クラウドPBXの導入を検討しているものの、通信量がどれくらいかかるのか気になる方は多いかもしれません。「通信量が多いと困る……」「オフィスのWi-Fiが混雑しそう……」という疑問・不安をお持ちの方もいることでしょう。
そこで今回は、クラウドPBXのデータ通信量の目安、通信量に関する注意点、通信量を気にせず通話するポイントについて解説します。
目次
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、PBX(電話交換機)の機能をクラウド上に設置し、インターネットに電話環境を構築する仕組みのことです。PBXの設置や配線工事が不要であるため、手間やコストをかけずにすぐに導入できます。インターネット上で電話環境が構築されているため、インターネット環境さえあればスマホ・PC・タブレットなどの端末を用いてビジネスフォン機能を利用できます。例えば、外出先であってもスマホから会社代表番号を使って発着信が可能です。
また、クラウドPBXにはクラウドFAXやWeb電話帳など、業務効率をアップする豊富な機能を利用できます。さらに、さまざまなサードパーティーサービスとも連携しやすく、自社で使っている既存システムと連携し、より高度な電話業務を行うことも可能です。
クラウドPBXのデータ通信量の目安
クラウドPBXは、サービスを提供しているベンダーごとに使われているアプリが異なります。そのため、発生するデータ通信量も各ベンダーでかなり違いがあります。一般的なクラウドPBXの場合、データ通信量の目安は以下のとおりです。
- 通信量1分あたり:0.5MB~1MB
- 通信量1時間あたり:30MB~60MB
- 通信量1ヶ月あたり:600MB~1GB
例えば、クラウドPBXで1日1時間程度の通話を行うのであれば、通信量は1ヶ月で1GB前後がひとつの目安といえます。もちろん、通信量はベンダーごとに異なりますし、使用状況によっては1ヶ月数GBになることもあります。
クラウドPBXはインターネット回線を利用して代表電話による通話を実現する仕組みです。音声データのみであるため、動画などに比べれば通信量自体はそれほど多くはありません。しかし、毎日数時間も利用するのであれば、キャリアの通信制限などに注意する必要があります。
クラウドPBXのデータ通信量に関する意外な盲点
前述の通り、クラウドPBXの通話時における通信量はそれほど多くはありません。しかし、社内Wi-Fiを利用して複数の通話を行ったり、大きなデータのやり取りを行ったりする場合は注意が必要です。オフィス内の通信量が一時的に増加し、クラウドPBXの通話品質が下がる恐れがあります。
クラウドPBXはインターネット回線を使用して通話を行うため、利用しているネットワークに遅延やパケットロスが発生してしまうと、通話品質が下がってしまいます。例えば、帯域幅が制限されていると一度に送信できるデータ量も制限されます。そのため、オフィス内で大きなデータをやり取りする場合に遅延が発生しやすくなり、結果として通話時にノイズや途切れが発生することがあるのです。クラウドPBXで複数の通話を行う場合も同様のことが起きる可能性があります。
こうしたトラブルがあると、聞き逃し・聞き間違いが起きやすく、クレームや訴訟リスクにつながることもあります。そのため、クラウドPBXを利用する場合はオフィス内で大きなデータを取り扱っていないか、他の通話が行われていないかを確認するようにしましょう。
データ通信量を気にせずクラウドPBXを利用するには?
データ通信量が一時的に増えてしまうと、インターネット回線が遅延したり不安定になったりして、クラウドPBXの通話品質が低下することがあります。データ通信量を気にせず、安心して通話するためにはどうすれば良いのでしょうか。以下でいくつかポイントを解説します。
Wi-Fiを見直す
クラウドPBXを導入する際には、Wi-Fiの見直しを行いましょう。
Wi-Fiには、「2.4GHz帯」と「5GHz帯」という2つの周波数帯があります。一般的には周波数が大きいほど通信速度が速くなりますので、「5GHz帯」の方が高速であるといえます。
「2.4GHz帯」は通信速度がやや低いとはいえ、遠方まで電波が届いて障害物にも強いのが特徴です。そのため、オフィスでは用いられることが少なくありません。しかし、「2.4GHz帯」は電子レンジなど家電製品に使われているため、同時使用すると電波干渉を起こして不安定になることがあります。
一方、「5GHz帯」は電波が遠くに届きにくく障害物にも弱いというデメリットがあります。しかし、電波干渉しにくく高速通信できるというメリットもあります。
このように、Wi-Fiの周波数にはそれぞれメリット・デメリットがあります。クラウドPBXを利用する際には、オフィスの状況を見直してみて、どちらの設定にすべきか検討してみてください。
端末に応じてアクセスポイントを分ける
端末ごとにアクセスポイントを分けるのも、通信量の調整に効果的です。
クラウドPBXの通話品質が下がってしまう原因は、Wi-Fiが混雑してしまうことです。つまり、Wi-Fiが混雑しないように通信量を調整すれば、通話品質低下などのトラブルを避けることができます。
オフィスでは、スマホだけでなくPCやタブレット、プリンターなどがWi-Fiに接続されていることでしょう。こうしたさまざまな端末のうち、クラウドPBXを利用しないものについては、別のアクセスポイントを設定してみてください。その上で、クラウドPBX専用のアクセスポイントを設定しておけば、Wi-Fiの混雑が避けられ、通話品質も安定しやすくなります。
インターネット回線のプランや会社を変更する
インターネット回線のプランや会社を変更するのも良いでしょう。
通信速度や帯域制限は、インターネット回線のプランや会社によって違いがあります。より速くより制限されないプランや会社に変更すれば、インターネット回線の混雑が発生しにくくなり、クラウドPBXの通話品質の低下問題も発生しにくくなるでしょう。
また、キャリアの4Gや5G回線を利用するのも解決方法のひとつです。こうしたキャリア回線であれば、オフィス内の通信量増加に左右されることなく、安定した通信を行えるようになります。ただし、格安SIMの場合は通信が途切れる可能性があるため注意しましょう。より安定した通話を行うのであれば、大手キャリアやその配下のキャリアを利用するのがおすすめです。
クラウドPBXにはメリットがたくさん!
ここまで、クラウドPBXの通信量にフォーカスして解説してきました。はじめにお伝えしたように、クラウドPBXそのものの通信量はそれほど多くはありません。オフィスで一時的に極端な形でデータ通信量が増えない限りは、基本的に通話品質が下がることはないでしょう。また、4Gや5Gなどのキャリア回線を使用すれば、通話トラブルに悩まされることはありません。つまり、インターネット環境が整っていないケースを除いて、クラウドPBXの通信量は気にする必要はないといえます。
むしろ、クラウドPBXにはそれ以上に多くのメリットがあります。以下で、具体的なメリットについて解説します。
コストを削減できる
クラウドPBXを活用すれば、さまざまなコストを削減できます。
クラウドPBXはクラウド上にPBXを設置するため、導入工事不要でコストをかなり抑えられます。従来のビジネスフォンのようにPBXのメンテナンスや買い替えも不要になりますので、それらにかかっていたランニングコストを削減できることでしょう。
また、クラウドPBXはベンダーによっても異なりますが、従来のビジネスフォンと比べると通話料がリーズナブルであることがほとんどです。さらに、クラウド上でつながっている端末同士であれば内線により無料で通話できます。そのため、外出先であっても割高な携帯電話番号での発着信をする必要がありません。もちろん、インターネット環境さえあれば海外でも利用可能です。国際電話料金を抑えられるため、大幅なコスト削減になることでしょう。
社外でも固定電話番号で発着信できる
社外でも固定電話番号で発着信できることは、クラウドPBXの大きなメリットです。
従来のビジネスフォンは、オフィス内でしか会社代表番号での発着信はできません。オフィス内であっても、スマホでは発着信できないため、社用の電話はデスクに戻って行うしかありませんでした。
しかし、クラウドPBXならばスマホを使って会社代表番号による発着信を行えます。外出先であっても顧客からの電話に出ることができますし、折り返し時も会社代表番号で発信可能です。携帯電話番号ではなく固定電話番号からの着信なので、顧客も安心して出てくれることでしょう。
また、クラウドPBXはリモートワーク時も利用できます。オフィスに縛られることなく、自由に働くことができるため、業務効率化はもちろん社員の満足度向上にもつながります。
内線通話がより便利になる
クラウドPBXを導入すれば、内線通話を便利に活用できるようになります。
従来のビジネスフォンでは、内線通話はPBXが設置されているオフィス内でしか利用できません。そのため、外出先の社員や離れた拠点との通話はコストをかけて外線で行うしかありませんでした。
しかし、クラウドPBXならばクラウド上でつながっている全ての端末同士で内線通話できるようになります。外出中やリモートワーク中の社員、離れた拠点間での情報共有などは全て無料で行えるようになるわけです。
業務効率を改善する機能が豊富
クラウドPBXには、業務効率を改善する機能が豊富にあります。
クラウドPBXは従来のビジネスフォンにとって変わるサービスとして、ビジネスフォンで利用できる機能は基本的に利用可能です。例えば、保留機能や留守番電話機能、録音した音声案内なども使えます。
また、インターネットを活用するクラウドPBXならではの機能も豊富にあります。クラウドFAXや勤怠管理システム、IVR、タブレット受付などは代表的なものです。他にも、ベンダーごとにさまざまな機能が利用できますし、現在使っているチャットツールとの連携なども可能です。
このように、クラウドPBXではさまざまな機能を利用できます。自社の業務や抱えている課題を洗い出してみて、利用したい機能があるサービスを選びましょう。自社とマッチする機能を活用できれば、業務効率化、コスト削減、顧客満足度向上などを実現できます。
クラウドPBXなら03plus
クラウドPBXをお探しなら、03plusがおすすめです。03plusは全国主要46局と幅広いエリアの市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXです。番号ポータビリティに対応していますので、既存の固定電話番号も条件が合えばそのまま利用できます。従来のビジネスフォンから移行したいという場合もぜひご相談ください。
03plusでは、業務効率化・コスト削減に役立つさまざまな機能があります。
IVR(自動音声応答):着信に対して機械音声でガイダンスして、適切な担当者へ着信を振り分けます。
受付アプリ:会社の受付に設置したタブレットに、担当者を呼び出しできるボタンを表示します。来訪者と担当者をスムーズにつなぐ機能です。
クラウドFAX:クラウド上でFAXの送受信を行える機能です。スマホで写真を撮影し、そのままFAXとして送信できます。ペーパーレス化やコスト削減にも役立ちます。
Web電話帳:顧客や取引先の連絡先をクラウド上で一元管理できる機能です。スマホなどの端末からいつでも閲覧できるため、連絡先の共有をスムーズに行えます。
通話録音:通話を自動で録音してサーバに保存します。端末からどこからでも簡単に音声データを確認できるため、聞き逃し・聞き間違いリスクを軽減できます。
チャット連携・共有:着信履歴をテキストにてチャットで通知する機能です。取次時のメモが不要になり、伝達ミスをなくせます。
留守レポ:自動音声で発信者に録音するように促し、それをテキスト化してチャットに通知します。代表電話の一次対応を任せられるため、電話代行のように利用できる機能です。
10分かけ放題:1通話あたり10分までの通話が全て無料になります。短い用件の電話を複数行うことが多い場合、通話コストを大幅に削減可能です。
このように、03plusでは豊富な機能を利用できます。1IDあたり1,280円から利用できますので、クラウドPBX選びでお悩みでしたら、ぜひご検討ください。
まとめ
今回は、クラウドPBXの通信量について解説しました。
クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、通信量を気にする人が少なくありません。しかし、音声データのみですので、通話あたりの通信量はそれほど多くはありません。とはいえ、オフィスで大量のデータ送信をするようなタイミングで通話を行うと、通話品質の低下が発生することがあるため注意が必要です。本記事で紹介した対策を参考に、通話トラブルが発生しないようにしましょう。
通話トラブルさえ回避できれば、クラウドPBXの通信量自体は決して多くありません。むしろ、メリットの多いサービスですので、ぜひ導入を検討してみてください。