「NTTを名乗る人物から金銭を要求された……」実は近年、こうした架空請求詐欺電話が増加しています。「詐欺の手口ってどういうもの?」「見抜くことはできる?」など疑問をお持ちの方もいることでしょう。
今回は、NTTをかたる詐欺電話の手口と特徴、被害に遭った際の対応、詐欺電話を拒否できるサービスについて解説します。
目次
NTTをかたる架空請求の電話が増加中
近年、NTTやNTTファイナンスをかたる架空請求の詐欺電話が多く発生しています。ここでは、詐欺電話の件数、実際に行われた詐欺の内容や手口について解説します。
架空請求詐欺電話の件数
消費者庁によると、令和5年7月以降からNTTまたはNTTファイナンスをかたる架空請求詐欺に関する相談が数多く寄せられるようになったとされています。
NTTファイナンスのお客様相談センターにも、架空請求詐欺電話に関する問い合わせが数多く寄せられています。NTTファイナンスによれば、2023年7月に2,115件の詐欺に関する問い合わせが寄せられ、それ以降も毎月1,300~1,800件の問い合わせがあるそうです。実際に詐欺電話を受けたものの、NTTファイナンスに問い合わせをしていない人も多数いると考えられます。そのため、架空請求詐欺電話の件数は毎月数千件に及ぶのではないかと予想できます。
どんな内容・手口?
架空請求詐欺電話の手口は以下のような流れで行われています。
- 「NTTファイナンス」や「NTT」をかたって、会員サイトやアプリの利用料金に未納分があると伝えてくる。
- 未納料金が支払われない場合は、裁判になって法的措置をとらなければならないと説明してくる。
- 未納料金の支払いは現金ではなくプリペイドカードなどの電子マネーを指示してくる。
- さらに他の未納料金をでっち上げてその支払いも請求してくる。
未納理由とされる会員サイトの名称は、「セリア」「バニラ」「スマート」「スリム」「スノウ」などです。これらの利用がないのであれば、その時点で詐欺であることは明らかなので、無視しましょう。
NTTをかたる架空請求詐欺電話の特徴
NTTをかたる架空請求詐欺電話には、以下のような特徴があります。
自動音声ガイダンスを使用
架空請求詐欺電話では、NTTまたはNTTファイナンスをかたり、自動音声ガイダンスにて未納料金があることや法的処置をとること、回線の利用停止をする旨を通知することが多いようです。その自動音声ガイダンスに従ってボタンを押してしまうと、詐欺集団につながってしまいます。
しかし、NTTファイナンスでは、自動音声ガイダンスによって契約状況に関することや、回線の利用停止通知などを行うことはありません。そのため、このような内容の自動音声ガイダンスがあった場合は、詐欺を疑いましょう。
国際電話からの発信
国際電話番号からの発信であることも、架空請求詐欺電話の特徴です。特に多いのは北米からの国際電話番号だとされています。しかし、NTTファイナンスは日本の企業です。そのため、国際電話番号を使って消費者に連絡することはありません。
また、国際電話だけでなく「050」から始まるIP電話番号が使われるケースもあります。特に折り返し先として詐欺集団が指定してくるのは、IP電話番号がほとんどです。
国際電話の見分け方
国際電話番号であるかどうかの見分け方は難しくありません。電話番号の頭に「+」がついている場合、それは国際電話番号です。「+」は、国際電話をかける際、最初にダイヤルする「国際電話識別番号」のことです。例えば、北米であれば「+1」が電話番号の頭につきます。
業務やその他の理由で海外とのやり取りを行うことがないのであれば、「+」がつく番号には対応しない・かけ直さないようにしましょう。また、海外とのやり取りがないのであれば、着信を拒否することも可能です。
電子マネーによる支払い要求
架空請求詐欺電話では、電子マネーによって支払うように促すことがほとんどです。
電子マネーの裏面にはID番号が記載されていて、それを入力することで電子マネーを利用できます。つまり、その番号を伝えてしまえば、購入した電子マネーの価値はすべて相手に渡ってしまうことになります。
NTTファイナンスでは、電子マネーにて支払いを求めることは絶対にありません。NTTファイナンスを名乗った人物がそのような要求をしてきた場合は詐欺ですので、絶対にIDを教えないようにしましょう。
不審なSMS
架空請求詐欺電話では、不審なSMSを送ってくることもあります。NTTやNTTファイナンスをかたり、「利用額の確認が取れていない」「訴訟最終通知」といった内容のメッセージを送信し、架空の未納料金を支払わせようとしているのです。
NTTでは、SMSによる未納料金などに関する案内は行っていません。もしこうした不審なSMSが送られてきても、無視するようにしましょう。
警察署や弁護士をかたる電話の連鎖
架空請求詐欺電話の要求に応じてしまうと、警察や弁護士をかたる別の詐欺へと連鎖する可能性があります。
詐欺集団は裏でつながっていて、「詐欺にひっかかった人物」の情報を共有します。そのため、NTTファイナンスだけでなく、警察や弁護士、裁判所などをかたり、手を変え品を変えて新たな詐欺電話をかけてくる可能性があるのです。警察や弁護士の詐欺電話では、「逮捕」「法的処置」といった単語を用いて精神的に追い詰めてきます。人によっては怪しさを感じていても、ストレスにより正常な判断ができなくなり、要求に応じてしまうようなこともあります。
詐欺電話の連鎖を防ぐためにも、金銭の要求には絶対に応じないようにしましょう。心当たりのない未納料金であるならば、慌てずに電話を切って警察などに相談してください。
電話だけでなく訪問も
架空請求詐欺電話だけでなく、訪問者が自宅に現れるというケースもあります。
NTTファイナンスによれば、2020年9月にNTTファイナンスの社員をかたる人物が未納料金の集金をしにきたという事例があったそうです。2018年には、実際に払ってしまった事例も発生しているとされています。
NTTファイナンスでは、社員が自宅訪問して集金することは一切ありません。そのような怪しい人物が訪れた場合は、速やかに最寄りの警察署に相談しましょう。
携帯電話番号宛だけでなく会社の固定電話にも
架空請求詐欺電話がかかってくるのは携帯電話宛だけでなく、会社の固定電話番号宛にもかかってくることがあります。
業務中に未納料金があると突然いわれてしまったら、混乱してしまうこともあるでしょう。しかし、これまで解説してきたように、架空請求詐欺電話にはさまざまな特徴があります。発信元が国際電話番号である、電子マネーでの支払いを要求してきた、など不審な点があれば焦らず電話を切って警察に相談しましょう。
怪しい・不審な電話があったら?
架空請求詐欺電話は近年巧妙化していきています。詐欺集団が伝えてくる内容を信じてしまう、または「法的処置」「逮捕」などの単語によって脅されるなどして正常な思考が奪われてしまい、結果的に要求に応じてしまうこともあり得ます。
少しでも怪しい・不審な点を感じるような電話があったら、ぜひ以下のような対応を取りましょう。
一度電話を切って誰かに相談を
電話の内容に怪しさや不審な点を感じたら、電話を切って誰かに相談してみましょう。
例えば、「未納料金があり直ちに裁判になります」「警察署に被害届を出す予定です」といった文言は、架空請求詐欺電話でありがちなものです。これは、冷静さを奪い困惑させることで、正しい思考をさせないようにするために使われます。
「裁判になったら大変だ」「もしかしたら逮捕される」と焦ってしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、慌てて一人で判断するのではなく、電話を切って家族や知人に相談してみましょう。もし電話を切る旨を伝えた際にNTTファイナンスなどを名乗る人物が「では裁判を起こします」「逮捕されますよ」などと畳み掛けるように脅しをかけてくる場合は、詐欺であることは間違いありません。
公式ウェブサイトの注意喚起を確認
不審な点があるならば、公式ウェブサイトで詐欺について注意喚起されていないか確認しましょう。
近年は、オペレーターの負担軽減のために自動音声ガイダンスを利用する企業が増えています。しかし、少なくともNTTファイナンスでは契約状況に関することや、回線の利用停止通知などを自動音声ガイダンスで行うことはありません。つまり、そのような自動音声ガイダンスはほぼ100%詐欺であるといえるわけです。そのため、そのような音声は無視してしまってかまいません。ただし、「そのままにするのは不安だ……」という場合もあるでしょう。不安な気持ちをスッキリさせるためにも、不審な電話があった際は公式ウェブサイトの注意喚起を確認するようにしてください。
NTTファイナンス:https://www.ntt-finance.co.jp/lp/scam/
「Webビリング」で確認
NTTファイナンスをかたる人物から不審な電話があった、自動音声ガイダンスがあったという場合は、「Webビリング」で確認するのも良い方法です。
Webビリングとは、NTTファイナンスが提供している、固定電話・携帯電話・インターネットなどの利用料金をWeb上で確認できるサービスのことです。24時間いつでも無料で利用できますので、不審な電話があった場合にはぜひ確認してみましょう。
なお、Webビリングの利用には無料登録が必要なので、確認前に登録しましょう。
被害に遭ってしまったら警察署や消費生活センターに相談
もし架空請求詐欺電話の被害に遭ってしまったならば、警察署や消費生活センターに相談しましょう。
近年、詐欺の手口は巧妙化しています。人によっては精神的な不安があり、そこにつけこんでくるような詐欺もあります。そのため、どんなに気をつけていても、詐欺被害に遭ってしまう可能性は捨てきれません。これ以上の被害拡大を防止するためにも、万が一被害に遭ってしまったのであれば、警察署や消費生活センターに速やかに連絡しましょう。どのように対処すべきかアドバイスしてくれるはずです。
消費生活センター:https://www.kokusen.go.jp/map/index.html
警察庁:https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/fictitious-billing/
海外番号からの着信拒否で対応できる
海外からの電話番号は、着信拒否することも可能です。海外との取引がないような企業であれば、ご利用の電話会社に相談して着信拒否を行い、架空請求詐欺電話の被害に遭わない体制を整えましょう。
03plusとは
03plusは、主要46局の市外局番つき電話番号を取得して、外出先からでもスマホから会社代表番号で発着信できるクラウドPBXサービスです。番号ポータビリティに対応していますので、既存の固定電話番号を引き継いだままサービスの乗り換えもできます。
03plusには豊富な機能があり、企業の業務改善やコスト削減、顧客満足度の向上などを実現できます。例えば、以下のような機能を利用可能です。
- Web電話帳:クラウド上にて会社共有の電話帳を持てる機能
- クラウドFAX:クラウド上でFAXの送受信を行える機能
- 通話録音:通話を自動で録音してデータをダウンロードできる機能
- IVR(自動音声応答):自動音声案内にて自動対応や着信の振り分けを行う機能
- 留守レポ:自動音声で用件の録音を促し、その内容をチャットにて通知する機能
- 10分かけ放題:1通話10分以内であれば通話料金がかからないオプション機能
03plusには他にもさまざまな便利な機能があります。1IDあたり月額1,280円からとリーズナブルなので、クラウド型の電話環境構築をお考えならぜひ03plusをご検討ください。
03plusの着信拒否機能
03plusには着信拒否機能があります。標準搭載機能なので、03plusをご契約であれば誰でも利用可能です。着信拒否機能として、「非通知拒否」と「番号指定着信拒否」、「海外からの着信拒否」の3つを利用できます。
非通知拒否は、相手が非通知設定している時に着信を拒否する機能です。「恐れ入りますが、186をつけてダイヤルするなど電話番号を通知しておかけ直しください」というメッセージが自動再生されますので、相手方に本当に必要な用事があれば非通知を解除してかけ直してくれることでしょう。
番号指定着信拒否とは、登録した電話番号をすぐに切断する機能です。着信音が鳴らず、アプリの着信履歴にも通知されません。業務に影響することなく迷惑な電話や国際電話をシャットアウトできますので、おすすめの機能です。
海外からの着信拒否設定は、国際電話からの電話を受けることがない場合に一括して拒否ができる機能です。
架空請求詐欺電話対策のため、03plusをご利用なら、ぜひご活用ください。
まとめ
今回は架空請求詐欺電話について解説しました。
詐欺電話は近年増加しており、NTTファイナンスをはじめ、警察・弁護士・裁判所などさまざまな名をかたってかかってきています。詐欺電話には国際電話からかかってくる、プリペイドカードを要求してくるなどの特徴があります。このような不審な点があれば、要求に応じるのではなく、電話を切って身近な人や警察・消費生活センターなどに相談しましょう。
また、架空請求詐欺電話は会社の固定電話番号宛にかかってくることもあります。業務の妨げになってしまいますので、着信拒否をして未然にシャットアウトできる体制を整えておきましょう。
03plusは着信拒否機能が標準搭載され、業務改善やコスト削減に役立つクラウドPBXです。ぜひ導入をご検討ください。