新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入したという企業も多いのではないでしょうか。
通勤途中の感染の危険や、社内でのクラスターを発生させないためのリスクヘッジ、また休校・休園に対する雇用者への配慮等でテレワークの需要が高まっています。
しかし、社員がテレワークを実施するにあたり、必要な機材やシステムを揃えるための資金、また何を導入したら良いかと悩む経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、企業がテレワークを導入する際に受け取ることのできる助成金について東京の場合を例にとってご紹介します。
テレワークの必要性が高まる
ここ最近のコロナによる影響で急速に広まったテレワーク。
では、そのテレワークの必要性とはどのようなものがあるのでしょうか。
働き方改革につながる
テレワークとは在宅で勤務を行う在宅勤務、訪問先や移動中などに勤務を行うモバイルワーク、勤務先以外のサテライトオフィスで勤務を行うサテライトオフィス勤務の3つがあります。
いずれにしても出勤の必要がなくなるため、通勤時間を短縮することができ、その分を家族と過ごしたり、睡眠時間に当てたりすることが可能となります。
満員電車に乗ることや、通勤するための準備をカットできるため、在宅勤務は楽と感じる社員も少なくないでしょう。
また育児や介護の都合で通勤が困難な場合でも在宅での勤務が可能であれば継続して勤務をしたいという場合もあります。
テレワークのような多様な働き方を可能にすることが、結果的に社員を働きやすくする働き方改革につながるのです。
BCP(事業継続計画)対策につながる
BCP(事業継続計画)とはそもそもどのようなものなのでしょうか。
中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」によれば下記のように定義されています。
「企業が大地震や大規模火災、自然災害、テロなどの緊急自体に陥った場合に、資産の損失を最小限にとどめ、中核である事業を継続すること。
あるいは早急に復旧することを可能にするために、普段から行うべき活動や、緊急時においての事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」
今回のコロナ禍も2020年3月11日にWHOが新型コロナウイルスの感染拡大を世界的大流行であるパンデミックだと宣言しました。
日本国内でも感染拡大が爆発し、4月7日には東京、大阪、愛知などの7都府県に、その後4月16日には全都道府県に緊急事態宣言が出されました。
その際に密閉、密接、密集の「三密」を回避することや、不要不急の外出を控えることと合わせ、企業はテレワークを導入するよう要請がありました。
この機会にテレワークを導入することは、結果的に台風や大雪、地震等で通勤が一時的に難しい場合にも、経済的な被害を最小限にして事業を継続することが可能になり、BCP対策へとつながります。
テレワークの導入には助成金を活用しよう
しかし、いざテレワークを導入しようと思った場合に社員の自宅にネット環境が整っていなかったり、パソコンを所有していなかったりという場合もあるでしょう。
またセキュリティに不安がある場合もあるかもしれません。
テレワーク導入に向けて、必要なものを買いそろえたり、システムを整えたりするには、かなりの費用がかかります。
そこでテレワーク導入する際に必ず確認したいのが助成金です。
つぎに東京都内の企業向けの助成金についてご紹介します。
【東京都内の企業向け】テレワーク導入に活用できる助成金
テレワークを導入する際に東京では中堅・中小企業に対して、導入する際に必要なソフトウェアや機器等を購入するための経費を助成金で賄うことが可能です。
ではどのような場合にいくらもらうことができるのでしょうか。
テレワーク定着促進助成金
新型コロナウイルスの感染が拡大したことによって、急速に広まったテレワーク。
アフターコロナ、ウィズコロナのこれからの世の中、テレワークを定着させたいと思う経営者の方も多いでしょう。
そこで東京で導入されたのがテレワーク定着促進助成金です。
テレワーク定着促進助成金は(公財)東京しごと財団がテレワークをするための職場環境を整備する事業に対して、その資金を助成するというものです。
助成対象経費(税抜)に2/3をかけた額が助成金として算出され、最大で250万円助成金を受け取ることができます。
購入する物品は税込みで1,000円以上、10万円未満である必要があります。
1,000円より安い場合や、税込みで10万円以上になる場合は助成金の対象外となるため注意しましょう。
対象となる事業
対象は都内に本社、もしくは事業所をおく中堅、中小企業です。
従業員は常時雇用されている人数が2人~999名以下である必要があります。
常時雇用されている労働者のため、登録型派遣労働者は除外となるため注意が必要です。
対象となる事業者
対象となる事業者は下記9点の順守が求められます。
- 都税の未納付がないこと
- 過去5年間に重大な法律違反をしていないこと
- 労働関係法令を遵守していること
- 風俗営業を行っていないこと
- 関係者が暴力団関係者ではないこと、また関わりがないこと
- 就業規則を作成し、それを労働基準監督署に提出していること
- 代表者が本助成金を申請または利用したことがないこと
- 都が実施する「2020TDM 推進プロジェクト」に参加していること
- 助成金の支給される理由と同じ理由により支給要件を満たすこととなる各種助成金を国、または都から支給されていないこと
おもな申請要件
助成事業の実施期間は支給決定日から3か月以内です。
その期間内に下記の要件を満たす必要があります。
- 事業計画書兼支給申請書(様式第1号)で申請した助成事業の実施計画(テレワーク導入計画)に基づき購入したパソコンなどの機器やソフトウェアのセットアップが完了し、使用できる状態になっていること
- テレワーク実施対象となる従業員が6回以上テレワークを行った実績があること
申請の方法・期限
申請の方法は郵送による提出のみです。
必ず、簡易書留等の記録に残る方法で提出するようにしてください。
期限は2020年8月24日(月)~2020年12月25日(金)消印有効です。
持ち込みによる提出は一切できないので注意しましょう。
また予算を超えた場合は早期終了されてしまうので、早めの申請がおすすめです。
はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)
「はじめてテレワーク」は、就業規則にテレワークに関する記載がなく、試験的にテレワークを行う東京都内の中小企業・中堅企業にむけ、環境や精度の整備のための助成金です。
東京が主催するテレワークのためのコンサルティングを受けることが条件です。
助成金の補助額の限度は従業員数によって異なり、従業員数300人~999人以下で110万円、100人~299人で70万円、100人未満で40万円で上限内であれば100%補助されます。
助成金の対象は就業規則のテレワーク制度の整備費用、テレワークが自宅等でできるようにするための機器の購入費用です。
また機器やシステムはノート型パソコンや携帯情報端末等、画面と入力装置があるモバイル端末を除き、東京が管理・運営しているウェブサイト「はじめてテレワーク」から選定、購入する必要があります。
対象となる事業
対象は都内に本社、もしくは事業所をおく中堅、中小企業です。
従業員は常時雇用されている人数が2人~999名以下であり、かつ6か月以上継続雇用されている必要があります。
対象となる事業者
- 東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱にある東京都 政策連携団体、事業協力団体 又は東京都が設立した法人でないこと
- 過去5年間に重大な法律違反をいていないこと
- 労働関係法令を満たしていること
- 都税の未納がないこと
- 風俗営業を行っていないこと
- 関係者が暴力団関係者ではないこと、また関わりがないこと
- 就業規則を作成して、労働基準監督署に提出していること
- 就業規則にテレワークに関する規定がないこと
- 東京都が行っている「2020TDM 推進プロジェクト」に参加していること
主な申請要件
東京都が主催するテレワーク導入のための下記のいずれかのコンサルティングを受ける必要があります。
◯ワークスタイル変革コンサルティング
専門のアドバイザーが都内の事業所を訪問し、テレワークのための課題解決を行います。
1回2時間、最大5回訪問で費用は無料です。
◯業界団体連携によるテレワーク導入促進事業に採択された団体等が実施するコンサルティング
東京2020大会にむけて交通混雑緩和に向けてテレワークや時差Bizなどを取り入れるための環境整備を目的としたものです。
申請の方法・期限
期限は令和2年4月8日から令和3年3月31日必着です。
こちらも予算に到達した場合は早めに終了する場合があるため、早めの申請がおすすめです。
追跡可能な配送方法で発送すること、また封筒に「はじめてテレワーク申請書類在中」と書く必要があるので注意してください。
突然のテレワーク導入で慌てないために
コロナだけでなく、台風や地震等で出勤が一時的に難しくなった場合でも、就業を可能にするテレワーク。
何かあった場合に慌てないために、準備が必要です。
つぎにテレワーク導入の際に慌てないようにするための準備についてご紹介します。
必要なITツール・機材を整理しよう
まず始めに必要なITツール、機材を整理しましょう。
実は社内にあってもあまり使われていないシステム、惰性でおいている機材等があるかもしれません。
また、書類に勤務先のハンコを押す必要があり、上司や他部署の決済や承認のためだけに出社をしているというケースもあります。
それをそのままテレワークで導入する必要はありません。
例えばハンコであれば電子認証できるようなシステムを導入し、上司がその場にいなくても承認がもらえるようなシステムを構築すると良いでしょう。
社内にいないでも、社員間でコミュニケーションを取りながら仕事ができるように何が必要で、何が不要かをこれを機会に整理するのがおすすめです。
電話対応や郵便物対応を見直そう
つぎに電話対応や郵便物対応を見直しましょう。
テレワークを導入した企業でも、郵便物対応や電話対応が多い部署のみテレワーク除外となり、社員の間で不公平感が出てしまう場合があります。
電話対応を自身の携帯でやる場合も通話料や通信費等の請求が煩わしく、結果的に社員の自己負担になってしまっているケースも少なくありません。
そのように社員が損をしないために、テレワークを導入する際おすすめなのが会社の固定電話をスマホアプリで使用することのできる「03plus」というサービスです。
会社の固定電話をスマホで使える「03plus」
「03plus」ではキャリアの電話サービスと「03plus」の代表番号、複数IDを組み合わせることで転送電話を利用して複数人のスマホで会社の固定電話を利用することができます。
また現在の会社の電話番号をLNPを使用して「03plus」に番号移転することで、受信も発信もスマホで会社の電話番号を使用することができるようになります。
発信業務も多い場合は会社の電話番号を「03plus」に番号転移するのがおすすめです。
開通も「03plus」はとても簡単に行う事ができます。
面倒な機材の購入や工事は一切不要で、運転免許証やパスポートなどの身分証明書を用意して、スマホまたはパソコンから申し込みを即時に行うことができます。
その後手元に届いたはがきの暗証番号を「03plus」のアプリに入力すれば発着信が可能になります。
電話だけでなく、「03plus」にはクラウドFAX機能もあるため、出社をしないでもスマホでFAXを確認することもできます。
出社しないと確認できなかった郵便物も、クラウドFAXに移行することで、互いにいつでもどこでも送信、受信することができるため、郵便物のために出社をしていた方は合わせてクラウドFAXの利用をすることもおすすめです。
まとめ
テレワークを取り入れるとコロナだけでなく、台風や地震などで出勤が難しい場合にもどこでも勤務ができるようになります。
この記事では東京を例にテレワークの助成金についてご紹介しましたが、東京以外でも各地方自治体で助成金の制度を設けている場合もあります。
各助成金を利用し、「03plus」を導入してテレワークを実施する際にも慌てないように環境や制度を整えてみてはいかがでしょうか。