コロナ禍で多くの企業が感染防止対策をとっています。
在宅勤務もそのひとつです。
在宅勤務は、通勤電車やオフィスなどの3密を避けられるため、とても有効な対策でしょう。
しかし、アフターコロナでも在宅勤務を続けたいと感じている人も多いのではないでしょうか。
さまざまなメリットがある在宅勤務ですが、体調不良になり得るなど、デメリットもあるようです。
今回は、在宅勤務中に起こる体調不良の理由と、それを防ぐ方法についてご紹介します。
目次
コロナ禍で急遽実施された在宅勤務
新型コロナウィルスの国内流行により、私たちの働き方は大きく変わりました。
国を挙げて働き方改革を訴えても、従来の働き方はなかなか変わりませんでした。
現在では、緊急事態宣言を受けてさまざまな企業が在宅勤務を導入しています。
東京商工会議所が実施した「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」によると、テレワークの実施率は67.3%でした。
このうち、緊急事態宣言発令後にテレワークを実施した企業は半数以上です。
これまでに経験したことのない事態を受けて、事業の継続と社員の命を守るために、急速に在宅勤務を導入した企業が多いことがわかります。
在宅勤務は感染防止対策として有効なだけではなく、仕事と育児や介護を両立している人などにとってもメリットが大きい働き方です。
このように多くのメリットがある在宅勤務ですが、体調不良になってしまうなどデメリットもあるようです。
在宅勤務で体調を崩してしまう要因とは?
コロナ禍が長引くに連れ、「コロナ鬱」「コロナ疲れ」などの言葉が生まれました。
これは3密を避けるために外出を控え、自宅で過ごす時間が増えたことで、さまざまなことを我慢してきた結果でしょう。
在宅勤務でも、「コロナ疲れ」や「コロナ鬱」から体調不良になる人が見られるようになりました。
なぜ、在宅勤務で体調不良になってしまうのでしょうか。
ここで3つの原因をご紹介します。
- 在宅勤務の環境が整っていない
産業医科大学と株式会社バックテックの共同研究チームは、テレワーク下での健康課題についてアンケートを実施しました。
その結果、緊急事態宣言発令前と後を比較すると、肩凝り、眼精疲労、腰痛全ての項目において、悩みを抱える人が増えたことが分かりました。
さまざまな要因が絡み合っての結果でしょうが、在宅勤務の環境が整っていないことも一因ではないでしょうか。
例えば、体調不良の内、目の疲れは照明によるものかもしれません。
一般的に、家庭の照明はオフィスよりも暗いことが多いです。
また、照明の明かりの色も、家庭ではくつろげるようにオレンジ系が多いですが、オフィスでは白いことがほとんどです。
長時間パソコン作業をし続けるとオフィスの照明に慣れている目がついていけず、眼精疲労や頭痛などの体調不良を引き起こす可能性があります。
また、在宅勤務中はWeb会議に参加する機会が増えます。
オンラインでコミュニケーションをとる場合、イヤホンなどを使用する人も多いでしょう。
しかし、イヤホンを長時間つけ続けることで、皮膚に慢性的な刺激が加わって外耳炎などの体調不良を引き起こすこともあります。
頭位にフィットしていないヘッドセットは頭痛につながる可能性があります。。
このように、在宅勤務の環境が整っていないために体調不良になるケースも考えられます。
- オンオフの切り替えがうまくできない
自宅という生活空間で仕事をすることで、オンオフの切り替えが上手くできないことがあります。
マイボイスコム株式会社は「『在宅勤務・テレワーク』に関するインターネット調査」を実施しました。
それによると、「オン・オフの切り替えや気分転換が難しい」ことを課題に挙げた人は、全体の約半数でした。
オフィスに出勤する場合は、長くてもオフィスが開いてから閉まるまでに仕事を終えなければいけません。
しかし、在宅勤務の場合はやろうと思えば24時間仕事ができてしまいます。
また、在宅勤務中で仕事を終えたとしても、そのまま同じ場所で過ごすためにオンオフの切り替えが上手くできない人もいるでしょう。
その結果、ストレスが上手く発散できず、精神的に追い詰められて体調不良を起こす可能性もあります。
- コミュニケーション不足
株式会社ラーニングエージェンシーは「新型コロナウイルスの感染拡大が企業の組織運営や人材育成に与える影響」についての調査結果をまとめました。
それによると、働き方の多様化が社員に与える影響として「コミュニケーション不足」と回答した人が7割以上もいることが分かりました。
オフィスに出勤すれば、上司・部下・同僚と顔を合わせることがほとんどでしょう。
しかし、在宅勤務の場合は対面で人と接する機会がありません。
Web会議やチャットなど、オンライン上のコミュニケーションは増えているかもしれませんが、会話や相談をするにはハードルが高いのかもしれません。
また、在宅勤務だとすぐに話せる人間が近くにいなくて、孤独を感じることもあるでしょう。
オフィスにいれば周囲の話から自然と情報収集ができますが、在宅勤務の場合はそれもできません。
コミュニケーション不足は、仕事に対するモチベーションの低下なども招く可能性があります。
その結果、コロナ鬱など精神的な体調不良を引き起こすリスクも考えられます。
在宅勤務で体調不良を起こさないための工夫
在宅勤務で体調不良になり得ることをお伝えしましたが、在宅勤務を実施して良かったと感じている人が多いのも事実です。
それでは、体調不良にならないために、どのような工夫ができるでしょうか。
長時間勤務をしない・させない
在宅勤務ではだらだらと長時間働き続けることができてしまいます。
そこで、長時間勤務をしない仕組みを自分で作るように意識しましょう。
終業時間にアラームを設定するのもひとつです。
アラームが鳴ったら、それ以上は仕事をしないというルールを設定しましょう。
また、部下に長時間勤務をさせないように、上司がきちんとマネジメントするのも大切です。
在宅勤務であっても業務開始時と終了時に、メールやチャットなどで上司に一言連絡するルールを作るのも方法のひとつです。
また、上司から「終業時間なので仕事は終わりにしましょう」と呼びかけるのもよいでしょう。
在宅勤務で周りの社員が見えない中で、「今日は終わりにします」と部下が言い出すのは勇気がいるかもしれません。
部下が遠慮せずに仕事を終了できる環境づくりをするのも、上司の役割となります。
快適に働ける環境を作る
照明やイヤホンなどが体調不良を引き起こす原因になり得ることを前述しました。
自宅で働く環境が整っていない人も多いでしょう。
照明であれば、目に優しいデスクライトを購入したり、イヤホンであれば耳への負担が少ないヘッドセットを用意してみたりするのはいかがでしょうか。
また、パソコン作業をするのに適したデスクや、腰への負担を軽減する椅子を用意することで、体調不良にならずに済むかもしれません。
家具や道具などのハード面だけではなく、ソフト面も見直してみましょう。
株式会社ビズヒッツが行った調査によると、リモートワークの悩みとして「家族がいて集中できない」と回答した人は163人いました。
在宅勤務中に家族が話しかけてきたり、生活音が気になって集中できなかったりする人が多いのでしょう。
夫婦共に在宅勤務をしている場合は、相手のWeb会議の内容が聞こえてしまい、集中できないこともあるかもしれません。
対策として、リビングで仕事をしている人は仕事部屋を用意するのがおすすめです。
部屋数に余裕がない人は、パーティションを購入して部屋を区切るのもいいでしょう。
ウォークインクローゼットを整理して仕事場にするなど、工夫を行っている人もいます。
もちろん、自宅にいても在宅勤務中なので話しかけないでほしい、など家族に度々伝えることも大事です。
また、換気をするだけで気分が入れ替わることもあります。
簡単な方法なのでぜひ試してみてくださいね。
適度な運動をする
通勤する場合、駅まで歩いたり、会議室まで移動したりなど動いている時間は意外に多いものです。
しかし、在宅勤務の場合は1日中同じ空間で過ごすことがほとんどではないでしょうか。
動かないことは肥満になるリスクがあります。
また、動かないことで血流が滞り、肩凝りや腰痛など様々な体調不良の原因となります。
在宅勤務だからこそ、適度な運動を意識しましょう。
また、日光に当たることは健康上とても大切です。
日光を浴びることでビタミンDがカルシウムの吸収を助けます。
これにより、骨の健康が保たれると言われています。
さらに、日光を浴びることでさまざまな病気を予防できることが分かってきました。
体調不良にならないためにも、日光を浴びることを心掛けましょう。
適度にコミュニケーションをとろう
在宅勤務を続けることで、コミュニケーション不足になりやすいことを前述しました。
在宅勤務は、業務上の情報共有が徹底しにくいだけでなく、気軽な会話ができないなどの弊害があります。
コロナ禍で新入社員として入社した人の中には、入社早々に在宅勤務となり、同じ部署の人すらよく分からない状態だった人もいます。
十分なフォローを行えない環境が続くことで、新入社員のモチベーションが低下してしまうリスクもあります。
その結果、コロナ鬱など体調不良になってしまうかもしれません。
これは新入社員に限ったことではありません。
日頃の気軽な会話から、社員同士の信頼が生まれることも多いでしょう。
その小さなコミュニケーションがなくなることで、孤独を感じ、体調不良につながるかもしれません。
それを未然に防ぐためにも、適度なコミュニケーションを意識的にとるようにしましょう。
いつも以上に体調管理に注意
オフィスに出勤する場合は、体調不良で仕事を休むことを考える人もいるでしょう。
しかし、在宅勤務だから多少の体調不良でも無理をして仕事をしてしまったという経験はありませんか。
在宅勤務だと通勤がない分、多少の無理をしてもデスクに向かってしまいがちです。
しかし、無理をしたらなかなか体調が改善しません。
在宅勤務でも、体調不良時はしっかり休むようにしましょう。
生活リズム・食事・睡眠に注意
在宅勤務に限らず基本的なことですが、生活リズムを整え、栄養バランスの良い食事をとり、十分な睡眠時間を確保しましょう。
コロナ禍で私たちの生活は激変しました。
生活の変化によって体調不良になることもあります。
このような時だからこそ、基本的な生活スタイルを見直しましょう。
体調不良を未然に防ぐために
在宅勤務によって起こる体調不良と、個人が注意すべきことについてお伝えしてきましたが、体調不良を未然に防ぐために企業側がとれる対策はあるのでしょうか。
ここで2つの対策をご紹介します。
- 社員の体調を随時管理できる体制をとる
始業時に、在宅勤務中の社員の健康状態をヒアリングしましょう。
熱や咳の有無だけではなく、心のモヤモヤなどを聞き出せる体制が整っていればベストです。
上司に話しづらくても、産業医になら話しやすい人もいるかもしれません。
そのため、部下が体調不良なのではないかと感じたら、企業の相談窓口を紹介するのもよいでしょう。
- 健康管理のための情報提供をする
体調不良になっても、その原因が在宅勤務であることに自分が気がつかない場合があります。
これまでご紹介してきたような内容を、ニュースレターなどの形で社員に周知してみてはいかがでしょうか。
社員自身が、体調不良の原因に気づくきっかけになるかもしれません。
まとめ
最後に、在宅勤務にも役立つツールをご紹介します。
IP電話サービス「03plus」は、社内電話であれば無料で通話をすることができます。
在宅勤務でも適応されるため、オフィス内にいない社員とも気軽に連絡を取ることができます。
メールやチャットなどで適度なコミュニケーションをとっている人もいるでしょうが、相手の声を聞くことで微妙な体調不良に気がつけるかもしれません。
アフターコロナでも、在宅勤務を続ける企業は多いでしょう。
在宅勤務がより快適な働き方になるように、このようなコミュニケーションツールを導入することを検討してみてください。