【テレワーク】導入前に押さえておきたいポイント3つ

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テレワークへの関心は、すでに2010年代に入るころから広い範囲で向けられていましたが、その関心が本格的な導入にまで至るケースはごく限られていました。

しかしここにきて需要の増加や社会状況の変化もあり急速な勢いで導入が図られるようになっています。

しかしその一方で、導入を急ぐあまり環境の整備が不十分になってしまうことも多く、とりあえず導入してみたはいいもののデメリットばかりが表面化してしまう事態もおこっています。

テレワークとは何なのか、どのようなことができるのかをよく踏まえたうえでの検討と導入が欠かせません。

今回は、テレワークの導入に向けて押さえておきたいポイントを、特に重要な3点に絞ってご紹介します。

 

テレワークとは 

テレワークとは、離れたところ(tele)で働く(work)ことを意味します。

在宅勤務とイコールで扱われることもありますが、実際にはこの「離れたところ」にはさまざまな選択肢があります。

例えば出張先や移動中のモバイルワーク、さらにはサテライトオフィスやレンタルオフィスでの勤務なども、テレワークの定義の中に該当します。

 

テレワークが広まっている背景には、Web環境と通信環境の進歩があります。

メールやチャットを使って離れた所にいる人同士が連絡を取りやすいこと、データや資料のやり取りも簡単にできること、さらにはクラウド化によって会社の資料やデータを複数の人が共有できるなど、さまざまな環境が整ったことが、テレワーク推進の原動力となっているのです。

 

テレワークの導入前におさえておくポイント 

テレワークを導入するにあたっては、さまざまな側面での準備を進めていく必要があります。

ツールやデバイスなどの環境を整備すれば大丈夫というものではなく、成果の測り方や人事評価、などの面もテレワークに合わせて見直しが必要です。

そこで今回は、

・評価基準の見直しや成果の見える化 

・テレワーク可能な仕事、そうでない仕事の切り分け

・デバイスの準備やコミュニケーションツール導入などの環境整備

の3点に分けて、ポイントをご紹介します。

 

評価基準や成果の見える化 

企業側から見たテレワークの大きな課題点のひとつが、評価基準の見直しの必要性や、成果が見えにくくなる点です。

労働時間を基準にして従業員を評価するのが難しくなる以上、成果がおもな基準となります。

しかしこの成果とはどのようなものを言うのでしょうか。営業のような成果が数字で表れやすい職種はともかく、事務職やエンジニア職などなかなか成果が見えにくい職種の場合、どうやって評価をすればよいのでしょう。

テレワークを全面的に導入する前に、この点を明確にしておかないと従業員の間で不公平感が生じたり、モチベーションの低下を引き起こすといった問題を起こしかねません。

数字に表れやすい職種ばかりが評価され、表れにくい職種はなかなか評価されない。そんな環境では優秀な人材が流出してしまうだけでなく、せっかく優秀な人材を獲得しても十分に活かせない可能性も出てきます。

各自の成果をどのように見ていくかを明確化し、それに合わせた評価基準を設けることが必要です。

 

現状の仕事の分類 

テレワークの全面的な導入を阻んでいるもうひとつのハードルが、仕事内容によって向き・不向きが出てくる点です。

「来月からテレワークを導入します」と一斉にスタートを切ろうすると、スムーズに移行できる分野とたちまち業務に支障をきたしてしまう分野が出てくるのです。

そのため、現状における会社の仕事の中でテレワークがすぐに導入・実施できるものと、しかるべき対策を行えば実施が可能なもの、どんな対策を施そうとも全面的な導入ができないものをしっかり分けたうえでそれぞれに相応しい環境を用意する必要があります。

企業ごとに内実は異なりますのであくまでも例ですが、即実施が可能なものとしては、事務職、エンジニア職、クリエイティブ関連職、管理職などが挙げられます。

また、対策後に実施が可能な分野としては営業職などが挙げられるでしょう。営業の場合は社内の環境だけでなく、顧客や取引先の理解を得るといった対策も欠かせません。

一方で、テレワークの実施が不可なものの筆頭は製造業、それから物流や販売業、店舗での接客業が挙げられるでしょう。

ただ、一部テレワークを導入することで作業の効率化が可能な部分もあります。物流などはネットワークシステムの導入による管理がすでに進んでいますし、製造業も現場と管理する部署の連携をテレワークも含めたITの活用を推進することで効率的な運用が可能になります。

つまり、テレワークの実施が難しい分野を切り離すのではなく、テレワークが実施可能な分野とどううまく連携させていくことができるかも考慮していく必要があるわけです。

 

デバイスの準備や連携方法の明確化 

テレワーク時でも円滑に業務を進められるよう、デバイスの準備は必須です。それだけでなく、どのような形で連携するのかを明確に定めておくことも大切です。

まずはデバイスの準備について。

テレワークを行う場合、従業員は自宅などで業務を行うことになるため、PCなどの機材や、安定したインターネット環境が必要になります。

すでに従業員に対してノートPCなどを支給している場合は問題ありませんが、そうではない場合は、従業員の私物PCの利用を許可するかなど、慎重な検討が必要です。

インターネット環境についても同様で、人によっては自宅に固定回線がないなど、環境の違いがあるでしょう。モバイルルーターの支給などが必要となる可能性もあります。

 

次に、従業員間の連携方法についても、ツールを導入するなど整備を進めましょう。

Web会議ツールやチャットツールなど、コミュニケーションに関するものは特に重要で、テレワーク中も現場の業務がしっかりと回るよう、環境を整えておく必要があります。

その他にも、クラウドストレージやタスク管理ツール、スケジュール管理ツールなど、遠隔地間にいながらも業務の状況を把握し、プロジェクトが円滑に進められるような体制を整えましょう。

 

テレワーク実施可能な仕事範囲の拡大のために 

さきほども触れましたが、いち企業内においても、すぐにテレワークが導入可能な領域と、そうではない領域とが存在します。

では、テレワークが実施できる領域を拡大していくためには、どのような対策が必要なのでしょうか。

 

業務ツールの導入 

対策として役立てたいのが業務ツールの導入です。

近年、特に注目されているのが、リアルタイムで映像で会議ができるオンライン会議ツールです。

複数の人間が集まって同一の画面上で会議をすることができるため、わざわざ会議のために出社する必要もありません。

また、リアルタイムで相手の顔を見ながらコミュニケーションや確認ができるので、それぞれが離れたところで業務をこなすテレワークのデメリットを最小限に抑えることができます。

この会議システムのほかにも電話での取次ぎや問い合わせをスムーズに行うことができるツールやアプリ、セキュリティを強化するためのサービス・ツールなどもテレワークの環境を整えるのに役立ちます。

 

使いやすさ・サポート体制も要チェック 

こうした業務用ツールは優れた機能を備えているのはもちろんですが、使いやすさも重要です。

従業員全員がWebやITの活用に慣れているわけではありません。物心ついたときからパソコンやネットが身近にあった20代、30代に比べて40代、50代の世代は扱うのに慣れていないこともしばしばです。

いくら現場で働く若いスタッフが業務用ツールやシステム、アプリケーションを使いこなしてテレワークを行っていても、管理職の世代がうまく使いこなせないとうまく機能しないといった問題も出てきます。

ですから機能が良いかどうかだけでなく、その優れた機能をわかりやすく使えるかどうかも重要なポイントとなってくるのです。

 

また、もうひとつ重要となるのは、従業員が使っているパソコンやスマホの性能や環境に左右されないかどうか。

もし従業員がそれぞれ使っているパソコンに性能差がある場合、ある従業員は快適に使えるツールも、別の従業員は動作が重くて使いにくいといった問題も出てきます。

テレワークでは同一のツールやシステムを同じ部署で働く従業員全員が共有する形で使うのが前提となりますから、全員にとって使いやすいツールを選ぶことが欠かせないのです。

 

そして、使いやすさにも関係しますが、各ツールについてサポート体制が充実しているかどうかもチェックしておくべきポイントです。

テレワークの場合、導入したツールやシステムに依存してしまう面も出てきますから、万一何らかの不具合でシステムが使えない状態になってしまうと、業務全体がストップしてしまうリスクも出てきます。

こういった場合に、素早く対応してもらえるかどうかは重要です。

また、トラブルの場合以外にも、導入初期の段階でツールについて習得するために、マニュアルや使い方の解説などが充実しているものを選ぶようにしましょう。

 

手軽に導入できる!代表的な業務ツール 

では手軽に導入できるうえにテレワークに役立つ業務ツールにはどのようなものがあるのでしょうか。

いくつか代表的なツールについてご紹介します。

 

電話用ツール 

テレワークの問題点のひとつに、顧客や取引先から会社電話がかかってきた際に、どう対応するかという点が挙げられます。

電話対応のために会社に誰かを出社させるのかという点や、担当者はどのように折り返し連絡をするかといった点について、対策が必要となります。

解決策として有効なのが、電話ツールです。

電話ツールを使うことで、例えば各従業員の所有するスマホで自社の固定電話番号を使えるようになったり、会社にかかってきた電話に対して誰でもスマホから対応できるようになったりと、テレワーク中でも出社時と変わらないような使用感で電話を使うことができるようになります。

 

コミュニケーションツール 

続いて、コミュニケーションツール。

これは次にご紹介する会議用ツールと、メールやチャットなど文章をメインにやりとりするツールの2つに分けられます。

後者のメールツール・チャットツールは、日々のコミュニケーションの中でかなり多用するツールになりますので、細かい部分の使い勝手がかなり重要になります。

やり取りのしやすさ、会話の流れの追いやすさなど、コミュニケーションを円滑にすすめることができるか、しっかりと確認しましょう。

現場の従業員が問題なく扱えるか検証するために、本格的な導入の前に、テストとして小規模で試してみることをおすすめします。

 

会議用ツール 

前の章でもご紹介しましたが、オンライン上でリアルタイムに参加者同士が顔を合わせて会議ができる会議用ツールも、テレワーク時におすすめです。

現在では非常に多くの種類のツールが出ており、それぞれ参加可能人数や参加方法などに違いが見られます。

自社の利用方法についてあらかじめ検討し、それに見合ったツールを選ぶようにしましょう。

 

個人携帯で法人の電話番号を使える03plus 

テレワークの導入における電話の対策に役立つのが03plusです。

これはスマホで利用できるアプリケーションで、スマホの番号に加えて固定電話の番号を持つことができるのが最大の特徴です。

テレワークではむしろ携帯電話での連絡が基本になるだけに、スマホで固定電話から連絡する環境を用意できるのは大きなメリットとなるでしょう。

 

もうひとつのポイントが、会社の代表番号を複数のアカウントで利用できる点です。

代表番号に連絡が来たときには、共有しているスマホで誰でも応答することが可能です。

そのため、番号の段階で相手がわかる場合には担当者が直接出ることもできるので、取り次ぎなどの手間を省くことができます。

また、着信履歴から電話をかける場合には代表電話の番号でかける形になるので、先方にどこからの着信なのかを理解してもらいやすくなります。

さらにパーク保留、つまり通話中に保留を使うと別の端末に引き継がせて通話をすることも可能です。

担当者とは別の人が電話を受けた場合でも、この機能を使うことでスムーズに担当者に取り次ぐことができるのです。

 

まとめ

ご紹介してきたように、テレワークの導入には、まずは相応しい環境を用意するところからはじめる必要があります。

必要なデバイスや業務用ツールといったWeb・IT関連の環境を整えるだけでなく、テレワークを行う従業員全員が快適に使いこなすことができるよう、環境づくりの段階からしっかりと準備を進めていく必要があります。

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