オフィスの電話業務を支えるビジネスフォン、その中核となるのが「主装置」です。
ビジネスフォンそのものは知っていても、「主装置とは何か？」「PBXと何が違うのか？」「どう選べば良いの？」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、ビジネスフォンの主装置の役割や仕組み、PBXとの違い、選び方のポイントまで分かりやすく解説します。さらに、近年注目されているクラウドPBXについても紹介します。
ビジネスフォンの主装置とは
ビジネスフォンの主装置とは、オフィス内の複数の電話機と電話回線を接続し、外線や内線の発着信を一元的に制御する装置のことです。ビジネスフォンを導入する際に不可欠な機器であり、主装置を通じて内線通話や外線の共有利用ができるようになります。また、保留転送や同時着信などの便利な機能も備えているため、日々の業務を効率化し、スムーズなコミュニケーションを実現します。
ここでは、そんなビジネスフォンの主装置の仕組みや役割、価格の目安、耐用年数、PBXとの違いについて解説します。
ビジネスフォンの主装置の仕組み
ビジネスフォンの主装置は、オフィスの全ての通話やFAXなどの通信を一元的に集約・制御する装置です。
主装置の内部には「ユニット」と呼ばれる基板があり、外線や内線の制御や、さまざまな機能拡張の役割を担っています。主装置には、電話会社の回線や専用電話機、コードレスフォン、FAX機器などの通信機器が接続され、これらの設定や制御は全てユニットを通じて行われます。つまりユニットは、主装置の頭脳のような存在で、複数の電話機を効率よく運用したり、同時に複数の発着信を管理したりすることを可能にしているわけです。
主装置はユニットという頭脳によって通信を制御しているため、万が一主装置が故障すれば、オフィス全体の電話業務に支障が生じるおそれがあります。ビジネスフォンシステムを円滑に運用するためにも、主装置の安定稼働は欠かせません。
ビジネスフォンの主装置の役割
ビジネスフォンの主装置には、大きく分けて「通信制御」と「機能拡張」という2つの役割があります。
・通信制御
主装置は、オフィス内の複数の電話機や回線を一元的に管理し、外線や内線の発着信を制御します。外線の着信を担当者の電話機に振り分けたり、内線通話を指定の番号に接続したりと、スムーズな通信を実現する中核的な機能です。
・機能拡張
主装置には拡張基盤を搭載でき、必要に応じて外線や内線の数を増やしたり、留守番電話などの機能を追加したりできます。これにより、オフィスの規模や業務内容に合わせた柔軟な運用が可能になります。
このように、主装置は「通信制御」と「機能拡張」の両方を担い、ビジネスフォンシステム全体の通信を管理しています。つまり、主装置はビジネスフォンにおける司令塔ともいえる存在です。
ビジネスフォンの主装置の価格
ビジネスフォンの主装置は、対応できる電話機の台数や外線・内線の回線数によっていくつかのサイズに分類されており、価格も異なります。主なサイズごとの特徴と価格相場は以下の通りです。
・SSサイズ：10万円前後（5人程度の小規模オフィス向け）
・Sサイズ：15万円前後（6～15人の小規模オフィス向け）
・Mサイズ：30万円前後（16～50人の中規模オフィス向け）
・Lサイズ：50万円以上（51人以上の大規模オフィス・コールセンター向け）
また、主装置は基本的に同じメーカーの電話機とセットで使用する必要があります。接続する電話機の台数が多いほどコストも高くなるため、自社の規模や用途に合わせて選ぶことが大切です。
ビジネスフォンの主装置の耐用年数
ビジネスフォンの主装置の法定耐用年数は、新品購入の場合6年と定められています。これは税務上の資産価値を示す年数であり、6年で必ず故障するわけではありません。実際には、メンテナンスをしっかり行えば6年以上使い続けることも可能です。
ただし、主装置の部品は製造終了から7年までしか供給されません。そのため、古いモデルを長期間使い続けている場合、万が一故障した際に修理が難しくなります。
また、中古の主装置には法定耐用年数は適用されません。年式や保管状況によっては故障リスクが高まるため注意が必要です。
主装置とPBXの違い
主装置とよく似た機器として、PBX（Private Branch Exchange：構内交換機）があります。どちらも外線・内線の通信を制御する装置ですが、主に導入規模や機能面で違いがあります。
・主装置
主装置は、専用の電話交換機を使って外線・内線の通信を制御する装置で、主に小～中規模オフィス（数十人程度）向けに利用されます。基本的な電話機能に特化しており、導入コストが比較的低いのが特徴です。必要最小限の機能で十分な場合や、電話回線や内線の台数が限られているオフィスに適しています。
・PBX
PBX（Private Branch Exchange）は、コンピュータシステムによって外線・内線の通信を高度に管理できる装置で、中～大規模オフィス（数百人～数千人規模）向けに利用されます。CTI（電話とコンピュータの統合）連携やコールセンター機能など、多彩で高度な機能を搭載している点が特徴です。導入費用は高額ですが、拡張性や多機能性に優れており、長期的にはコストメリットを得られる場合もあります。
主装置とPBXのどちらを選ぶかは、オフィスの規模や必要な機能、予算に合わせて検討することが大切です。
ビジネスフォンの主装置の選び方
ビジネスフォンの主装置を選ぶ際は、自社の規模や利用環境、必要な機能に合ったモデルを選ぶことが大切です。ここでは、主装置選びで特に重視すべきポイントを順に解説します。
接続端末台数
主装置を選ぶ際は、何台の電話機や周辺機器を接続できるかを必ず確認しましょう。
主装置ごとに対応できる端末台数は異なります。そのため、現在の従業員数や利用状況だけでなく、今後の事業拡大や一時的な増員も見据えて「必要な接続台数」を検討しましょう。
例えば、今後事業拡大やキャンペーンで増員を予定している場合、余裕を持った台数に対応できる主装置を選ぶと安心です。
外線数
主装置を選ぶ際は、同時に通話できる外線数（回線数・チャネル数）も重要です。数が足りないと電話がつながりにくくなり、業務に支障が出てしまうためです。
まずは現在の利用状況や将来の拡大も考慮して、余裕を持った外線数を選びましょう。一度設置すると増減が難しいため、拡張性も重視してください。ただし、必要以上に回線を契約すると無駄なコストにつながるので注意しましょう。一般的にはスタッフ数の3分の1程度が目安とされています。
機能・拡張性
主装置を選ぶ際は、標準機能だけでなく、どのような拡張機能やカスタマイズが可能かも確認しましょう。
前述のとおり、主装置には「ユニット」と呼ばれる基板を追加・交換することで、機能を柔軟に拡張できます。ユニットには次のような種類があります。
・外線ユニット（外線数の増設）
・内線ユニット（内線数の増設）
・ボイスメールユニット（留守番電話機能の追加）
・CTIユニット（パソコンとの連携、顧客情報表示）
・構内放送ユニット（社内アナウンスや一斉呼び出し機能の追加）
ユニットの追加にはコストがかかり、主装置ごとに上限もあります。将来的な事業拡大や業務内容の変化も見据え、必要な機能と拡張性をよく検討して選びましょう。導入前に、自社の業務で本当に必要な機能をリストアップしておくと安心です。
価格
主装置を選ぶ際は、価格も重要なポイントです。
中規模クラスの新品主装置は30万円程度が相場ですが、コストを抑えたい場合は中古品やリース、レンタルも選択肢になります。
中古の主装置は小規模向けで数万円、大規模向けで数十万円が相場。初期費用は安いものの、保証が短く故障リスクも高めで、修理部品が手に入らない場合もあります。
リースは月額料金で最新機種を利用でき、初期費用を抑えられますが、途中解約ができず総額は高くなりがちです。
レンタルは初期費用不要で途中解約も可能ですが、最新機種を選びにくく長期利用だと割高になる点に注意が必要です。
自社の予算や運用方針に合わせて、最適な導入方法を選びましょう。
ビジネスフォンよりも便利なクラウドPBXとは
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置していた主装置（PBX）の機能をクラウド上で提供し、インターネットを通じてビジネスフォン環境を構築できるシステムです。
従来のビジネスフォンでは、主装置や電話機の設置、配線工事が必要でしたが、クラウドPBXなら専用機器や大がかりな工事は不要です。また、スマートフォンやパソコンでも会社の電話番号を利用できるため、オフィスに縛られることなく内線や転送などの機能を柔軟に使えます。拠点の増減やレイアウト変更にも対応しやすく、働き方の多様化やコスト削減にもつながるのが大きな特徴です。
こうした特徴から、クラウドPBXは従来型のビジネスフォンよりも柔軟で利便性の高い選択肢として、多くの企業で導入が進んでいます。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXには、従来のビジネスフォンとさまざまな点で違いがあります。ここでは、クラウドPBXを導入することで得られる主なメリットについて解説します。
設置工事が不要
設置工事が不要であることは、クラウドPBXの大きなメリットです。
従来のビジネスフォンでは、主装置や電話機の設置、複雑な配線工事が必要でした。しかし、クラウドPBXはインターネット経由でサービスを利用できるため、こうした工事や機器の準備が不要です。導入までの期間・手間や初期費用を大幅に抑えることができ、手軽にビジネスフォン環境を整えられます。
低コストで利用できる
クラウドPBXは、従来のビジネスフォンに比べて初期費用や運用コストを抑えやすいのがメリットです。
まず、主装置や専用機器の購入・設置工事が不要なため、導入時の負担を大幅に軽減できます。
さらに、多くのクラウドPBXサービスでは通話料金が安価に設定されています。例えば03plusなら「10分かけ放題」オプションの利用で、毎月の通話コストを大きく抑えることが可能です。
加えて、メンテナンスや修理はサービス提供会社が対応するため、ユーザー側で追加の費用や手間がかかりません。機器の入れ替えやバージョンアップもクラウド側で完結するため、運用負担を抑えながら快適な電話環境を維持できます。
電話業務の効率アップにつながる
電話業務の効率アップを図れることも、クラウドPBXのメリットです。
クラウドPBXはサービスごとにさまざまな機能があります。例えば、IVR（自動音声応答）や着信の自動振り分け、通話履歴の自動保存、スマートフォンとの連携などがあります。こうした多彩な機能を活用すれば、着信対応や内線通話の自動化・効率化・社員の負担軽減などを実現可能です。
オフィス外でも会社の電話番号で通話できる
オフィス外でも会社の代表番号で発着信できることも、クラウドPBXのメリットです。
スマホやパソコンからでも会社番号での通話ができるため、出張先や在宅勤務中でもオフィスと同じように電話業務を行うことができます。また、発信時に会社の番号が表示されることで、顧客や取引先にも信頼感を持ってもらいやすく、相手にも出てもらいやすい点も大きなメリットです。
オフィス外でも内線通話できる
オフィス外でも内線通話でコミュニケーションを取れることは、クラウドPBXのメリットです。
従来のビジネスフォンでは、内線通話はオフィス内に限られており、外出中や在宅勤務中は利用できません。一方クラウドPBXなら、出張先や自宅でもスマホやパソコンを使って内線通話が可能です。外出中のスタッフや離れた拠点間であっても、スムーズに連絡や情報共有できます。
クラウドPBXなら03plus
ビジネスフォンよりも便利なクラウドPBXをお探しなら、03plusがおすすめです。
03plusは、主要46局の市外局番付き電話番号を取得でき、スマホから会社番号で発着信が可能。外出先やテレワークでも、オフィスと同じように電話業務を行えるため、業務効率化やコスト削減、顧客満足度向上を実現できるサービスです。
03plusはクラウドPBXとして、さまざまな機能を利用できます。
・IVR（自動音声応答）：着信時に自動音声で案内し、発信者の選択に応じて担当部署や担当者へ自動で振り分け
・通話録音：通話内容を自動で録音し、後から内容を確認
・Web電話帳：連絡先をクラウドで一元管理でき、発信・着信履歴もすぐに確認
・クラウドFAX：FAX機器なしでインターネット経由のFAX送受信が可能。スマホで撮影した書類もそのまま送信
・着信ポップアップ：着信時に発信者情報や通話履歴を自動表示し、迅速な対応をサポート
・内線通話や転送、番号ポータビリティ対応など、柔軟な働き方を支える機能も充実
料金は、電話番号1つ付きの1 IDで月額1,280円（税抜）から。10分かけ放題オプション（月額1,000円）を利用すれば、1通話10分以内の国内通話が何度でも無料です。
従来のビジネスフォンからクラウドPBXへ移行して、より柔軟で効率的な電話環境を実現したい方は、ぜひ03plusをご検討ください。
まとめ
今回はビジネスフォンの主装置の役割や仕組み、選び方のポイント、そしてPBXとの違いについて解説しました。
主装置は、オフィスの複数の電話機や回線を一元管理し、内線・外線の発着信や便利な機能を支える中核的な存在です。選ぶ際は、接続できる端末台数や外線数、拡張性、価格など、自社の業務規模や今後の計画に合わせて見極めることが大切です。
しかし、従来のビジネスフォンにはオフィス設置の手間や高額な初期費用、管理・運用コストといった課題もあります。そのため、これからの電話環境を整えたい、一新したいとお考えならば、クラウドPBXがおすすめです。クラウドPBXなら、スマホやパソコンでも会社番号を使え、場所を問わず柔軟に電話業務が行えます。IVRや通話録音、クラウドFAXなど多彩な機能も充実しており、業務効率化やコスト削減も実現可能です。
クラウドPBXの導入をご検討なら、ぜひ03plusをお選びください。
