために事前に音声を作成する必要があります。音声作成の方法はいくつかあり、主なものとして人による音声収録と人工音声があります。
音声を収録する場合は作成したシナリオを自社のオペレーターに読んでもらい、それを収録・編集するのが一般的です。ただし、雑音などが入るといけないため、収録スタジオなどの静かな環境が必要です。そのため、自社での録音が難しい場合は、音声収録・作成を行うサービスに依頼することもあります。
また、IVRサービスによっては、人工音声を作成できるものもあります。作成したシナリオをテキスト化してシステムに読み込ませて、合成音声によってガイダンス音声を作成します。音声合成機能を搭載したIVRであれば、特別な知識がなくても簡単に人工音声を作成できます。
同時通話数
IVRを選ぶ際は、同時通話数もチェックしておきましょう。
同時通話数とはその名の通り、同時に対応できる通話数のことです。例えば、キャンペーンやテレビCMを行うと、短期間で多くの入電があります。すべての入電に対してオペレーターが対応できれば良いですが、人件費やリソース確保の手間がかかるため現実的ではありません。こうしたケースでは、同時通話数の多いIVRを利用するのが最も有効です。
同時通話数はIVRサービスによって異なります。せっかくのキャンペーンで集まった入電を取りこぼしたくない場合は、それに対応できるだけのキャパシティを持つサービスを選ぶことが大切です。また、一時的にキャパシティを増やせるサービスならば費用対効果が高いのでおすすめです。
分析機能の有無
IVR導入時には分析機能があるかどうかも確認しておきましょう。
IVRの導入を検討しているということは、「電話対応業務の効率化・改善」「キャンペーンの効果測定」「オペレーターへの適切なフィードバック」といったニーズを満たしたいと考えているはずです。業務の効率化はIVRを導入するだけで果たせるかもしれませんが、効果測定ができなければどれくらいの改善効果があったかは分かりません。対応記録がなければ、フィードバックも思うように行えないでしょう。
このようなことから、IVRの分析機能の有無は重要といえます。まずは自社でどのような課題を解決したいのか洗い出しましょう。そして、それにあった分析機能があるサービスを選んでみてください。
費用
最後に費用面も必ず考慮しましょう。
前述の通り、クラウド型IVRは初期費用がリーズナブルですが月額費用がかかります。そのため、長期的に見た場合はオンプレミス型よりもコストがかかることも少なくありません。しかし、IVRの活用により業績アップや業務改善、リソース削減などが実現できれば、費用対効果としては満足いくものとなるでしょう。
IVRでかかる月額費用には基本使用料とともにオプション利用料もあります。費用対効果を踏まえた上で、納得できるサービスを選んでみてください。
IVR機能が利用できるクラウドPBXサービス4選
前述の通り、クラウドPBXにIVRサービスが付帯するものは、IVR機能だけでなくクラウドPBXの利便性も同時に得られるというメリットがあります。
【関連記事】クラウドPBXとは何か詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの記事をチェックしてください。
従来の固定電話での電話利用に限界を感じている企業の方や、テレワークやサテライトオフィスなど働き方の柔軟性を高めたいと感じている方は、ぜひクラウドPBXとIVRの組み合わせを検討してみてください。
ここでは、IVR機能を搭載したおすすめクラウドPBXサービス4つをご紹介します。
03plus エンタープライズ
03plus エンタープライズは、「東京03」をはじめ、主要46局の市外局番つき電話番号を取得できるクラウドPBXです。1ID月額1,280円、初期費用5,000円で低コストにて電話環境を構築できます。番号ポータビリティにも対応しているため、電話環境をクラウドPBXに移行したいケースにも向いています。
30ID以上のIVR機能はエンタープライズ版にて利用できます。プッシュされた番号に対して、グループ着信、音声再生、転送などの動作を行えます。時間帯によってアナウンス内容の切り替えも可能です。
IVR機能以外にも、通話コストを下げられる「10分かけ放題」や大阪市でも導入実績がある「クラウドFAX」といった便利機能も利用できます。
03plus エンタープライズのIVR機能について、詳しくはこちらをご覧ください。
IVR(自動音声応答)オプションについて|03plus エンタープライズ
BIZTEL コールセンター
コールセンターなど、電話対応がメイン業務となる企業に向いているクラウドPBXです。コールセンター管理や稼働状況モニタリング、顧客管理システムなどを利用できます。オペレーター同士のチャットや情報共有などもできるため、コールセンター業務の効率化を図れます。1,700社以上に導入されており、信頼・実績も高いです。
トビラフォンcloud
リーズナブルさが売りのクラウドPBXで「050」や「0120」番号を取得できて月額3,300円から利用できます。操作はシンプルでわかりやすく、誰でも簡単に利用できるのが特徴です。IVR機能はもちろん、電話回線の一括管理、自動録音、スケジュール管理、迷惑電話ブロックなど機能は多彩です。
CT-e1/SaaS
小規模プランから100席以上の大規模プランまで用意されているクラウドPBXです。リピーター顧客の優先取次や、待機状態の管理、SMS連携などにより顧客満足度向上につながる機能があります。自社開発システムであり、業種や運用に合わせてカスタマイズできる点も特徴です。
IVR機能単体を利用できるサービス10選
続いてはIVR機能のみを利用したい場合におすすめのサービス10選を紹介します。
すでにクラウドPBXを利用している方や、どうしても今の電話を使い続けなければならない場合は、現在の電話のままIVR機能を付け加えることができるこちらの方法が最適です。
IVRy(アイブリー)
クラウド型のIVRサービスで月額3,000円からと低コストで運用できます。AIによるテキスト作成、自由度の高い着信フロー設定を行うことができ、コールセンターをはじめ様々な業種に合わせてカスタマイズできるのが特徴です。050の電話番号取得が可能でスタートアップ企業にも向いています。他にも受電履歴、受電メモなどの便利機能もあります。
自動受付IVR
クラウド型のIVRサービスで月額料金は150,000円から、初期費用300,000円からとなっています。日本最大規模の回線数で24時間安定稼働できる点が特徴です。また、プッシュ操作不要の音声認識IVRであり、録音やSMS連携などもできます。
LINE AiCall
クラウド型のIVRサービスでプッシュ操作ではなくAIと対話するタイプで自動応答を行います。自動回答・対応ができない場合は担当部署につながるため顧客もストレスを感じにくいでしょう。また、LINEやSMSとの連携ができるため、顧客ニーズに合わせて運用できます。
VoiceMall
NTTテクノクロスのクラウド型IVRサービスです。NTTの高いセキュリティと安定性、大容量サービスを利用できます。信頼性の高さから大企業を中心に選ばれています。あふれ呼受付ダイヤルやCS調査ダイヤルなど豊富なサービスも売りです。
ロボット自動受付サービス
AIによる音声認識応対ができ、名前の通りロボットが受付をしてくれるイメージがあるIVRです。プッシュ操作のみでの分岐では物足りなさを感じている場合に有効活用できます。キャンペーンや繁忙期により着信数が増える企業に向いています。
DXでんわ
使いやすさにこだわったIVRで、PC業務が苦手なスタッフも使いやすい管理画面が特徴的です。シンプル設計であり音声ガイダンスも自社の業務に合わせて自由に変更できます。料金体系も2つの料金プランから選ぶことができ、シンプルでわかりやすいです。
モバイルウェブ ビジュアルIVR
NTTコムオンラインのビジュアルIVRです。ビジュアルIVRとは自動音声ガイダンスをWebページやアプリで可視化したものです。例えば電話が混み合っている際にSMSからWebへ案内して顧客の問題解決を行います。電話の待ち時間を減らすことで顧客のストレス緩和につながります。
PKSHA Voicebot
音声認識により自動応答するIVRサービスです。顧客の声を認識してそれに応じた応答を自動で行ってくれます。高精度な対話性能と柔軟性の高い対話フローで、業務の自動化・半自動化を実現できます。契約後の追加料金は基本的に不要です。
じゃんじゃんコール
クラウド型のIVRサービスで回線レンタル方式となっています。キャンペーンやイベント、繁忙期など短期間に問い合わせが集中しそうなタイミングでスポット利用するのに向いています。サンプルや資料請求、予約受付などの無人化が可能です。
コールナビゲーター 電話自動音声応答システム(IVR)
月額3,980円から初期費用無料で利用できる低コストのIVRです。折り返し希望受付や電話転送、SMS送信などの機能があります。オプション追加でオペレーター電話代行機能を付与することもできます。
IVRサービス導入の手順・流れ
IVRは、工夫次第でさまざまなシーンで電話業務の効率化を実現できる機能です。そんなIVRサービスを導入するにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは導入の手順や流れについて解説します。
問い合わせ数から同時通話数を検討する
まずは、IVRサービスの同時通話数を検討するために、問い合わせ数を確認しましょう。
IVRは、社員が電話に出られないタイミングでも、顧客からの入電に自動で対応してくれる便利な機能です。しかし、同時に多くの入電があった場合、同時通話数を超えたものについては受け付けられません。通話がつながらないことは、顧客にとってストレスになります。同時通話数を頻繁に超えることがあれば、顧客の信頼が薄れてしまうかもしれません。
そうした事態を防ぐため、問い合わせ数から同時通話数を検討することが大切です。ピーク時の問い合わせ数がどれくらいあるのか、キャンペーン時はどれくらいの問い合わせ数が予想されるのかなどを調べましょう。そして、それに耐えられるだけの同時通話数があるサービスを選んでください。
よくある問い合わせを洗い出して整理する
顧客からの問い合わせ内容を洗い出して整理しましょう。
IVRは、電話の一次対応を任せることでオペレーターの業務を効率化し、負担を軽減するために導入します。しかし、自動音声での案内の内容が適切に設定されていないと、「その他のお問い合わせ」に集中してしまい、オペレーターの負担が増加してしまいます。これでは、IVRを導入する意味がありません。
そうした事態を回避するためにも、まずは想定されるよくある問い合わせ内容をできる限り洗い出します。それを整理してカテゴリごとに分けていきましょう。こうすることで、顧客が自分の問い合わせ内容にあった番号を選びやすくなり、「その他」にばかり流れてしまうのを防ぎやすくなります。また、以下で解説するシナリオ設計がスムーズになります。
シナリオを設計する
シナリオの設計は、IVRの導入・運用において最も重要な部分です。これが適切に行われないと、顧客はどの番号を選べば良いのか迷ってしまいますし、「その他」に流れやすくなりオペレーターの負担が増加してしまいます。
シナリオを設計する際には以下のポイントをおさえておきましょう。
- 短く簡潔な文章にする:顧客は、なるべく早く自分が抱えている課題を解決したいと考えています。中には、抱えている課題によって気持ちに余裕がない場合もあります。顧客になるべくストレスを与えないためにも、ガイダンスの文章は短く簡潔にすることが大切です。
- 選択肢を分かりやすくする:選択肢が多すぎると顧客はどれを選ぶべきか迷います。また、顧客にガイダンスを最初から聞き直す、メモをするなどの手間をかけてしまいます。スムーズに番号を選べるように、選択肢の数は3つ程度にしましょう。
- 階層を深くしすぎない:階層が深すぎると、「なかなかオペレーターにつながらない」と顧客がイライラしてしまうかもしれません。また、深い階層についてから選択ミスしていたことに気がついた場合は嫌になってしまうかもしれません。選択肢と同じように、階層も3つ程度までに収めるようにしましょう。
必要な機能を持つIVRサービスを選ぶ
IVRサービスは、業務に必要な機能があるものを選びましょう。
現在の電話業務における課題や、どんな機能が必要なのかを洗い出します。例えば、「商品の受注や予約業務をスムーズにしたい」というのであれば、それに合う機能を持つIVRサービスを選ぶべきです。IVRサービスの担当者に自社に合う機能があるか、どんな使い方ができるのかを相談してみるのも良いでしょう。
設定
サービスを契約したら、IVRを設定して運用を開始します。
まずは、準備したシナリオをアップロードし、自動音声に読ませるようにします。自動音声ではなく社員の声を録音して設定することも可能です。設定ができたら、動作確認も行いましょう。実際に電話をしてみて、適切に動作しているか、シナリオ設計は適切かを確認してみてください。
離脱率や窓口ごとの通話数からフローを見直す
運用後は、定期的なブラッシュアップを行いましょう。
IVRは便利なサービスですが、全ての顧客が満足できるものになるとは限りません。シナリオ設計によっては、途中離脱してしまう顧客も多くなります。また、特定の窓口にばかり振り分けられて、スタッフに負担がかかることもあります。
より良いIVRの運用のためには、定期的にブラッシュアップしてこうした課題を改善していくことが大切です。離脱率のデータを見てシナリオを見直したり、窓口ごとの通話数を分析したりしてフローを最適化しましょう。
まとめ
今回はIVRサービスとIVR機能が搭載されたクラウドPBXをまとめて紹介しました。
IVRは顧客からの電話に対して自動音声にて応対できるシステムです。導入すればスタッフの負担を減らすことができて効率よく取次できるため、人件費削減や業務効率化に役立ちます。また、顧客のストレスを減らし満足度を向上させることもできます。もちろんメリットばかりではなく注意すべき点もあります。しかし適切に設定を行えば、IVRは確実に企業・顧客にとってメリットの大きいシステムであると言えるでしょう。
IVRシステムを利用する場合、IVR単体のものとIVR機能搭載のクラウドPBXがあります。自動音声応答を自社に合わせてカスタマイズし、深い階層まで細かく設定したい場合はIVR単体の方が良い場合もあります。電話環境の構築を通して業務効率化・コスト削減につながる機能を活用したいという場合は、IVR機能搭載のクラウドPBXの方が良いでしょう。
今回紹介したサービスを参考に、自社に合ったIVRサービスをお探しください。