クラウドPBXの導入を検討しているものの「通話品質を安定させるには、どんなWi-Fiルーターを購入すればいいのだろう」と悩まれている方は多いかもしれません。クラウドPBXは、インターネット環境によって通話品質が左右されますので、安定性や速度の高いWi-Fiルーターを選ぶことをおすすめします。「Wi-Fiルーターの違いが分からない」「Wi-Fiルーターの選び方を知りたい」という方も多いことでしょう。
そこで今回は、Wi-Fiルーターとは何なのか、Wi-Fiルーターの選び方、つながりにくいときのチェックポイントについて解説します。
目次
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、クラウド上に主装置を設置して電話環境を構築し、インターネット回線によって通話を行うシステムです。
クラウドPBXの仕組み
クラウドPBXは、クラウド上に主装置を設置して電話環境を構築します。主装置とは、複数の外線や内線を共有・管理する交換機のことで、各電話機をつなぐことでビジネスフォン機能を利用できる装置のことです。
従来のビジネスフォンは、主装置をオフィスに設置するため、オフィス内でしかビジネスフォン機能が利用できません。しかし、クラウドPBXはクラウド上で電話環境が構築されていて、外線内線を共有・制御しています。そのため、インターネット環境さえあれば、固定電話機だけでなくスマホ・パソコン・タブレットなどさまざまな端末によって、会社代表番号を使った発着信を行えます。もちろん、オフィスに縛られることなく、インターネット環境があればどこでも通話が可能です。
クラウドPBXの通話品質はインターネット環境に依存する
クラウドPBXは、インターネット環境があればいつでもどこでも通話を行える便利なシステムです。インターネット環境に問題がなければ、ビジネスをするうえで問題ない品質で通話できます。しかし、その通話品質はインターネット環境によって大きく左右されます。
例えば、オフィス内に設置されたWi-Fiルーターの出力が何らかの原因で弱い場合、ノイズや音声の途切れが発生することがあります。また、性能の低いルーターで通信混雑が起きやすかったり、通信が安定しなかったりすると、通話品質が低下してしまいます。
また、外出先で公衆Wi-Fiを使用する場合も、通話品質が低下することがあります。そのため、クラウドPBXを利用する際は、インターネット環境が整っているかどうか確認が必要です。
クラウドPBX設置に欠かせないWi-Fiルーター
オフィス内でクラウドPBXを使うのであれば、Wi-Fiルーターが欠かせません。もちろん、パソコンなどで有線接続して通話を行うこともできますが、スマホは有線接続ができません。クラウドPBXらしい「いつでもどこでも通話できる」特徴を活かすためには、Wi-Fiルーターはなくてはならないものなのです。
Wi-Fiルーターとは
では、Wi-Fiルーターとはどのような機器なのでしょうか。そもそもWi-Fiというのは、スマホやパソコンなどの端末を、有線ではなく無線で接続するための規格のことです。スマホが普及しておらず有線LANが主流だった頃は、パソコンへ物理的にケーブルを接続してインターネットを使用するのが当たり前でした。しかし、Wi-Fiによる無線接続が普及したことで、物理的な接続が不要になり、より快適にインターネットを利用できるようになりました。
Wi-Fiルーターとは、Wi-Fiによる無線接続を自宅やオフィスで簡単にできるようにする機器のことです。Wi-Fiルーターからは無線の電波が放出されていて、Wi-Fiに対応する端末と電波を送受信し合って無線接続を確立しています。
ルーターとアクセスポイントとの違い
Wi-Fiルーターという機器がどのようなものなのかはお分かりになったでしょう。より詳しく無線接続について解説していくと、さらにルーターやアクセスポイントといった単語が出てきます。これらは一体何なのか、違いはあるのか分からない方もいるかもしれません。
ルーターとは、プロバイダー設定が入っている機器のことで、アクセスポイントとはWi-Fiの電波を飛ばす機器です。ルーターとアクセスポイントは単体だとインターネットに接続できず、あわせて使用することでインターネットに接続できるようになります。そしてWi-Fiルーターは、ルーターとアクセスポイントが一体型になった機器であり、これ単体でインターネット接続を実現します。
「それならWi-Fiルーターだけでいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、ルーターとアクセスポイントを分けることで、セキュリティを強化したり、Wi-Fi電波をより広範囲に飛ばしたりといったことができます。求めている効果に応じてそれぞれの機器をうまく使うことが大切です。
クラウドPBXと併用するWi-Fiルーターの選び方
クラウドPBXはインターネット回線がなければ使用できません。そのため、Wi-FiルーターはクラウドPBXには欠かせない機器です。では、クラウドPBXを利用する場合、どのようなWi-Fiルーターを選べば良いのでしょうか。Wi-Fiルーターの選び方を解説します。
通信規格はWi-Fi6以上
Wi-Fiルーターには通信規格があります。現段階ではWi-Fi6Eが最も通信速度が速く、6GHz周波数帯を利用できる性能の高い規格です。最高品質でいえばこのWi-Fi6Eがベストではありますが、Wi-Fi6でも性能的には十分といえます。
ちなみに、Wi-Fi6は正式名称を「IEEE 802.11ax」といいます。ただし、Wi-Fiルーターの製品仕様や製品の外箱には「Wi-Fi6」と大きく記載されています。そのため、正式名称を知らなくても、「今はWi-Fi6以上が良い」とだけ覚えておけば問題ありません。
通信方式はIPoE/IPv6対応
IT機器はどんなものでも最新のものであれば性能が高いことがほとんどです。Wi-Fiルーターの通信方式も同じで、「IPv6(IPoE)」という最新の通信方式に対応している製品がおすすめです。「IPv6(IPoE)」は次世代の通信方式とされ、従来の通信方式である「PPPoE/IPv4」と比べて大容量で混雑しにくく、安定した高速通信を可能にします。そのため、快適なインターネット通信を実現可能です。
アンテナ数は4本以上
Wi-Fiルーターにはアンテナが付いていますが、このアンテナ数は多ければ多いほど安定します。さらに、アンテナ数が多ければ通信速度も最大速度が出やすくなります。そのため、Wi-Fiルーターを選ぶ際はアンテナの数をしっかりチェックしましょう。
Wi-Fiルーターのアンテナ数は2~4本が一般的です。しかし、より高速かつ安定した通信を求めるのであれば、4本以上がおすすめです。
セキュリティはWPA3規格
Wi-Fiルーター選びでは、セキュリティ面も重視しなければなりません。クラウドPBXを使っているときに、通話内容が外部に漏れてしまえば、大きな問題に発展したり、企業の信頼を失墜させたりしてしまうためです。
Wi-Fiルーターのセキュリティの規格としておすすめなのが「WPA3」です。WPA3はWi-Fi通信を暗号化する最新規格であり、従来の規格よりも高いセキュリティで守ってくれます。そのため、盗聴やハッキングといったリスクを軽減できます。
ちなみに、通信規格「Wi-Fi6」はほとんどが「WPA3」を採用しています。そのため、よく分からなければ、「Wi-Fi6」の製品を選んでおけば良いでしょう。
接続可能台数は実際の端末数より多く
クラウドPBX用のWi-Fiルーター選びでは、製品の接続可能台数をチェックするのも忘れないようにしましょう。接続可能台数とはその言葉通り、一度に無線接続できる最大の端末数のことです。製品によって異なりますが、100台くらいまで接続できるものもあります。
実際にWi-Fiルーターを購入する場合は、自社で接続する端末数をあらかじめ洗い出しておきましょう。そのうえで、余裕を持って接続できる製品を選ぶのがおすすめです。
というのも、接続可能台数とは「そこまでは一応接続できます」というだけであり、通信速度や安定性についてはそこまで加味されていません。そのため、接続可能台数ギリギリだと、通信速度・安定性が低下し、クラウドPBXの通話品質が低下する恐れがあるのです。
ちなみに、家庭用よりも業務用の方が、接続可能台数が多いのが一般的です。
Wi-Fiルーター設置のポイント
Wi-Fiルーターは有線ではなく、発する電波によって無線接続するための機器です。そのため、どれほど良いWi-Fiルーターを買ったとしても、オフィス内の隅々までしっかりと電波がしっかり届くように設置しなければ意味がありません。以下では、Wi-Fiルーター設置のポイントを解説します。
可能な限り部屋の中央へ
Wi-Fiルーターは、オフィスの端に設置するのではなく、なるべく部屋の中央に設置するようにしましょう。
Wi-Fiルーターは、機器を中心に360度全方向に電波を飛ばします。当然、機器から離れればそれだけ電波が弱くなり、通信速度や安定性が低下しやすくなります。また、部屋の端に設置すると、電波が壁や人に遮られやすくなります。そのような理由から、Wi-Fiルーターはできる限り部屋の中央に設置するのがベストです。
床から1~2mの高さに
前述の通り、Wi-Fiルーターからは360度全方向に電波が飛んでいます。床に直接置いてしまうと、電波の広がりが悪くなってしまうため、オフィスの隅々まで行き届かなくなる可能性が高まります。電波を行き届かせるためには、Wi-Fiルーターを床から1~2mの高さのところに設置すると良いとされています。あまり高すぎても今度は天井に近くなってしまい、やはり電波の広がりが悪くなります。そのため、1~2mくらいがちょうど良いのです。
電子機器や障害物の近くは避ける
Wi-Fiルーターは電子機器の周辺や障害物の近くに置かないようにしましょう。
オフィス内には電波を発してしまう電子レンジやテレビなどの電子機器が存在している場合があります。これらの電子機器から発せられる電波が、万が一でもWi-Fiルーターと同じ周波数帯だったとしたら、電波干渉を起こします。その結果、通信障害が起こり、インターネットに接続できなくなってしまうのです。
また、壁や家具は電波が通る妨げになるものです。オフィスレイアウトや建物の構造により仕方ない場合もありますが、できる限り障害物の少ない場所に設置するようにしましょう。
Wi-Fiがつながりにくいときに見直すべきポイント
Wi-Fiがつながりにくいなと感じたら、以下のことを見直してみましょう。
周波数帯・チャンネルを変更する
Wi-Fiルーターの調子が悪いなと思ったら、周波数帯やチャンネルを変更してみましょう。通信環境の悪化の原因で実は意外と多いのが電波干渉で、電子機器が発する電波が影響して発生することがほとんどです。Wi-Fiルーターの周波数を切り替えることで改善することが少なくありません。例えば、家電との電波干渉が疑われる場合は、周波数帯の「5GHz」を試してみましょう。
Wi-Fi中継器を利用する
設置場所を工夫したにもかかわらず通信が安定せず、Wi-Fiの電波が届きにくいと感じるようでしたら中継器を導入してみましょう。中継器とは、Wi-Fiルーターから発せられる電波を中継してより遠くに飛ばす機器です。
中継器はあくまでも電波を中継するだけの機器ですが、Wi-Fiルーターと同じように通信規格があります。より安定して速い速度の通信を行うならば、「Wi-Fi6」以上を選ぶのがおすすめです。
一度に大量のデータ通信をしない
Wi-Fiの電波がいつもより弱いと感じるようならば、それは大量のデータが同時にやり取りされている可能性があります。
例えば、オンライン会議や大容量のデータ送受信などを一度に集中して行うと、混雑してしまいインターネット回線の品質が低下します。クラウドPBXをスムーズに活用するのであれば、同じタイミングで大量のデータ通信をするのは控えましょう。もし大容量データのやり取りをする場合は一声かけるなどのルールを決めるのもおすすめです。
クラウドPBXなら「03plus」
リーズナブルな価格で安定した通話品質のクラウドPBXをお探しなら、「03plus」がおすすめです。
03plusは、「03」「06」など全国の主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるサービスです。番号ポータビリティに対応しているので、従来のビジネスフォンから移行後も既存の電話番号を使いたいというケースにも対応可能です。「0120」などの着信課金電話番号も利用できます。
また、Web電話帳、クラウドFAX、時間外アナウンス、通話録音、IVR(自動音声応答)、iPad受付など、ビジネスで役立つさまざまな機能を豊富に取り揃えています。自社に合った機能を上手に活用すれば、抱えていた課題の解決や業務効率化・コスト削減などを実現可能です。
03plusは1IDあたり初期費用5,000円、月額1,280円で利用できます。30人以上の法人向けのエンタープライズ版もありますので、規模に合わせてご相談ください。
まとめ
今回は、クラウドPBXで使うWi-Fiルーターについて解説しました。
企業でクラウドPBXを使う場合、パソコンなどは有線接続でも良いですが、スマホやタブレットは無線接続でなければ使用できません。そのため、Wi-Fiルーターの設置は必須です。Wi-Fiルーターはさまざまな規格がありますが、通信速度・安定性・セキュリティ面などをより良いものにするのであれば、最新規格のものを選ぶようにしましょう。よく分からなくても、とりあえずは「Wi-Fi6」以上の規格であるかどうかを確認しておきましょう。また、接続可能台数は実際の利用端末数よりも多めにするのがポイントです。
Wi-Fiルーターを購入したら、利用するクラウドPBXはぜひ03plusをお選びください。