法人登記申請において迷いやすいのが「固定電話番号を用意すべきなのか」という点です。
結論からいえば、法人登記申請において固定電話番号の取得は必須ではありません。ただし、登記申請書には連絡先となる電話番号の記載が必要です。また、申請後の実務や将来の事業運営を見据えると、固定電話番号は取得しておいた方が良いでしょう。
今回は、法人登記申請の手順・流れ・必要項目、申請に固定電話番号は必須なのか、登記後に固定電話番号が求められるシーンについて解説します。
目次
法人登記申請とは?全体像を解説
法人登記申請とは、会社を設立する際に、商号や本店所在地、代表者などの情報を法務局に登録する手続きのことです。法人登記が完了してはじめて、会社は法律上の「法人」として認められます。
法人登記申請では、定款の作成や設立時の決定事項をもとに、必要書類を準備し、法務局へ申請を行います。申請が受理されると、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得できるようになり、銀行口座の開設や各種契約など、事業活動を進めるための手続きが可能になります。
ここでは、法人登記申請の全体像を押さえたうえで、主な手順や申請方法について解説します。
申請の主な手順
法人登記申請は、以下の流れで進めるのが一般的です。
1.会社の基本事項を決める
商号(会社名)、本店所在地、事業目的、資本金、役員構成など、法人の基本情報を決定します。
2.定款を作成する
会社のルールを定めた定款を作成します。株式会社の場合は、公証役場での認証が必要です。
3.資本金を払い込む
発起人名義の口座に資本金を振り込み、払込を証明する書類を用意します。
4.登記申請書類を作成・準備する
登記申請書、定款、払込証明書、役員の就任承諾書など、必要書類をそろえます。
5.法務局へ登記申請を行う
本店所在地を管轄する法務局に、書類を提出して登記申請を行います。
この一連の手続きを完了すると、法務局に申請が受理された日が会社の設立日となります。
申請の方法
法人登記申請の方法には、主に以下の2つがあります。
・法務局の窓口で申請する方法
作成した登記申請書類を、本店所在地を管轄する法務局の窓口へ直接提出する方法です。書類の不備があった場合、その場で指摘を受けやすく、初めて法人登記を行う人でも進めやすい点が特徴です。
・郵送で申請する方法
作成した登記申請書類を、本店所在地を管轄する法務局へ郵送して申請します。法務局へ出向く必要がありませんが、書類に不備があった場合は、補正指示を受けて再提出が必要になる点に注意してください。
・オンラインで申請する方法
法務省が提供する「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、インターネット経由で申請する方法です。法務局へ出向く必要がなく、時間や場所に縛られずに申請できます。ただし、手続によっては電子証明書の準備やシステム設定が必要になります。事前に対象手続の要件を確認しておきましょう。
いずれの方法でも、申請内容は法務局による審査を受けます。書類の不備や記載漏れがあると、訂正や再提出が必要になるため、提出前に内容を十分確認しておくことが重要です。
法人登記申請で固定電話番号は必須?
法人登記申請を進める中で、「固定電話番号は必ず用意しなければならないのか」と疑問に感じる人も多いかもしれません。
ここでは、法人登記申請において固定電話番号が必須かどうかについて解説します。
固定電話は必須ではない
法人登記申請において、固定電話番号は必須ではありません。
会社の電話番号は登記事項に含まれていないため、商業・法人登記の手続き自体を理由に、固定電話を取得する必要はありません。携帯電話しか用意していない状態でも、法人登記は問題なく行えます。
そのため、起業直後でまだ電話環境が整っていない場合や、まずは最小限のコストで事業を始めたい場合でも、固定電話がないこと自体が登記申請の支障になることはありません。
連絡先の電話番号は必要となる
法人登記申請では、連絡先としての電話番号を記載する必要があります。申請内容に不備があった場合などに法務局から連絡があるためです。
例えば、郵送やオンラインで申請した場合、書類に不備があると法務局から電話で連絡が入ります。連絡を受けた内容に応じて補正書等を提出し、申請内容を補正して手続きを進める流れになります。連絡先の電話番号が正しく記載されていないと、補正対応が遅れ、登記完了までに時間がかかるおそれがありますので注意しましょう。
また、実務上の観点から見ても、会社として運営していく以上、連絡用の電話番号を用意しておく必要性は高いです。登記後には、金融機関や取引先、各種手続きにおいて電話での連絡が発生する場面も多く、連絡が取れない状態は事業運営の支障になりかねません。
法人登記申請では固定電話番号そのものは必須ではないものの、確実に連絡が取れる電話番号を用意しておきましょう。
法人登記申請の際に最低限必要な情報は?
法人登記申請では、会社の基本情報を申請書類に記載する必要があります。最低限必要となる主な情報は、以下の通りです。
・商号(会社名):会社の正式名称です。同一住所で同じ商号は使用できないため、事前に類似商号の確認を行います。
・本店所在地:会社の所在地となる住所です。自宅を本店所在地とすることも可能ですが、登記簿に公開される点には注意が必要です。
・事業目的:会社が行う事業内容を記載します。現在の事業だけでなく、将来行う可能性のある事業も含めて設定するのが一般的です。
・資本金の額:会社設立時の資本金額です。1円から設立できますが、事業内容や取引先への印象も踏まえて決める必要があります。
・役員に関する情報:代表取締役や取締役の氏名、住所、就任日などを記載します。
・連絡先の電話番号:申請内容に不備があった場合に法務局から連絡を受けるための電話番号です。固定電話である必要はありませんが、確実に連絡が取れる番号を記載します。
これらの情報を事前に整理しておくことで、法人登記申請をスムーズに進めやすくなります。
登記後に固定電話番号が必要な場面が多い
法人登記の手続き自体では固定電話番号は必須ではありませんが、登記後の実務では固定電話番号が必要になる場面が多くあります。事業を進めていく中で、その必要性を感じるケースは少なくありません。
代表的なのが、法人口座の開設や法人クレジットカードの申し込みです。金融機関によっては、申込時の確認事項として固定電話番号の記載を求められることがあります。これは、会社の実在性や事業の継続性を確認するための判断材料のひとつとして、電話番号が重視されるためです。
また、取引先との契約手続きや各種サービスの利用申込においても、会社の連絡先として固定電話番号の入力を前提としている場合があります。携帯電話番号のみでも手続きできるケースはありますが、固定電話番号があることで確認がスムーズに進みやすくなることもあります。
このように、法人登記後は、事業運営を円滑に進めるうえで固定電話番号が実務上求められる場面が増えていきます。登記時点では不要であっても、登記後の運用を見据えて、電話番号の準備を検討しておきましょう。
会社の固定電話番号を取得しておくメリットは?
会社設立時や登記直後は、携帯電話番号で対応しようと考える人も少なくありません。しかし、事業を継続していく中では、会社として固定電話番号を用意しておくことで得られるメリットがあります。
会社の固定電話番号を取得しておく主なメリットは以下の通りです。
・プライベートの電話番号を使わずに済む
会社の固定電話番号があれば、個人の携帯電話番号を業務で使う必要がなくなります。業務用とプライベートの連絡先を分けられるため、私用の時間に業務連絡が入るといった負担を抑えやすくなります。
・外部から良い印象を持たれやすい
固定電話番号があることで、事務所や連絡窓口が整っている会社という印象を持たれやすくなります。取引先や金融機関、各種サービス提供会社とのやり取りにおいても、安心感につながりやすいでしょう。
・電話番号変更に伴う手間を減らせる
携帯電話番号は、担当者の変更や契約内容の見直しなどにより番号が変わる可能性があります。一方、固定電話番号は番号が変わりにくく、名刺やWebサイト、各種登録情報の修正対応を繰り返す手間を減らせます。
・事業用としての継続性を示しやすい
固定電話番号を継続して使用することで、短期的な活動ではなく、長期的に事業を行っている会社であることを示しやすくなります。連絡先が安定していることは、取引開始時の判断材料のひとつとして見られることもあります。
会社の固定電話番号は登記上必須ではありません。しかし、業務と私用の切り分けや対外的な印象、運用面での安定性といった点でメリットがあります。登記後の実務や将来の事業運営を見据えたうえで、固定電話番号の取得を検討する価値はあるといえるでしょう。
法人の固定電話取得方法、おすすめは?
法人が固定電話番号を取得する方法には、いくつかの選択肢があります。代表的なのは、従来の固定電話回線を引く方法や、ひかり電話などのIP電話サービスを利用する方法です。近年では、これらに加えて、インターネットを活用したクラウドPBXサービスの導入も増えています。
それぞれの方法には、初期費用や工事の有無、導入までにかかる期間、運用時の柔軟性といった点で違いがあります。また、オフィスに常設する電話機を前提とするか、スマホやPCを活用するかによっても、使い勝手や適した利用シーンは異なります。
ここでは、こうした選択肢の中でも、手軽さや利便性の面から注目されているクラウドPBXについて解説します。
手軽に取得でき便利な「クラウドPBX」
クラウドPBXは、法人の固定電話取得方法として最もおすすめです。
クラウドPBXとは、インターネット回線を利用して電話機能を提供するサービスで、従来の固定電話のように専用の回線工事や電話機を設置する必要がなく、スマホやPCを電話機として利用できます。
固定電話回線やひかり電話の場合、回線工事や機器の準備が必要となり、導入までに時間やコストがかかります。一方、クラウドPBXであれば、インターネット環境があれば比較的短期間で利用を開始できます。手持ちのスマホなどの端末にアプリを導入するだけで利用できるため、事業開始直後や、できるだけ手間をかけずに電話環境を整えられます。スムーズに固定電話番号を取得したい法人にとって、導入しやすい方法といえるでしょう。
また、クラウドPBXは場所に縛られない運用がしやすい点も特徴です。オフィスに常設の電話機を置かなくても、外出先や自宅から会社の固定電話番号で発着信できます。そのため、少人数の法人やリモートワークを取り入れている企業でも、柔軟に電話対応を行えます。
このように、導入のしやすさと運用の柔軟性を兼ね備えている点が、クラウドPBXが注目されている理由です。
おすすめのクラウドPBX「03plus」

クラウドPBXを導入するなら、03plusがおすすめです。
03plusは、全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXサービスです。取得した番号を使ってスマホで発着信できるため、固定電話機を設置する必要はありません。1ID・月額基本料金1,280円から申し込めますので、起業の際も気軽に導入できます。
また、03plusには法人の電話対応に役立つ機能がそろっています。
・WEB電話帳
クラウド上で連絡先を管理でき、複数の端末や担当者で情報を共有できます。
・クラウドFAX
FAX専用機を設置せず、スマホやPCからFAXの送受信が可能です。
・IVR(自動音声応答)
着信時に自動音声で応答し、用件に応じた振り分けができます。
・通話録音
通話内容を録音でき、対応内容の確認やトラブル防止に活用できます。
・留守レポ
着信に自動応答して用件を録音し、あとから録音内容をテキストや音声で確認できます。
・10分かけ放題
1通話10分以内の通話が定額となるため、通話頻度が高い業務でも電話コストを抑えやすくなります。
03plusは、電話対応における業務効率化やコスト削減を実現できるクラウドPBXサービスです。将来的な実務や対外的な対応を見据え、ぜひ導入を検討してみてください。
まとめ
今回は、法人登記申請において固定電話番号は必須なのか、そして実務上の電話番号の重要性について解説しました。
商業・法人登記では固定電話番号の取得自体は求められていません。しかし、申請内容に不備があった場合に備えて、連絡先となる電話番号の記載は必要となります。この連絡先は携帯電話番号でも問題ありません。
一方で、法人として事業を継続していく中では、口座開設や各種契約、取引先とのやり取りなど、固定電話番号を求められる場面が増えていくのも事実です。将来的な実務や対外的な信用を考えると、早い段階で法人用の電話番号を整えておくことには大きなメリットがあります。
こうした背景を踏まえると、専用回線の工事が不要で、手軽に固定電話番号を取得できるクラウドPBXは、有力な選択肢のひとつです。将来的に業務効率化・コストダウンを図りたい、できるだけ手間をかけずに固定電話番号を持ちたいとお考えでしたら、03plusの導入をぜひご検討ください。
