050電話番号を取得してIVRによる自動対応を設定する方法

コールセンターや大企業はもちろん、中小企業でもIVRの導入が増えてきました。自動音声により電話の一時応対を任せて適切な振り分けを行えるため、業務効率化やコスト削減、さらには顧客満足度向上を見込めるためです。

「リーズナブルな050電話番号でIVRを利用できるのだろうか?」とお考えの方は、ぜひ今回の記事をご覧ください。050電話番号の特徴やIVR活用のメリット、IVR対応の050電話番号を取得する方法、おすすめのサービスを解説します。

IVRとは

IVRとは自動電話応答システムのことです。「Interactive Voice Response」の略で、顧客から着信があった際に設定した音声やシナリオによって、適切な担当者に振り分けることができます。

IVRは、顧客からの問い合わせ内容を予測した上でシナリオ設定を行えば、電話応対業務を効率化できます。少ない待ち時間で適切な担当者につながることで、顧客満足度向上も見込めるでしょう。

しかし、顧客は必ずしも予測どおりの行動を取るとは限りません。また、シナリオ設定が不適切であったり冗長であったりすると、顧客は迷ってしまい逆にストレスを感じる可能性があります。そのため、顧客のことを考えてわかりやすくシンプルなシナリオにするように最適化していくことが大切です。

IVRの仕組み

IVRは電話の一次応対を自動音声システムに任せ、顧客がプッシュボタンで自分に合った選択肢を選び、それに合った担当者につなぐという仕組みです。例えば「○○の方は1を、△△の方は2を、その他のお問い合わせは3を押してください」といった自動音声を流して、顧客に選んでもらいます。

電話の一次応対は、それほど高度な対応力は求められず、どちらかというと顧客の幅広い質問を聞き取り、振り分ける作業的な意味合いがあります。専門性の高いスタッフを配置するより、機械的に振り分けを行う方が効率的といえるでしょう。そのため、コールセンターや規模の大きい企業などでは、IVRの仕組みや特徴を活用して業務効率化やコスト削減を図っています。

IVRを活用するメリット

IVRの活用は業務効率化やコスト削減、顧客満足度向上などのメリットがあります。

IVRは業務効率化やコスト削減に役立ちます。顧客の問い合わせ内容に応じて適切なスタッフに電話が振り分けられて、処理時間の短縮やミスが軽減されるためです。そして単純に、一次応答をIVRに任せられるため、電話番を配置する必要がなくなり人件費も削減できます。

IVRは顧客満足度向上にも役立ちます。自動音声案内に電話の一次応対を任せ、顧客が自分に合った番号を選び進んだ先には、顧客の問題を解決できる専門性の高いスタッフがいます。そのため、顧客は待ち時間なく自分に合った担当者に出会うことができ、スムーズに問題解決できるため満足しやすいのです。

また、IVRには時間外受付やキャンペーン告知、よくある質問への回答を任せることも可能です。IVRは自動音声案内であり、スタッフが退社した後でも24時間365日いつでも対応してくれます。そして音声の中に営業時間や開催中のキャンペーン告知も入れ込むことが可能です。顧客の要件によってはよくある質問へ流して、そのまま自動音声にて解決できる場合もあります。

050電話番号とは

050電話番号とは、インターネットを使用するIP電話に割り当てられる電話番号のことです。市外局番付き電話番号の場合は「03」などから始まり、10桁の数字の中に地域情報が含まれます。050電話番号の場合は「050」から始まって11桁、その数字の中には事業者識別番号が含まれています。

050電話番号は取得が簡単で導入からすぐに利用でき、低コスト運用できる特徴があります。また、アプリをインストールしたスマホで利用できるため、外出先でも050番号を使って発着信が可能です。

その一方で、050電話番号は市外局番付き番号と比べてビジネスシーンではマイナーであり、社会的信用は低く見られる傾向にあります。また、通話はネット環境に依存し、通信間状況が悪かったり提供されているサービスの質が悪かったりする場合、通話品質が不安定になりやすいです。

050電話番号を使うメリット

050電話番号はアナログ回線の電話番号と比べてさまざまなメリットがあります。

050電話番号は、IP電話で使われる番号でインターネット回線を使用します。そのため、契約後にスマホ等の端末にアプリをインストールすればすぐに利用できるため、導入がスムーズです。

コスト面でも050電話番号にはメリットがあります。利用のための工事が不要なため、導入コストを削減できます。さらに、インターネット回線を使用するため通話料金は全国一律であり、遠距離通話であっても割高になることはありません。

また、市外局番付き電話番号の場合は、引っ越しして対応したエリア外に出てしまうと電話番号が変わってしまいます。しかし、050電話番号はサービスを提供する事業者が番号を管理しているため、引っ越しや移転があったとしても電話番号が変わらずそのまま使えます。その代わり、事業者を乗り換える場合には引っ越ししなくても電話番号が変更となるので注意しましょう。

IVR対応の050電話番号を取得する方法

IVRに対応する050電話番号を取得する方法は大きく分けて2つあります。IVR対応のIP電話やクラウドPBXを契約する方法と、IVRサービスを単体で利用する方法です。それぞれの特徴やどちらの方法を選ぶべきかのポイントを解説します。

IVR対応のIP電話やクラウドPBXを使う

050電話番号を取得できるサービスにはIP電話やクラウドPBXなどがあります。この2つのサービスの中にはIVR機能を搭載しているものも存在しています。つまり、IVR機能搭載のIP電話・クラウドPBXサービスに契約すれば、050電話番号にてIVR対応できるようになるわけです。

ただし、提供されているIVRの機能はサービスごとに大きく異なります。設定できるシナリオ数や音声、オプション料金などを比較して自社に合うものを選びましょう。他にも、通話品質や月額基本料金、サポートの充実度なども選定のポイントとなります。

また、050電話アプリでも050電話番号を取得できますが、通話以外の機能はほぼないためここでは除外します。

IVRサービス単体で利用する

すでに何らかの方法で050番号を取得しているのであれば、IVRサービス単体を契約してその電話番号を使用するという方法もあります。

IVRに特化したサービスのため、機能性が高く使い勝手も良いものが多いです。サービスにもよりますが、設定できる項目も多くなるため、より細やかな自動音声応答を作成することができるでしょう。

ただし、トータルの費用面で考えた場合は、前述の一つのサービスに一本化する方法に比べ、やや高くなる可能性があります。050番号の取得・運用費用にプラスしてIVRに特化したサービスを追加で契約することになるためです。

おすすめの方法は?

050電話番号でIVRを利用する方法として、どちらかが絶対におすすめということはありません。利用者の状況や目的、かけられるコストなどによって違ってきます。

例えば、新たに050番号を取得するのであればIVRに対応したIP電話やクラウドPBXサービスを契約する方が、手間がかかりません。オプション追加するだけなのでWebや電話ですぐにIVRを利用できるようになります。

すでに050番号を取得しているのであれば、契約しているIP電話やクラウドPBXにIVR機能があるかどうかを確認してみましょう。もしあればオプション追加し、ないようであればIVRサービスを単体で契約する流れになります。

また、機能性が高く細やかな設定を行いたいという場合は、IVR単体を別途契約する方が良い場合もあります。機能面で充実していることはもちろん、質問やトラブルがある際もIVRに特化したスタッフがサポートしてくれるためです。他には、ランニングコストで考えるならばIVR搭載のIP電話やクラウドPBXの方が良い可能性が高いでしょう。

IVR機能付きで050電話番号が取得できるサービス

IVR機能が搭載された050電話番号を取得できるIP電話やクラウドPBXサービスは数多くあります。その中でも信頼性が高く、サポート力や電話業務の効率化を図れるツールが搭載されている人気のサービスをここで紹介します。

03plusエンタープライズ

03plus エンタープライズは、050電話番号や市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXです。番号ポータビリティにも対応しているため、既存固定電話をそのまま使用したいケースにも向いています。

03plusエンタープライズのIVRでは、音声再生や顧客のプッシュ操作に対応して転送・音声再生・対応するグループへ着信といった機能があります。時間外アナウンスオプションと組み合わせることで、営業時間外や休日は外部コールセンターに外注することも可能です。シンプルですが、工夫次第で業務効率化やコスト削減、顧客満足度向上を実現できます。

また、03plusエンタープライズでは導入から運用までを専任のコンシェルジュが対応します。使い方の質問だけでなく、業績アップのためにIVRをどう活用すべきかも相談できる点が強みです。

03plusエンタープライズではIVR機能だけでなく、クラウドFAXやWEB電話帳などのビジネスに役立つ機能も搭載されています。「10分かけ放題」オプションを活用すれば、通話コスト削減も図れるためおすすめです。

03plus エンタープライズについて詳しくはこちら

IVRy

IVRyは即日最短5分で050電話番号を取得できるサービスです。着信フローや再生テキストを自由に作成でき、SMSによる自動返答も行えます。音声のテキスト化機能もあるため、通話内容を記録するのに役立ちます。

トビラフォンcloud

トビラフォンcloudはブランドユーザー数1500万人以上の実績を持つクラウドPBXです。050番号や0120番号の新規発番を行えます。IVR機能も搭載しており、アナウンスを流して顧客のプッシュ操作に応じて適切なスタッフに着信を振り分けることが可能です。また、曜日や時間帯など事前に設定したスケジュールで自動音声を流せるため、営業時間外や定休日もIVR対応できます。

IVR単体のサービス

続いてIVR単体のサービスについてご紹介します。数多く提供されている中でも、実績があり機能が充実していて電話業務の効率化や売上アップを目指しやすい人気のサービスを紹介します。

Smartdesk IVR

Smartdesk IVRは、月額5,000円から利用できるIVR単体のサービスです。自動音声対応や着信振り分け、23時間対応など基本的なIVR機能を備えています。他にも、SMS自動送信、WebサイトやLINEへの誘導、音声テキスト化など豊富な機能で電話業務を効率化できます。また、受電分析レポート機能があり、受電数や受電放棄率などの分析レポートを受け取れるため、課題解決や売上向上に役立ちます。コールセンターはもちろん、問い合わせの多い不動産業界などにも向いています。

オフィスIVR

オフィスIVRは、1日100円程度から始められる低コスト運用可能なIVR単体のサービスです。基本的なIVR機能が搭載されていることはもちろん、SMS送信や音声テキスト化、外線への転送、人の声の吹き込みなども行えます。また、IVRの知識豊富なスタッフがシナリオ設定をサポートしてくれるため、初めてIVRを利用する場合も安心できます。

クラウド型なので追加機器は不要です。3ヶ月間は無料モニターとして試用してから本格利用できる点もユーザーサイドに立っています。

DXでんわ

DXでんわは大企業から中小企業まで利用され、継続利用97%を誇るIVR単体のサービスです。IVRの基本的機能は搭載し、自動音声にて24時間いつでも均一の応対品質を維持できます。通話内容は音声ファイル化されるため、聞き逃しや聞き間違いを回避できます。

音声ガイダンスの作成はWeb上で行い、3ステップで簡単に行えるのも特徴です。音声速度やテンポを変更できて数種類の声から選べるため、自社のイメージにあった自動音声をカスタマイズできるのも魅力です。月額利用料は10,000円からです。

まとめ

今回は、取得した050電話番号でIVRを利用する方法やおすすめのサービスを解説しました。

IVRは一次応対を自動音声に任せられる機能であり、適切なスタッフに振り分けを行えるため業務効率化や人件費削減、さらには顧客満足度向上を図れるものです。便利な機能ではありますが、使い方を間違えれば逆に顧客にストレスをかけてしまい、満足度を落とす可能性もあるため、運用の際には適切なシナリオ設定を行いましょう。

050電話番号との相性も良く、組み合わせればさらなるコスト削減を行えます。また、050電話番号は引っ越しや移転でもそのまま番号を使えるため、問い合わせをしたい顧客に混乱を与えないという点でもメリットがあります。

両者を組み合わせる場合、IVR機能搭載のIP電話やクラウドPBXを利用する方法と、050電話番号とIVRサービスそれぞれ別に行う方法の2つあります。どちらかが絶対的な正解ということはなく、自社の状況や目的に合わせて検討しましょう。

これから新たに050番号を取得するのであれば、03plusエンタープライズの利用もご検討ください。IVR機能を搭載していることはもちろん、ビジネスに役立つさまざまな機能もご利用いただけます。リーズナブルに運用できて業務効率化も図りたいとお考えならぜひご検討ください。

電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ