学校には毎日、さまざまな人から多種多様な用件の電話がかかってきます。教育機関で働く職員たちは日々たくさんの業務に追われていますが、電話対応でそれどころではなくなっているところも少なくありません。「電話対応をもう少し楽にしたい」「テストの採点や授業の準備など、他の業務をしたい」など、お悩みの職員はとても多くいます。こうした悩みを解決するのに役立つのがクラウドPBXです。
今回は、教育機関における電話周りの問題、クラウドPBXがおすすめの理由、クラウドPBXの選び方を解説します。
教育機関における電話周りの問題
教育機関で働く職員たちは日々たくさんの業務に追われており、電話業務もその一つです。あまり知られていませんが、教育機関では一般的な企業とは異なるさまざまな電話周りの問題があります。
多種多様な用件の電話がかかってくる
教育機関には幅広い人から、多種多様な用件の電話がかかってきます。
例えば、保護者からの電話は教育機関ならではです。通っている生徒についての悩み相談、学校運営や行事に関する質問や意見、設備や教職員に対する不満など、その内容は幅広くあります。他にも、各自治体や教育委員会との事務的なやり取り、近隣住民からの意見やクレーム、さらには営業電話・迷惑電話がかかってくることもあります。もし事件や事故が近隣または教育機関で発生すれば、マスコミからの取材電話も殺到します。
このように、教育機関は一般企業とはまた違う、多種多様な用件がかかってきて、その対応に追われています。
教員が職員室や事務室にいないことが多い
多種多様な電話がかかってくる教育機関ですが、着信相手によって対応すべき職員は異なります。例えば、クラスの問題であれば担任、クレーム対応であれば教頭などです。学校は敷地が広く、職員はさまざまな業務を行っていることから、必ずしも職員室にいるとは限りません。教室・校庭・体育館などにいる担当教師を呼ぶためには、校内放送をする必要があります。もちろんその間は電話を保留にする、もしくは切って折り返すなどの対応が必要になります。電話対応業務がスムーズに進みにくいことは、教育機関の電話周りの大きな問題といえるでしょう。
夜間や休日でも緊急対応に電話をかける場合がある
教育機関では、生徒のトラブルなどにいつでも対応する準備をしておかなければいけません。例えば生徒が事故にあった、警察のお世話になったといったケースでは、担任の教員が帰宅済みであったとしても対応しなければならないことがあります。もちろんその際は自宅の電話や個人の携帯電話を使用しますので、通話費用は教員持ちです。
また、個人情報保護の観点から、生徒の電話番号を自宅に持ち帰ることを禁止されているケースもあります。そのようなケースでは、自宅にいたままでは電話対応できません。学校に戻るなどが必要になり、対応が遅れてしまいます。
教員個人の電話番号を知られてしまうことがある
前述のような緊急トラブル時や、修学旅行・部活などの校外活動では緊急連絡先として、教師個人の携帯番号を教えることがあります。生徒としては、教員の携帯電話番号を知っておけば安心でき、万が一のトラブル時も迅速に対応しやすいでしょう。しかしこれは、教員の個人情報が生徒に広まってしまうことでもあります。
定期的に異動や組織変更がある
例えば大学の場合、異なる地域に各キャンパスが設置されている場合があり、同じ大学の職員であっても、勤務地が遠方になることは珍しくありません。しかし、従来のビジネスフォンの場合は同一地域のキャンパス内でなければ内線通話できません。そのため、同じ大学の職員でも異動すると外線を使用しなければならなくなるケースがあります。
また、組織変更によって、職員数が大幅に増減することも少なくありません。この場合、電話端末数も増減しなければならず、従来のビジネスフォンでは対応に時間がかかります。
電話業務ありきの働き方しかできない
教職員は基本的に、学校にて仕事をするのが前提です。オンライン授業をする場合でも、教室にて行うのが一般的です。そのため、一般企業と異なり、在宅勤務の導入は困難です。もし導入したとしても、前述の通り多種多様な電話がかかってきますので、電話対応のために持ち回りで職員は出社しなければなりません。
教育機関こそクラウドPBXがおすすめ
教育機関の職員は多忙であるだけでなく、電話周りにはさまざまな問題があります。こうしたさまざまな問題を解決するためにも、クラウドPBXの導入がおすすめです。
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、クラウド上にPBXを設置して、インターネット上で電話環境を構築するシステムのことです。固定電話機だけでなくスマホやパソコンなどの端末も利用できます。そのため、スマホで固定電話番号を利用した発着信や内線通話ができるなど、従来のビジネスフォンの機能を外出先でも利用できます。
クラウドPBXでできること
クラウドPBXは従来のビジネスフォンよりも柔軟に利用できて多機能です。そのため、教育機関で導入すれば、さまざまな問題を解決できます。
IVRで電話業務の効率を改善できる
IVR(自動音声案内)とは、「◯◯の方は1を、□□の人は2を……」といったように、自動音声による案内で適切な担当者や部署につなぐ機能です。
教育機関では、担当者が必ずしも職員室にいるわけではありません。IVRを操作すれば、担当者のスマホに直接つながりますので、広い敷地の中で担当職員を探す必要がなくなります。着信相手も待たされることなくスムーズに電話がつながるため、不満を感じにくいでしょう。
間違い電話や営業電話を減らせる
IVRを導入すれば、間違い電話などの対応を確実に減らせます。
従来は、どんな内容の電話であっても着信があれば、必ず職員が一次対応しなければなりませんでした。しかし、IVRは自動音声によって着信を受けますので、一次対応を省けます。そしてもし間違い電話であれば、自動音声の段階で相手方も切ってくれることでしょう。これにより職員が不要な電話対応をする必要がなくなります。
また、通話録音機能や着信拒否設定なども活用すれば、迷惑な営業電話を遮断できます。例えば、通話録音は事前に音声を録音している旨を自動音声で通知します。そのため、営業担当者も敬遠して切ることが多いのです。何度もかかってくる番号は、簡単な設定で着信拒否することもできます。
どこでも学校の電話番号で発着信できる
クラウドPBXは、スマホで代表固定電話番号での発着信を可能にします。つまり、教育機関で利用すれば、いつでもどこでも学校の電話番号で通話できるわけです。例えば、職員が帰宅後、生徒に何らかのトラブルがあったとしても、学校の電話番号で対応できます。修学旅行でも職員個人の電話番号を教える必要がなくなります。
内線を使って電話の取り次ぎができる
クラウドPBXはスマホを内線化できます。そのため、転送サービスなどを使わなくても外出先にいる担当者へ電話を取り次げます。
学校の場合、広い敷地内のどこに担当職員がいるか分からず、電話を切って折り返すことがよくあります。しかし、クラウドPBXを導入すれば、職員がどこにいても内線を使ってスムーズに電話を取り次げるようになります。
別キャンパスでも内線がつながる
大学で複数キャンパスがあるケースでもクラウドPBXは活躍します。従来のPBXは同一施設内でしか内線通話ができず、離れた拠点との通話は外線で行わなければなりませんでした。しかし、クラウドPBXはインターネット上に電話環境が構築されます。そのため、離れた場所にある別キャンパスにいる職員とも、内線通話ができるのです。職員間で外線通話を使うことがなくなりますので、通話コスト削減につながることでしょう。
導入、設定変更、保守が容易
クラウドPBX最大の特徴、それは導入・設定・保守がとても簡単であることです。
従来のPBXは、機器の購入や設置工事に多くの費用と時間がかかります。工事業者のスケジュールによっては導入までに数週間かかることも少なくありません。また、異動など職員の増減に伴う端末数の増減などをする場合も、設定変更のために業者を呼ばなければなりません。保守管理については、基本的に自分たちで行うか業者に依頼することになりますので、費用がかかります。もしトラブルがあったとしても業者を手配できなければ、その間は電話が使えません。
しかしクラウドPBXならば導入工事不要で、設定はスマホやパソコンからすぐにでき、保守管理はベンダーが行います。そのため、費用や時間を大幅に減らせるのです。
勤怠管理やリモートアクセスなどの機能も利用できる
クラウドPBXは多機能であり、それらを活用して電話以外の業務を効率化することも可能です。
例えば、勤怠管理機能のあるサービスであれば、スマホで出勤・退勤を管理できます。勤怠情報はクラウド上にて保存・管理可能です。また、リモートアクセスを活用すれば、帰宅後も校内にあるパソコンからアクセスして必要な情報を参照できます。もちろん、情報保存はできませんので安全です。
電話のコストをカットできる
クラウドPBXを導入すれば、電話業務にかかるコストを削減できます。
例えば、従来のPBXは耐用年数を超えて使用していると故障リスクが高まるため、定期的な買い替えコストがかかります。クラウドPBXならば故障のリスクはないため、買い替えは不要です。また、スマホを内線化できるため、外出している職員や別キャンパスにいる職員とも内線通話で連絡を取り合えます。つまり、職員間の外線通話はゼロになるわけです。
教育機関に導入するクラウドPBXの選び方
では、教育機関ではどのようなクラウドPBXを導入すべきなのでしょうか。以下で、選び方を解説します。
利用可能な端末数
まずは利用可能な端末数を確認しましょう。
クラウドPBXでは、サービスやプランによって端末数の下限・上限が異なります。例えば、大企業向けのサービスを導入してしまうと、必要以上に利用可能台数が多くなり、無駄なコストがかかります。
まずは端末を利用する職員が何人いるのかを把握しましょう。それにあった利用可能な端末数であるサービスやプランを選ぶのがおすすめです。
セキュリティ
教育機関では生徒をはじめ多くの個人情報を扱います。そのため、クラウドPBXを導入する際はセキュリティ面を重視しなければなりません。
クラウドPBXのセキュリティ対策はベンダー側が行っていますので、より信頼できるところを選びましょう。例えば、専門のセキュリティチームがいる、自社でシステム開発していてトラブル対応が迅速、OSのアップデートにすぐ対応しているといったベンダーはセキュリティ対策もしっかりしています。
機能
クラウドPBXを導入するならば、機能面も確認しましょう。
例えば、職員の負担軽減やスムーズな電話対応を実現したいならば、IVR機能を利用できるサービスが良いでしょう。他にも、FAXを多く使うならクラウドFAX、休日の音声対応をしたいなら時間外アナウンスなどがあります。学校ごとに必要な機能は異なりますので、ベンダーの担当者と相談しながら決めていきましょう。
通話の安定性
教育機関では聞き間違いや聞き逃しがあると、大きなトラブルにつながる恐れがあります。そのため、クラウドPBXを選ぶ際は通話の安定性も大切です。無料トライアルなどを活用して、事前に通話品質や安定性を確認しておきましょう。
トータルコスト
これまで紹介したポイントを踏まえた上で、トータルのコストを比較しましょう。クラウドPBXは毎月のコストとして月額料金とオプション料金がかかります。学校で必要な機能を搭載した場合、どれくらいかかるのかをベンダーごとに計算してみましょう。また、無料トライアルなどで実際に使ってみて、費用対効果の高いところを選んでみてください。
教育機関に導入するクラウドPBXなら03plus
教育機関でクラウドPBXを導入するなら、大阪市も導入している03plusがおすすめです。全国の主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるうえ、番号ポータビリティにも対応しています。従来のPBXからの移行も、電話番号を変えずに対応可能です。
03plusでは、教育機関で便利なさまざまな機能が揃っています。IVR(自動音声案内)、クラウドFAX、WEB電話帳、時間外アナウンス、通話録音などを活用すれば、学校における電話対応は、よりスムーズになることでしょう。
料金は1IDあたり月額1,280円から、30名以上の法人向けでお得なエンタープライズ版もあります。ぜひ03plusをご検討ください。
まとめ
今回は、教育機関でこそクラウドPBXの導入がおすすめの理由について解説しました。
小中高などの教育機関には、毎日多種多様な電話がかかってきます。そのため、さまざまな電話周りの問題があります。
クラウドPBXはそうした教育機関における電話周りの問題を解決できるサービスです。問題解決や業務効率化に役立つ豊富な機能を活用すれば、本来すべき業務により集中できることでしょう。ぜひ、導入をご検討ください。