テレワークで必要となるシステムとは?導入のポイントも解説

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テレワークを導入しようと決めたものの、いざ準備を始めた時にどのようなシステムを選べばいいか、どう運用していけばいいかと悩んでしまったことはありませんか。

テレワークに関連するシステムは多数ありますので、選択していくのは意外に大変な作業です。

システム選びの前に、自社で必要としているのはどのような機能なのか、どうやって運用していくかをあらかじめ決めていれば進めやすくなるのではないでしょうか。

そこで本記事ではテレワークで必要となるシステムとはどのようなものか、導入のポイントと併せて解説します。

 

テレワーク・在宅勤務とは?

テレワークや在宅勤務という言葉をよく見聞きし、時には口にも出すことがあると思いますが、そもそも言葉の意味や違いをご存じでしょうか。

厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」によると、テレワークには大きく分けて以下の3つの種類があります。

 

  • 在宅勤務

社員が自宅で就業する

  • モバイル勤務

会社の取引先のオフィス内、移動途中のカフェなどで業務に取り組む

  • サテライトオフィス勤務

コワーキングスペースやサテライトオフィスで仕事をする

 

在宅勤務は、3つあるテレワークの種類のうちの1つということです。

在宅勤務は、ほかの2つのテレワーク方法と違って、生活の拠点である自宅を仕事にも使える環境に整える必要があるので、簡単そうに見えて実は難しい点もあります。

しかし、ITを活用したさまざまなシステムを利用すれば、テレワーク環境を整えていくことが可能です。

 

テレワークで必要となるシステムとは

テレワークで必要となる具体的なシステムについて、運用面も加味しながらご紹介します。

自社でどのように運用していくといいか、イメージしながら検討してみましょう。

 

コミュニケーション

「テレワークでコミュニケーションを図る」と耳にして想像するのはWebミーティングではないでしょうか。

直接対面はしないけれど、相手の表情を見ながら話し合うことができます。

テレワークを実施する会社が増えてきて、最も有名になったウェブミーティングのシステムの1つといえば「Zoom(ズーム)」。

Zoomの無料版では、最大100人まで参加する会議を開くことができます。

但し、無料版は40分と時間制限があることには注意しましょう。

有料版には複数のプランが設定されており、最大で1,000人が参加する会議やセミナーを開催することも可能です。

Zoom以外にもWebミーティングができるシステムは「Whereby」「Skype」「Google Meet」「Microsoft Teams」などがあります。

 

ウェブミーティングによるコミュニケーション以外にも、チャットで意思疎通を図る方法もあります。

チャットはメールのように格式張った表現を省いて、手軽に連絡を取ることができます。

即座に回答を求めるような内容ではなく、業務に就いたタイミングなどにやりとりができればいいというような、回答に比較的時間が掛かってもいい内容に向いているといえます。

有名なチャットは「Slack(スラック)」です。

特徴は、社内のプロジェクトごとにチャンネルを作成できることです。

プロジェクトを多く抱える会社や、1人で複数のプロジェクトに関わっている人には使いやすいでしょう。プロジェクトごとに連絡が入ってくるため、新着メッセージの見逃しなどを防ぐことができます。

チャットのシステムはほかにも「Chatwork」などがあり、ウェブミーティングのシステムでも紹介した「Microsoft Teams」もチャット機能を備えています。

テレワークで何人の社員とコミュニケーションと図るのか、時間を合わせてミーティングをする必要があるのか、文字ベースで連絡する方法がいいのか考えて、必要要件によってシステムを選択するようにしましょう。

 

業務効率化

ほかの社員とコミュニケーションを図りながらテレワークで作業を進めたら、その成果を共有する必要が出てきます。

書類作成や設計、デザイン制作のような業務の場合、そのデータを収めた後に、さらに別の行程が待っています。

データの受け渡し場所として、ストレージサービスの利用は必須です。

テレワークで社外のPCからストレージサービスにアクセスできるようにしておかなくてはなりませんが、部外者が社外秘のデータにアクセスしたり、ハッキングしたりすることを防ぐようなセキュリティ対策済みのシステムを採用しましょう。

利用者にアクセス制限を設定することができ、セキュリティブロックなどの設定も行えるようなシステムがあります。

ストレージサービスでは「Googleドライブ」が有名です。

「Googleドライブ」では格納した書類データをダウンロードして書類作成ソフトで開くようなことをせずとも、オンライン上で編集できる「Googleドキュメント」などの機能も併用できるので、書類作成を効率よく進めることができます。

ストレージサービスは、ほかにもMicrosoft社が提供する「OneDrive」のほか、「Dropbox」なども知られています。

ストレージサービスは無料でも利用できますが、無料版では利用できる容量に差があります。有料版は、料金や容量がサービスごとに異なるので、自社に必要な容量を確認しておきましょう。

 

マネジメント

自宅でテレワークをしている社員がいる場合、勤務状況を確認するのは難しいですが、小まめに状況確認を行ってしまうと、社員の業務を妨げることになってしまいます。

適度に労働時間を管理し、作業状況を確認していきましょう。

社員の勤怠管理や評価をすることができるITを使ったシステムが存在します。

PCやモバイル端末、スマートフォンのアプリケーションなど、さまざまな方法を用いてリアルタイムで出退勤が打刻できるシステムや、社員のPC画面のスクリーンショットを定期的に撮って勤務状況を把握できるシステムなどです。

雇用保険や社会保険などの書類を作成システムや、タイムカードの打刻がリアルタイムで把握できるシステム、給与計算を自動計算するシステムなどもありますので、総務担当者もテレワークすることが可能です。

人気のシステムは「ジョブカン」「人事労務 freee」などです。

 

セキュリティ

会社のPCを持ち帰って自宅でテレワークをする場合、セキュリティ対策としてVPNシステムを用いる場合が多くあります。

VPNとは(Virtual Private Network)の略で、仮想の専用線という意味です。

VPNは、遠く離れた場所にあるLAN(Local Area Network)に接続する時に使われる技術です。

VPNを用いれば、いつも社内で利用している業務システムを使ったり、ファイルサーバーにアクセスしたりできます。

複数の拠点を持つ会社が、本社と支社でデータをやりとりする時などにVPNのシステムが利用されていましたが、昨今のテレワークの普及で会社のPCを持ち出す場合や、個人が所有しているPCなどとの接続にも使われることが多くなってきました。

インターネット上の盗聴を防ぐため、暗号化した通信を行うことが可能なのもVPNの大きな特徴といえます。

無料のVPNシステムもありますが、収入源は広告収入をはじめ、個人情報や行動履歴の収集・転売です。

VPNのシステムはセキュリティ対策として導入するものなので、安心して利用できるものを選びたいですね。

富士ゼロックス株式会社の「beat」など、VPNシステムはいくつもありますが、会社に合ったVPNシステムを見つけるための方法として、普段から社内で付き合いのあるITベンダーなどに相談してみてもよいでしょう。

 

内線通話・PBX

テレワーク中のコミュニケーション手段として、ウェブミーティングやチャットをご紹介しましたが、業務を進めるためにすぐに確認したいことが時にはありますね。

オフィス内の場合には内線電話などでさっと確認ができますが、テレワーク中にはITを使った電話システム「クラウドPBX(Private Branches Exchanger)」の利用をおすすめします。

クラウドの構内交換機という意味で、インターネット上で通話や内線、通話の転送などを行うことができるシステムです。

ITを使った内線電話のシステムには、IP電話機にインターネットをつないだ「IP電話」や、PCに専用ソフトをインストールしてIPネットワークと接続してPCで電話する「ソフトフォン」、スマートフォンのアプリでIP電話を利用する「IP電話アプリ」があります。

NTTドコモが法人向けシステムとして「オフィスリンク」を提供しているほか、全ての通話を自動録音し6カ月間保存する「INNOVERA」 など、さまざまなシステムがあります。

 

テレワーク関連システム、導入のポイント

テレワークに関連するシステムは多数あることが分かりました。

これらを導入するにあたって、テレワーク時に留意することについて社員間でルールを共有しておくことで、安全性を保ちながらシステムを最大限に活用し、継続して成果を出すことができます。

テレワーク関連システムを導入する時にポイントとなることを挙げていきます。

 

セキュリティ面の対策

セキュリティ対策が万全のシステムを採用しても、それを扱う社員のセキュリティ対策への意識が低ければ、情報流出のリスクを下げることは難しいでしょう。

テレワークの前に情報リテラシーやセキュリティなどについて学ぶ場を設けたり、テレワーク実施時にも定期的にセキュリティについて学ぶ時間を定期的に設定したりすることが大切です。

 

生産性を下げないための環境整備

テレワークのシステムを一度導入できたら終わりということではなく、実施前に目的やメリットについて共有しておくことも大切です。

さらに「どうしたら社内で働くのと同じくらいの生産性を上げられるか」など、社員間で話し合う機会を設け、時にはやり方を見直しながら環境を整備していきましょう。

 

制度の見直し

テレワークについて就業規則について設ける場合には、厚生労働省が「テレワークモデル就業規則〜作成の手引き〜」を用意していますので、参考にしてみましょう。

個人情報などを扱うシステムなどは特に、管理方法などのルールや制度を見直して、テレワーク環境下でも対応できるように変えておきましょう。

緊急事態に陥った時にどのように動いていくかを検討しておくことは、会社のBCP(事業継続計画)につながります。

この機会にしっかり備えておきましょう。

 

業務に必要な「電話」をクラウド化!おすすめの電話アプリとは?

先の「テレワークで必要となるシステムとは」で挙げた「クラウドPBX」は、自分の携帯電話を使って固定電話の番号の発着信が可能です。

多くの「クラウドPBX」は、スマートフォンのアプリケーションにも対応しています。 

専用のアプリケーションを提供している場合もあれば、汎用のIP電話アプリケーションを利用してクラウドPBXに接続するサービスもあります。 

Wi-Fiや4Gなどのインターネット環境さえ使用できれば「クラウドPBX」に接続することができるので、外出が多い社員であっても、いつでもどこでもアプリケーションから会社の電話番号での発着信が可能なのです。

 

スマホで固定電話が使える「03plus」

「クラウドPBX」の中でもスマートフォンのアプリケーションで固定電話が使え、テレワークにぴったりの内線機能も備えた「03plus」をご紹介します。

スマートフォンアプリの「03plus」は、市外局番入りの固定電話の電話番号を持つことができるサービスです。

会社の固定電話番号からの転送や、会社の番号をそのまま使える「番号ポータビリティ」にも対応しており、スマホアプリでその発着信が行なえます。

また、03plusでは代表番号をオプションで追加すれば、複数人で代表番号を使って発着信ができます。

さらに、複数契約していれば、応対している電話をいったん保留にしてほかの人の端末に取り次ぐことも可能です。複数契約をしていれば、アプリケーション同士で内線電話もできます。

複数契約と代表番号のオプションサービスを追加すれば、電話の相手はもちろん、テレワーク中の社員も違和感なく固定電話と同じ感覚で利用することができます。

 

まとめ

IT技術の進化により、テレワークをサポートするシステムが整ってきています。

テレワーク環境の整備に向けて、自社に必要なサービスについてしっかりと確認し、最適なものを選択し、導入を進めましょう。

うまく活用することができれば、オフィスに出勤せずとも、従来と変わらない生産性でビジネスを進めていくことができるでしょう。

 

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