新型コロナウイルスの蔓延により急速に広がった働き方がテレワークです。
密閉・密集・密接の3つの密の回避が可能で、満員電車に乗らず在宅で働けるため、感染予防効果が期待できます。
一方で、社員が働いている様子が見ることができず、どのように評価するか迷うということもあるでしょう。
社員のパソコンを遠隔で監視したり、勤務時間中にずっとテレビ会議システムをつなげたりすることを検討している企業もあるのではないでしょうか。
社員が仕事をさぼっていないか確認でき、安心かもしれませんが、監視することには多くのデメリットが存在するでしょう。
この記事ではテレワーク中の監視を行うことのメリット、デメリットについて紹介します。
どのようにすれば、テレワーク中に過度な監視を行わず仕事を円滑に進めることができるのかも併せて解説します。
目次
テレワークは社員の様子が見えない
テレワーク中は社員の働いている様子を見ることができません。
そのため、仕事の成果が評価に直結します。
そこで隠れて残業を行ったり、休日出勤をしたりして成果をあげようという問題が発生するかもしれません。
また、テレワークで家で働いていることから、気が緩んで仕事をさぼる人がいるのではないだろうかという心配もあるでしょう。
そこで社員がさぼらず、テレワーク中でも緊張感を持って勤務ができるように社員を監視する方法があります。
テレワーク中の監視方法やメリット、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
テレワーク中の社員を「監視」すべき?
そもそも、テレワーク中の業務状況を把握するために監視はするべきでしょうか。
テレワーク中の監視はどのようにして行うのかご紹介します。
主な監視の方法
主な監視の方法は下記2つです。
- ツールの導入
監視をする方法として、ツールの導入があります。
社員はまず出勤したら「出勤ボタン」を押します。
お手洗いやランチなどに席を外すときは「退席ボタン」、仕事に戻ったときは「着席ボタン」を押すという仕組みです。
着席をしている間はランダムにパソコンの画面がスクリーンショットされ、上司に送信されます。
また、ウェブカメラで1分から5分おきに社員の様子を撮影し、パソコンの前にいるか監視するツールもあります。
- Web会議ツールの常時接続
Web会議ツールを社員同士で常時接続する監視方法です。
上司は部下が仕事をこなしているか確認でき、部下は上司に不明点があれば気軽に質問できるメリットがあります。
監視を行うメリット・デメリット
テレワークをしている社員を監視することにどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
監視を行うメリット
まず監視を行うメリットをご紹介します。
生産性の向上
監視をすることで、テレワークによる気の緩みを防止でき、緊張感が生まれるため生産性が向上します。
社員の業務の状況を把握しやすい
常に社員の業務状況を把握できます。
問題点や改善しなければならない点がある場合はすぐに対応でき、大きなトラブルを未然に防ぐことも可能です。
また、監視を行うツールは社員がテレワークで作業を行った履歴も記録できます。
そのため、その場で指示が出せなくても業務を振り返って確認や指示を行うことが可能です。
業務状況をテレワーク中の社員がお互いに把握できるため、業務を円滑に進めることができます。
勤怠管理がしやすくなる
テレワークでは働いている様子を見ることができないため、成果で評価をすることが大半でしょう。
その成果をあげようと、隠れて残業をしたり、休日出勤をしたりということが起きるのです。
しかし、テレワーク中の社員を監視しておけば、業務を行っているか把握することが可能になるため、成果のために隠れて残業をするといったことを防ぐことができます。
監視を行うデメリット
テレワーク中の監視は勤怠管理でのメリットがある一方、デメリットも多数あります。
ではテレワーク中の社員を監視することにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
社員との信頼関係を損なう
信頼関係は仕事をする上では欠かせません。
しかし、仕事をしているかどうか監視を行うことにより、社員は会社から信頼されていないと感じるでしょう。
会社から信頼されていないと思い、会社に不信感を覚える人もいるかもしれません。
テレワーク中はいつもと違う環境下で仕事を行うため、ストレスを抱えている人が多いのも現実です。
それに加え、会社から常時監視されていることで気が休まらず、より社員のストレスを増やしてしまう原因になります。
テレワークの良さに矛盾する
テレワークのメリットは、会社以外のところからいつでもどこでも仕事ができるところにあります。
それを常時監視してしまうと、介護や育児をしながら働いている人はストレスを感じ、テレワークのメリットを生かしきることが難しくなるでしょう。
テレワークであれば合間に働きたいと思った人も、監視をすることによって働きにくいと感じ、結果的に離職につながるかもしれません。
プロセス重視の仕事になる
テレワーク中の社員を監視することによって、業務の成果よりもプロセスを重視するようになります。
結果として、社員は自身の仕事のアウトプットの質や、業務内容よりも業務に取り組んだ時間を重視するようになるのです。
本来であれば、結果を重視したほうが生産的に仕事ができるところを、監視ツールを導入することによって、プロセス重視の仕事になる原因になり得ます。
監視をすることによって、業務時間だけが長くなり、中身のない仕事になってしまっては本末転倒と言えるでしょう。
過度な監視を行わずにテレワークを効率的に進めるポイント
テレワーク中に監視をすることは勤怠管理をしやすくなる一方で、数多くのデメリットがあります。
社員が仕事を行っているか把握すること、また適切な勤怠管理をすることは会社にとってとても大切なことです。
しかし、過度な監視を行うことは社員との信頼関係に関わり、不信感を生む原因になるためおすすめできません。
ではどのようにすればテレワークを効率的に進められるのでしょうか。
仕事の成果を適切に評価する
まずテレワークを導入する際に評価制度を整えましょう。
そこでおすすめなのが、部下と上司で目標を設定して、その目標の到達度によって評価を行う「目標管理制度」です。
例えば、3か月や半年など期限を決めて、その達成状況や、現状の課題点をあげて見直しをしていきましょう。
その目標を設定する際も、業務の成果はもちろん、業務スピードやレスポンスの速さなど、テレワークに合わせた目標を設定するとよいでしょう。
そのように目標設定をすることで、より適切な評価ができるようになります。
また評価をする側も、評価方法を統一することで、担当者によって評価が異なるといった偏りを防ぐことができます。
他には、上司だけが評価をするのではなく、部下や同僚などその人と一緒に仕事をする人が評価をする「360度評価」の導入もおすすめです。
テレワーク中の評価は難しいものですが、一緒に仕事をしている人の多角的な視点を取り入れることによって、より適切な評価が可能になります。
成果の報告を徹底させる
次に日々の成果の報告は必ず行う習慣を作りましょう。
業務日報などを活用して、今日は何をして、明日は何をやる予定なのか、また疑問点や課題点などもその際に合わせて報告するようにするとよいでしょう。
テレワーク中は社員の仕事内容が分からず、ミスが起きてもいつ誰がやったのかわからないということが起こり得ます。
そのようなミスの発生も、成果の報告で記録をつけておけば安心です。
業務について相談できる機会を作る
メールやチャットで質問ができるようにしておくことも大切ですが、テレワーク中は相手の仕事をしている様子が見えません。
そのため、今質問をして迷惑ではないか、忙しくないか、また質問をしてもいいのかなど気を使ってしまう人もいます。
特に新入社員はほとんど出社することなくテレワークになったこともあり、コミュニケーション不足に陥りがちのため要注意です。
またテレワーク中は1日誰とも喋らずにPCに向かって仕事を行うため、孤独に感じる人もいます。
特に1人暮らしの社員は要注意です。
一日中家に籠って仕事をすることで孤独感を募らせたり、オンオフの切り替えが難しくなって生活リズムが乱れたり、心身に不調をきたすこともあります。
そのようにならないためにも、業務について相談できる機会を会社として設けましょう。
仕事の話だけでなく、適度に雑談をしたりみんなでヨガやストレッチをしたりと、適度なリフレッシュを取り入れることをおすすめします。
快適なテレワーク環境の整備も重要なミッション
テレワーク中に社員が快適に仕事ができるよう環境を整えることは、会社としての責務です。
では、どのようにしてテレワーク中の社員の職場環境を整備していけばよいのでしょうか。
各種ツールを有効活用しよう
まずは手軽に導入できるツールの活用がおすすめです。
3つご紹介します。
- テキストチャットツール
メールよりも短い文章で気軽にやりとりできるものとしておすすめなのが、テキストチャットツールです。
個人同士の会話だけでなく、グループ設定もできます。
プロジェクトや課ごと、またクライアントとのやりとりにもそれぞれのグループを作成してやりとりが可能です。
また、ツールによってはタスク設定ができるものもあります。
これを期日までに〇〇さんにお願いしたいなどと設定できるため、仕事のTODOを管理することも可能です。
- グループウェア
資料や画像などをオンライン上で共有するためのツールです。
メールに添付するとファイルが重かったり、ダウンロードに時間がかかったりするときでも、グループウェアであれば簡単に共有ができます。
オンライン上で共有しているため、会社以外の自宅のパソコンでもアクセスが可能です。
各社それぞれ便利な機能があり、業務の進捗状況を把握する機能や、Web会議機能、スケジュール共有機能などがあります。
導入する際は、どのような機能があれば自社の仕事がスムーズになるか、比較検討するのがおすすめです。
- Web会議ツール
Web会議ツールは、インターネットを介して音声や映像でリアルタイムにコミュニケーションを取ることができます。
その場で話し合っているような感覚でコミュニケーションを取ることができるため、テレワークの定番のツールです。
画面共有機能があるものもあるため、パワーポイントを用いてプレゼンテーションをすることも可能です。
便利な電話アプリ「03plus」もおすすめ
会社の固定電話を自身のスマホで利用できる「03plus」もおすすめです。
面倒な工事は一切不要で、手元に届いたはがきに記載されている暗証番号を入力するだけで、会社の固定電話の発着信が自身のスマホで可能になります。
外部からの電話が多く、電話をとるためだけに出社をしていたという人も「03plus」を活用すればテレワークが可能になります。
自身のスマホの電話帳とは別に会社の電話帳をクラウド上に作成できるため、紛失や流出の心配もなく安心です。
1番号あたり月額1,000円を支払えば、10分までの通話が無料になるオプションサービスもあります。
仕事中のちょっとした疑問も先輩に電話で聞くことができるだけでなく、始業、就業の報告も可能です。
「03plus」を活用すればテレワーク中の社員を過度に監視することなく、円滑にコミュニケーションを取ることができるでしょう。
まとめ
テレワークは通勤のわずらわしさがなく、どこでも好きな場所で働けるというメリットがあります。
一方で、慣れない環境に戸惑い、ストレスを抱えている人も多くいます。
会社側が社員を管理する目的で監視をすることにより、より社員にストレスを与える原因になってしまうのです。
「03plus」をはじめ、テレワークをするための便利なツールは手軽に導入できます。
ぜひそのような便利なツールを活用し、社員を過度に監視することなく、快適に働けるような環境作りをしてみてはいかがでしょうか。