個人・企業の固定電話にかかってくる迷惑電話対策の方法とは?

「営業がしつこくて仕事がはかどらない」「いたずら電話がかかってきた」など、迷惑電話でお困りの企業は少なくありません。迷惑電話は業務の効率を低下させるだけでなく、対応する社員にとって負担をかけてしまうものです。そのため、迷惑電話を減らしたいと考える企業は多いのではないでしょうか。

今回は、個人・企業にかかってくる迷惑電話の種類やその対策について解説します。

迷惑電話の被害が増加している

迷惑電話というと、営業電話や勧誘などをイメージする方が多いのではないでしょうか。実は近年、詐欺を目的とした迷惑電話が全国的に増加しており、社会問題となっています。警視庁の「令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」によれば、2023年の特殊詐欺認知件数は19,038件で、過去15年において最悪の数が認知されています。以前から問題視されている特殊詐欺電話ですが、近年は数が増加しているだけでなく、その手口も巧妙化しています。判断力が鈍って騙されやすい中高年をターゲットにされることが多いため、注意喚起を徹底するとともに自衛のための対策を取ることが大切です。

また、詐欺目的の電話以外にも、営業電話や勧誘、いたずら電話なども以前からある迷惑電話です。何度もかかってくれば家事やプライベートな時間を妨げられ、ストレスになります。精神衛生上好ましいものではありません。

「たかが迷惑電話」「うちは大丈夫」と軽く考えるのではなく、損失を被る前に迷惑電話への適切な対処をすることが大切であるといえます。

迷惑電話にはどのようなものがある?

迷惑電話と一口にいってもさまざまな種類があります。以下に主なものをまとめて紹介します。

特殊詐欺電話:詐欺目的の電話は近年増加傾向にある迷惑電話です。その時々に合わせて手口を変えて巧妙に相手を騙します。警察や弁護士からの電話であるように見せかけ、相手を信じ込ませてから金銭を騙し取ろうとする手口もあります。被害額も年々増加していることから、注意が必要です。

しつこい営業や勧誘電話:営業電話も迷惑電話の一つです。断ることで引き下がってくれれば問題ありませんが、1回の電話が長い場合や、何度もかかってくる場合は迷惑であるといえるでしょう。近年は、電話番号を0からランダムに入力してかかった番号に対して営業をかけるような迷惑電話も多くなってきています。

いたずら電話:無言電話や意味のないことを長々と話すようないたずら電話は、相手側にも悪意がある迷惑電話です。いたずら電話はムダな時間を取られてストレスになりますし、中には怒鳴る・脅すなどによって恐怖心を与えることを目的にしているものもあります。

個人でできる迷惑電話対策とは?

迷惑電話の対応はストレスになりますし、詐欺目的であれば金銭を騙し取られることもあります。そのため、できる限りの対策をすることが大切です。ここでは、個人でできる迷惑電話対策について解説します。

ナンバーディスプレイを使う

ナンバーディスプレイはぜひやっておきたい迷惑電話対策の一つです。

ナンバーディスプレイとは、発信者の番号が電話機のディスプレイに表示される機能・サービスのことです。電話に出る前に相手の番号を見られるため、電話に出る前に心の準備や相手に応じた対応を先に考えられます。

例えば、ナンバーディスプレイで知らない番号が表示されたならば応答しないことにすれば、営業電話や勧誘電話などに対応する必要がなくなります。取得のしやすさから詐欺電話で使われることもある050番号や、国際電話番号なども、ナンバーディスプレイがあれば事前に分かりますので注意できるようになるでしょう。

ナンバーディスプレイはオプションサービスなので、事前の利用契約が必要です。NTTでは、2023年4月から契約者が70歳以上または70歳以上の方と同居していると申告した場合、ナンバーディスプレイを無償で利用できるようになっています。それ以前からナンバーディスプレイを使用している高齢者またはその同居者の場合、高齢者無償化の申請をすれば無償利用可能です。

録音や警告機能が付いた電話機を使う

通話録音や警告機能が付いている電話機を使うのも迷惑電話対策では有効です。

通話録音機能が付いている電話機で、録音前に「この通話は録音されています」と流れる音声メッセージを流すようにすれば、迷惑電話をかけてきた相手にとって大きな牽制になります。また、録音されていれば迷惑電話の被害についての証拠にもなりますので便利です。

迷惑電話対策装置を取り付ける

迷惑電話対策装置を設置するのも良いでしょう。

迷惑電話対策装置にはさまざまなものがあります。例えば、警察やご自身で登録した電話番号情報をもとに迷惑電話をブロックできます。相手はこちらに電話をかけられませんので、迷惑電話のストレスもなくなります。他にも、迷惑電話を切断するきっかけとなる音を流す機能を持つ装置もあります。ドアホンの音や通話の途切れ音などを流して来客や通話障害を装って、スムーズに電話を切ることができます。

留守番電話機能を使う

迷惑電話対策として、留守番電話機能を活用するのもおすすめです。

知っている番号のみに出て、それ以外は応答せずに留守番電話に用件を録音してもらいます。録音を聞き返すことで、その内容に応じて電話をかけ直すかどうかを落ち着いて判断します。自分にとって必要な電話だけに対応でき、迷惑電話への応答が不要になります。

着信拒否機能を使う

着信拒否機能を使って迷惑電話をシャットアウトすることもできます。着信拒否には、以下のようなものがあります。

・ナンバー・リクエスト:非通知でかけてきた相手に対して、番号を通知してかけ直すように自動音声で案内する機能です。この機能で対応した電話の場合、着信音も鳴りませんので安心です。

・非通知拒否:電話機に備わっている非通知拒否機能をオンにすることで、非通知の電話を全てシャットアウトできます。対象の電話機でなければ使えませんが、新たにサービスを申し込む必要はありません。

・迷惑電話お断りサービス:迷惑電話がかかってきた際に、その番号を拒否設定にすれば、その番号からの次回以降の着信を拒否できます。受電を断る自動音声も流せますので丁寧さもあります。

ひどい場合は電話番号の変更も

迷惑電話対策の最終手段として、電話番号の変更もあります。

迷惑電話をかけてくる業者は裏でリストを共有していることが少なくありません。例えば、営業電話をかけて話を聞いてくれた、購入してくれたといった情報を他の業者に流し、そこからまた迷惑電話がかかってくるといった負の連鎖が生まれてしまうことがあるのです。

あまりにも迷惑電話がひどいのであれば、電話番号を変えてしまいましょう。新しい電話番号を知り合いに伝える手間はかかりますが、迷惑電話の被害をなくせます。少なくとも、リストを共有している業者からはかかってくることがありません。

企業も迷惑電話対策は必要?

迷惑電話は個人だけでなく企業にも数多くかかってきます。企業はホームページなどに自社の電話番号を公開していることがほとんどです。業者はそれを見て営業・勧誘電話をかけてきます。

企業であれば、営業電話が多少かかってくるのは仕方のないことではあります。しかし、社員数が限られている場合や、数多くの営業電話がかかってくるといった場合、電話対応に追われる社員にはかなりの負担がかかります。また、電話対応のたびに業務を止める必要がありますので、企業の業績にとってもマイナスの影響があるといえるでしょう。

このようなことから、企業であっても迷惑電話の対策をしっかり行うことが大切です。

企業にかかってくる迷惑電話の種類

企業にかかってくる迷惑電話には以下のようなものがあります。

しつこい営業電話:営業電話は個人だけでなく企業にも多くかかってきます。もちろん中には自社にとって有益かもしれない情報を得られる可能性があります。しかしほとんどの場合は、社員に負担をかけて業務を止めてしまう迷惑な電話です。何度もかかってくる場合は悪質なため対策が必要です。

悪質なクレーム:クレームは顧客からの大切な意見であり、適切に対応しなければなりません。しかし中には、理不尽なことで怒鳴ってきたり、金銭を目的にかけてきたりするような悪質なクレーム電話もあります。対応に不慣れな社員だと、事態が複雑化することもあるため、やはり対策が必要です。

・いたずら電話:無言電話や意味不明なことを話すようないたずら電話も企業にはかかってきます。中には、社内の人間を装って情報を取ることを目的にしている場合もあります。また、女性社員へのセクハラを目的にする悪質ないたずら電話もあります。社員にとって負担になりますし悪意を持った業務妨害ですので警察に相談することも検討しましょう。

企業でできる迷惑電話の対策方法

迷惑電話は企業にとってプラスになることはありません。迷惑電話の対策について解説します。

迷惑電話フィルターの活用

迷惑電話フィルターの活用は迷惑電話対策として有効な手段です。

このサービスでは、迷惑電話番号のデータを収集・分析し、リストを作成・共有して迷惑電話をブロックします。まだ自社にかかってきたことのない迷惑電話番号からの電話であっても自動的にブロックするため、迷惑電話対策として有効といえます。

IVRの活用

IVRを活用することも迷惑電話に有効です。

IVRとは、着信時に設定した自動音声で対応する仕組みのことです。プッシュダイヤルによる着信の振り分けもできるため、適切な担当者へスムーズにつなげることもできます。

しつこい営業をする業者は1日に数多くの電話番号にかける必要があるため、自動音声が流れた瞬間に電話を切ることが少なくありません。そのため、結果的に迷惑電話の本数を減らせるのです。

また、IVRで一次対応できるため社員の電話対応における負担を減らすこともできます。

通話の録音

通話録音も企業の迷惑電話対策として有効です。

受電の際に自動音声にて「この通話は、サービス向上のために録音しています」というアナウンスを流せば、迷惑電話をかけてきた相手は嫌がります。例えば、いたずら電話をかけてきた相手からすれば、「録音内容を証拠として警察に持っていかれたら困る」と考えるため、すぐに電話を切ってしまうのです。

実際、迷惑電話の内容を録音していれば、警察に被害届を出す際や裁判をする際の証拠として活用できます。また、どんな電話も録音しておけば、聞き間違い・聞き逃ししにくくなり、クレームや訴訟リスクを防ぐこともできます。そのため、企業にとって通話録音は強い味方になるでしょう。

迷惑電話対策もできる企業向けクラウドPBX「03plus」

03plusは、迷惑電話対策もできるクラウドPBXサービスです。東京「03」など全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得して、スマホやPCからその番号で発着信を行えます。そのため、外出先や自宅からでもオフィスにいるのと同様に電話対応が可能です。

さらに、電話業務の効率化やコスト削減、顧客満足度向上を実現するさまざまな機能が搭載されています。それらの機能を活用すれば、迷惑電話対策も可能です。

03plusに搭載された迷惑電話対策に役立つ機能

03plusには、迷惑電話対策に役立つ以下のような機能を利用できます。

着信拒否機能:着信拒否のルールを決めて迷惑電話を拒否できる機能です。非通知着信拒否を設定すれば、非通知からの着信は全て拒否されます。番号指定着信拒否を設定すれば、指定された番号からの着信が全て拒否可能です。しつこく何度もかかってくる迷惑電話対策に有効な機能です。

通話録音:通話内容を録音する機能です。「この通話は品質向上のため録音しています」といった内容のアナウンスを流すことができるため、迷惑電話の相手に対して牽制できます。また、録音内容は警察へ被害を届ける際の証拠にもなります。

IVR:自動音声にて対応を行い、プッシュ番号による着信先の振り分けができる機能です。迷惑な営業電話の場合、自動音声が流れるとすぐに切ることがあるため、迷惑電話対策にも有効です。

留守レポ:代表電話の一次対応をする機能です。自動音声で対応して用件の録音を促し、それをテキスト変換して社内のチャットなどへ通知します。ホワイトリスト設定もあり、取引先の電話番号を登録すれば留守レポを通さずに着信させることも可能です。

まとめ

今回は、迷惑電話とその対策について解説しました。

個人・企業を問わず、迷惑電話はその数が増えています。迷惑電話は、個人であれば社会問題化している詐欺電話、企業であれば社員への負担や業務効率の低下といったことが問題です。そうした問題を回避するためにも、迷惑電話は事前に対策することをおすすめします。

03plusは、迷惑電話対策にも有効に使えるさまざまな機能を備えています。しつこい営業・勧誘、いたずら電話などの迷惑電話でお困りでしたら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。

電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ