国や自治体からの助成金は、テレワークの導入を進めたい企業にとって魅力的な制度です。うまく活用すれば、費用を抑えてクラウドPBXを含むテレワーク環境を整えられます。
しかし、「どのような制度が使えるのか」「どれくらい支給されるのか」「手続きが面倒そう」など、疑問・不安をお持ちの方も多いかもしれません。
今回は、助成金とはそもそもどのようなものなのか、テレワーク導入に役立つ助成金・補助金、利用する際の注意点について解説します。
目次
助成金とは?
助成金とは、国や自治体が企業や団体の取り組みを支援するために交付する資金のことです。主に雇用の安定や労働環境の改善、働き方改革の推進といった政策目的を実現するために設けられています。
助成金の大きな特徴は返済の必要がないことです。ローンのように後から支払う義務はなく、条件を満たせばそのまま受け取れます。そのため、新しい取り組みを始める際の初期費用を大幅に抑える手段として、多くの企業に活用されています。
近年は、テレワークの普及を後押しするための助成金が増えています。例えば、パソコンやクラウドサービス、クラウドPBXなど、在宅勤務を可能にする通信環境の整備に対しても助成が適用されるケースが増えているのです。助成金をうまく活用すれば、テレワーク環境をスムーズに整え、コストを抑えながら働き方改革を進められることでしょう。
助成金のメリット
助成金は、企業にとってさまざまなメリットがあります。
1つ目のメリットは、返済が不要で自由度の高い資金として活用できる点です。受給した助成金は会計上「雑収入」として計上でき、運転資金として利用できます。ローンのように返済の必要がないため、資金繰りの負担を軽減できます。
2つ目のメリットは、労働環境の改善を後押しできることです。助成金を受けるには、就業規則の整備や労務管理体制の改善など一定の条件を満たす必要があります。つまり助成金を受ければ、その結果として社員にとって働きやすい環境が整い、満足度の向上にもつながるわけです。
3つ目のメリットは、人材の確保や定着に役立つ点です。労働環境が改善されれば優秀な人材の流出を防ぐとともに、新たな人材の採用にもプラスの効果をもたらします。さらに、助成金を受給できること自体が国の要件を満たしている証となり、社会的な信用の向上にもつながります。こうした信用力の高さは採用活動においても良い影響を与えるでしょう。
このように助成金は、単なる国や自治体からの資金援助にとどまるものではありません。企業の体制強化や人材戦略の面でも、大きなメリットをもたらすものです。
助成金と補助金の違い
助成金とよく似た制度に「補助金」があります。それぞれの特徴を整理してみましょう。
・助成金:条件を満たせば比較的簡単に、安定的に受給できる。雇用関係や働き方改革など、人材や労務に関連する取り組みを支援する目的が多い。
・補助金:国の政策目標などに沿った事業を行う法人や個人事業主に対して支給される資金。研究開発や設備投資、地域振興など特定の目的に限定されることが多い。審査を通過する必要があるため、必ずしも受給できるとは限らない。
このように、助成金は条件を満たせば比較的安定して受給できる制度です。一方で、補助金は審査を経て採択される必要があり、受給できるかどうかは不確実です。ただし、どちらも受給した資金を返済する必要がない、という点は共通しています。
テレワーク導入に活用できる助成金とは?
テレワークを導入する際には、パソコンや通信環境の整備、業務システムのクラウド化など、初期費用が大きな負担となることがあります。こうしたコストを軽減するために、国や自治体ではテレワーク推進を目的とした助成金制度を設けています。
これらの助成金を活用すれば、企業はコストを抑えつつ効率的にテレワーク環境を整えることが可能です。ここからは、代表的な制度をいくつか紹介していきます。
人材確保等支援助成金(テレワークコース)
人材確保等支援助成金のテレワークコースは、中小企業がテレワークの仕組みを導入・拡大する際に活用できる制度です。労働環境を整えながら、人材の確保や定着を図ることを目的としています。
テレワークコースには「制度導入助成」と「目標達成助成」の2種類があります。
・制度導入助成
テレワークの仕組みを新たに導入、または拡大する際に受けられる助成です。職場風土づくり、就業規則の整備、外部専門家によるコンサルティングや研修など、テレワークを可能にする取り組みを行い、一定の実績を挙げることが求められます。
・目標達成助成
テレワーク実施後に離職率の改善など一定の成果が確認された場合に追加で受けられる助成です。制度導入によって社員の定着が進み、雇用環境の改善につながったかどうかが評価されます。
支給額は以下のとおりです。
・制度導入助成:1企業あたり20万円
・目標達成助成:1企業あたり10万円(賃金要件を満たす場合は15万円)
主な支給要件としては、テレワークを可能にする体制づくりや実際の実施状況の確保、そして過去に同じ助成を受けていないことが挙げられます。
利用を検討する際は、必ず厚生労働省の最新情報を確認してください。
テレワークトータルサポート助成金
テレワークトータルサポート助成金は、東京都が実施する中堅・中小企業向けの制度です。都内に本社または事業所を持つ企業が対象となり、テレワークの導入や定着を支援することを目的としています。
助成対象となるのは、在宅勤務やモバイル勤務を可能にする情報通信機器やクラウドサービスの導入費用、テレワーク環境整備に関するコンサルティングや研修費用など幅広い経費です。また「育児・介護コース」「職場環境改善コース」といった加算制度も用意されています。
助成額は企業規模によって異なります。
・常時雇用労働者数が2~29人の企業は、助成率2/3、上限150万円
・30~999人の企業は、助成率1/2、上限250万円
加算コースでは、育児・介護コースで定額20万円、職場環境改善コースで最大50万円が追加されます。
なお、この助成金は東京都独自の制度であり、年度ごとに募集要項や助成内容が変更されることがあります。利用を検討する際は、必ず最新情報を確認してください。
IT導入補助金(通常枠)
IT導入補助金は、中小企業庁が実施している制度で、中小企業や小規模事業者が業務効率化やDX推進のためにITツールを導入する際に利用できます。クラウドPBXも対象に含まれており、条件を満たせば導入費用の一部を補助してもらうことが可能です。
補助金を利用できるのは「通常枠」で、導入するITツールが対応する業務領域(プロセス)の数によって補助額が変わります。
・1つ以上の業務領域に対応→5万円以上150万円未満
・4つ以上の業務領域に対応→150万円以上450万円以下
補助率は原則1/2以内ですが、一定の賃上げ要件を満たした場合には2/3以内に引き上げられます。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考:IT導入補助金公式サイト
働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、中小企業の労働時間削減や有給休暇促進を支援し、生産性向上と働きやすい環境づくりを目的とした制度です。この制度は直接的ではありませんが、テレワーク環境の整備に活用できる場合もあります。
助成対象は、労務管理用ソフトや機器の導入、外部専門家によるコンサルティング、研修、就業規則の整備などです。成果目標として、36協定の労働時間短縮や有給休暇制度の導入などが求められます。
支給額は対象経費の3/4(小規模事業者は4/5)で、取組内容や成果目標に応じて上限額が決まります。さらに、長時間労働が恒常化している事業者は、特例としてパソコンやタブレットの購入費用も助成対象となり、テレワーク環境構築に役立てられる可能性があります。
「クラウドPBX」の導入も助成金の対象に
「クラウドPBX」の導入も、助成金・補助金によっては対象になります。近年、テレワークの導入を進める企業が増え、それに伴ってクラウドPBXを導入する企業が増えています。導入コストを抑えられるため、テレワーク環境を整備するなら制度の活用がおすすめです。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置していた電話交換機(PBX)をクラウド上で提供するサービスです。従来のビジネスフォンでは、電話業務はオフィス内に縛られていました。しかし、クラウドPBXは自宅や外出先からでも、オフィスにいるのと同じように電話業務を行えます。いつでもどこでも使えるため、テレワークの推進に直結するシステムです。
テレワーク環境下では、クラウドPBXには以下のような利便性があります。
・社員側
自宅や外出先でも会社の番号で発着信できるため、顧客とのやり取りに安心感があります。電話を取り次ぐためにわざわざ出社する必要がなく、場所を選ばずに働けます。
・企業側
電話当番の負担を減らせるほか、IVR(自動音声応答)や通話録音、着信履歴の共有などにより、電話対応を複数人で分担しやすくなります。応対品質の均一化や顧客満足度の向上にもつながります。
このようにクラウドPBXは、社員にとっても企業にとっても使いやすく、テレワーク環境における電話体制を強力に支える仕組みといえます。
【具体例】テレワークトータルサポート助成金の場合
テレワークトータルサポート助成金は、東京都が実施する中堅・中小企業向けの制度です。テレワークの導入から定着までを支援し、機器の導入や環境整備にかかる費用を助成します。
申請には、まず東京都が設ける「テレワーク相談窓口」の利用が必須です。窓口でコンサルティングや制度の案内を受けたうえで、助成金の申請手続きに進む流れとなります。
なお、どのような費用が対象となるかなど詳細については、募集要項を確認のうえ、事務局にお問い合わせください。
助成金活用における注意点
助成金や補助金を活用する際には、いくつかの注意点があります。
・対象となるツールかどうかを必ず確認する必要があります。例えば、IT導入補助金では全てのクラウドPBXが対象ではありません。登録された「IT導入支援事業者」が提供する承認済みサービスだけが補助対象です。
・申請から受給までの手続きには、事前申請や実績報告などのステップがあります。条件や提出書類に不備があると支給されないため、流れを理解して計画的に進めることが重要です。
・助成金の多くは年度ごとに内容が見直されるため、最新情報を確認することも欠かせません。
このように、制度を上手に活用するには「正しい進め方」と「事前の計画」が大切です。
クラウドPBXを導入するなら「03plus」がおすすめ

クラウドPBXの導入を検討するなら、手軽で実用的な「03plus」がおすすめです。
03plusは、全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得でき、スマホ専用アプリを入れるだけでオフィスの代表番号を使った発着信や内線通話ができるサービスです。従来のビジネスフォンでは電話業務がオフィス内に縛られていましたが、03plusなら自宅や外出先からでもスムーズに電話対応できます。
テレワークにおける大きな利点は、社員が持ち回りで「電話番」をする必要がなくなることです。03plusならば在宅勤務中でも代表番号からの着信をチーム全員で共有でき、誰も出られないといった事態を防げます。また、自宅にいてもオフィスと同じ番号で発信できるため、取引先に余計な不安を与えません。結果として、顧客対応の質を保ちながら働き方の柔軟性を高められます。
さらに03plusには、IVR(自動音声応答)や通話録音、着信ポップアップなどの機能を使えば、業務の効率化や対応漏れ防止にもつながります。留守番電話や時間外アナウンスを設定すれば、営業時間外でも安心です。少人数の企業にとっては、こうした仕組みが「人手不足をカバーする仕組み」として大きな助けとなります。
料金は月額1,280円からと低コストで、初期費用も抑えられます。中小企業や個人事業主でも無理なく導入でき、テレワーク環境を整える第一歩として最適です。
テレワーク時代の電話対応を支えるツールとして、03plusの導入をご検討ください。
まとめ
今回は、クラウドPBX導入に活用できる助成金について解説しました。
助成金とは、国や自治体が企業の取り組みを後押しするために費用の一部を支援する制度です。返済の必要がないため、導入コストを抑えて新しい仕組みを取り入れたい企業にとって有効な手段となります。
助成金にはさまざまなものがありますが、記事内で紹介した人材確保等支援助成金やIT導入補助金などは、クラウドPBXやテレワーク環境の整備に活用できます。ただし、対象となるツールの指定や事前申請、報告義務などがあるため、制度を利用する際は最新情報を確認し、計画的に進めましょう。
クラウドPBXは、オフィス外からでも代表番号での発着信や内線通話が可能で、テレワーク推進に直結するシステムです。特に「03plus」は低コストで導入できて、便利な機能もそろい、テレワーク環境構築に向いているサービスです。クラウドPBX導入をご検討なら、ぜひ03plusをお選びください。
