ビジネスフォンから一般電話に乗り換える方法・手順を分かりやすく解説

ビジネスフォンを長く使っていると「ビジネスフォンは本当に今の業務に必要なんだろうか?」という疑問を持つことは少なくありません。月々の通信費・老朽化・使わない機能の存在・契約の縛りなど、さまざまな課題が見えてくるためです。実際、働き方が多様化する今、必ずしも“従来のビジネスフォン”が最適とは限らない時代になっています。

今回は、ビジネスフォンから一般電話へ乗り換えるタイミング、乗り換えの方法・手順、乗り換え先として有力なクラウドPBXという選択肢について解説します。

ビジネスフォンから一般電話へ乗り換えるタイミング

ビジネスフォンは、複数台の電話機を内線でつないだり、外線の振り分けを行ったりと、オフィスの通信を効率化するために長年活用されてきました。しかし、企業の規模や働き方が変わる中で、機能の過不足や契約上の柔軟性、維持コストなどが課題になることもあります。

ここでは、ビジネスフォンから一般電話へ乗り換える2つのタイミングについて解説します。

ビジネスフォンのリース期間が満了になるタイミング

リース期間が満了になるタイミングは、ビジネスフォンから一般電話への乗り換えを考えるべきタイミングといえます。

ビジネスフォンの法定耐用年数は、国税庁によると6年とされています。もちろんこれは、減価償却の基準となる年数でしかありません。実際の使用可能期間(=寿命)はおおむね10年前後とされています。ただし、経年劣化によって機器の故障リスクは年々高まり、とくに主装置(PBX)の基板故障や通信障害などが発生しやすくなるのが実情です。

ビジネスフォンのリース期間は、法定耐用年数前後である3年〜7年程度が一般的です。リース期間満了後は、契約更新・再リース・買取・撤去といった選択肢が求められます。もちろん再リースすることはできますが、機器は旧式のままとなります。月額費用は据え置きとなるケースも多い一方で、修理対応が有償になる可能性もあるため、長期的な運用リスクが高くなりがちです。

こうしたことから、法定耐用年数を過ぎてさらにリース満了となったタイミングは、電話環境の見直しを検討する絶好の機会といえます。

ビジネスを縮小・廃止するタイミング

事業規模の縮小やオフィスの統廃合、店舗の閉店などによって、ビジネスフォンのような大がかりな電話設備が不要になるケースもあります。

ビジネスフォンは、主装置・配線・多機能電話機などの構成が必要なため、小規模な事業体や店舗にはオーバースペックになりがちです。また、利用台数が少ないにもかかわらず、契約回線数や機器台数の維持費がかさんでしまうこともあります。

そのため、ビジネスを縮小・廃止するタイミングでは、不要な設備は思い切って撤去し、最低限の電話機能を一般電話に移行するのも選択肢として持っておくべきといえます。

ビジネスフォンから一般電話に乗り換える前に確認すべきこと

ビジネスフォンから一般電話への乗り換えは、設備やコストを最適化するチャンスです。しかし、乗り換え時には現在の通信環境を正しく把握しておくことが大切です。

ここでは、ビジネスフォンからの乗り換えの際に確認しておきたいことについて解説します。

ビジネスフォンの契約形態

まずは、現在利用しているビジネスフォンが「リース」「買取」「レンタル」のいずれの契約形態なのかを確認しましょう。

リース契約の場合は、リース期間中の途中解約は基本的にできません。もし途中解約する場合は、違約金や残存期間のリース料が発生する可能性があります。そのため、残りの契約期間や契約条件をしっかり確認することが大切です。

レンタルの場合は、リース契約よりも短期間での利用がほとんどです。月額レンタルであれば、中途解約時に日割り対応してくれることもあります。

買取は自由度が高いことが特徴です。ただし、機器の撤去や廃棄に費用がかかることがあります。

いずれの契約形態であっても、移行前に契約書の内容をよく確認して、解約・撤去時の条件を明確にしておくことが重要です。

電話番号の数

ビジネスフォンでは、複数の電話番号(代表番号+直通番号など)を利用しているケースがあります。それらの電話番号が、乗り換え先の一般電話やクラウドPBXでも、同じように管理・運用できるかどうか、確認しておきましょう。例えば、決済端末やガスの検知を行う回線などを外線で利用している場合、番号が変わってしまうとサービスが利用できなくなります。

また、「番号ポータビリティ」で既存の番号を引き継ぎする場合、引き継ぎ可能な番号の数や条件(回線種別・契約者名義など)にも注意しましょう。

電話回線の数

ビジネスフォンから一般電話に乗り換える際は、現在契約している外線の本数と、それに付随する機能の有無を必ず確認しましょう。

契約している外線が複数ある場合、使用していない回線を解約することで通信費を削減できる可能性があります。

また、ビジネスフォンには標準装備されている便利な機能がある場合も注意が必要です。例えば内線通話、外線転送、保留、自動応答、ダイヤルイン、共有電話帳などは、一般電話に切り替えた際に使用できなくなることがあります。切り替え後にどの機能が使えなくなるのか、業務上支障が出ないかを事前に確認しておきましょう。

接続機器の種類・数

ビジネスフォンには、FAX、防犯機器、インターホンなど、さまざまな外部機器が接続されていることがあります。移行する際には、これらの機器がどの回線・どの番号を利用しているか、また移行後に同様の接続が可能かを事前に確認しておきましょう。

同様に接続できない場合、代替手段はあるのか、運用上どのような問題が生じるかなども確認しておくのがおすすめです。

ビジネスフォンから一般電話に乗り換える方法・手順

ビジネスフォンから一般電話に切り替えるには、現在の契約内容を整理し、必要な工事や手続きの流れを事前に把握しておくことが大切です。

ここでは、実際の乗り換えで踏むべき基本的な手順を解説します。

プランや契約内容の見直し・再契約

まずは、現在契約している電話回線やサービスプランの内容を確認し、不要な回線やオプション機能が含まれていないかを見直しましょう。

ビジネスフォンの契約には、ダイヤルインや転送、IVRなどのオプションが付帯していることもあります。しかしこうした機能は、一般電話に切り替える際には不要となる場合がほとんどです。

また、現在の契約がリースである場合は、解約時の違約金や残契約分の費用が発生する可能性もあります。必ず契約書や約款を確認し、コスト面も含めて総合的に判断しましょう。

さらに、移行先の電話サービス(例:アナログ回線、ひかり電話、クラウドPBXなど)に応じて、新たに必要な回線や機器の契約・構成も再検討が必要です。事前に、電話の利用目的や設置環境、将来的な拡張の有無なども整理しておくと、スムーズに切り替えを進めることができます。

主装置とビジネスフォンの撤去

次に行うのは、既存のビジネスフォンの撤去作業です。

ビジネスフォンは、複数の電話機と主装置(PBX)が連動して構成されているため、撤去には専門業者に依頼するのが一般的です。リース契約中の機器を撤去する場合は、リース会社とのスケジュール調整を行います。また、契約書に原状回復義務について記載がある場合には注意しましょう。

買取済みの機器の場合でも、配線の処理や撤去工事を業者に依頼します。撤去した機器は産業廃棄物扱いになるため、廃棄の際は業者への連絡が必要です。それぞれ費用がかかりますので事前に見積もりを行いましょう。

一般電話の設置

ビジネスフォン撤去後は、必要な回線数と用途に応じて、一般電話の設置作業を行います。

アナログ回線を用いる家庭用電話機での運用であれば、1回線ごとに1台の電話機を直接接続する形になります。複数の番号や同時通話が必要な場合は、追加の回線契約や通話分配装置の導入などを検討する必要があります。

また、FAXや複合機を利用する場合は、それぞれの機器が接続可能な回線構成になっているかどうかを事前に確認しましょう。

移行後の運用に支障が出ないよう、設置後の通話テスト・動作確認まで丁寧に行うことが大切です。

ビジネスフォンからお得に乗り換えるならクラウドPBX

ビジネスフォンから安価でお得に乗り換える方法としておすすめなのが「クラウドPBX」です。クラウドPBXとはどのようなものなのか、乗り換えるメリットについて解説します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、従来の構内交換機(PBX)をクラウド上で提供するサービスです。

従来のビジネスフォンでは、主装置を設置し、そこに複数の電話機や回線を接続して通話の内外線を制御していました。一方、クラウドPBXではこの主装置にあたるシステムがクラウド上に設置され、各種機能がインターネット経由で提供されます。そのため、オフィス内に専用機器を設置する必要がありません。

通話はスマホやPCを活用して行い、内線・外線の切り分けや着信の自動転送、音声ガイダンス(IVR)なども、クラウド上で一括管理できます。

クラウドPBXは場所を選ばずに通話環境を維持できることから、従来のビジネスフォンよりも柔軟性に優れ、働き方の多様化にも対応できる通信手段として注目されています。

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXには、ビジネスフォンと比べてさまざまなメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。

  • 物理機器の設置が不要
    クラウドPBXは主装置や専用配線が不要です。そのため、初期費用を抑えて導入できます。
  • 場所を選ばず会社番号で通話ができる
    スマホやPCを使って、オフィスだけでなく外出先でも会社の固定電話番号で発着信が可能です。
  • テレワークや多拠点運用にも柔軟に対応
    拠点間の内線通話ができます。複数拠点ある場合でも、通話コストを抑えられますし遠隔業務の連携もスムーズになります。
  • 通話機能の拡張が容易
    IVR(自動音声ガイダンス)、通話録音、着信振り分け、クラウドFAXなど多彩な機能が利用できます。これらの機能は、Web上にて簡単に追加可能です。
  • 保守・メンテナンス不要
    システム管理やアップデートはクラウド側で行われます。そのため、機器の買い替えが不要ですし、保守人員や保守費用も不要です。
  • 番号ポータビリティで現在の電話番号を引き継げる
    ベンダーによっては、番号ポータビリティに対応しています。そのため、既存の市外局番付き電話番号もそのまま引き継ぎできます。事業者変更にともなう顧客への案内の手間などを省けます。

こうしたさまざまなメリットにより、クラウドPBXは「コスト削減」「柔軟な働き方」「業務効率化」を同時に実現できる電話システムとして、多くの企業から支持を集めています。

クラウドPBXなら03plus

クラウドPBXの導入を検討している方におすすめなのが、スマホやPCで使えるビジネス向け電話サービス「03plus」です。

03plusは、全国の主要な46局の市外局番付き固定電話番号を取得できるクラウドPBXサービスです。東京(03)や大阪(06)などの番号を会社の代表番号として利用できます。「番号ポータビリティ」に対応しており、現在お使いの電話番号をそのまま引き継いで移行することも可能です。

また、スマートフォンを使って、外出先や自宅でも会社の番号で発着信ができます。テレワークや営業外出が多い業種でも、場所に縛られない柔軟な働き方を実現できることでしょう。

さらに、03plusには、業務の効率化に役立つ多彩な機能が搭載されています。

  • 自動音声応答(IVR):着信時に音声ガイダンスを流し、プッシュ番号による着信振り分けが可能。SMS送信にも対応。
  • Web電話帳:連絡先をクラウドで一元管理・社内共有。スマホ紛失時もデータはクラウド上に安全保存できます。
  • クラウドFAX:外出先からでも、スマホで撮影した画像をFAXとして送信可能。紙のやり取り不要でペーパーレス化に貢献。
  • 通話録音:すべての通話を自動録音し、クラウド上に保存。顧客対応の品質向上やトラブル防止にも役立ちます。
  • 着信ポップアップ:PC画面に着信情報を表示。CRMとの連携で、顧客情報を見ながら効率的な応対が可能。

このように、03plusは固定電話の信頼性とクラウドの柔軟性を兼ね備えた電話サービスです。

月額1,280円から利用できる低コストなサービスでありながら、高機能な通話環境を構築できます。ビジネスフォンからの乗り換えを検討している方は、ぜひ03plusをご検討ください。

03plus エンタープライズについて詳しくはこちら

まとめ

今回は、ビジネスフォンから一般電話へ乗り換える方法・手順について解説しました。

ビジネスフォンはこれまで多くの企業で活用されてきました。しかし、リース期間の満了や設備の老朽化、そして働き方の変化にともない、より柔軟で効率的な電話環境への移行が求められる時代になっています。本記事を参考に、スムーズな移行を進めましょう。

また、一般電話だけでなく、クラウドPBXもビジネスフォンからの乗り換え先として有力な候補といえます。初期費用を抑えながらも、スマートフォンやPCで会社番号での通話ができるなど、従来のビジネスフォンにはない多くのメリットがあるためです。

ビジネスフォンからの移行を検討しているならば、今後の業務スタイルや通信環境に合った形で、クラウドPBXという新しい選択肢を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ