企業の窓口やサポートセンターへ電話をかけた際に「この電話は録音されています」というアナウンスを耳にしたことがあるかもしれません。こうしたガイダンスは、録音の事前通知として利用者に安心感を与えるだけでなく、トラブル防止や対応品質の向上にもつながります。
このようなガイダンスを「自社の固定電話でも同じように流したい」と考える担当者の方も多いのではないでしょうか。実は、多くの一般的な電話機ではガイダンスを流すことはできません。しかし、PBXやクラウドPBXを活用すれば導入が可能です。
今回は、自動録音ガイダンスの仕組みや目的、固定電話でもできるのか、導入方法について解説します。
目次
「この電話は録音されています」は自動音声によるガイダンス
電話の冒頭で「この電話は録音されています」というアナウンスを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、通話内容を録音する前に自動音声で流すガイダンスです。近年では、企業だけでなく、行政窓口やカスタマーセンターなどでも広く導入されています。
以下で、自動音声によるガイダンスの目的とビジネスシーンでの活用例について解説します。
ガイダンスの目的
録音ガイダンスを行う主な目的は、録音していることを事前に伝えることで、利用者の安心感を高めることです。あらかじめ録音の事実を通知しておくことで、プライバシー保護の観点からも適切な運用ができ、トラブルや誤解を防ぐ効果があります。
また、企業側にとっては、録音を行う理由や範囲を明確にすることで、プライバシー保護や法令遵守の観点からも重要な役割を果たします。録音したデータは、対応品質の向上やクレーム防止、トラブル発生時の事実確認などに活用可能です。そのため、ガイダンスはその前提として欠かせないものといえるでしょう。
ガイダンスの文言は企業によって異なります。例えば、以下のような表現が用いられています。
- 「この通話はサービス品質向上のため録音しております」
- 「お客様対応内容の確認のため、通話を録音させていただいております」
- 「内容確認のため、通話を録音いたしますのでご了承ください」
このように、録音の目的を明示することで、顧客に安心感を与えると同時に、録音行為に対する誤解や不信感を防ぐことができます。
自動録音機能はビジネスシーンでも活躍
自動録音機能は、ガイダンスと組み合わせることで、ビジネスシーンにおける通話対応の質を大きく向上させます。
例えば、コールセンターやカスタマーサポートでは、全ての通話を自動的に録音し、対応品質のチェックやスタッフ教育に役立てることが一般的です。営業や商談の場面でも、契約条件や要望の聞き取り内容を正確に記録しておくことで、言い間違いや誤解を防ぐことができます。
また、トラブル発生時には、録音データがやり取りの経緯を正確に確認できる資料として役立ちます。録音データがあれば、社内検証や顧客への説明をスムーズに進められることでしょう。
近年は、クラウドPBXを利用して録音データをクラウド上で一元管理し、拠点や在宅勤務の環境からでも共有・再生できるようになっています。そのため、録音の案内からデータの保存・活用までを効率的に行うことができ、より幅広く便利に利用できます。
固定電話で自動録音のガイダンスを流すことができる?
「この電話は録音されています」といった自動音声ガイダンスは、企業の問い合わせ窓口やサポートセンターなどでよく使われています。こうした自動案内は、録音の事前通知として利用者に安心感を与え、トラブル防止や対応品質の向上にも役立つため、「導入したい」と考えている方も多いことでしょう。
果たして、固定電話で自動録音のガイダンスを流すことはできるのでしょうか。
ガイダンスを流すための方法
固定電話で自動録音のガイダンスを流すには、専用の仕組みを導入する必要があります。一般的な電話機単体では自動応答や音声案内の機能が備わっていないため、PBX(構内交換機)やクラウドPBXといった電話システムを利用するのが一般的です。
PBXを導入すれば、着信時に自動音声を流したり、担当部署に自動転送したりといった柔軟な設定が可能になります。一方、クラウドPBXであれば、同様の機能をインターネット経由で利用でき、機器の設置や工事が不要です。
次の項では、それぞれの導入方法と仕組みの違いについて解説します。
PBXを導入する方法
PBX(構内交換機)は、オフィス内の複数の電話を制御するための機器です。
着信を自動で振り分けたり、社内間での内線通話を行ったりといった機能を備えています。録音ガイダンスを流す場合は、PBXに自動音声応答(IVR)機能や録音装置を組み合わせることで実現します。
PBX導入の際は、業者に依頼し、オフィスにPBX本体を設置します。設定内容に応じて配線工事や回線接続が必要です。導入コストは数十万円から規模によっては百万円を超えることもあり、保守や機器更新にも費用が発生します。
PBXはカスタマイズ性が高く安定性にも優れていますが、初期費用や運用コストが大きい点がデメリットです。
クラウドPBXを導入する方法
クラウドPBXは、PBXの機能をクラウド上で提供するシステムです。
サーバーや機器を自社で設置する必要がなく、インターネット環境があれば利用できます。録音ガイダンスをはじめ、通話録音、IVR、着信転送などの機能をWeb上の管理画面から設定できるのが特徴です。
クラウドPBXの導入はベンダーのサービスに申し込むだけで完結します。PBXのように工事や専用機器の設置は不要です。PCやスマホにアプリをインストールするだけで利用できるため、テレワークや複数拠点での運用にも適しています。初期費用を抑えながら短期間で導入でき、機能の追加や設定変更も柔軟に行えます。定期的なメンテナンスやアップデートもサービス提供側で実施されるため、管理の手間が少ない点もメリットです。
それぞれの方法を比較
PBXとクラウドPBXには、設置場所・コスト・運用面・利便性のそれぞれに違いがあります。
・設置場所
PBXはオフィス内に機器を設置して利用します。一方、クラウドPBXはインターネット経由で利用するため、専用機器を設置する必要がなく、場所を選ばず利用できます。
・コスト
PBXは導入時に本体や工事費などの初期費用がかかり、保守・更新にもコストが発生します。クラウドPBXは機器を購入する必要がなく、月額制で利用できるため、初期費用を抑えやすいのが特徴です。規模の小さいオフィスや拠点が多い企業では、クラウド型の方がコスト効率に優れます。
・運用保守
PBXでは、機器のメンテナンスやトラブル対応を自社または業者が行う必要があります。設定変更や機能追加にも専門知識が必要です。クラウドPBXは、サービス提供側がアップデートや保守を一括で行うため、運用の手間を大幅に減らせます。設定も管理画面上で簡単に変更できます。
・利便性と柔軟性
PBXは社内での安定運用に向いており、大規模コールセンターなどで細かなカスタマイズを行いたい場合に適しています。クラウドPBXはスマホやパソコンから利用でき、テレワークや外出先でも代表番号での発着信が可能です。拠点や人員の増減にも柔軟に対応でき、働き方に合わせて運用を拡張できます。
このように比較すると、PBXは安定性や拡張性に優れていますが、導入コストと運用負担が大きい点が課題です。クラウドPBXは初期投資を抑えながら、柔軟で効率的な電話運用を実現できます。
録音ガイダンスや通話録音を導入したい場合は、クラウドPBXの活用が現実的です。特にクラウドPBXサービスの03plusでは、録音ガイダンス・通話録音・IVRなどをまとめて利用でき、固定電話業務のデジタル化をスムーズに進められます。
クラウドPBXの「03plus」ならガイダンス・自動録音も簡単

通話前のガイダンスや自動録音を利用するなら、03plusがおすすめです。
ここでは、03plusの概要、通話前ガイダンス・自動録音機能、その他便利な機能について解説します。
03plusとは
03plusとは、スマホに専用アプリをインストールするだけで、全国主要46局の市外局番付きの固定電話番号を取得して使えるクラウドPBXサービスです。
03plusはクラウドPBXサービスなので、オフィスに電話機や配線設備を設置する必要がありません。申し込みから最短10分で利用を開始できます。固定電話の機能をそのままスマホに移行できるため、場所を問わずオフィスの代表番号で発着信が可能です。また、ひとつの電話番号を複数人で共有できるため、代表番号への着信をチーム全体で受けられ、電話対応の取りこぼしを防げます。
さらに、03plusはクラウドFAXや時間外自動応答、WEB電話帳など、業務を効率化するさまざまな機能を搭載しています。スマホでも固定電話番号を使えるため、テレワークや外出の多い働き方にも対応できるのが特長です。
通話前ガイダンス機能
03plusの「通話前ガイダンス機能」は、着信時に自動で音声を再生し、通話前に注意喚起を行える無償提供の機能です。営業電話や迷惑電話などの不要な着信を抑止し、業務効率の向上に役立ちます。
あらかじめ設定しておくだけで、「営業目的のお電話はご遠慮ください」といった音声を自動で再生できます。これにより、不要な電話を受ける時間を減らし、必要な通話に集中できる環境を実現します。ガイダンス音声はデフォルトメッセージのほか、独自の音声ファイルを登録してカスタマイズすることも可能です。録音の案内や、特定の時間帯に応じたメッセージを流すなど、幅広い用途に対応できます。
また、この機能を利用することで、営業や勧誘などの不要な着信を減らす効果があり、03plusの検証では最大で約56%の削減を確認しています。
設定は管理画面またはスマホアプリから簡単に行え、利用開始もワンクリックで完了します。録音機能やIVR(自動音声応答)と組み合わせることで、より高度な電話対応を自動化することも可能です。
通話自動録音機能
03plusの通話自動録音機能は、特定の番号で発着信した通話を全て自動的に録音し、クラウド上に保存できるオプションです。録音機器や記録用ストレージを別途用意する必要がなく、すぐに導入できます。
録音データはWeb上の管理画面から確認でき、一括ダウンロードや不要データの削除も可能です。保管期間は30日間で、容量や録音時間の上限はありません。
着信時に「この通話は品質向上のため録音しております」といった案内を流す設定もでき、顧客に対して録音の目的を明確に伝えることでトラブル防止や信頼関係の維持にもつながります。
音声データはクラウドで一元管理されるため、オフィス外やテレワーク環境でも必要なときにすぐ再生できます。顧客対応の品質向上やクレーム対応、社内教育など、幅広い用途に対応する便利な機能です。
03plusの便利な機能
03plusには、通話前ガイダンスや自動録音以外にも、日々の電話業務を効率化する便利な機能が多数搭載されています。スマホ1台でオフィスの代表番号を運用できるだけでなく、チーム全体での情報共有や管理もスムーズに行えます。
・スマホで代表番号の発着信ができる:外出先でもオフィスの代表番号(03番号など)で発着信が可能です。個人の携帯番号を使わずに連絡できるため、ビジネス上の信頼性を保ちながら、社外でもスムーズな対応ができます。
・IVR(自動音声応答)機能:着信時に自動音声で案内を流し、発信者の選択に応じて担当部署へつなげることができます。「営業は1番、サポートは2番」といった設定が可能で、電話対応の効率化に役立ちます。
・クラウドFAX:FAXの送受信をクラウド上で行う機能です。専用機器を使わずに、パソコンやスマホからPDFデータを送受信できます。ペーパーレス化やリモートワークの推進にも有効です。
・留守レポ:不在時に自動で応答し、相手のメッセージを録音・文字起こしして通知する機能です。SlackやChatwork、Teamsなどのビジネスチャットと連携でき、留守中の用件もリアルタイムで確認できます。
・WEB電話帳:社内の電話帳をクラウド上で共有し、常に最新の連絡先情報を確認できます。社員の異動や部署変更があっても、全員が同じ情報を参照できるため、連絡ミスを防げます。
・10分かけ放題オプション:1回あたり10分以内の国内通話が無料になるオプションです。短時間の打ち合わせや顧客対応が多い業種で、通話コストの削減に効果があります。
・チャット連携・共有機能:03plusアプリでは、着信や不在着信、留守番メッセージをチーム内で共有できます。コメントを残して対応状況を確認できるため、電話応対の引き継ぎがスムーズです。
これらの機能を組み合わせることで、電話・FAX・チャットなどのコミュニケーションを一元管理できます。オフィスでも外出先でも、03plusがあれば柔軟で効率的な電話運用を実現できます。
まとめ
今回は、「この電話は録音されています」といった自動音声ガイダンスの目的や活用例、固定電話で導入する方法について解説しました。
ガイダンスを流すことで、通話の録音を事前に知らせ、利用者の安心感や企業の信頼性を高めることができます。また、録音データを活用すれば、顧客対応の品質向上やトラブル防止にも役立ちます。
自動録音のガイダンスを流すには、PBXまたはクラウドPBXの導入が必要です。従来のPBXでは設備投資や保守の手間がかかりますが、クラウドPBXを利用すれば、機器の設置なしで自動ガイダンスや録音機能を簡単に導入できます。例えば03plusなら、通話前ガイダンスや自動録音に加え、IVRやクラウドFAX、留守レポなど多彩な機能をまとめて利用できます。
電話業務を効率化し、安心して顧客対応を行いたいとお考えなら、ぜひ03plusの導入をご検討ください。
