構内放送(ページング)ならクラウドPBXで!メリットや活用例を解説

構内放送(ページング)は工場や倉庫、商業施設、病院などで活用されています。広い敷地内でも、離れた場所にいる担当者や関係者に連絡できるのが特徴です。

しかし、従来の構内放送(ページング)は「呼び出しのたびに事務所まで戻って放送操作をしなければならない」といった課題があります。「場所に縛られずに放送したい」「スムーズに担当者・関係者に伝達したい」と考えている企業も多いことでしょう。

今回は、構内放送(ページング)とは何なのか、クラウドPBXで構内放送(ページング)を行う方法・メリット・活用例について解説します。

構内放送(ページング)とは

構内放送(ページング)とは、工場・倉庫・商業施設・病院などの広い建物内に向けて、アナウンスを一斉に届けるための音声放送機能です。スピーカーを通じて館内全体や特定のエリアに情報を届けることで、構内にいる人へ素早く情報伝達ができる手段として広く利用されています。

ビジネスフォンにおける構内放送は、電話機を使って館内に向けて音声案内を行えます。例えば、倉庫やオフィスで特定の人宛に電話があった際、受話器から放送操作を行い、スピーカーを通じて該当者を呼び出すといった使い方が一般的です。内線や転送が届かない場所や、電話機を設置していない作業現場では、構内放送が即時の連絡手段として非常に有効です。工場の作業フロア、スーパーの売り場、病院内を移動中の職員など、広い施設内でも素早く情報を伝達できます。

また、構内放送は業務連絡だけでなく、商業施設における迷子の案内や商品受け取りの呼び出し、お客様への各種案内放送など、顧客対応の手段としても活用されています。

構内放送(ページング)の機能

構内放送の基本機能は、電話機やシステムから音声メッセージをリアルタイムに複数拠点へ一斉送信することです。主な機能としては以下のようなものが挙げられます。

  • 全体放送/エリア放送の切り替え:施設全体への一括放送だけでなく、部署・フロア単位での選択的な案内も可能。
  • 手動/自動の音声放送:マイクによるリアルタイム放送のほか、あらかじめ録音した音声を定時に流す自動放送にも対応。
  • 緊急時の一斉アナウンス:火災・地震・避難誘導など、緊急放送として迅速に全館に通知できる機能も搭載可能。

構内放送(ページング)のメリット

構内放送の導入には、業務の効率化や安全性の向上につながるなど多くのメリットがあります。

  • 業務連絡のスピードアップ:電話や内線で個別に連絡する手間が省け、必要な情報を即座に広範囲へ伝達可能です。
  • お客様・従業員への対応品質の向上:商業施設では、お客様への案内や迷子呼び出しなどで迅速な対応が可能となります。
  • 緊急時のリスク対策:災害・事故・トラブル発生時に、一斉放送でスムーズに避難誘導や周知ができるため、BCP対策としても効果的です。
  • 無駄な人員配置の削減:受付や警備員などが個別案内に割く時間を短縮でき、人的コストの最適化にもつながります。

構内放送(ページング)はクラウドPBXで利用できる

従来は構内放送(ページング)を利用するために、専用の放送設備やPBX(構内交換機)、配線などをオフィスに設置する必要がありました。しかし近年では、クラウドPBXの普及により、構内放送の機能もインターネット経由で利用できるようになっています。

ここでは、クラウドPBXで構内放送(ページング)を利用するメリットや必要な設備について解説します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、オフィスに物理的なPBX装置を設置することなく、インターネット上のクラウドサービスとしてPBX機能を提供する電話システムのことです。

従来のPBXでは必要だった主装置や配線が不要で、スマホやパソコンを端末として使うことができます。そのため、導入・運用コストを大きく抑えながら柔軟な電話運用が可能です。

クラウドPBXでは、電話の内線・外線管理に加えて、IVR(自動音声応答)、通話録音、クラウドFAXなどの機能も利用できます。また、構内放送(ページング)も利用できることから、オフィス・工場・店舗などの業務インフラとして、あらゆる業種に対応可能です。従来よりも手軽で拡張性の高い音声連絡手段として注目されています。

クラウドPBXで構内放送(ページング)を利用するメリット

従来、構内放送を行うには、放送機能付きの電話機が設置されている場所まで移動し、そこから操作する必要がありました。例えば、工場の担当者が作業中に呼び出しの放送をかけたい場合でも、一度事務所のデスクに戻って放送操作を行う必要があったのです。

しかし、クラウドPBXで構内放送(ページング)を利用すれば、その手間は不要になります。手持ちのスマートフォンから構内放送ができるため、現場にいながらその場で必要なアナウンスを即座に行えます。移動のタイムロスがなくなって対応スピードが格段に向上するため、広い施設や移動の多い現場での情報伝達手段として、大きなメリットがあるといえるでしょう。

クラウドPBXで構内放送(ページング)を利用するために必要な設備

クラウドPBXを活用して構内放送(ページング)を行うには、以下の機器・設備が必要です。

  • クラウドPBX:構内放送を行うためのベースとなる電話システムです。通話や内線管理だけでなく、構内放送機能を備えたサービスを選ぶ必要があります。
  • アダプター(音声変換機器):クラウドPBXとアナログ機器(アンプやスピーカー)を接続するための中継装置です。電話音声を放送用の音声信号に変換し、ページング操作が可能になります。
  • アンプ(増幅装置):アダプターからの音声信号を増幅し、スピーカーへ送るために使用します。施設の広さや設置環境に応じて、適切な出力のアンプを選定する必要があります。
  • スピーカー:実際に放送を流すための出力機器です。天井埋め込み型や壁掛け型など、設置環境に適したタイプを選びましょう。複数エリアに放送する場合は、スピーカーの増設を行ってください。

クラウドPBXを利用した構内放送(ページング)の活用例

クラウドPBXによる構内放送(ページング)は、業種や施設の形態を問わず、さまざまな場面で活用されています。ここでは代表的な導入シーンとして、商業施設・医療・教育現場・物流拠点などでの具体的な活用例を紹介します。

商業施設

ショッピングモールや大型スーパーなどの商業施設では、お客様への案内や迷子の呼び出し、スタッフの応援依頼など、即時の情報伝達が求められる場面が多くあります。

クラウドPBXを活用することで、スタッフがスマートフォンから直接構内放送を行えるため、サービスカウンターや事務所に戻ることなく対応が可能です。

例えば「レジ応援をお願いします」「◯階でお客様対応をお願いします」といった放送を、スマホを利用して売り場からそのまま送信できるため、対応スピードが大幅に向上し、顧客満足度の向上にもつながります。

病院や学校

病院や学校では、緊急時の連絡や職員・教職員の呼び出し、来院者や保護者への案内といった用途で構内放送が利用されます。

クラウドPBXを導入することで、移動中でも手元の端末から放送ができ、迅速な指示や案内が可能になります。また、複数棟にまたがる施設でも、拠点をまたいだ一斉放送が容易に行えるため、災害時や避難誘導など、緊急時の情報伝達手段としても有効です。

工場や倉庫

工場や物流倉庫では、現場の作業員への指示出しや注意喚起、荷受け対応の呼び出しなど、リアルタイムな連絡が業務の効率に直結します。

従来の構内放送では、事務所の固定電話から操作する必要がありましたが、クラウドPBXなら現場にいながら放送できます。そのため、無駄な移動時間や情報伝達のタイムラグをなくせます。

また、騒音が多い現場でも、音量の調整やスピーカーの増設によって確実に情報を伝えることができ、安全管理にも貢献します。

構内放送(ページング)のためにクラウドPBXを選ぶ際のポイント

クラウドPBXで構内放送(ページング)を導入する際は、電話システムとしての基本性能に加えて放送機能も含めて比較検討し、慎重にサービスを選ぶ必要があります。

ここでは、クラウドPBXを導入する際に確認すべき5つのポイントを紹介します。

構内放送(ページング)が可能か

構内放送(ページング)に対応しているかどうかは必ず確認しましょう。

クラウドPBXはベンダーごとに利用できる機能が異なります。そのため中には、構内放送(ページング)に対応していない可能性もあります。

まずは、そのサービスが構内放送(ページング)に対応しているか、放送に必要な機器との連携が可能かを確認しましょう。

必要な機能が揃っているか

導入するクラウドPBXが自社にとって必要な機能を持っているかも必ず確認してください。

前述の通り、ベンダーごとに利用できる機能は異なります。構内放送(ページング)はもちろんですが、通話転送・IVR(自動音声案内)・内線通話・通話録音・クラウドFAXなど、自社にとって必要な機能があるかどうかチェックしましょう。

業務全体の効率化を目指すうえで、構内放送とともに、その他の業務を効率化できる機能が揃っていることが理想です。

通話品質に問題はないか

通話品質についてもしっかりこだわりましょう。

構内放送(ページング)は従業員にその放送内容がしっかり聞こえなければなりません。万が一聞き取りにくかったり、音声が途切れたりしてしまえば、せっかくの構内放送も意味がなくなってしまいます。

クラウドPBXはインターネットを介して音声を送信するツールです。そのため、音質の安定性や遅延の有無、Wi-Fi機器との相性などを事前にチェックしておきましょう。ベンダーによっては、無料トライアルを実施しているところもあります。実際に自社の環境にて試してみて、音声品質を確認してみてください。

操作しやすいか

クラウドPBXを導入する際は、操作性についても比較・検討することが大切です。

クラウドPBXを活用した構内放送(ページング)は、現場スタッフが行うことがほとんどです。職場によっては、年配の従業員が多く、「新しいツールの操作が苦手」「うまく扱えない」といった課題が生じることもあります。そのため、クラウドPBXは操作画面や手順が直感的で分かりやすいかどうかが重要です。

誰でもすぐに使えるUI設計か、端末ごとの操作方法の違いにも注意しましょう。

サポートは十分か

ベンダーのサポート体制も必ず確認しましょう。

放送に関わる設備の設置・設定には専門知識が必要になる場合があります。そのため、導入前のヒアリング・機器構成の設計・設置工事・導入後のサポート体制が整っているベンダーを選ぶことが大切です。

サポート体制が整っているベンダーであれば、万が一トラブルが起きた際も迅速に対応してもらえます。そのため、導入後の運用も安定することでしょう。

まとめ

今回は、クラウドPBXでの構内放送(ページング)について解説しました。

構内放送(ページング)は、工場や倉庫、商業施設、病院など、広い施設内での情報伝達に欠かせない手段です。しかし、従来のビジネスフォンでは、「わざわざ電話機のあるデスクにいく必要がある」ことから、手間がかかっていました。

しかし、クラウドPBXで構内放送(ページング)を活用すれば、スマホからその場で放送できます。放送のために電話機のあるデスクに戻る必要がなくなり、業務効率の向上や対応スピードを改善できることでしょう。

クラウドPBXを選ぶ際には、構内放送に対応しているかはもちろん、通話品質や操作性、サポート体制なども含めて慎重に比較することが大切です。

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