「少人数で回しているため、電話対応の負担が大きい……」こうした悩みを抱えている小規模企業やコールセンターは少なくありません。限られた人員で電話応対をこなす現場では、スタッフに負担がかかるだけでなく、対応のばらつき・情報共有の不足・対応漏れ・業務効率の低下などさまざまな課題が生じます。さらに、顧客満足度にも影響が出てしまうこともあり得ます。こうした課題を解決する手段として注目されているのがCTIです。
今回は、小規模企業・コールセンターがCTIを導入するメリット、システムを選ぶ際のポイントについて解説します。
目次
CTIとは
CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話とコンピューターを連携させるシステムのことです。主にコールセンターや営業現場などで活用されており、顧客対応や業務効率化を図るためのシステムとして普及しています。
CTIを導入すると、着信時に顧客情報をパソコンの画面に自動表示させたり、通話履歴を記録・共有したりといったことが可能になります。そのため、オペレーターや営業担当者は、過去の対応履歴を見ながらスムーズに応対できるため、対応品質が向上し、顧客満足度の向上にもつながります。
また、通話件数・対応時間・応対内容といった通話データを蓄積・分析も可能です。そのため、業務改善やマネジメントの材料としても活用できます。
近年では、クラウド型のCTIサービスも増えており、初期費用を抑えながら手軽に導入でき、小規模事業者や個人事業主にも支持されています。
小規模企業・コールセンターがCTIを導入するメリット
CTIというと大規模なコールセンター向けのシステムという印象を持つ方も多いことでしょう。しかし近年では、クラウド型の手軽なサービスが普及し、小規模事業者や少人数チームでも導入が進んでいます。
ここでは、特に小規模な企業やコールセンターがCTIを導入することで得られる主なメリットを4つ紹介します。
少人数でも効率的に電話に対応できる
CTIを導入すれば、少人数の小規模企業・コールセンターでも、効率的に電話対応できるようになります。
従来の電話対応では、着信のたびに都度相手の情報を確認し、対応履歴を手作業で探す必要がありました。そのため、少人数の企業やコールセンターでは、電話を取る・調べる・取り次ぐといった作業に追われ、対応が非効率になりがちでした。
しかし、CTIを導入すれば、着信時に顧客情報や過去の対応履歴が自動でパソコン画面に表示されるため、事前準備なしでもスムーズな対応が可能になります。対応時間の短縮や取り次ぎミスの削減につながり、限られた人員でも無駄なく電話対応をこなすことができます。
対応品質を均一化し顧客満足度を向上させられる
対応品質の均一化やそれに伴う顧客満足度向上を実現できることも、CTI導入のメリットです。
従来の電話対応では、担当者の経験や記憶に頼る場面が多く、対応のばらつきや情報の抜け漏れが発生しやすい状況でした。また、小規模な現場では、他の業務に追われる中で電話対応もこなす必要があり、対応品質が低下することもあります。そのため、顧客満足度にも影響を与えることがありました。
しかし、CTIを導入すれば、すべての対応履歴や顧客情報を共有・可視化できるようになります。そしてCTIの活用によりスムーズに対応しやすくなることで、誰がいつ対応しても一定の品質を保てる体制を整えやすくなります。
さらに、通話録音やメモ機能を活用することで、対応内容の振り返りや指導も容易に行えます。そのため、サービスレベルの底上げも実現可能です。
事業拡大した際にも対応しやすい
CTIを導入すれば、事業拡大にも対応しやすくなります。
従来の電話システムは、拠点の増加や人員の追加があるたびに配線や機器の増設が必要で、柔軟な運用が困難です。事業の成長に応じて環境を変えようとしても、手間やコストがネックとなり、対応が後手に回るケースも少なくありません。
しかし、CTIを導入すれば、クラウド上でシステムを運用できます。そのため、利用人数や拠点数に応じて柔軟に拡張可能です。オフィスの増設や在宅勤務者の追加にも、大がかりな工事を伴わずスムーズに対応できるようになります。
データ分析による業務改善が可能
データ分析によって、業務改善を行えることもCTI導入のメリットと言えるでしょう。
従来の電話対応では、どのくらいの件数があり、どのような対応がされているのかを把握するのが困難でした。手書きのメモや従業員の感覚的な判断に頼ることが多く、業務改善にもつなげにくくなります。そのため業務改善の方向性を定めにくく、改善の精度も高められません。
しかし、CTIを導入すれば、通話件数・時間・応対者ごとの対応状況などが自動で蓄積・可視化されます。そのため、データに基づいた客観的な改善判断が可能になります。対応のムラや対応漏れといった課題を数値で捉えられるようになり、現場の改善サイクルを加速させる土台を築くことができます。
小規模企業・コールセンターがCTIを選ぶ際のポイント
CTIは多機能で便利なツールですが、サービスによって機能や使いやすさが異なります。少人数で運営する企業やコールセンターでは、「自社の規模や目的に合ったCTIを選ぶ」ことが重要です。
インバウンド型かアウトバウンド型
まずは、インバウンド型かアウトバウンド型か、どちらのタイプのCTIシステムであるかを確認しましょう。CTIには、受電業務に合う「インバウンド型」と、発信業務に合う「アウトバウンド型」の2タイプがあります。
- インバウンド型:問い合わせ対応やサポート窓口など、顧客からの電話を受ける業務が中心の企業に適しています。着信時に顧客情報を表示したり、通話履歴を自動記録したりする機能が重視されます。
- アウトバウンド型:営業電話やリサーチ・督促業務など、自社から積極的に電話をかける業務が多い企業に向いています。リスト管理や自動発信機能(オートコール)など、発信業務の効率化に特化した機能が搭載されています。
どちらにも対応できるハイブリッド型のCTIもありますが、小規模事業者の場合は自社の業務スタイルに合わせて、いずれかに特化した製品を選ぶと導入後の運用がスムーズです。
クラウド型かオンプレミス型か
CTIシステムがクラウド型かオンプレミス型かも必ず確認しましょう。
- クラウド型:インターネット経由で提供されるサービスで、初期費用が安く、PCとネット環境があればすぐに導入できるのが特徴です。定額の月額料金で利用でき、在宅勤務や複数拠点での活用にも柔軟に対応できます。
- オンプレミス型:サーバーや機器を自社内に設置して運用するタイプで、カスタマイズ性やセキュリティの高さを重視する場合に向いています。ただし、導入や運用に専門知識が必要で、初期コストも高めになります。
どちらにもメリット・デメリットがありますので、自社の運用体制や将来的な見通しも含めて選定することが重要です。しかし近年は、小規模企業やスタートアップ企業の場合は、コストと導入のしやすさ、拡張性を踏まえてクラウド型を選ぶケースが増えています。
事業規模に合っているか
事業規模に合ったCTIシステムを導入することも大切です。例えば、小規模事業者が大規模コールセンター向けのCTIを選ぶと、コストや運用の負担が大きくなる可能性があります。
そのため、自社の体制に合わせて、「必要な機能だけを備えたシンプルなCTI」や「少人数でも使いやすいUI設計」などを基準に選定することが重要です。また、将来的な企業の成長を見越して、拡張性の高いサービスを選ぶというのも良いでしょう。自社の規模がどれくらいなのかを客観的に捉え、スケールアップも見据えつつ、今の業務に過不足ないサービスを選びましょう。
必要な機能が揃っているか
自社にとって必要な機能が揃っているかどうかも重要な選定ポイントです。CTIには、着信ポップアップ、通話録音、自動応答、通話履歴の共有、分析レポートなど、さまざまな機能があります。
しかし、すべてのCTIに同じ機能が搭載されているわけではありません。同様の機能であっても、その利便性はサービスごとに違いがあります。
そのため、まずは導入前に自社の業務に必要な機能が何かを明確にしておくことが大切です。例えば「顧客情報の表示は必須」「録音機能が欲しい」など、業務上の優先順位を整理しましょう。そのうえでサービスを比較すれば、最適なサービスを導入できます。
操作しやすいか
CTIを含め、新たなシステムを導入する際は操作性についても考慮しなければなりません。いくら高機能なCTIシステムでも、操作が複雑だったり、専門的な知識を求められたりすると、日常業務への定着に時間がかかります。そのため、導入したのにかえって業務効率が下がってしまうこともあります。
例えば、ITに不慣れなスタッフが多い小規模企業では、直感的に操作できるシンプルなUIかどうかが非常に重要なポイントになります。難しい操作に戸惑ってしまうと、現場のストレスが増えるだけでなく、対応のミスや二重対応といったトラブルにもつながりかねません。
一方で、誰でもすぐに使い方を理解できるCTIであれば、業務への定着が早く、電話対応の質やスピードも自然と向上します。
業務効率を高めるためにも、CTIを選ぶ際は、“導入するスタッフの立場”に立って操作性を確認することが大切です。
セキュリティ対策は十分か
セキュリティ対策が十分であるかどうかも必ずチェックしましょう。顧客情報や通話内容を取り扱うCTIでは、セキュリティ対策が極めて重要です。
特にクラウド型サービスを利用する場合、通信の暗号化やデータ保管の安全性、アクセス権限の設定などが適切に行われているかを確認しなければなりません。
また、個人情報保護や法令遵守の観点から、ベンダーがISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証を取得しているかどうかも選定基準になります。
CRMと連携できるか
CRMと連携できるかどうかも確認しておきましょう。
CTIは単体での運用も可能です。しかし、その力を発揮するには、CRM(顧客管理システム)と連携させることが重要です。例えば、CTIとCRMが連携すれば、電話の着信時にCRMに登録されている顧客情報を自動で表示したり、通話内容を顧客履歴に自動記録したりできます。対応の効率が上がるだけでなく、営業活動や対応履歴の一元管理にもつながります。
現在使用中、または導入予定のCRMと連携できるかどうか、必ず確認しましょう。
小規模企業・コールセンターにおすすめ!03plusとは

「人手が限られていても、対応の質は落としたくない」そんな小規模企業やコールセンターにぴったりの電話サービスが、クラウドPBX型CTI対応サービス「03plus」です。
03plusは、スマートフォンで03・06などの固定電話番号を発着信できるクラウド電話サービスで、自宅や外出先からでも会社番号で発着信できます。1IDから契約できますので、小規模企業やコールセンターでも気軽に導入できます。
また、03plusには、電話業務を効率化できるさまざまな機能が揃っています。
- IVR(自動音声応答)や留守レポで一次対応を自動化:少人数でも電話に出られない時間帯の取りこぼしを防ぎ、問い合わせ対応を逃さない体制を構築できます。
- 着信ポップアップ(CRMと連携可能):着信時に顧客情報や履歴を自動表示。誰が対応しても一貫した対応品質を実現できます。
- 番号ポータビリティに対応:現在使用している03や06などの固定電話番号をそのまま移行できるため、番号変更による顧客への周知や印刷物の更新が不要です。
- 通話録音・発着信履歴の保存・顧客管理との連携が可能:応対履歴の確認や内部共有がスムーズになり、クレーム防止・業務改善にも活用できます。
- 10分かけ放題オプションで通話コストを抑制:月額1,000円で、1回10分までの国内通話が無料。営業活動やサポート業務のコスト削減に効果的です。
- 操作が簡単で、IT初心者でも使える設計:特別なITスキルがなくてもすぐに業務に取り入れられます。
- 月額1,280円(税込)からの低コスト運用:初期費用を抑えつつ、無理なく導入・継続できる価格帯で、スモールスタートにも最適です。
このように03plusは、「少人数でも効率よく・漏れなく・高品質に電話対応したい」企業にとって、実用性・コスト・柔軟性を兼ね備えたクラウドPBX/CTIサービスです。業務効率の改善や対応品質の底上げをお考えなら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。
まとめ
今回は、小規模企業やコールセンターがCTIを導入するメリットについて解説しました。
少人数体制での電話対応は、「人手が足りない」「情報共有が不十分」「対応が属人化する」といった悩みがつきものです。しかし、CTIを活用すれば、顧客情報の一元管理や対応履歴の可視化、通話データの蓄積・分析などを通じて、限られた人員でも高品質な電話応対が可能になります。
クラウド型CTIであれば、初期費用を抑えながらスピーディーに導入でき、拠点や人数の変化にも柔軟に対応できます。そのため、スモールスタートにも最適で、将来の事業拡大後も利用し続けやすいです。
電話業務の効率化・コスト削減・顧客満足度の向上を実現したいとお考えなら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。
