クラウドPBXを導入する場合、その機能性や操作性、コスト面などを考慮しなければなりません。それと同時に「チャネル数」も確認することが大切です。しかし、「チャネル数って何?」「回線数や電話番号数とは違うの?」と疑問に思う担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、チャネル数とは何か、回線数と電話番号数との違い、チャネル数の目安、チャネル数を意識したクラウドPBXの選び方を解説します。
目次
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、クラウド上にPBXを設置して、インターネット上で電話環境を構築するシステムのことです。インターネット回線を通して、会社の固定電話番号にて通話ができます。そのため、外出先でもスマホから会社の電話番号で発着信や内線通話ができます。また、さまざまなITツールとの連携や機能を利用できるため、電話業務の効率化を実現できます。
導入も簡単で、PBXがクラウド上に設置されるので、高額な機器の購入や面倒な配線工事は必要ありません。
このような特徴から、クラウドPBXは、業務効率化やコスト削減、顧客満足度向上、自由な働き方などを実現できます。従来のビジネスフォンからクラウドPBXへ乗り換える企業も増えてきています。
チャネル数とは
クラウドPBXにおけるチャネル数について知らない人は多いかもしれません。以下で、チャネル数とは何なのか、電話回線数や電話番号数との違いについて解説します。
チャネル数は同時に通話できる数
クラウドPBXにおいて、チャネル数とは同時通話数のことです。外部との通話を同時にどれだけできるのか、その最大数を表しています。例えば、チャネル数が5であれば、同時に5人の社員が外部通話できます。
チャネル数はクラウドPBXのサービスやプランによって異なります。そのため、導入時はチャネル数を見て、規模に合っているかを確認することが大切です。また、規模が拡大してチャネル数を増加したい場合は、プランの変更などが必要になります。ベンダーの担当者と相談し、自社にあったチャネル数のプランを決めましょう。
チャネル数と電話回線数との違い
混同されやすいですが、チャネル数と電話回線数では違いがあります。
回線数とは、主装置から実際に外部へつながっている回線の数のことです。回線数が多ければより多くの外線とつなげられますが、回線数が同時通話数というわけではありません。
例えば、過去にビジネスフォンで主流だったISDN回線は1回線2チャネルありました。IP電話の場合は、1回線で複数チャネル利用できます。このように、回線数はあくまでも外部とつながる回線数のことだけを指し、チャネルは回線数にかかわらず同時にどれだけ通話できるかの数を指しています。似ているようで全く違うので覚えておきましょう。
チャネル数と電話番号数との違い
電話回線数と同様に、電話番号数もチャネル数と混同されやすいです。もちろん、電話番号数とチャネル数には違いがあります。
電話番号数とはその名の通り、使える電話番号の数のことです。例えば、会社代表番号とともにFAX番号やフロア・部署ごとの番号を取得できます。電話番号の数が増えると、同時通話数も増えるように思われますが、そうではありません。あくまでも、使えるまたは割り振られる電話番号の数が増えているだけであり、チャネル数自体は増加していません。電話番号数が10あったとしても、チャネル数が5のプランであれば、同時通話できるのは5人の社員までなのです。
このように、回線数・電話番号数・チャネル数は似ているようでそれぞれ違いがあります。この中でも、同時通話数であるチャネル数がビジネスにおいてとても重要です。
チャネル数の適切な数とは
ビジネスにおいてはチャネル数が最も重要とされます。では、クラウドPBXのプランを決める際にはどのようにチャネル数を決めれば良いのでしょうか。企業にとって適切なチャネル数はどれくらいなのか、以下で解説します。
少なすぎると業務効率が低くなる
まず覚えておくべきなのが、チャネル数が少なすぎると業務効率が低くなるということです。
チャネル数とは、同時に通話できる数のことです。チャネル数を超える発着信についてはつながらなくなります。
例えば、電話対応業務が多い企業の場合、チャネル数が少なすぎると混み合った際に顧客からの電話対応ができなくなります。顧客からすれば電話してもつながらなくなるため、不満を感じてしまうことでしょう。また、大切な顧客からの電話に対応できなければ、企業にとっては機会損失となります。そのため、チャネル数が少なすぎると、業務効率が低下してしまうのです。
多すぎると維持費が高くなる
「チャネル数を多くすれば業務効率は高まるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、チャネル数を無闇に増やしたからといって業務効率は高まりませんし、むしろコスト面でのデメリットがあります。
例えば、社員の数と同じチャネル数があれば、全員が同時に通話できます。ひっきりなしに電話がかかってくる企業であれば、もしかしたらそれでも良いかもしれません。しかし、業務時間中にずっと電話がかかってくる企業はそれほど多くありません。そのため、社員数と同じチャネル数があっても、そのほとんどは使われないのです。
当然、使っていないとしても、チャネル数に応じて維持費がかかります。そのため、チャネル数が多すぎれば、企業にとっては金銭的負担が大きくなってしまうのです。会社規模や現場の利用頻度にもよりますが、社員の数だけチャネル数を用意するようなことは無意味といえるでしょう。
チャネル数の目安
では、一般的な企業の場合、チャネル数はどれくらいにすれば良いのでしょうか。業務内容によっても前後しますが、一般的には社員数の3分の1くらいが適切なチャネル数とされています。例えば、社員数が100名であればチャネル数は30前後、10名であれば3前後くらいを用意すれば良いわけです。
もちろんこれは一般的な企業における目安でしかありません。実際には、企業の業務内容によってチャネル数を決める必要があります。例えば、コールセンターであれば、オペレーターごとに1つのチャネルを用意しないと業務が回らなくなるでしょう。電話業務がほとんどない企業であれば、チャネル数を3分の1以下にしてコストを抑えるのも良いかもしれません。
まずは自社で電話業務がどのくらいのシェアを占めているかを見極めましょう。そして、3分の1を目安にして、自社にあったチャネル数を考えていくのがおすすめです。
チャネル数を意識したクラウドPBXの選び方
クラウドPBXをより効率的に利用するのであれば、チャネル数を意識すると良いでしょう。適切なチャネル数であれば、電話業務をスムーズに行えますし、コストとのバランスも取れるためです。以下で、チャネル数を意識したクラウドPBXの選び方・ポイントについて解説します。
従業員数から目安を計算する
クラウドPBXのチャネル数は、従業員数から計算しましょう。
チャネル数が少なすぎれば業務効率を低下させますし、多すぎればランニングコストが無駄になってしまいます。そのため、適切な数に設定することが大切です。
チャネル数の目安となるのは、社員の数に対して3分の1程度です。電話対応業務がメインではない企業であり、一般的な範疇の電話の頻度であれば3分の1で過不足がありません。コスト面とのバランスも良いため、負担もかからないことでしょう。
業務における電話の頻度を検討する
より自社にマッチしたチャネル数にするために、業務における電話頻度も確認しましょう。
前述の通り、一般的な電話頻度の企業であれば、社員の数に対して3分の1程度のチャネル数があれば、コストとのバランスが取れて問題ありません。しかし、コールセンターなど電話業務メインの環境であれば話が変わります。このような企業であれば、最低でも電話対応するオペレーター1人に対して1つのチャネルを用意するのが基本です。さらにそれ以外にも、業務用の連絡をするためのチャネルが必要となります。そのため、オペレーターの数にプラスアルファしたチャネル数を検討することになるでしょう。
逆に電話業務がほぼないのであれば、チャネル数は3分の1以下でも問題ないかもしれません。
必要チャネル数に対応したクラウドPBXを探す
自社にとって必要なチャネル数が把握できたら、それに対応できるクラウドPBXを探しましょう。ほとんどのベンダーでは、どれくらいのチャネル数に対応しているのか公開しています。公開していない場合でも、担当者に質問すればチャネル数を確認できます。
例えば、ベンダーにて「3番号5回線12ユーザー」という情報が公開されていたとします。この場合、電話番号は3種類で、外線通話が5回線、12台の端末にて利用できることを意味しています。このケースであればチャネル数にあたるのは「5回線」となっている部分です。つまりこの例では、チャネル数が5回線であり、使用端末数に対して2分の1以下かつ3分の1以上ということになります。一般的な企業であれば、必要十分であるといえるでしょう。
こうした情報を確認し、自社にあったチャネル数に対応したクラウドPBXを探していきましょう。
機能性や操作性などを比較する
チャネル数も大切ですが、クラウドPBXを選ぶ際は、機能性や操作性も重視すべきです。
クラウドPBXは従来のビジネスフォンと比べて多機能であり、うまく活用すれば業務効率化やコスト削減を実現できることでしょう。しかし、自社にとって必要な機能がなければ、クラウドPBXの実力を活かしきれません。そのためまずは、自社で必要な機能は何なのかを洗い出し、その機能を利用できるクラウドPBXサービスを探すことが大切です。
また、クラウドPBXは多機能である分、固定電話機よりも操作が難しい側面があります。慣れてしまえば問題ないかもしれません。しかし、慣れるまでに時間がかかれば業務に支障をきたしてしまいます。そのため、できるだけシンプルで分かりやすく、直感的に操作できるようなアプリを利用できるクラウドPBXを選ぶのがおすすめです。
トライアルで試してみる
導入するクラウドPBXの候補が絞れたら、実際にトライアルで試してみましょう。
ほとんどのベンダーでは、無料版の提供や無料トライアルを実施しています。製品版と違って機能が制限されていることもありますが、サービスの概要やアプリの使用感を見るには十分です。
トライアルでは、操作性・機能の使いやすさ・通話品質などを確認しましょう。
クラウドPBXなら03plus
クラウドPBXの導入や乗り換えをご検討でしたら、03plusがおすすめです。03plusは、全国主要46局の市外局番付き電話番号を利用できます。番号ポータビリティにも対応していますので、従来のビジネスフォンからの乗り換えもスムーズです。
代表番号の最大チャネル数(同時通話数)は基本IDと追加IDと同数まで設定できます。さらにお客様ページからいつでも電話番号ごとのチャネル数を変更可能です。そのため、自社の社員数や業務内容にあわせて柔軟にチャネル数を設定できます。
また、03plusはIVR(自動音声応答)、クラウドFAX、WEB電話帳、通話録音、チャット連携・共有、時間外アナウンスなど、業務効率化に役立つ機能が豊富に揃っています。「10分かけ放題」のように、通話コストを大幅に下げられるオプションもあります。そのため、さまざまな職種であっても、柔軟に活用できるのが魅力です。
クラウドPBXのへの導入・乗り換えをご検討中でしたら、ぜひ03plusをお選びください。
まとめ
今回は、クラウドPBXのチャネル数とは何なのかについて解説しました。
チャネル数は同時通話数のことです。電話番号数や回線数と混同されやすいですが、明確な違いがありますので、本文を参考に分けて覚えておきましょう。
チャネル数を適切に設定しないと業務効率を著しく低下させたり、不要なコストがかかったりします。そのため、クラウドPBXを選ぶ際は、自社にあったチャネル数に対応しているところを選ぶのが大切です。まずは自社の社員数や業務内容によって、どれくらいのチャネル数が適切なのか整理しましょう。そして、そのチャネル数に対応したクラウドPBXを選びましょう。