新型コロナウィルスの流行を機に、テレワークが身近な働き方になりました。
Googleトレンドで調べると、緊急事態宣言が発令された2020年4月に「テレワーク」の検索回数が急上昇しています。(2020年12月現在)
テレワークの導入に迫られ、多くの人が集中的に情報収集をしたことがわかるでしょう。
しかし、事態が緊急だったため、十分な準備をできないままテレワークの導入に踏み切った企業も多いのではないでしょうか。
そのため、テレワークの設備が不十分だったり、テレワークによって発生する費用を誰が負担するのかが分からなかったりする声も聞きます。
今回はテレワークに必要なものと費用についてお伝えしますので、ぜひご参考にしてみてください。
目次
働き方が大きく変わる「テレワーク」
従来の働き方では、オフィスに出社するのが一般的でした。
一方で「テレワーク」は、時間や場所に囚われない柔軟な働き方です。
- オフィスに出社せずに、自宅で仕事をする在宅勤務
- 移動中やカフェなどで仕事をするモバイルワーク
- 勤務先以外のサードプレイスで仕事をするサテライトオフィス勤務
上記のような働き方がテレワークに含まれます。
テレワークは3密を回避するだけでなく、移動時間を節約が可能です。
育児と仕事を両立している人は、子供が学校に行っている時間や夜間に仕事をできるなど、勤務時間の分割もできます。従来のオフィス出社型ではできなかった働き方がテレワークで実現できるようになり、私たちの働き方は大きく変わりつつあるのです。
テレワークの導入に必要なもの
テレワーク導入にあたり、必要なものをすぐに思い浮かべることはできますか。
また、必要なものを準備するための費用は「会社負担」とするのか、「個人負担」とするのかを会社は明確に決めていますか。
ここからは、テレワークを導入するのに必要なものとそれに伴う費用負担の例を見てみましょう。
◆デバイス
テレワークでは、自宅で仕事をするためのパソコンやスマートフォンなどの情報通信機器が必須です。
会社でノートパソコンを使用している場合は、セキュリティ対策をした上でそのまま自宅に持ち帰ることができます。
しかし、デスクトップパソコンを使用している場合は持ち帰ることができません。
この場合、新たにテレワーク用のパソコンを用意する必要があります。
パソコンの購入費用やリース費用は会社負担になるケースが多いようです。
◆パソコン周辺機器
テレワークでプリンターが必要なケースもあります。
Web商談を行う場合はヘッドセットがあると便利です。
このようなパソコン周辺機器は、パソコン本体とは異なり会社から貸与されるケースはほとんどありません。
経費として会社に申請するのか、個人負担となるのかは会社によってさまざまです。
◆インターネット環境
自宅にインターネット環境が整っていない人は、回線設置のための工事が必要です。
工事費用や初期契約料については、個人負担としている例もありますが、会社が負担することもあります。
ある保険会社では、上限額を5,000円とした上で社員が自宅にWi-Fi環境を整備する費用を負担しています。
Wi-Fiルーターを会社が用意し、必要な社員に貸与している企業もあります。
他にも、仕事用の机や椅子などの購入費用や、文具など消耗品の購入費用の支出もあるでしょう。
テレワークに必要なものには、プライベート用途と仕事用途の切り分けが難しいものが意外と多いものです。
プリンターを例に挙げると、業務上必要な文章を印刷することもあれば、プライベートの写真を印刷することもあるかもしれません。
使用用途の全体像を企業側が把握するのは難しいでしょう。
そのため、費用全額を会社が負担するのではなく、一定額を手当として支給する企業もあります。
2020年4月の緊急事態宣言下では、あるIT企業は在宅勤務手当として1人6万円を支給しました。
また、ある自動車メーカーは1日1時間以上テレワークをした社員に、1日250円の在宅勤務手当を支給しています。
どのような形にせよ、費用負担についてのトラブルを回避するために、あらかじめ費用負担誰が行うのか、明確なルールを作っておきましょう。
テレワークの導入にかかる費用
テレワークに必要なものを揃えるために、具体的にどのようなものを購入する必要があるのでしょうか。
また、それにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
デバイスの購入
ノートパソコンの費用は約3万円~20万円と幅広くなっています。
自宅でもサテライトオフィスなどでも使用できるように、持ち運びに便利なノートパソコンが一般的です。
併せて、セキュリティ対策も必要になります。テレワーク中であったとしても、業務上扱う情報には機密情報が含まれていることがあります。そのため、テレワークで使用するパソコンには必ずセキュリティソフトをインストールしましょう。
また、よりセキュリティを強化するためにVPNを導入するのも手です。VPNとは仮想のプライベート回線のようなもので、悪意のある第3者が介入することを防ぐための工夫がなされています。カフェやコワーキングスペースなどでテレワークを行う場合、お店の無料Wi-Fiを使用することも可能ですが、セキュリティが弱いものもあります。VPNを使用すればセキュリティが強化されるため、場所にとらわれず情報を盗まれるリスクを低減できるでしょう。
また、デバイスそのもののセキュリティが強化されているモデルも登場しています。
斜めから画面をのぞき込まれても画面内容が見えないディスプレイを搭載したモデルや、指紋認証を備えたモデルなどです。
極端に安価なタイプはCPUやメモリが低いものもあり、パソコンの動きが遅く感じることがあるため、テレワーク用としてはおすすめできません。
ITツールの導入
テレワークをするにあたり、ITツールは必須です。特に、Web会議システムを導入している企業は多いのではないでしょうか。
無料のWeb会議システムもありますが、機能や利用人数などの制限があります。
より快適にWeb会議を行うためには、有料プランへの加入が必要かもしれません。
Web会議システムの有料プラン費用は各社さまざまで、オプション機能や利用人数によっても異なります。
株式会社MM総研の調査によると、Web会議システムの利用シェア1位は「Zoom」でしたが、Zoomの有料プランは1ライセンス20,100円/年~です。
Web会議システム以外にもテレワークに役立つシステムも多く存在し、メールの代わりにビジネスチャットを使用する企業が増えています。
ビジネスチャット国内利用者数1位の「Chatwork」を組織で導入する場合にかかる費用は、月額500円~です。
また、テレワーク中に上司のハンコをもらうためだけに出社する「ハンコ出社」が話題となりました。
ハンコ文化をなくすために国を挙げて議論がされているように、電子稟議やワークフローなどのシステムを導入を考える段階なのかもしれません。
テレワークに必要な消耗品・備品
テレワーク中には、プリンターのインクや文具などの消耗品にかかる費用も発生します。
ボールペンであれば1本数十円程度で済むかもしれませんが、プリンターのインクを全色そろえると5,000円以上になることもあります。
また、テレワーク用のデスクや椅子などの備品が必要になる人もいるでしょう。
デスクや椅子の費用もサイズ感や機能によってそれぞれですが、8,000円前後〜の商品が多いようです。
デスクや椅子が自分の身体に合っていないと、腰痛や肩凝りなど健康被害につながることもあります。
身体の負担を軽減できるような商品を選ぶようにしましょう。
テレワーク環境の整備
テレワーク中にWeb商談を行う人はヘッドセットがあると便利だと前述しましたが、テレワークを快適にする便利なアイテムは他にも多くあります。
例えば、複数のウィンドウを開いて作業をする場合、PCモニターがあると便利でしょう。
ノートパソコンのディスプレイは小型のものが大半です。
ExcelとPower Pointとメールなど複数のアプリを同時に使用する場合、アプリを切り替える度に他のウィンドウを最小化する必要があります。
表示画面が広いPCモニターがあれば、ウィンドウを最小化する操作を減らせるため、ストレスフリーな業務につながるでしょう。
機能によって費用はさまざまですが、1万円前後〜の製品が多いようです。
また、テレワークで眼精疲労や肩凝りに悩まされている人は、パソコンと目の位置が適していないのかもしれません。
PCスタンドがあればパソコンの高さや傾きを調整できるため、身体の負担を軽減できます。
光熱費・通信費
インターネット回線には「光回線」と「モバイル回線」の2種類があります。
光回線の方が通信速度が速く、モバイル回線は持ち運びができるような、それぞれのメリットがあります。
仕事ではスムーズな通信が要求されることが多いため、テレワークには光回線がおすすめです。
光回線の工事費は契約する光回線や住居環境によって異なりますが、大手の場合15,000円~となっています。
契約後に月々のランニング費用を割引して、工事費を実質無料にしている業者もあります。
この他にも、同じ業者で携帯電話を契約すると大幅な割引を受けられるケースも。
割引の適用などはホームページでは分かりづらいところもあるので、問い合わせて確認すると安心です。
プライベートでの使用と分けるのが難しいテレワーク中の光熱費は、個人負担にするか、前述した「テレワーク手当」のような形で支給する会社が多くなっています。
逆にテレワークで削減できる費用も
テレワークにはさまざまな費用が伴いますが、逆にコストカットできる部分もあります。
◆オフィスの維持費・賃料・光熱費
テレワークする社員が一定数いれば、オフィスに出社する人数は従来よりも少なくなります。
そのため、オフィスは従来の広さは必要なくなります。
あるIT会社は、テレワークを前提にオフィスの面積を半減にする方針を打ち出しました。
小さめのオフィスに移転すれば、従来よりもオフィスの維持費や賃料、光熱費を安く抑えることができます。
◆通勤手当
テレワークの拡大を機に、従来の通勤手当をなくす企業が増えています。
一般財団法人労務行政研究所の「新型コロナウイルス感染症への企業の対応アンケート」によると、新型コロナウィルスを機に在宅勤務を導入した企業の約10%が通勤手当を廃止し、実費精算をしていることがわかりました。
交通費を実費精算をすることで、通勤手当を支給するよりも費用を抑えることができるかもしれません。
電話アプリ「03plus」で初期費用・ランニングコストを抑える
テレワークで削減できる費用についてお伝えしてきましたが、これを機にテレワークに役立つ安価なサービスを導入するのも手です。
ここでは、固定電話番号の機能をスマートフォンで利用できる、電話アプリ「03plus」をご紹介します。
現在、オフィスで使用する電話は主装置をを通して複数の外線と内線を共有できる「ビジネスフォン」が主流です。
部署専用の外線や内線の番号を設置できたり、部署間で転送できたりするのもビジネスフォンの便利な機能でしょう。
一方で、ビジネスフォンはランニングコストが高額で、かつ設置工事が必要なので初期費用が大きい点がデメリットです。
03plusは従来のビジネスフォンの機能を持ちながら、設置工事の必要がなく、ビジネスフォンよりも初期費用が安価になっています。
さらに、テレワーク中に各々が携帯電話で通話するよりも03plusで通話するほうがトータル費用が下がるケースもあります。
03plusは初期費用・ランニングコスト共に抑えることができる、テレワークに便利なサービスです。
まとめ
テレワークに必要なものと費用についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
費用を企業負担にするか個人負担にするかは大きな問題です。
テレワーク導入にかかる費用の一部を自治体が補助する動きも出てきています。
また、03plusのように便利で安価なサービスもありますので、工夫をしながら従業員が働きやすい環境を整えたいものです。
これを機に一度テレワークの環境を見直し、費用を抑えながら、テレワークのメリットを生かせる環境づくりを検討してみてはいかがでしょうか。