【iPhoneで電話転送する方法】手順・注意点やビジネス利用での最適解まで解説

iPhoneには、自分の番号へかかってきた電話を別の番号へ自動でつなげられる「着信転送」機能があります。外出中や手が離せないときに便利な機能で、日常的に利用している方もいるのではないでしょうか。

この便利なiPhoneの転送機能を「ビジネス用途でも活用できる?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。もちろん、ビジネスで活用できなくはありませんが、実際には通話料の負担や転送先の制限、運用の手間など、課題があります。

そこで近年注目されているのが、スマホやPCで会社番号の発着信ができる「クラウドPBX」です。転送に依存せず、どこにいても会社の電話が使えるため、ビジネスでの電話運用を大きく効率化できます。

今回は、iPhoneの電話転送の仕組みと注意点、そしてビジネス利用ではクラウドPBXが有効な理由を解説します。

iPhoneの電話転送(着信転送)とは?

iPhoneには、自分の番号にかかってきた電話を別の番号に自動で転送できる「着信転送」機能があります。仕事中に電話へ出られない場面や、別の端末で受けたい場合に便利な機能で、iPhone本体の設定から簡単にオンにできます。

iPhoneの「自動電話転送」は、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどの通信キャリアが提供する転送サービスをiPhoneの設定画面から利用できる機能です。利用できるかどうかや設定内容は、契約しているキャリアや料金プランに依存します。転送設定をオンにすると、iPhoneには着信せず、登録した転送先の番号で直接電話を受けられます。電源オフや圏外状態でも転送は有効で、発信者側に転送中であることが伝わるアナウンスもありません。

ただし、転送中の通話料は転送元(iPhone側)の負担になるため、ビジネス用途で長時間転送を使う場合は料金に注意が必要です。

利用できる転送の種類

iPhoneで利用できる転送には、本体で設定できる転送方法と、通信キャリアが提供する転送サービスの2種類あります。

まず、iPhone単体で設定できるのは「無条件転送」です。これは、そのiPhoneの番号に着信した電話を全て、登録した別番号へ自動で転送する方式で、iPhone側は鳴らず、転送先だけが着信します。

一方、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどのキャリアが提供している転送サービスを使うと、状況に応じてさまざまな転送が利用できます。例えば、通話中の着信だけを転送する「話中転送」、一定時間応答しなかった場合に転送される「無応答転送」、電源オフや圏外時に転送される「圏外・電源OFF時転送」などがあります。ビジネス利用で細かい条件を設定したい場合は、キャリアサービスを組み合わせる方法が適しています。

iPhoneで電話転送を設定する方法

iPhoneの電話転送は、iPhone本体から設定する方法と、通信キャリアが提供する転送サービスを利用する方法の2種類があります。それぞれで設定できる内容が異なるため、用途に合わせて使い分ける必要があります。

ここでは、種類ごとのiPhoneでの転送設定方法について解説します。

iPhone本体から転送設定する手順

iPhone単体で設定できるのは「無条件転送」です。全ての着信を、あらかじめ登録した番号へ自動で転送する方式で、転送元のiPhoneは鳴らず、転送先の番号だけが着信します。

設定手順は次のとおりです。

  1. ホーム画面で「設定」を開く
  2. 「電話」をタップ
  3. 「自動電話転送」をタップ
  4. 「自動電話転送」をオンにする
  5. 「転送先」に転送先の電話番号を入力する

設定が完了すると、画面右上(電波強度アイコン付近)に転送アイコンが表示されます。なお、転送先として登録できる番号は1件のみです。

iPhoneが圏外・電源オフの場合でも無条件転送は機能しますが、転送先までの通話料は転送元(iPhone側)の負担になるため、ビジネス利用では注意が必要です。

キャリアの電話転送サービスを使用する方法

ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどの通信キャリアが提供する「電話転送サービス」を利用すると、iPhone単体では設定できない条件付きの転送が利用できます。

キャリア転送サービスで設定できる代表的な転送は次のとおりです。

  • 話中転送(話し中のときに転送)
  • 無応答転送(一定時間応答がない場合に転送)
  • 圏外・電源OFF時転送
  • 状況ごとに細かく条件を設定する転送

これらはキャリアごとに設定方法が異なりますので、以下Webサイトから詳細をご覧ください。

キャリアの転送サービスも月額料金は無料で利用できますが、転送先へつながった際の通話料は転送元側の負担になります。ビジネスで長時間の転送が発生する場合は、料金面も含めて運用方法を検討する必要があります。

iPhoneの電話転送をビジネス利用する際の注意点

iPhoneの電話転送は便利な機能ですが、ビジネス用途で利用する場合はいくつか注意すべきポイントがあります。

まず注意したいのが、転送した際の通話料は「転送元のiPhone側が負担する」点です。これはスマホの標準機能であってもキャリアの転送サービスであっても同じで、転送先まで接続しているあいだの通話料が全て転送元にかかります。業務で長時間の通話が発生する場合、思わぬコストにつながる可能性があります。

また、iPhone本体で設定できるのは「無条件転送のみ」という点にも注意が必要です。応答がなかったときだけ転送したい、話し中だけ転送したいなどの細かい条件設定を行うには、キャリアのサービスを使う必要があります。

さらに、iPhone単体で転送先として登録できるのは1件だけです。そのため、複数人で着信を共有したい場合には向いていません。ビジネスでは複数の担当者で電話を受けたい場面が多いため、iPhone単体の転送では対応しづらいことが多いかもしれません。転送設定の切り替えを手動で行う必要がある点も、運用上の負担になりやすいポイントです。

このように、iPhoneの転送機能は「個人の着信を別の番号に逃がす」用途には便利ですが、「会社の電話運用を効率化する」というビジネス用途では制約も多く、十分に活用しきれない点に注意しましょう。

会社の電話をiPhoneに転送するには?

会社宛ての電話を外出先でも受けたい場合、オフィスの固定電話をiPhoneに転送する方法はいくつかあります。

ここでは、一般的な転送方法から、近年増えているクラウドPBXを使った方法まで、それぞれの特徴を紹介します。

電話会社の転送サービスを使う方法

電話会社の転送サービスを利用すれば、会社の固定電話にかかってきた着信をiPhoneへ転送できます。

多くの固定電話回線には転送機能が用意されています。電話会社の転送サービスを利用することで、会社の代表番号にかかってきた電話を、あらかじめ登録したiPhoneの番号へ自動でつなげることが可能です。設定は、電話会社のサービスごとに異なりますが、管理画面や専用番号を使って簡単にオン・オフを切り替えられ、追加の機器を導入せずに運用できます。

ただし、次のような制約があるため注意が必要です。

  • 転送先の番号は多くの場合1つに固定:複数の担当者に同時に転送することはできない。
  • 転送時の通話料は会社側の負担:発信者 → 会社番号 → iPhone という経路で接続されるため、会社の電話料金が増えやすい。
  • 細かい転送条件を設定するにはキャリアごとの制限がある:「話し中のみ転送」「応答がなければ転送」など、条件設定の自由度は電話会社によって異なる。
  • 転送オン/オフを手動で切り替える必要がある:外出のたびに転送設定を変える必要があり、運用負担が大きくなりやすい。

用途が単純であれば便利ですが、ビジネスの代表番号を外出先で受けたい場合や複数人で電話を分担したい場合には、柔軟性に欠ける側面があります。

ビジネスフォンで転送する方法

オフィスでビジネスフォンを利用している場合、そのPBX側の設定を使って会社の電話をiPhoneへ転送できます。ビジネスフォンは内線ごとに細かなルールを設定できるため、営業担当だけ転送したい、部署によって転送の条件を変えたいといった用途に対応しやすい点が特徴です。

ビジネスフォンによる転送には、以下のような機能が備わっている場合があります。

  • 一定時間応答がない場合に外線へ転送する「不応答転送」
  • 話し中の際に、あらかじめ指定した番号へ転送する「話中転送」
  • 営業時間外に特定の番号へつなぐ「時間外転送」
  • 内線ごとに「転送先」「転送条件」を個別設定できる柔軟性

こうした設定ができる点はメリットですが、一方で次のようなデメリットもあります。

  • 設定が複雑で、専門知識を持つ担当者が必要になりやすい
  • PBX本体やビジネスフォン機器が必要なため、初期費用・保守費用が発生する
  • オフィスにある機器に依存するため、テレワークとの相性がよくない
  • 転送先は1番号に限定されるケースが多く、複数人で共有しづらい

ビジネスフォンの転送は柔軟性が高いものの、外出先や在宅勤務が増えた働き方では、機器に依存する仕組みがボトルネックになることがあります。コスト面や管理負担もあるため、小規模オフィスやリモートワーク主体の環境では使いづらい場面も出てきます。

クラウドPBXで転送する方法

会社の電話をiPhoneで受けたい場合、もっとも柔軟でテレワークにも適した方法がクラウドPBXを利用する方法です。クラウドPBXは、従来のようにオフィスへPBX装置や電話機を設置する必要がなく、インターネットを通じてスマホやPCに会社番号の着信を直接届けられます。

クラウドPBXでは「転送」というより、そもそも会社番号をスマホでそのまま受けられます。そのため、外出先・自宅・移動中でもオフィスと同じ環境で電話対応が可能です。オフィスにある電話機やPBX装置に依存しないため、テレワーク主体の働き方とも高い相性を持っています。

さらに、クラウドPBXは次のような特徴を持っています。

  • 複数人のスマホやPCに同時着信させられる
  • 担当者が外出中でも自分宛ての電話に直接出られる
  • IVR(自動音声応答)や自動振り分けなど、業務に合わせた機能を追加できる
  • オフィスに機器を置かずに運用できるため、導入・保守コストを抑えられる

従来の転送サービスのように「1つの番号へ転送する」のではなく、電話環境そのものをクラウド上で管理するため、着信の分散や担当者への直接着信といった柔軟な運用が可能です。

また、ビジネスフォンのように固定機器に依存しないため、場所にとらわれず電話対応ができます。そのため、企業の電話運用全体を効率化する手段として広く使われています。

03plusなら会社の電話をそのままiPhoneで受けられる

iPhoneで会社の電話を受けたいなら、03plusがおすすめです。

従来、iPhoneで会社の電話を受ける場合は「会社 → iPhone」へ転送する方法が一般的でした。しかし、転送には通話料の負担や設定の手間、転送先を1番号に限定する制約があり、ビジネス利用ではさまざまな課題があります。

03plusは、こうした転送電話とは異なり、スマホやPCでそのまま会社の代表番号を使って発着信できるクラウドPBXサービスです。外出先や自宅でもオフィスと同じ番号で受電できるため、転送設定自体が不要になります。複数人で着信を共有したり、担当者が直接応答したりできるため、電話運用をよりシンプルに効率化できます。

03plusについて詳しくはこちら

03plusで転送にまつわるさまざまな課題を解決

03plusを利用すれば、従来の「転送電話」で発生していた課題をまとめて解消できます。

まず、03plusでは転送が不要になるため、転送時に発生する通話料は一切かかりません。会社番号への着信は、スマホやPCで直接受けられるため、外出中の担当者もそのまま応答できます。

また、03plusはIVR(自動音声応答)や留守レポなどの機能を備えており、一次対応を自動化できます。問い合わせ内容を適切な部署・社員に振り分けたり、留守番電話の内容をテキスト化して通知したりといったことができます。そのため、全ての電話に対応する必要がなくなり、対応漏れを防ぎながら業務の負担も軽減できます。

さらに、複数端末に同時着信できるため、担当者が不在でも他のメンバーが受電可能です。従来の転送電話では難しかった代表電話をチームで受けるという運用を簡単に実現できます。

転送の設定・切り替え・費用など、ビジネス利用で課題になりやすいポイントを解消しつつ、オフィスでも外出先でも同じ環境で会社番号を運用できる点が03plusの大きな強みです。

まとめ

今回は、iPhoneの着信転送のやり方から、会社の電話をiPhoneで受けるための方法、そしてクラウドPBXを活用したより柔軟な運用まで解説しました。

iPhone本体の転送機能や電話会社のサービスは手軽に利用できますが、通話料の負担や転送先の制限、運用の手間など、ビジネス利用では注意すべき点もあります。

一方、クラウドPBXを使えば、スマホやPCで会社番号をそのまま扱えるため、転送にともなう課題を根本から解消できます。外出先でも代表電話を受けられ、チーム全員で着信を共有できるなど、働き方に合わせた柔軟な電話運用が可能です。

電話対応の見直しや効率化をお望みでしたら、転送に依存しない仕組みとしてクラウドPBXの03plusをぜひご検討ください。

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電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ