コロナ禍でテレワークを取り入れる企業が急激に増えました。
ところで皆さん、テレワークをする環境は整っていますか。
特に、オンラインミーティングやオンライン商談が活発に行われる中、Wi-Fi(無線LAN)をはじめとするインターネット環境は必要不可欠でしょう。
今回は、テレワークで自宅や屋外でWi-Fiを利用する時の注意点についてお伝えします。
Wi-Fi環境について学びたい人、Wi-Fiのセキュリティについて不安がある人は参考にしてみてください。
目次
急速に広がるテレワーク
少子高齢化が進む中で、日本の労働人口は減少しています。
みずほ総合研究所株式会社は、このままだと40年後には日本の労働人口は40%減少するという予測を発表しました。
減少幅を少しでも抑えようと、政府は女性の社会での活躍推進や定年引上げなど、様々な施策を打ち出してきました。
テレワークなどの新しい働き方の推進もその一つです。
しかしこれまで、私たちの従来の働き方が急激に変わることはありませんでした。
ところが、新型コロナウィルスの国内流行を契機に、テレワークが一気に広がりました。
東京都が発表した「テレワーク導入実態調査結果」によると、テレワークを導入している・導入予定であると回答した企業は全体の約70%でした。
1年前の調査結果と比較すると、約35ポイント上昇しています。
このことから、感染防止対策のためにテレワークを導入した企業が増えたことがうかがえます。
コロナ禍の在宅勤務には問題も
在宅勤務をはじめ、テレワークはとても有効な感染防止対策です。
また、育児や介護などと仕事を両立したい人にとっても、働きやすい働き方だと期待されています。
通勤時間に使っていた時間も、自己研鑽や趣味の時間に充てられるので、ワークライフバランスを充実させることも可能です。
このように様々なメリットがあるテレワークですが、一方でデメリットもあるようです。
株式会社イードが実施した調査では、テレワークのデメリットとして以下のような回答が上位を占めました。
・対面で話せないので、十分なやりとりができない
・気持ちの切り替えがしづらく、集中できない
・仕事以外のことをしてしまい、仕事に集中でいない
・時間のメリハリがつかず、勤務時間外も働いてしまう
コミュニケーション不足や仕事に対するモチベーションの低下などが課題として窺えます。
自宅に家族がいる人は、テレワーク中に家族が話しかけてきたり、生活音が気になって集中できない場合もあるでしょう。
また、
・自宅の通信回線の遅さ
・会社のネットワークにアクセスが集中し、重い
など、インターネット環境を課題として挙げた人もいるようです。
自宅以外での仕事に便利な「公衆無線LAN」
自宅でテレワークをしても集中できない、オンオフの切り替えが難しい、自宅のWi-Fi環境が快適ではない、という人は、自宅以外の場所でテレワークをしてみるのも一つの手です。
自宅以外でテレワークができる場所として、以下のようなところがあります。
・カフェ
・コワーキングスペース、シェアオフィス
・レンタルオフィス
「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」は、作業や会議などのスペースを他のワーカーと共有できるスペースです。
基本的に個室ではなく、オープンスペースとなっています。
図書館のように誰でも無料で利用できるところもありますが、会員制で有料のところもあります。
大都市研究機構によると、国内のコワーキング施設数は5年間で約2.66倍に増えています。
一方で、「レンタルオフィス」は、他のワーカーと仕事場所を共有しますが、個室を利用できます。
JR東日本が主要な駅の構内にレンタルオフィスを設置するなど、身近なところでも見掛けるようになりました。
このように、自宅以外でもテレワークをできる場所はたくさんあります。
このような場所では、公衆Wi-Fiを完備している施設も多いです。
そのため、インターネットを利用したパソコン作業やオンラインでコミュニケーションをとることも可能です。
このように公衆Wi-Fiはとても便利ですが、一方で利用するにあたり注意点もあります。
お店や施設のWi-FI(無線LAN)利用の注意点とは?
Wi-Fi利用ができるお店や施設はたくさんあります。
さらに、総務省は災害時などに備えるために公衆Wi-Fiの整備・拡大に乗り出していて、今後公衆Wi-Fiはますます増えていくことが予想されます。
外でテレワークをするにあたり、公衆Wi-Fiはとても便利ですが、セキュリティ面での課題もあります。
総務省は「テレワークセキュリティに関する実態調査」を実施し、「テレワークを導入しない理由」について統計をとりました。
理由として、「テレワークに適した仕事がないから」が80%以上で他の回答と大差をつけて1位でしたが、「セキュリティが心配だから」という回答も上位にランクインしました。
警視庁が発表した、令和元年における不正アクセス行為の内、認知している件数は2,960件でした。
前年度と比較すると、約1,500件も増加しています。
特に、テレワークで使われる遠隔操作サービスが標的となるケースが増えているようです。
警視庁が認知していない分も含めると、もっと多い不正アクセスが行われている可能性があります。
Wi-Fiは有線LANとは異なり、通信範囲内にいる誰もが容易に接続できるリスクがあります。
そのため、悪意のある第三者に、企業の機密情報やパスワードを盗み取られる可能性もあります。
機密情報などの情報漏洩によって、企業の社会的信用を失うことになりかねません。
テレワーク中は特に万全なセキュリティ対策が必要です。
ここでは、テレワークでWi-Fiを利用する際の適切な対策を3つご紹介します。
アクセスポイントは正しい?接続前にかならずチェック
アクセスポイントとは、Wi-Fiの電波を送受信している設備のことです。
テレワークで公衆Wi-Fiを利用する際は、接続前にアクセスポイントを必ず確認しましょう。
Wi-Fiを利用できるスポットには、接続先のアクセスポイントが記載されたステッカーが貼ってあることがあります。
パソコン上に表示されるアクセスポイントと、ステッカーに記載されているアクセスポイントが一致していることを一文字ずつ確認しましょう。
そして、見知らぬアクセスポイントには絶対にアクセスしないようにしましょう。
また、Wi-Fiに接続する際に、メールアドレスやパスワードなどを求められることもあります。
この際も、正しい画面かどうか注意して見ましょう。
悪意のある第三者にが作成した偽の画面の可能性もあります。
もし判断が付かない場合は、Wi-Fiでの接続を諦めた方が良い時もあります。
Wi-Fi事業者が公式に提供する接続アプリでは、セキュリティ対策がなされています。
公式ではない接続アプリには信頼性の低いものがあります。
利用は控えた方が良いでしょう。
使用されているセキュリティを確認
公衆Wi-Fiを接続する時には、サービス利用に関わる同意事項が記載された画面が表示されることが多いです。
そこには、Wi-Fiのセキュリティについての記載があることもあります。
セキュリティは、「セキュリティなし」から「WEP」「WPA」「WPA2」「WPA3」の順で安全性が強化されています。
現在は「WPA2」が主流となっています。
しかし、公衆Wi-Fiの場合は「WPA2」でも安心できない場合があります。
「WPA2」の内、「WPA2パーソナル(WPA2-PSK)」という方式は、公衆Wi-Fiで使用する場合は比較的容易に通信内容を解読できてしまいます。
公衆Wi-Fiで「WPA2」を利用する場合は、より安全性の高い「WPA2エンタープライズ(WPA2-EAP)」や「WPA2-AKA(SIM認証)」をおすすめします。
HTTPS通信を利用しよう
URLの先頭が、「http」となっているものと「https」になっているものの2種類があることをご存知でしょうか。
端的にいうと、「http」から始まるWebサイトは情報が暗号化されていません。
一方で、「https」から始まるWebサイトは情報が暗号化されます。
そのため、HTTPS通信の方がより安全であると言えるでしょう。
HTTPS通信の場合、アドレスバーに鍵のマークが表示されるので、見分けの判断になります。
また、ブラウザに「!」マークや「保護されていない通信」と表示される場合は、通信の安全が確保されていません。
情報漏洩のリスクがあるので、このような場合は企業の大切な情報やデータを閲覧することは避けた方が良いでしょう。
さて、これまでご紹介した3つの注意点は、総務省が作成した「Wi-Fi利用者向け簡易マニュアル」に詳しく記載されています。
公衆Wi-Fi通信での被害の事例なども掲載されているので、こちらも是非確認してみてください。
自宅のWi−Fiにも注意点が!確認ポイントまとめ
テレワークで公衆Wi-Fiを利用する注意点についてお伝えしてきましたが、自宅のWi-Fiも100%安全とは言い切れません。
自宅のWi-Fiでも、電波が届く範囲であれば誰でも接続することができます。
そこで、自宅でのテレワーク時にWi-Fiを利用する際の、3つの注意点をお伝えします。
使用するセキュリティ方式
テレワークで公衆Wi-Fiに接続する場合は、セキュリティ方式を確認することが大切ですが、自宅のWi-Fiでセキュリティ方式を設定する際も、より安全性の高いものを選びましょう。
「セキュリティなし」はもちろん、「WEP」は今となってはセキュリティのための暗号が容易に解読されてしまうので、リスクがあるからです。
テレワークは会社の企業情報を扱うこともあるので、よりセキュリティが高い方式であるか確認しましょう。
初期のパスワードに注意!
Wi-Fiルータ本体には、IDと初期パスワードが記載されていることが多いです。
IDとパスワードを忘れた時に、Wi-Fiルータ本体に記載されていると便利ですが、第三者がその情報を記憶して悪用するリスクもあります。
対策として、初期パスワードは変更しておきましょう。
パスワードを新たに設定する場合は、文字と数字を組み合わせて、なるべくセキュリティ性の高いものにしておくと安心です。
(Wi-Fiのパスワードの変更方法は機種によって異なるため、詳しくは公式HPなどで確認してください。)
ファームウェアを最新に
ファームウェアとは、パソコンなどの電子機器に組み込まれた、制御用のプログラムのことです。
パソコンやスマートフォンなどのOSがアップデートされる頻度よりは少ないですが、ファームウェアでもアップデートを要求されることがあります。
ファームウェアの更新が要求される理由として、製品に大きな欠陥が見つかった場合などがあります。
ルーターにもファームウェアが組み込まれており、古いファームウェアを使用し続けていると、悪意のある第三者からの攻撃されるリスクがあります。
テレワークで使用するパソコン・ルーターなどのファームウェアは、必ず最新のものに更新しましょう。
まとめ
テレワークにおけるWi-Fiのセキュリティ対策についてお話してきましたが、最後に安心して使用できるIP電話サービス「03plus」をご紹介します。
「03plus」は固定電話番号をスマートフォンで利用できるサービスです。
社内通話が無料で、テレワーク中でも適応されます。
そのため、料金を気にすることなく、テレワーク中の社員でも上司や同僚・部下に頻繁に連絡をすることができます。
テレワーク中はコミュニケーションの量が不足しやすいですが、「03plus」なら気軽に連絡を取り合えるメリットがあります。
また、「03plus」で通話する際は専用のアプリから架電します。
アプリ開発時には、開発者が万全なセキュリティ対策をとるので、安心して使用することができます。
重要な顧客情報などを盗み聞かれる心配もありません。
「03plus」だけではなく、ある情報通信機器メーカーは、公衆Wi-Fiの業務利用サービスなど、テレワーク向けの顧客経営基盤をサポートするサービスを開始しています。
テレワークにおけるセキュリティ対策のビジネスの需要は、今後ますます増えてくるかもしれません。
コロナの国内流行を機に、緊急の対応として慌ててテレワークを導入した企業も少なくないのではないでしょうか。
前述したように、日本の労働人口は減少傾向です。
アフターコロナでも、新しい働き手を確保するためにも、テレワークがニューノーマルな働き方の代表となるかもしれません。
安心してテレワークが行えるように、再度Wi-Fiのセキュリティを見直してみませんか。