おとくラインの提供終了が発表!乗り換え先にぴったりの電話サービスとは?

固定電話サービス「おとくライン」は、コストを抑えながら利用できるビジネス向け回線として多くの企業で採用されてきました。しかし、ソフトバンクは2025年10月30日、同サービスを2030年3月31日をもって終了すると正式に発表しました。これにより、「今使っている番号はどうなるのか」「いつまでに乗り換えれば良いのか」と不安を感じる事業者も少なくありません。

おとくラインが利用しているメタル回線は今後縮小が見込まれており、従来型固定電話サービスは大きな転換期を迎えています。サービス終了までの数年間で計画的に移行を進めることが重要になるため、早めの情報整理が必要です。

今回は、おとくラインの提供終了スケジュールや背景を整理するとともに、乗り換え先として検討しやすい電話サービスについて分かりやすく解説します。

おとくラインが2030年の提供終了を発表

ソフトバンクは2025年10月30日、固定電話サービス「おとくライン」を2030年3月31日に終了すると発表しました。「終了までのスケジュールはどうなる?」「料金に変更は?」など気になることもあることでしょう。

ここでは、ソフトバンクが発表している最新情報をもとに、おとくラインの終了スケジュールと背景、月額基本料の改定について整理して解説します。

おとくラインのサービス終了予定と背景

ソフトバンクは、おとくラインの新規受付終了とサービス終了のスケジュールを次のように発表しています。

おとくラインのサービス終了スケジュールは以下の通りです。

  • 新規受付終了日:2026年3月31日
  • 移転受付の最終日:2028年3月31日
  • サービス提供終了日:2030年3月31日
  • 対象回線:アナログ、ISDN64、ISDN1500
  • 現在契約中の回線は終了日まで継続利用が可能

サービス終了の背景には、設備の老朽化により必要部材の調達が難しくなっていることにあります。固定電話の提供環境が変化する中で、従来設備の維持が困難になっていることが要因です。

なお、新規受付終了後も、回線種別変更・付加サービスの追加・譲渡/承継/改称といった手続きは継続して利用できます。移転受付は2028年3月31日までとなるため、そのタイミングで代替手段の検討が推奨されています。

また、おとくライン終了を名目にした不審な請求や虚偽情報による勧誘も想定されます。公式情報をしっかり確認しておきましょう。

月額基本料の改定についても発表

ソフトバンクは、おとくラインのサービス終了に先立ち、月額基本料の改定を2026年4月1日に実施すると発表しています。主な理由は、アクセス回線となるNTT東西のメタル回線費用が継続的に値上げされているためです。対象となるのは「おとくライン(アナログ・ISDN64)」で、2026年4月利用分から改定後の料金が適用されます。

改定後の月額基本料についてはこのあと料金の項目にて解説します。

料金改定に伴い、ユーザー側で行う手続きはありません。ただし、改定を名目とした不審な請求や虚偽の勧誘に注意が呼びかけられています。

おとくラインとは

「おとくライン」は、ソフトバンクが提供する法人・個人事業主向けの電話回線サービスです。NTT東西のメタル回線を使用しながらも、ソフトバンクが独自に提供する電話サービスであり、コストを抑えつつ固定電話環境を構築できるのが特徴です。ISDN(デジタル回線)とアナログ回線の2種類が用意されており、ビジネスのニーズに応じて選べる柔軟性があります。

概要

ソフトバンクの「おとくライン」は、ISDNおよびアナログ回線に対応した直収型の固定電話サービスです。ここでいう「直収型」とは、NTT東日本・西日本が提供する物理的なメタル回線(銅線)をそのまま利用しつつ、通話サービスの提供主体がソフトバンクになる仕組みのことを指します。

この構造により、NTT加入電話と同じ番号や機器をそのまま使いながら、ソフトバンク独自の料金プランや付加サービスを受けられるというメリットがあります。工事も比較的簡易で済むため、導入時の手間を抑えつつ通信コストを削減できる点が、中小企業や個人事業主を中心に支持されてきました。

また、ISDN(INSネット64相当)にも対応しており、FAXやPOSレジ、PBX、警備システムなど、業務機器との互換性にも優れています。特別な設定変更や機器交換が不要なケースも多く、既存環境を活かしたい事業者にとって扱いやすい選択肢とされてきました。

おとくラインの2種類のサービス

おとくラインには、利用環境に合わせて選べる「アナログ回線」と「ISDN回線」の2種類があります。どちらもNTT東西のメタル回線を利用する固定電話サービスで、一般的なビジネスフォンやFAX、各種業務機器と組み合わせて利用できます。

【アナログ回線】

  • 最も一般的な固定電話回線
  • 電話機やFAXをそのまま接続できる
  • 小規模事業所や一般家庭でも広く利用される

【ISDN回線】

  • デジタル方式の固定電話回線
  • 複数の通話やデータ通信を同時に扱える
  • 法人や業務用で利用されることが多い
  • 「ISDN64」「ISDN1500」の2種類がある

料金

おとくラインの月額基本料は、回線種別や取扱所区分によって異なります。2026年4月1日から月額基本料が改定される予定で、以下の通り改定前と改定後の料金が案内されています。

【アナログ回線・改定前→改定後(税込)】

  • 3級取扱所:2,860円→3,245円
  • 2級取扱所:2,695円→3,080円
  • 1級取扱所:2,530円→2,915円

【ISDN回線・改定前→改定後(税込)】

  • ISDN64:3,993円→4,378円
  • ISDN1500:32,450円(変更なし)

取扱所区分は、設置場所の設備条件によって決まり、一般的な事業所では2級または3級に区分されることが多いです。月額基本料は1日~末日の1カ月分として請求され、ご利用開始日や終了日が月途中の場合は日割りで計算されます。

メリット

おとくラインには、さまざまなメリットがあります。

まず、NTT加入電話と比べて基本料金が安く設定されており、毎月の通信コストを削減できるのが大きな特徴です。特に複数回線を利用している企業では、年間を通して大きなコスト削減につながる場合があります。

次に、回線利用料や通話料など、これまで別々に請求されていたものを一本化して支払えるため、請求処理が簡略化され、管理の手間も軽減されます。

さらに、おとくラインは加入権が不要です。今使っている電話番号をそのまま利用できるため、切り替えのハードルが低く、社外への周知や顧客対応に混乱が生じにくい点も安心です。

また、緊急通報番号への通話、発信者番号通知といった基本的な電話サービスも、NTT加入電話と同様に利用できます。そのため、特別な設定変更などを行わずに導入できるのがメリットです。

加えて、「番号表示サービス」「キャッチ電話サービス」「三者通話サービス」など、便利な付加サービスも充実しています。

デメリット

おとくラインには多くのメリットがありますが、注意点も存在します。

まず、NTTの電話回線を前提とした一部のサービスが利用できなくなる場合があります。NTTが提供している回線を直接利用するわけではないためです。例えば、電話線を使ったドアホンなど、NTT専用仕様に依存しているサービスは対象外となります。

また、おとくラインからは0570番号(ナビダイヤル)など複数の番号への発信が制限されているという点にも注意が必要です。

おとくラインの終了に備えて確認すべきこと

おとくラインの提供終了は、多くの企業にとって通信環境の見直しが必要となるタイミングです。特に固定電話を業務基盤にしている場合、どの範囲に影響が及ぶのかを正しく整理しておくことが欠かせません。

影響が出やすいポイントは次のような業務や環境です。

  • 代表番号や部署別番号で受電している窓口業務全般
  • FAXを利用した受注処理、書類のやり取り
  • ビジネスフォンやPBXを使った内線・転送機能
  • 警備・監視システム、各種業務機器の通信回線
  • 回線構成に依存するインターネット接続周り

これらは、回線の仕様や機器との接続方法によって影響範囲が変わるため、業務全体のどこに固定電話が組み込まれているのかを早めに洗い出しておくことが重要です。特に、FAXやPBXなどレガシー機器を利用している場合は、代替手段の互換性を確認する必要があります。

また、影響範囲の把握と合わせて、おとくライン終了後に移行するサービスの検討も進めておきましょう。おとくラインと同じメタル回線を利用するサービスは今後も縮小していく可能性が高いため、光回線やインターネットを利用するサービスを選ぶのがおすすめです。

例えば、次のような選択肢を中心に比較検討する企業が増えています。

  • 光回線を利用するIP電話(ひかり電話など)
  • インターネットを利用するVoIPサービス
  • オフィスの電話機能をクラウド化するクラウドPBX

どの方式を選ぶかは、電話番号の引き継ぎ可否、FAXの利用有無、PBXや機器との接続方法などによって変わります。現状の環境と移行後に必要な要件を整理し、最適な構成を選ぶことがスムーズな移行につながります。

おとくラインに替わる電話サービスは?

おとくラインは、新規受付の終了が発表され、提供自体の終了も決定しました。

こうした背景から、今後の通信インフラとして注目されているのが「クラウドPBX」です。物理的な電話回線に依存せず、インターネットを活用して通話を行うクラウドPBXは、固定電話の代替手段として多くの企業で導入を進められています。

クラウドPBXの概要と、その導入によって得られる具体的なメリットについて紹介します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置されていたPBX(構内交換機)の機能を、クラウド上で提供する電話サービスのことです。インターネットを利用して通話の制御や管理を行うため、専用の電話回線やPBX機器を社内に設置する必要がなく、パソコンやスマートフォンなどのデバイスでビジネス用の通話を行うことができます。

こうした仕組みから、場所を問わずに会社の電話番号で発着信が可能で、テレワークや外出先での業務にも柔軟に対応できます。また、サービス提供元が機能を保守・運用するため、企業側の管理負担も大幅に軽減されます。

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXには、従来のビジネスフォンにはない、さまざまなメリットがあります。

  • 初期費用を抑えられる
    PBX機器の購入や配線工事が不要なため、導入コストを抑えやすいです。
  • 外出先でも会社番号で発着信が可能
    スマホやPC、タブレットなどの端末から会社番号を使ってどこからでも通話できます。テレワークや営業活動との親和性が高いです。
  • 電話業務の効率化が図れる
    クラウドPBXでは転送、IVR(自動音声応答)、着信ポップアップなどの機能など、さまざまな機能が利用できます。そのため、顧客対応の質とスピードを向上できます。
  • 内線通話が無料で利用できる
    本社・支店・在宅勤務者間でも、インターネット経由で無料の内線通話が可能です。
  • 番号ポータビリティに対応
    ベンダーによっては、番号ポータビリティに対応しています。現在使っている固定電話番号をそのままクラウドPBXに引き継ぐことができるため、顧客への影響も最小限に抑えられます。
  • 拠点や人員の増減にも柔軟に対応できる
    回線追加や削除がオンライン上で完結できるため、スピーディな運用が可能です。
  • 保守・運用の手間が不要
    システムの管理やアップデートはサービス提供者側が行うため、社内リソースを割かずに保守・運用を行えます。
  • 設備の設置スペースが不要
    物理的なPBX装置が不要になるため、オフィスの省スペース化にも貢献します。
  • BCP対策にも有効
    災害や緊急時でもクラウド上で電話機能を維持でき、業務継続性を確保できます。

こうしたメリットがあることから、クラウドPBXは今後の通信インフラとして有力視されています。従来型の固定電話からの移行先として非常に現実的な選択肢といえるでしょう。

おとくライン終了で乗り換えるなら「03plus」

おとくラインのISDN回線の新規受付終了が発表され、サービスの提供自体の終了も決定しました。そのため、おとくラインを利用している場合は、移行先をなるべく早く選定・検討することが求められます。

そんな中、注目されているのが、クラウドPBX型の電話サービス「03plus」です。03plusは、インターネットを通じて固定電話番号を利用できるサービスで、スマホを使って、いつでもどこからでも発着信を行えます。

おとくラインからの乗り換えに03plusがおすすめである理由として、「固定電話番号ポータビリティ」に対応していることが挙げられます。固定電話番号ポータビリティとは、電話番号を変えずに通信事業者を乗り換えられる制度のことです。この固定電話番号ポータビリティを利用すれば、現在おとくラインなどで利用している03番号や06番号などの固定電話番号を、03plusへ移行後も使い続けられます。

電話番号を変更する必要がないため、取引先への周知や名刺・Webサイトの修正といった煩雑な作業を避けることができるのも大きなメリットです。

さらに、03plusはスマートフォンに専用アプリをインストールするだけでビジネス通話が可能となるため、オフィスに物理的な電話機やPBX装置を置く必要がありません。テレワークや外出先からでも会社番号で発着信ができることから、柔軟な働き方を支えるインフラとしても最適です。

初期費用や運用コストも抑えやすく、1IDあたり月額1,280円から利用可能という手頃な価格設定も魅力です。複数の便利機能(自動音声応答、通話録音、Web電話帳、クラウドFAXなど)も利用でき、業務の効率化にも貢献します。

おとくラインからのスムーズな移行先をお探しでしたら、ぜひ03plusをご検討ください。

03plusについて詳しくはこちら

まとめ

今回は、ソフトバンクが提供する「おとくライン」の現状や終了予定、そして代替手段として注目されるクラウドPBX「03plus」について解説しました。

おとくラインのサービス提供自体の終了が決まりました。

こうした背景から、今後の電話インフラとして注目されているのが「クラウドPBX」です。中でも「03plus」は、スマホやPCで固定電話番号を使った発着信ができ、IVR(自動音声応答)や通話録音、クラウドFAXなどの機能も備えた人気の高いサービスです。

固定電話番号ポータビリティに対応しているため、おとくラインで利用中の03番号や06番号をそのまま引き継ぐことができます。電話番号を変えずに移行できますので、名刺やWebサイトの修正といった手間を省き、スムーズな乗り換えが可能です。

柔軟性・コスト・機能のバランス、そして将来性を重視するなら、ぜひ03plusをご検討ください。

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