電話対応は大切な業務ですが、「電話が多くて業務に集中できない」「電話対応で社員に負担をかけてしまっている」とお悩みの企業は多いことでしょう。実はこうした電話業務に関するよくある問題は、効率化することで簡単に解消できます。
今回は電話業務効率化によるメリット、電話業務を効率化する方法について解説します。
電話業務に関するよくある問題
電話業務は企業にとって大切な業務であるが故に、さまざまな解決すべき課題がある業務です。電話業務ではどのような課題があるのか、以下でよくある問題点について解説します。
電話の本数が多い
電話の本数が多く、それをさばくのに苦労している企業は少なくありません。
会社にかかってくる電話の本数は企業規模や業種・業務内容によって異なります。例えばコールセンターなどであれば本数は多いですが、電話対応が主な業務なので、本数が多いことはそれほど問題にはならないでしょう。しかし、電話対応が主な業務でないにもかかわらず、業種によっては毎日たくさんの電話がかかってくることもあります。そうしたケースでは、かかってくる本数に対して対応できる社員数が少ないため、課題となってしまうことが少なくありません。
電話対応の負担が大きい
企業にとって電話は、顧客や取引先とやり取りする大切な窓口です。そのため、電話業務は企業にとって重要な業務の一つといえます。しかし、電話に出るためにはおこなっている業務の手を止めなければいけません。それは社員にとってストレスになることでしょう。そして、会社全体にとってみれば、業務効率の低下にもつながります。
社員の負担を抑えるために代行業者を利用する、アルバイトスタッフを雇うという方法もあります。しかしそれは、企業にとってはコスト的負担が大きくなります。
このように、電話対応はさまざまな面で負担が大きいといえるでしょう。
迷惑電話や営業電話がかかってくる
会社にかかってくる電話は顧客や取引先からばかりではありません。中には迷惑電話やしつこい営業電話がかかってくることもあります。同じ質問を繰り返したり、嫌がらせのようなクレームをつけてきたりする電話は、その内容からすぐに迷惑電話であることが分かります。そのため、ある程度のタイミングで切ることができるでしょう。しかし、営業電話の場合は業務に必要な電話との区別がつきにくいため、話が長くなってしまうことも少なくありません。また、営業電話は1日に何度もかかってくることがあるため、社員にとっては大きな負担になることでしょう。
電話の取りこぼしが発生する
電話の取りこぼしも、多くの企業にとって電話業務の課題になっています。
社員数が多く、そのほとんどがオフィスにて業務をしていれば、会社にかかってくるほとんどの着信に対応できることでしょう。しかし、社員数が少ない、外出する営業職がメインの企業、かかってくる電話数が多すぎるといった場合、会社にかかってくる電話全てに対応するのは困難です。電話の取りこぼしの発生は、機会損失にもつながるものです。また、「いつかけてもつながらない会社」というイメージがつくと、会社の社会的な評価も低下してしまうことでしょう。
担当者がつかまらない
担当者がなかなかつかまらない、そんな問題で頭を悩ませる企業も多いです。
会社宛の着信に対応したものの、担当者が自分の席から見える位置にいない場合、在籍状況などを確認するために席を立って移動しなければなりません。もし不在であれば、折り返し対応や伝言を預かるなどの対応が必要です。業務の手を止めて行う必要があるため、社員にとっては大きな負担となるでしょう。
また、外出する社員が多くいる企業の場合、担当者がいつもつかまらずに困るというケースが増えてきます。そのような場合、在籍確認や取り次ぎ、伝言メモの作成などの電話対応業務で一日が終わってしまうということも珍しくありません。これはあまりに非効率であるといえます。
聞き間違いや伝達ミスが発生する
聞き間違いや伝達ミスによるトラブル発生も電話業務における大きな課題です。
メールであればテキストが残りますし、相手が記載ミスさえしなければ相互で認識違いが起こることはありません。しかし電話でのやり取りは口頭で行われるため、聞き間違いや伝達ミスなどが発生する恐れがあります。例えば、先方の氏名や折り返し連絡先を聞き間違える、内容を理解しきれずに担当者にしっかり伝達できないなどがあれば、業務に支障が出ます。そうしたミスは場合によって、クレームや訴訟トラブルにまで発展することもあるでしょう。そこまで発展しなかったとしても、顧客や取引先には不快感を与えてしまいます。
テレワークを導入しづらい
テレワークを導入しにくい点も電話業務の課題点です。
従来のビジネスフォンは、オフィス内に設置された固定電話でしか会社代表番号宛の電話に出られません。そのため、テレワークを導入したとしても、電話対応のために必要最低限の人員はオフィス内に確保する必要があります。企業規模が小さく社員数が少ない場合は、全員で電話対応する必要があります。そのため、テレワークを導入したくても、現実的には難しいのです。無理にテレワークを導入すれば、電話番のために出社した社員に負担がかかる、テレワーク中の社員宛の電話がかかってきて困るなどの問題が生じるおそれが高まります。
オフィスのレイアウトを変更しづらい
オフィスのレイアウトを変更しづらいというのも問題の一つです。
例えば、従来のビジネスフォンを使用している場合、固定電話機は電話回線によってつながっています。デスクの配置はその線に合わせて行わなければならないため、基本的に一度決まってしまうとレイアウト変更は困難になります。無理にレイアウトを変更すれば、電話機の位置がめちゃくちゃになってしまい、電話業務そのものに支障をきたすこともあるでしょう。
また、根本からレイアウトを変更するのであれば、配線からやり直しになりますので、大規模な作業となります。これは社員にとって大きな負担になりますし、業務に支障をきたすものなので行うべきではありません。
電話業務を効率化するメリット
紹介したように、企業では電話業務におけるさまざまな課題があります。そうした課題を解決し、電話業務を効率化することでどのようなメリットがあるのか解説します。
業務へ集中できる
電話業務が効率化されれば、社員は業務に集中できるようになります。
電話対応は企業にとって大切な業務の一つです。しかし、電話に出るということは今やっている業務を一次中断しなければいけません。電話対応のために業務を中断すれば、社員の集中力は途切れてしまいますし、ストレスも抱えることでしょう。その結果、生産性は下がってしまいます。
電話業務が改善されて電話1件あたりの工数が削減されれば、社員の負担は大きく減ります。例えばクラウドPBXを導入してIVR(自動音声応答)などの一次対応を任せられる機能を活用すれば、簡単に電話業務の工数を減らせます。
その結果、電話を気にせずコア業務に集中できるようになれば、ストレスも減り生産性も向上することでしょう。
顧客満足度の向上につながる
電話業務を効率化できれば、顧客満足度の向上にもつながります。
従来のビジネスフォンの場合、取り次ぎや折り返し電話に時間がかかってしまい、顧客を待たせてしまうことが多くあります。また、聞き間違いや伝達ミスがないように何度も聞き直すこともあり、顧客に不快感を与える場合もあるでしょう。
しかし、電話業務が改善されて効率化されれば、こうした課題を解決できます。例えば、チャットボックスで簡単なお問い合わせに対応できるようにすれば、顧客はすぐに疑問を解決できます。他にも、クラウドPBXのIVR機能により適切な担当者にすぐにつながります。このように、業務効率化によって電話対応がスムーズになり、結果的に顧客満足度が向上しやすいのです。
働きやすさにつながる
電話業務の効率化は、働きやすさにもつながるものです。
ツールやサービスを導入することで電話対応が効率化されれば、電話業務の工数や負担が大幅に削減されます。その分、コア業務に集中できるようになるため、社員の満足度も向上することでしょう。
満足度が高まれば、社員のモチベーションを高く維持できるようになりますし、企業への愛着も高まりやすくなります。「働きやすい職場」と感じてより生産性を高めてくれるはずです。
また、クラウドPBXや電話代行などを導入すれば、テレワークも導入しやすくなるため、より幅広い働き方に対応できるようになります。
電話業務を効率化する方法
電話業務効率化にはさまざまなメリットがあります。では具体的に、電話業務を効率化するにはどうしたら良いのでしょうか。その方法をいくつか紹介します。
電話業務を非効率にしている原因を特定する
まずは電話業務を非効率にしてしまっている原因を特定しましょう。
電話業務が非効率になる、つまり時間がかかってしまう原因はさまざまあると考えられます。1つだけでなく複数の要因が絡み合っていることもあるため、目に見えることだけでなく深堀りしていくことが大切です。
例えば、顧客が担当者に取り次ぐ前に話しはじめてしまい、その返答に困ってしまったという場合、これは大きく分けて3つの原因が考えられます。1つは顧客が担当者名や担当者につながる番号を知らなかったことです。次に担当者が持つ知識・スキルがないと答えが出しにくいこと、最後に問い合わせ内容を正しく理解できず、引き継ぐべきか判断できないことです。
解決策としては、顧客に担当者名を必ず伝えれば、担当者につなぎやすくなります。また顧客の電話番号と以前の問い合わせ内容を紐づけしておけば、よりスムーズな回答ができますし、必要に応じて取り次ぎできます。さらによくある質問への対応を社内で共有しておけば、担当者以外でも対応しやすくなります。
このように、1つの事例でも業務を非効率にする原因や解決策は複数あります。角度を変えて深堀りして分析し、業務を最適化していきましょう。
電話対応マニュアルを作成する
電話業務を効率化するならば、電話対応マニュアルを作成するのがおすすめです。
前述の例でも、よくある質問への対応の共有、つまりマニュアルがあれば電話業務の非効率化を防げる可能性がありました。知識やスキルがなかったとしても、マニュアルさえあれば電話業務は効率化できるわけです。
マニュアルを作成する際は、自社の業務内容を洗い出して整理し、全体像を把握することからはじめます。そしてフローチャートを作成して業務の流れを視覚化できるようにします。顧客との対話を想定したトークスクリプトを設定しておけば、いざというときに言葉が思いつかなくても、マニュアルを見ることで対応できることでしょう。
マニュアルができ上がったら、実際にそれに沿って運用します。そして担当者にヒアリングを行って意見をもらい、内容の見直しを行います。定期的な改善をしていけば、自社に合った最善の電話対応マニュアルができ上がり、電話業務は効率化されるようになるはずです。
社員研修を徹底する
社員研修をしっかり行うことも、電話業務の効率化では重要です。
新人にとって、電話業務をはじめとした業務を把握できていません。そのような状態で電話対応をすれば、スムーズな対応ができないばかりか顧客に対してマイナスイメージをもたれる可能性もあります。電話は会社と顧客をつなぐ大切な窓口ですから、マナーや行うべきことを徹底して研修で伝えていきましょう。
研修を行う際は、マニュアルや対応事例を用いた座学だけでなく、ロールプレイングも行いましょう。新人たちが社員と顧客の役割をそれぞれ体験することで、顧客の気持ちを理解できるようになります。その結果、「このような対応はNG」「こんな対応をされたら心地良い」と身にしみやすくなります。
電話以外の問い合わせ窓口を用意する
電話以外のお問い合わせ窓口を用意すれば、電話対応数を削減できます。
電話以外の窓口としてよく使われるのがWebフォームです。近年はスマホが普及し、電話をする前にネットで検索して解決策を調べる人が増えています。Webフォームは直接その場で解決できるものではありませんが、24時間対応の窓口であるためユーザも気軽に利用できます。
また、近年はチャットボットを導入する企業も増えています。AIがチャット形式で質問に答えてくれるため、利用するユーザも増えています。電話で待つ必要がないため、顧客にとっても都合が良いツールといえるでしょう。
FAQで自己解決を促す
FAQを用意して、顧客自身に自己解決を促すのも良い方法です。検索によって自分の悩みを解決できる方法さえ分かれば、その人は企業に電話することなく満足してくれます。自社のホームページによくある質問と回答を掲載しておけば、顧客はそれを見て自己解決してくれるかもしれません。自己解決してくれる顧客が増えれば、会社にかかってくる電話の本数が減りますので、結果として電話業務が効率化されていくことでしょう。
チャットボットツールを導入する
チャットボットツールの導入も検討してみましょう。
チャットボットツールとは、顧客からの問い合わせに対して、あらかじめ設定しておいた内容に沿って、会話形式で自動回答を行うツールのことです。例えば、Webサイトで「何かお困りですか?」「こちらに質問を入力してください」といったフォームを見たことがある人は多いのではないでしょうか。チャットボットは、そのフォームに入力した質問に合わせて回答を行います。
チャットボットツールは、その場ですぐに回答を得られるため、顧客にとってはストレスがかかりにくく、顧客満足度を高めることができます。また、企業側からすると、問い合わせ件数を減らすことができるため、スタッフの負担を減らしたり人件費を削減できたりといったメリットがあります。企業全体の業務効率化を図るためにも、電話窓口とともに、チャットボットツールの併用がおすすめです。
電話代行サービスを利用する
電話代行サービスは、電話の一次対応をアウトソーシングすることで電話業務を効率化できるサービスです。
電話代行サービスを利用すると、会社宛にかかってきた着信が全て代行業者に転送されます。転送された着信を代行業者側のオペレーターが受け、あらかじめ打ち合わせしておいたシナリオにて対応し、必要に応じて用件の伝達や折り返し依頼を自社にメールなどで送ってくれます。迷惑電話や営業電話については取り次がれないため、負担を大きく軽減可能です。また、自社でオペレーターを雇うよりもリーズナブルであるため、人件費削減にもつながります。
問い合わせ管理システムを導入する
問い合わせ管理システムの導入も業務効率化に役立ちます。
問い合わせ管理システムとは、顧客からの問い合わせ内容や返信履歴、進捗状況などの情報を社内で管理・共有できるシステムのことです。
例えば、過去の対応履歴が分からないと、顧客に以前の問い合わせ内容から聞かなければいけない場合があります。そのような場合、顧客はストレスを強く感じてしまいます。また、返信履歴や進捗状況が分からないと、担当者によって対応がバラバラになってしまうこともありえます。そうなると顧客の信頼を失ってしまいかねません。
問い合わせ管理システムがあれば、顧客からの問い合わせに関するさまざまな情報を管理・共有できますので、それを参照しながら適切な対応を行えます。そのため、業務効率化だけでなく、顧客満足度を高めやすくなることでしょう。
IVRを活用する
IVRを利用するのも良い方法です。
IVRとは自動音声応答システムで、「◯◯の方は1を、◯◯の方は2を押してください」のように、自動音声にて案内をしてくれるもののことです。問い合わせ内容に応じて顧客は自分にあった番号をプッシュすることで、適切な担当者につながります。顧客にとっては、比較的スムーズに必要な担当者と話ができるため、満足しやすいのが特徴です。また、よくある質問などにガイダンスで答える、またはFAQが掲載されているWebページへ案内することで、人が対応しなくてもスムーズに解決を促せるようになります。自動応答なので人件費をかけずに、業務効率化や負担軽減できるのがメリットです。
AI電話自動応答サービスを活用する
AI電話自動応答サービスを活用するのも良い方法です。
AI電話自動応答とは、AIが顧客の問い合わせ内容を理解して対話を行い、柔軟に回答するシステムのことです。複雑な問い合わせには対応できませんが、内容に応じて柔軟に対応できるため、IVRよりも幅広く活用できる可能性があります。
例えば、代表電話の一次受け、予約受付や管理の自動化、支払い催促などをAI電話自動応答に任せることができます。これらを任せることができれば、社員は他の業務に集中でき、効率化を実現できることでしょう。また、24時間365日稼働でき、オペレーターが通話中であっても一次対応ができることから、顧客は待たされにくくなり、満足度を高めやすくなります。
クラウドPBXを導入する
電話業務全体を効率化させたいのであれば、クラウドPBXが最もおすすめです。
クラウドPBXとは、クラウド上で電話環境を構築してビジネスフォン機能を利用できるようにするサービスです。インターネット環境下であれば、スマホやPCなどを利用して会社代表番号による発着信ができます。そのため、外出先や自宅からでも電話対応できるのが特徴です。
その特徴から、外出先でもスムーズな取り次ぎや折り返し電話ができ、テレワークの導入もスムーズに行えます。また、IVRやクラウドFAX、通話録音などさまざまな機能が搭載されているため、クラウドPBX一つで電話業務全体を効率化できます。
電話業務の効率化なら「03plus」
電話業務の効率化を実現するなら03plusがおすすめです。03plusは、全国主要46局の市外局番つき電話番号を取得できるクラウドPBXです。番号ポータビリティに対応していますので、電話環境を移行したい・クラウド化したいという場合に、電話番号を変えることなくそのまま移行できます。
03plusは、電話業務を効率化する機能が豊富に取り揃っているのが特徴です。電話の一次対応や着信の振り分けを行うIVR、FAXをクラウド上で送受信できるクラウドFAX、会話を録音して聞き間違いを防げる通話録音、代行サービスのようにスムーズな一次対応を実現する留守レポなどがあります。1ID月額1,280円で利用できますので、コストを抑えつつ電話業務を効率化したいという企業におすすめです。ぜひ03plusをご検討ください。
まとめ
今回は、電話業務効率化によるメリットや効率化する方法について解説しました。
企業にとって電話業務は大切なものですが、そこには多くの課題もあります。本記事で紹介した電話業務を効率化する方法を行えば、社員の負担軽減や顧客満足度向上、さらには生産性アップを実現できます。電話業務を効率化する方法はさまざまありますが、最もおすすめなのはクラウドPBXです。コストを抑えつつ継続的かつ多角的に電話業務を効率化するなら、ぜひ03plusをお選びください。