Withコロナ時代、テレワークの導入により顧客接点は多様化しました。従来の顧客対応に代わり、非対面形式のコミュニケーションが増えてきている企業は多いでしょう。
一方で、効果的な方法が見つからなかったり、顧客満足度が下がってしまったりなど悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、テレワーク環境下での顧客対応方法とそのポイントについてまとめました。
目次
顧客対応のテレワーク化を進めるメリット
テレワークは企業側にも社員側にもさまざまな利点があります。ここでは、顧客対応をテレワーク化するメリットを3つご紹介しましょう。
BCP対策につながる
「BCP(Business Continuity Plan)」とは、「事業継続計画」を指します。企業が自然災害や火災、テロなどの緊急事態に遭遇した場合でも、損害を最小限にとどめつつ、事業を継続させるための取り決めのことです。
さて、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの企業で顧客対応部門のテレワーク化が迫られました。
事態が緊急だったため、環境が整っていないまま見切り発車のようにテレワークを導入した企業も少なくなかったようです。
自然災害を想定したBCP対策をとっていた企業はあったようですが、未知のウイルスの感染拡大までは想定できていなかった企業が多かったのでしょう。
さらにここ数年、これまで経験のない規模の台風や地震なども多発しています。テレワークを日ごろからおこなっていれば、今後もいざというときに慌てることなく、顧客対応を含めた事業を継続可能です。BCP対策としてテレワーク化をすすめておくことは、必須ともいえるでしょう。
人手不足の解消につながる
国内の労働人口減少の問題は深刻化しており、みずほ総合研究所の調査によると45年後には約4割減るという予測もあります。すでに人員確保が課題となっている企業も多いのではないでしょうか。
テレワークなら場所や時間に縛られることがない柔軟な働き方が可能です。そのため、労働意欲はあるが、オフィスへの出社が難しいリタイア世代、子育て世代、障害を抱えている人などの就業を促すことができます。
リタイア世代は豊富な経験があり、子育て世代は子育てで培ったコミュニケーション能力や忍耐力を顧客対応に生かすことができる、貴重な人材となるでしょう。また、何らかのハンディキャップを持つ人の中にも、優秀な人材はたくさんいます。
さらに、テレワークの柔軟な働き方が社員に評価されれば、社員の離職を防止できるでしょう。現在、国を挙げて女性活躍の重要性を訴えていますが、未だに約4割の人は第一子出産時に離職しています。
テレワークが日常化すれば、ライフステージの変化が理由で実績や経験のある人材を失うリスクを低減できるでしょう。その分、新たな人材を確保するための時間や費用も削減できます。
このように、テレワークは人手不足の解消につながる有効な就業形態といえるのではないでしょうか。
コスト削減につながる
テレワークはさまざまなコスト削減にもつながります。ここでは、テレワークによるコスト削減の3つの例を見てみましょう。
<交通費>
在宅勤務であれば、社員の交通費を丸ごと削減できます。テレワーク導入を機に、通勤定期代の支給を廃止する企業もあるようです。
また、オンラインでのコミュニケーションが活発になることで遠方にいる社員や顧客とスムーズにやり取りができるようになり、出張費の削減ができます。
<オフィス賃料>
これまでは在籍する社員の分のデスクと椅子を確保してきた企業もありますが、出社人数が減れば全員分のデスクと椅子は必要なくなります。
たとえば、社員が自由に着席場所を選んで仕事をする「フリーアドレス制」を導入することで、出社する人数分のデスクと椅子のみを用意すれば事足りるでしょう。仕事場所を減らす分、オフィスの面積を縮小できます。
また、「オフィス不要論」や「企業の地方移転計画」も話題になっています。毎日出社する必要がなければ、オフィスを都心に構える重要性は低くなるのではないでしょうか。
このような理由から、テレワークを導入すればオフィスの賃料を抑えることができるでしょう。オフィスの面積縮小に伴い、電気代などの光熱費も削減できます。
<消耗品>
テレワークの実施に伴い、ペーパーレス化が加速しています。離れた場所で仕事をおこなうと紙での情報共有は難しくなるため、情報の電子化が急務となっているのです。ペーパーレス化が進めば、用紙代やトナーなどの消耗品代を削減できます。
紙媒体の資料を保管するには、オフィスに保管スペースを設けなけらばなりませんでしたが、ペーパーレス化が進めばその場所も不要、あるいは縮小可能です。
その分オフィスのスペースを縮小することができ、オフィスの賃料を抑えることができたり、空いたスペースを有効活用できるでしょう。
テレワークでの顧客対応方法とそのポイント
では、テレワークで顧客対応をするにはどのような準備が必要でしょうか。ここでは、テレワーク下での顧客の対応方法とそのポイントについて解説します。
情報共有の仕組みを構築する
顧客対応は企業の顔ともいえる重要な業務です。顧客の問い合わせ内容を素早く正確に理解したうえで対応することで、顧客満足度が上がり、企業の社会的な信頼も獲得できます。そのためには、顧客の情報や過去の対応履歴などを正確に把握することも大切です。
しかし、テレワークをおこなっていると周りのメンバーの顧客対応状況を共有しづらくなります。そのため、「いつでも」「誰でも」「どこでも」顧客対応をできる環境を構築し、社内で一元管理できる仕組みが必要です。
たとえば、顧客の情報を一元管理できるCRMツールの導入や、営業活動の履歴を一元管理できるSFAツールの導入もテレワークには効果的でしょう。
対応マニュアルを共有する
オフィスで顧客対応をする場合、分からないことがあっても即座に周りの社員に確認できます。
一方でテレワークでは同じ空間に社員がいないため、その場での確認が難しいでしょう。また、社員の顧客対応の経験の違いなどから、対応がぶれてしまうこともあるかもしれません。
そこで、テレワーク導入にあたり「顧客対応マニュアル」を用意すると効果的です。顧客対応マニュアルを共有することで、スムーズな対応や対応品質の均一化が実現します。
自己解決を促す
前述のとおり、顧客対応のテレワーク化にはさまざまなメリットがあります。一方で、社員同士が遠隔で対応にあたることで、効率の悪化が懸念されてしまう部分もあるでしょう。そこで、問題を顧客に自己解決を促す方法が注目されています。
顧客に自己解決を促すことで、問い合わせ件数の削減が期待できるでしょう。問い合わせ件数が減少すれば、顧客対応にあたる社員の人数を削減でき、人的リソースの有効活用が可能です。
また顧客視点でも、問題が生じた際に自己解決する傾向が増加しています。電話やメールでの問い合わせは回答を得るまでに時間を要する、あるいはライフスタイルの多様化により営業時間内に問い合わせることが難しいなどが、自己解決志向を高めている理由の1つでしょう。
顧客が問題を自己解決ができれば、問い合わせの煩わしさや待ち時間をなくすことができます。
ところで、顧客の自己解決率を高めるためにはどのような方法があるでしょうか。ここでは2つの例をご紹介します。
<FAQページの見直し>
自社ホームページ内にFAQページを設置している企業も多いでしょう。顧客の自己解決率を高めるためには、FAQページを充実させる必要があります。
過去の問い合わせ履歴をもとに、生じやすい問題や疑問をリストアップし、FAQサイトに掲載しましょう。
また、サイト訪問者が回答に素早く簡単にたどりつけることも重要です。よくある問い合わせ欄を設けたり、カテゴリー化するなどユーザーにとって活用しやすいFAQページの作成を心掛けましょう。
<チャットボットの設置>
「チャットボット(Chatbot)」とは、オンライン上でのコミュニケーション「チャット」とロボット意味する「ボット」を組み合わせた言葉で、人に代わりソフトウェアが自動応答してくれるプログラムのことです。
サイトを訪問した際に、「何かお困りなことはありませんか」とチャットで話しかけられた体験はありませんか。これもチャットボットによるものです。
FAQサイトはサイト訪問者が回答を検索しにいく場所だとすると、チャットボットは会話をしながら回答を得る場所といえるでしょう。気軽な会話形式で簡単に回答にたどりつくことができるため、ユーザーの負担を軽減できます。
このように、顧客の自己解決を促す取り組みをすることで、従来の顧客対応を減らすことができるでしょう。
<テレワーク環境下>電話で顧客対応行う方法は?
前章では顧客の自己解決を促す方法をご紹介しましたが、自己解決の仕組みが進んでも電話対応が全くなくなるわけではありません。
簡単な問題は自己解決を促し、専門知識がいるような問題はオペレーターが対応するといったすみ分けが進むことで、電話対応はますます重要な役割を占めるようになるでしょう。
しかし、テレワーク環境下においてはオフィスの固定電話を受けることはできません。そこで、テレワーク中に電話で顧客対応するためのツールとして、「03plus」をご紹介します。
「03plus」がおすすめ
「03plus」は、スマートフォンのアプリで利用できるIP電話サービスです。オフィスの固定電話にかかってきた電話を、社員のスマーフォンで受けることができるため、テレワーク中の社員も電話対応が可能です。
「03plus」の便利機能
それでは、テレワーク環境下で役立つ「03plus」の便利な機能をいくつかご紹介しましょう。
<社内間通話無料>
03plusを利用すれば、社員同士は無料で通話できます。テレワークだと社員同士のコミュニケーションが取りづらくなる弊害があるため、情報共有の仕組みの構築や対応マニュアルの整備が必要だとお伝えしました。
それでも解決できない場合は、やはり電話でのコミュニケーションが必要でしょう。03plusなら通話料がかからないため、コストを気にすることなく他のメンバーに気軽に電話ができます。
<クラウドFAX>
テレワークにおける顧客対応の課題として、電話のほかにFAXがあります。電子化が進んでいるとはいえ、注文書などをFAXで受け付けている企業もあるでしょう。
クラウドFAXは、FAX機器がなくてもFAXの送受信ができるサービスです。FAX内容をスマートフォンのアプリから確認できるため、テレワークでも対応できます。さらにFAX内容を電子化しサーバーで保存できるため、書類をなくすなどのリスクを回避することも可能です。
<WEB電話帳>
テレワークの悩みの1つとして、情報漏洩のリスクが取り上げられています。社内であれば専門知識を持ったスタッフ管理の元、強固なセキュリティ対策が講じられていますが、テレワーク場所ではオフィスよりもセキュリティが脆弱になってしまうこともあるでしょう。顧客情報の流出や紛失は、企業の社会的信用も落とすことになり得ます。
03plusはセキュリティ対策も万全です。たとえば、電話帳は個人のスマートフォンのローカルデータとして保存せず、クラウド上にある情報を閲覧する形式をとっています。そのため、万が一スマートフォンを紛失してしまっても、他者が顧客情報を見ることはできません。
まとめ
社内の情報共有を円滑にする仕組みを構築したり、対応マニュアルを充実させたりすることがテレワーク下の顧客対応を成功させるポイントです。顧客が問題を自己解決できる仕組みを整備していくことも、併せて取り組むとよいでしょう。
それでも、電話によるコミュニケーションがなくなることはありません。むしろ難しい問題こそ、電話でのコミュニケーションが重要です。本記事でご紹介した内容を参考にしていただき、より快適な顧客対応・顧客体験を提供できるテレワークを模索していただけたら幸いです。