電話番のための出社は必要?電話対応の課題とクラウドPBXによる解決策

代表電話の対応は、企業にとって欠かせない業務のひとつです。しかし現場では「電話番のためだけに出社する必要がある」「新人が電話対応に追われて本来の業務に集中できない」など、電話に起因する課題が目立つようになっています。働き方の柔軟性が求められる現代においても、電話だけはオフィスに依存したままというケースも少なくありません。

そこで注目されているのが、代表電話をクラウド化するクラウドPBXです。スマホやPCから会社番号を使えるようになり、電話番の負担や属人化を解消できます。

今回は、電話番にまつわる課題を整理しながら、クラウドPBX導入による解決策について解説します。

電話番とはどんな仕事?

電話番とは、代表電話にかかってきた問い合わせに最初に対応し、内容に応じて担当者へつなぐ業務です。企業の窓口としての役割があるため、正確な情報の聞き取りと丁寧な対応が求められます。

電話番が担当する主な業務は次のとおりです。

  • 代表電話の一次対応:着信に出て相手の名前や会社名、用件を正確に聞き取る。
  • 担当者への取り次ぎ:内容に応じて適切な部署・担当者につなぎ、不在時は折り返しの可否や連絡先を確認する。
  • 伝言の記録と共有:伝言や問い合わせ内容を整理し、チャットやメールなどで社内に共有する。
  • 優先度の判断:緊急性の高い連絡かどうかを見極め、担当者の状況(会議中・離席中など)に合わせて対応方法を判断する。
  • 簡易的な問い合わせ対応:基本的な案内や受付時間など、すぐに答えられる範囲の質問に対応する。
  • 電話量の変動への対応:問い合わせが多い時間帯は立て続けの着信に対応し、落ち着いている時間帯は記録整理や情報共有を行う。
  • 企業の印象形成:丁寧で落ち着いた応対を行い、企業全体の印象づくりに寄与する。

電話番は単に電話を取るだけではなく、相手の状況を汲み取りながら適切な判断を行い、社内外の橋渡しをする重要な役割を担っています。

電話番は新人の仕事?

多くの企業では、電話番を新人や若手社員が担当するケースが少なくありません。代表電話の対応を通じて、自社の業務フローや取引先とのやり取りを学び、ビジネスコミュニケーションに慣れるきっかけになるためです。

しかし、電話対応は決して簡単な業務ではありません。相手の意図を正確に聞き取り、状況に応じて判断する必要があるため、実務経験の浅い新人にとっては負担が大きくなることがあります。特に若い世代は電話離れにより、「電話恐怖症」が増加しています。通話に対する心理的ハードルが高く、緊張やストレスを感じやすい点は課題といえるでしょう。

また、対応が不十分な場合は取引先との信頼に影響することから、それがプレッシャーにつながることもあります。さらに、本来の業務に集中したいタイミングでも、電話が鳴るたびに作業が中断されてしまうため、生産性が下がってしまうことも大きな課題です。

こうした背景から、電話番を新人だけに任せる体制は見直すべきだという声も増えています。新人が安心して業務を進められるよう、事前の研修や周囲のフォロー体制を整えることが大切です。

電話番にまつわる課題点

電話番は企業の窓口として重要な業務です。その一方で、社員にとって負担や非効率が生じやすい業務でもあります。

ここでは、企業で起こりやすい電話番にまつわる課題を解説します。

「電話番のために出社」問題

テレワークが定着し、場所にとらわれない働き方が広がっています。一方で「代表電話の対応だけはオフィスで行う」という企業も少なくありません。そのため、テレワークを導入したものの、実際には一部の社員が「電話番のためだけに出社する」という状況が続いているケースもあり、働き方とのミスマッチが大きな課題となっています。

代表電話が固定回線に接続されている場合、会社にいなければ着信を受けられません。それでは、出社前提の運用から抜け出せません。その結果、本来はリモートで業務ができる職種でも、電話対応だけのために出社を求められることがあります。

こうした状況は、社員の負担を増やすだけでなく、移動時間や待機時間のロスにつながり、生産性の観点からも問題があります。

また、問い合わせの少ない職場では、電話が鳴らない時間をオフィスで過ごさざるを得ないケースもあります。つまり、電話番という業務が、働き方に柔軟性を持たせにくい大きな障壁となっているわけです。

電話対応による生産性の低下

電話対応は、担当者の作業を強制的に中断させるため、生産性を大きく低下させやすい業務です。

例えば、集中して取り組みたい作業中であっても、着信があるたびに手を止めて対応しなければなりません。そして、電話対応後に気持ちを切り替えて仕事に戻ることになります。この“中断と再開”の繰り返しは、生産性の低下につながるものです。

また、担当者が不在の場合は社内での連絡や状況確認が必要になり、取り次ぎのやり取りが煩雑になりがちです。誰が対応できるのか、折り返しは可能かなど、都度確認する手間も多くかかります。結果として、電話番だけでなく社内の複数人の業務が止まることも珍しくありません。

電話の件数が多い職場では、こうした中断が連続して起こり、業務全体のパフォーマンスを下げる要因となります。単に電話を取るだけではなく、その裏側の調整に時間が取られることが、電話業務が“生産性を下げる仕事”と言われる理由です。

「電話番は新人の仕事」の問題点

「電話番は新人の仕事」と認識している企業は少なくありません。電話対応を通じて自社の業務や社会人としてのコミュニケーションを学べるためです。しかし、現在の働き方や世代の価値観を踏まえると、この考え方には課題もあります。

若い世代では電話への心理的ハードルが高まっており、突然の着信に緊張してしまう、声だけのコミュニケーションに不安を感じるなど、強いストレスにつながるケースが見られます。電話恐怖症と呼ばれるほど負担が大きくなる場合もあります。

また、電話番を担当すると作業が中断されやすいため、特に新人は生産性低下の影響を強く受けやすい点も問題です。本来取り組むべき業務に集中できず、学ぶべき内容が身につきにくい状況が生まれます。

さらに、代表電話の対応には判断力が求められます。相手の用件を聞き取り、適切な担当者を判断することは、実務経験の浅い新人には負荷が大きい場合があります。不十分な対応が企業の印象に影響することもあり、プレッシャーになりやすい点も無視できません。

こうした背景を踏まえると、「電話番は新人が担うもの」という考え方は見直す余地があります。新人が悪いのではなく、環境や業務構造に合わせた仕組みづくりが求められています。

電話番のさまざまな課題を解決する「クラウドPBX」とは?

ここまで見てきたように、電話番は出社前提の運用や業務の中断、新人への負担など、さまざまな課題を抱えています。これらの課題を根本から解決する手段として注目されているのがクラウドPBXです。

クラウドPBXとは、社内の電話機やPBX装置をクラウド上に置くことで、インターネットさえあればどこでも会社番号の発着信ができるシステムのことです。オフィスにいなくてもスマホやPCから代表電話を受けられるため、電話番のための出社が不要になり、働き方の柔軟性も高まります。

ここでは、クラウドPBXのメリットと、電話番が抱えていた課題をどのように解決できるのかを見ていきます。

クラウドPBXの主なメリット

クラウドPBXには、従来の固定電話にはない利便性や柔軟性があります。主なメリットは次のとおりです。

・スマホやPCで会社番号を使える

外出先や自宅でも同じ番号で発着信でき、場所に依存せず電話環境を利用できる。

・設備や配線の準備が不要

専用機器や工事が必要なく、クラウド上でシステムを利用できるため導入が容易。

・複数デバイスで着信を分散できる

複数人・複数端末に同時着信させられるため、電話対応の属人化を防ぎやすい。

・IVRや留守電などの機能を柔軟に追加できる

よく使う機能を必要に応じて設定でき、電話窓口の運用を最適化しやすい。

・通話履歴や留守電をクラウドで管理できる

履歴・メモ・録音をオンラインで共有でき、情報管理が一元化しやすい。

・拠点追加や人員増加にも柔軟に対応できる

クラウド上で設定を変更するだけで環境を拡張できるため、事業規模の変化に強い。

・災害・トラブル時でも運用を継続しやすい

機器に依存しないため、オフィスの装置が止まっても電話環境を維持しやすい。

クラウドPBXが解決できる電話番の課題とは?

クラウドPBXを導入することで、電話番が抱えていた課題を実務レベルで大きく改善できます。

まず、「電話番のために出社しなければならない」という状況をなくせる点が大きなメリットです。クラウドPBXなら、スマホやPCで会社番号を使えるため、オフィスの固定電話に縛られる必要がありません。テレワーク中でも代表電話に対応できるようになり、働く場所を選ばない環境が整います。

また、電話対応を特定の人に集中させず、チーム全体で分担できる点も重要です。複数の端末に着信を共有できるため、電話番が新人に偏りやすい従来の体制から脱却できます。負担を分散しながら、経験や状況に応じてメンバーが柔軟に対応できるようになります。

外出が多い職種でも、担当者自身が直接電話を受けられるようになるため、社内での取り次ぎや確認の手間も減ります。折り返し対応が遅れることも防ぎやすくなり、問い合わせの質も向上することでしょう。

さらに、IVR(自動音声応答)を導入すれば、一次対応を自動化でき、人手が全ての電話に出る必要がなくなります。問い合わせ内容ごとに適切な部署へ誘導できるため、対応ミスや業務の中断を減らすことにもつながります。

加えて、通話履歴や留守電をクラウドで共有できるようになるため、誰がいつ対応したのかをチームで把握しやすく、情報の抜け漏れも防止できます。

このようにクラウドPBXは、電話番が抱えてきた「場所の制約」「負担の偏り」「生産性の低下」「属人化」といった課題を、まとめて解決に導けるツールです。

03plusで実現する電話番からの解放

電話番の課題を解決するなら、03plusの導入がおすすめです。

03plusなら、スマホやPCひとつで代表電話を運用できるため、電話のためだけに出社しなければならない状況を解消し、業務効率化も実現できます。

ここでは、電話番の課題改善に役立つ03plusの特徴を紹介します。

03plusについて詳しくはこちら

スマホやPCで代表電話が使える

03plusなら、スマホやPCでも代表電話番号による発着信が可能です。

03plusは主要46局の市外局番付き電話番号を取得できます。取得した市外局番付き電話番号はスマホやPCからでも発着信できるため、オフィスにいなくても通常どおり電話対応が行えます。

例えば、外出中や出先にいる社員はもちろん、リモートワーク中でも電話業務を行えます。同じ環境で利用できるため、「電話番のためだけに出社する」という状況がなくなります。

また、複数の端末に着信を共有できるため、電話対応を特定の人に任せる必要がなくなり、チーム全体でスムーズに対応できます。新人や特定の社員に負担が偏ることも防ぎやすくなることでしょう。

IVRや留守レポによる効率化

03plusのIVR(自動音声応答)や留守レポなどの機能を活用すれば、電話業務を効率化できます。

IVRは、あらかじめ設定した音声で自動応答し、着信先を適切な部署へ自動で振り分けられる機能です。社員が全ての電話に出る必要がなくなるため、一次対応の負担を大幅に軽減できます。

留守レポは、着信に自動音声で応答し、用件を録音してもらうように促す機能です。録音されたメッセージはテキスト化され、社内で使っているチャットに通知。外出中や作業中で電話に出られない場合でも内容をすぐに確認できるため、折り返しの遅れや対応漏れを防ぎやすくなります。

時間外の不在着信記録で対応漏れを防ぐ

03plusでは、時間外アナウンスオプションを利用している場合、営業時間外の着信をアプリの「不在履歴」として自動で記録できます。このオプションを活用すれば、閉店後や休業日にかかってきた電話も翌営業日にまとめて確認できるため、折り返し忘れや対応漏れを防ぎやすくなります。

不在履歴には、着信のあった日時や相手の番号が残ります。そのため、紙のメモや個別の管理は不要です。アプリを開くだけで一覧を確認できるため、翌日の対応計画も立てやすくなります。

また、必要に応じて不在履歴の記録のON/OFF切り替えが可能。「ガイダンスだけ流したい」「履歴は残したい」など、運用に合わせて柔軟に設定できます。

この機能は時間外アナウンスオプション契約者向けの機能で、追加費用なしで利用できます。営業時間外でも着信状況を把握したいとお考えなら、導入を検討してみてください。

まとめ

今回は、電話番にまつわる課題と、それを解決する手段としてのクラウドPBX、さらに03plusの活用ポイントについて解説しました。

電話業務のためだけに出社が必要になる、電話対応が特定の人に偏る、生産性が下がるといった課題は、多くの企業で共通して見られるものです。特に電話番は新人が任されることも多く、若手に大きな負担をかけてしまうのが課題です。

クラウドPBXを導入すれば、場所に縛られない電話対応や負担の分散が可能になり、電話業務全体を効率化できます。03plusにはIVRや留守レポ、時間外アナウンスなど、実務に直結する機能がそろっているため、電話番にかかる負担を大きく減らし、働き方の自由度も高められます。電話対応の見直しをお考えなら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。

03plusについて詳しくはこちら

電話回線一体型クラウドPBX 03plusエンタープライズ