離れたところ(tele)で働く(work)テレワーク。
新しい勤務環境の形として注目を集めており、多くの企業で導入が進められています。
在宅勤務のイメージが強いこのテレワークですが、実際にビジネスの現場で有効に機能させようとするとさまざまな準備が必要になってきます。
何しろ離れた場所で業務を行っている従業員同士が連携して仕事を進めていく必要がありますし、企業の側でもその連携がうまくできる環境づくりが求められるからです。
メリットばかりに目を向けるだけでなく、導入コストや導入後に実際の現場で遭遇する可能性があるデメリットにも配慮したうえでの準備も欠かせません。
目次
テレワークとは?
文字通りに解釈すればテレワークとは「離れたところで働く」ことを意味します。
その代表格が在宅勤務です。従来の毎日出勤して従業員同士が顔を合わせて直接コミュニケーションをとりながら働く環境とはまったく異なる環境となります。
ただ、テレワークは在宅勤務だけにとどまらず広い意味での「離れた場所での勤務」または「離れた者同士が連携して働く」ことを意味します。
多くの業務は一人の従業員がすべてを担当するわけではなく、複数のスタッフが連携して、あるいはひとつのプロジェクトの中で協力して行っていくことになります。
ですからひとりひとりが在宅で自分に与えられた仕事をこなせばOKというわけでは決してありません。
同僚の作業の進捗状況を確認しつつ、連絡やデータの確認などをスムーズにできる環境がなければ本当の意味でのテレワークとは言えないのです。
Web環境が整ったことで、離れた場所でも働きやすくなり、テレワークの概念も多様化が進んでいます。
例えば出張先でネットにつないで本社のスタッフと連携しながら作業を進める、または近年注目されているサテライトオフィスの導入などもテレワークの一種です。
この離れたところで働く際の環境がどのようなものであれ、会社で働くときと遜色ない勤務環境を用意できるかどうかがテレワークの最大のポイントといっても過言ではないでしょう。
テレワークの意味
ではどうして近年になってテレワークの重要性・必要性が指摘されるようになっているのでしょうか。
おもに通信機器の進歩によってそれができる環境が揃っているのも理由の一つですが、テレワークが現代ビジネス、さらには社会状況にマッチした環境を築くのに役立つ点も大きな理由です。
ここにテレワークの意味というか意義があるとも言えます。
たとえば長い間日本のビジネスマンにとって大きな負担となっていた通勤の負担を大幅に改善することができます。何しろ在宅勤務なら出勤する必要がないわけですから、残りの時間を趣味や家庭生活、さらには資格の取得などスキルアップに充てることができます。
テレワークとリモートワークの違い
テレワークと同じような意味合いで使われる言葉でリモートワークがあります。
こちらは「remote(遠い)」と「work」を組み合わせた言葉、つまり基本的な意味はテレワークと一緒ということになります。
実際多くの場面では両者を同じ意味で使われています。
ただ、リモートはリモートコントロール(リモコン)という言葉があるように、遠隔地に離れたものをうまく機能させるといったニュアンスも含まれています。
そのため、プロジェクトやチームなど離れたところで作業するスタッフ同士がうまく連携しながら勤務する状況などに使われる傾向が見られるようです。
とはいえ、繰り返すようですが、これらの言葉の厳密な使い分け方については存在せず、オフィスとは別の場所で離れて働くことについて、どちらの言葉で表現しても間違いはないでしょう。
企業でテレワークを取り入れるメリット
テレワークを導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
働く側からの視点、企業側の視点の両方を交えながら、メリットについて詳しく見ていきましょう。
まず働く側と利害を一致させることができるのが、通勤をはじめとした従業員の負担の軽減とモチベーションの維持・向上です。
毎日の通勤の負担を減らすだけでもどれだけ従業員の心身両面への負担を軽減することができるか、毎朝ラッシュにもまれて通勤している従業員がとれだけ疲労を蓄積させているか、考えてみるだけでもそのメリットは容易に想像できるでしょう。
また、日本型ビジネススタイルの問題点としてよく挙げられる「わざわざハンコを押すために出勤する」「用事はないけど上司が出勤するから部下も出勤せざるを得ない」といった無駄を省くこともできます。
連日のように長々と行いつつも、あまり役に立たない会議そのものを減らすことができるのも、企業・従業員両方にとってのメリットとして挙げられるでしょう。
また、主に企業側目線となりますが、さまざまなコストを削減できる点も重要なメリットです。
在宅勤務になれば通勤の交通費の負担が大幅に減ります。これだけで月に数十万円単位のコストを負担している企業も少なくないでしょうから、テレワークの実施で目に見えてメリットを感じられるポイントといえるでしょう。
さらにオフィスで用意する備品のコストも減らすことも可能になります。
従業員が在宅で勤務する場合にはテレワークに必要なデバイスやツール、パソコンなど最小限のものを用意するだけでよいため、テーブルや椅子などの備品にコストをかける必要がなくなります。
このほかにも、テレワークが導入されていれば、会社に出勤してフルタイムで働くのが難しい人に就業の機会を提供できるというメリットもあります。
本人も働く意思があり、会社にとっても役立ってくれる人材にもかかわらず、家庭の事情などで出勤して働くことが難しいといった場合も、テレワークがうまく活用できれば働き続けてもらうことが可能になります。
近年の人手不足の問題もあって、こうした場合に人材を失ってしまわないような対策をとっておくことは非常に重要となっています。
あわせて、テレワークの導入による企業イメージのアップで優秀な人材を獲得しやすくなるといった点も見逃せないでしょう。
こうしたテレワークのメリットを引き出すことで、従業員のモチベーションを高め、満足度ややりがいをもたらし、さらに時間の余裕を利用して各々のスキルアップに励む機会も提供できるようになります。
生産性や能率の向上はもちろん、従業員一人一人のポテンシャルアップにも役立てることができるのです。
企業でテレワークを取り入れるデメリット
これだけメリットがあればいいことづくめのようにも見えますが、あくまでこれはすべてがうまく回ったときの話。
実際にはさまざまな問題と直面し、デメリットを背負わなければならないケースも出てきます。
まず、テレワークのメリットの説明の中で生産性や能率の向上について触れましたが、逆にこれらが下がってしまうおそれがあります。
出勤してオフィスに集まって仕事をするという環境なら、上司や同僚をはじめとした周囲の目もあるので、集中して作業を行うことができます。しかし在宅勤務など周囲の目がない環境では、どうしても気が緩んでしまいがちです。
在宅ともなると、ついついこまめに休憩を入れてしまいいつまで経っても作業が終わらない、などといったケースも起こりうるでしょう。
そうなると従業員の生産性に大きな個人差が生じるケースも出てきます。自己管理がしっかりできて在宅でもきっちり作業できる人とそうでない人で大きな差が出てくるわけです。
また、従業員間のコミュニケーションが取りづらいといった課題も挙げられます。
オフィスに集まって顔を合わせていれば、ちょっとした仕事の相談や雑談など、自然と会話が生まれる環境があったかと思います。
しかし、テレワーク中は基本一人。各種ツールでコミュニケーションの手段は用意されているものの、会話に比べるとやや気軽さにかけてしまうため、全体的に会話は生まれにくくなるでしょう。
これにより、チームの連帯感が失われてしまうなど、仕事をする上で重要な要素が欠けてしまう恐れがあるのです。
さらに、出勤をはじめとする負担の軽減でモチベーションが高まる一方、会社全体の一体感や求心力が低下する可能性もあります。
どうしても会社への帰属意識が低下し、「みんなで協力して仕事をしている」という意識が不足してしまうのです。
この状況が悪化すれば、「会社のためにこんなに頑張る必要はないんじゃないか」「どうして自分はしっかりやっているのにほかの従業員のフォローをしなきゃいけないのか」といった不満が起こりやすくなります。
それを防ぐためにも、テレワーク中もコミュニケーションをしっかりととり、目標の設定や適切な評価など、会社で働く意義やモチベーションを維持できる環境づくりが企業側で求められます。
テレワークの導入に便利なものは?
できるだけメリットを引き出せる環境を築くためにも、テレワークを導入する際には役立つツールやシステム、サービスを積極的に導入しておきましょう。
IP電話サービス
まずご紹介するのはIP電話サービスです。
インターネット回線を活用したこのサービスは、すでに導入している企業も多いですが、テレワークを導入する際にはこれまで以上に積極的に役立てることができます。
例えば、テレワークをする従業員のスマホにIP電話サービスを導入することで、固定電話のような形で利用することができるようになります。
スマホの番号とは別に固定電話の番号を取得して利用できる、さらには会社の代表番号を追加したうえでその番号で利用できるなど、どこにいても会社で電話を使っているような環境を構築できるのです。
チャットサービス
チャットサービスは、メールなどの手段に比べて、手軽かつスピーディーにコミュニケーションを行える手段です。テレワーク中に最も触れる機会が多くなるツールと言っても過言ではありません。
メールなどの手段をそのまま使い続けることも可能ですが、チャットツールは短文のメッセージのやり取りにも向いており、通常の会話に近い感覚で話を進めることができます。
やり取りのしやすさの面で非常に優秀なツールですので、テレワークの導入をすすめる際は、できれば導入しておいたほうが良いツールと言えるでしょう。
会議用サービス
チャットサービスに代わってテレワーク時代の主役になるコミュニケーションツールとして注目されているのが、映像を活用した会議用サービスです。
一般的にはWeb会議システムやテレビ会議システムなどと呼ばれるものです。
パソコン上でリアルタイムで画面上に参加者の顔が映し出され、音声と映像の両方でやりとりができます。
テレワークの普及の妨げとなっている理由の一つが「やはり直接コミュニケーションをとらないと不安」「メールやチャットなど文章だけでは本当に伝わっているのか確信が持てない」といった点が挙げられます。
会議システムを使うことで、遠隔地にいる人同士が顔を合わせたうえでコミュニケーションをとれるため、先程のような課題に対する解決策として活用できるでしょう。
テレワークに使えるIP電話サービス【03plus】
先述したIP電話サービスをテレワークに活かすことができるサービスが03Plusです。
固定電話の番号をスマホで利用できるだけでなく、電話の取次ぎに便利な「パーク保留」というサービスも使えます。
これは保留している間に他の端末に取り次ぐことができるものです。
例えば本社の電話に取引先からテレワークをしている担当者宛に連絡が来た場合、この機能を使って担当者が通話を引き継ぐことができるのです。わざわざ折り返し電話をするといった手間もなく、スムーズに対応ができます。
また、複数の端末で同じ代表番号を追加しておくことで、その番号に電話がかかってきたときに複数の端末で着信が受けられます。
そのため、先方の電話番号を確認したうえでどの従業員が受けるべきなのかを確認したうえで対応することができるのです。
IP電話では通話料金が安くなるだけでなく、特定の範囲内の通話が格安、または無料になるメリットがあります。03plusでは社内間の通話では内線はもちろん外線も通話料無料で利用できます。
つまりテレワークはもちろん、サテライトオフィスで勤務しているスタッフと本社同士の通話でも無料で利用できるわけです。
まとめ
いかにうまくコミュニケーションをとれるか、従業員同士の連帯感や企業の求心力を維持しながら勤務できる環境を整えるか。
これらがテレワークを成功へと導く重要なポイントでしょう。
会議用サービスやIP電話などを導入しつつ、適切な人事評価やスケジュール管理などの環境の整備もしっかり行うことで、より良い環境づくりに役立てていきましょう。