テレワークの導入が進んでいく中で、進化したICT技術を確認するかのように「Webミーティング」やオンライン上の大規模セミナー「ウェビナー(Webinar)」が注目を集めてきました。
しかし、テレワークが普及した今、1対1でWebミーティングを行う「 1on1(ミーティング)」が密かに注目され始めています。
1on1(ミーティング)は、テレワークで疲弊する社員を救うどころか、モチベーションアップにもつなげられるというのです。
なぜ 1on1(ミーティング)がテレワークに有効なのか、本記事では 1on1(ミーティング)の必要性について解説します。
目次
なぜ1on1ミーティングが必要なのか?
テレワークは、在宅勤務やサテライトオフィス勤務、カフェなどで業務を行うモバイルワークなどが含まれますが、どれも従来型のオフィスと比較すると、かなりの少人数で仕事に取り組むことになります。
在宅勤務であれば、基本は1人で業務に向き合います。1週間に1日程度と少ない割合のテレワークならいいですが、これが数週間、数ヶ月と毎日続くとなると、徐々に体調や精神に悪い影響が出てくる可能性が出てくるでしょう。
たとえば、家族と同居している社員であれば、ランチタイムは家族と一緒に過ごせるかもしれませんし、業務が終われば即、家族とのコミュニケーションが再開されます。
しかし、1人暮らしの場合はどうでしょうか。
技術職などの場合、必要な内容をWebミーティングで確認したら、自分の作業に没頭することになります。オフィスのように話しかけてくれる同僚はいません。
定例のミーティングが1日1回ない場合、要件をメールやチャットで済ませられるようであれば、人と話をする機会はありません。仕事が終わった後も、話しをする家族がいないとなれば、なお、言葉を発する機会がありません。
感染症の感染防止対策などで外出の自粛が求められたり、飲食店が営業を自粛していたりすると、さらに外出の機会は減ります。デリバリーサービスは、外出しなくてもいい代わりに、店員とコミュニケーションを図る機会もなくなります。1日、全く話しをしなかったという人がいてもおかしくないのです。
対面でのコミュニケーションが失われ続けると、体調面や精神面に変化が生じます。
社員が不健康になれば、仕事の効率が下がってしまいます。ひいては会社の生産性の低下を招くのです。不健康な社員が不健康なままで居続けることは、会社の負債となって積み重なっていきます。
最終的に、会社の社員のモチベーション低下や一体感の欠如など、組織の生産性を下げる要因になる可能性があります。
テレワーク中でも会社の生産性を保つため、また、テレワークでもさらに高めるためには、コミュニケーションの量を減少させないように務めることが重要です。
テレワーク中の1on1(ミーティング)は、上司や部下、または同僚が、昼食や自宅で飼っているペットの話しなど、たわいない会話をしたり近況報告をしたりすることでもいいのです。
同僚などのフラットな関係の人が行う1on1(ミーティング)であれば、テレワーク中に困っていることや、張り合いのなさや会話できないつまらなさを共感することでも問題ありません。
もう少し前向きに、困っていることをどう解決するか話し合ってみたりしてみるもいいでしょう。
徐々に1on1(ミーティング)に慣れてきたら、業務について、チームの仕事の方向性についてなど、仕事にまつわる少し難しい問題についてじっくり話し合ってみましょう。
1on1(ミーティング)は、インターネット環境の他にカメラやマイクの付属したPCか、スマートフォン、タブレットなどのデジタル端末と、Zoom(ズーム)やGoogle Meet(グーグル ミート)、Microsoft Teams(マイクロソフト チームス)などといったWebミーティングツールさえあれば、手軽に開始できます。
テレワーク中には備わっているツールばかりではないでしょうか。まずは15分くらいの短時間で週1ペースや隔週ペースなどではじめてみましょう。
テレワーク環境下で1on1ミーティングで期待できる効果
テレワーク環境下で1on1(ミーティング)を行うことによって期待できる効果は想像以上にあるでしょう。ここからは、特に上司と部下が行う1on1(ミーティング)の効果について、具体的に紹介します。
トラブルの未然防止
テレワーク中に1on1(ミーティング)を行うことで、トラブルを未然に防止することができます。
1on1(ミーティング)時だけでなく、チャットやメールで日ごろから情報共有を徹底することも大切ですが、短時間でも時間を取って1on1(ミーティング)を実施することでトラブルの種に気づくということもあります。
たとえば「仕事のメンバーが制作物のデータを開いたままにしていたことに気がついたが、毎回ではない」という話しを上司が1on1(ミーティング)で部下から聞いていれば、データを同時に開いてしまったことによる更新データの保存ミスを防ぐことができます。
普段の勤務であれば「○○さん、あのデータを更新するから閉じてもらえる?」という何でもない話しをすればいいだけです。
しかし、「毎回データを開きっぱなしにしているわけではなさそうだ」と、誰かが判断してスルーしてしまうと、後々、制作業務をしたのに古いデータが上書き保存されてしまうなどという事態も起こりかねません。
1on1(ミーティング)のたわいもない会話をしっかり受け止められるのかどうか、聞き手の姿勢も重要です。
関係性強化
相手の話しをきちんと聞く1on1(ミーティング)であれば、テレワーク中の社員も「1人ではない」と心強く思い、関係性を強化できるでしょう。
多くの人が参加するWeb会議の際は、通常の会議のようにどうしても発言力のある人が多く話してしまいますが、1on1(ミーティング)であれば、相手と自分しかいませんので、発言力の有無は関係なくなります。
そもそも、通常勤務の時から「部下1人1人と話をする機会が不足している」「世代間ギャップで、部下と上手にコミュニケーションが取れない」という悩みを抱えていた上司であれば、1on1(ミーティング)はうってつけです。
通常勤務に1人1人会議室に呼び出してしまうと、部下も構えてしまいますが、テレワーク中なら必然的に1人ですので、1on1(ミーティング)も簡単に行うことができます。
これまでよりも上司と部下の関係性をぐっと強化することが可能なのです。
成長促進
テレワーク中に上司と部下が定期的に1on1(ミーティング)を行っていった場合、上司は部下にとって重要なメンター的存在になっていくでしょう。
上司が部下に1on1(ミーティング)で目標設定やそれに向けての行動について上手に導くことができれば、部下の成長も望めます。
通常勤務の場合、いちいち呼び出して声かけをする時間はないでしょうし、部下1人だけに目を掛けていたら、他の部下にひがまれてしまいます。
人の目を気にせず、部下1人1人に丁寧に接することができるのが1on1(ミーティング)を使った交流のメリットです。
1on1(ミーティング)で、付かず離れずのスタンスで的を射た助言ができれば、優秀な人材を育成し、会社の発展に貢献できるでしょう。
モチベーション向上
1on1(ミーティング)を上手く行うことで、チーム内でさほどトラブルが生じず、安定したテレワーク環境を保つことができるでしょう。
さらに、孤独にさいなまれることもなく、上司の期待という後押しもあれ、部下の仕事へのモチベーションもおのずと向上するかもしれません。
通常勤務の時よりも多く上司の人柄や考えに触れられることで、部下は「上司と仕事を続けたい」「この会社で成長して上司のような存在になりたい」などと考えるようになるのではないでしょうか。
1on1(ミーティング)で仕事へのモチベーションが上がり、愛社精神がアップすることで社員の離職が抑えられ、定着率を改善にもつながっていくでしょう。
テレワーク環境下で1on1ミーティング実施するときのポイント
1on1(ミーティング)の効果を確認したところで、次はテレワーク環境下で1on1(ミーティング)を実施するときのポイントについてお伝えします。
1on1ミーティングの実施目的を共有する
テレワーク中に1on1(ミーティング)を行うのはなぜなのか、実施目的を共有することがポイントです。ミーティングを開く目的が相談なのか、連絡なのか、報告を求めるものなのか共有しましょう。
「上司が部下に行う人事評価が目的の1on1(ミーティング)」「チームメンバーとの交流が目的の1on1(ミーティング)」などと実施目的を共有できていれば、気持ちの面で備えておくことができます。
1on1ミーティングの内容をあらかじめ共有する
1on1(ミーティング)の内容をあらかじめ共有することも大切なポイントです。
具体的に「業務の成果や進捗確認」「テレワークで困っていることの有無」「テレワークで改善してほしいことを伝える」などと内容を事前に具体的に伝えておければ、備えておくことができるので、実のある1on1(ミーティング)となるでしょう。
話しやすい環境を作る
時には雑談を交えて、相手が話しやすい雰囲気作りをすることもポイントです。
テレワークで誰にも愚痴や弱音を吐けずに業務に就いているはずですので、気持ちをほぐすような考えなくても答えられるような、楽しい話題を振って話しやすい環境を作りましょう。
定期的に実施する
1on1(ミーティング)は1回実施してOKではなく、各週など定期的に実施していくとよいでしょう。
1回の1on1(ミーティング)ではなかなか本音を聞けなかったが、徐々に1on1(ミーティング)にも慣れてきて、気持ちを伝えるようになってくることも期待できるでしょう。
あらかじめ、1on1(ミーティング)の開催日が決まっていれば「ミーティングまでに業務を片付けよう」「ミーティングであのことを相談しよう」と、ミーティングの開催日時が一種の締め切り効果として役に立つこともあるかもしれません。
テレワーク環境下での電話対応は「03plus」
テレワーク環境下では、グループウェアのチャット機能などを多用していることが多いでしょう。
しかし、テキストベースのやりとりだけでは発信者の意図とは異なる解釈がされる場合があります。そのような時は、やはり音声で補足することが大切です。
テレワーク中におすすめしたいのは「03plus」というスマートフォン用電話アプリです。「03plus」は、固定電話の番号をスマートフォンで利用でき、複数契約していれば、内線電話のようにスマホから気軽に利用ができます。
テレワーク中はずっとPCに向かっていて運動不足という方も、「03plus」を使えば、室内を歩き回りながら、あるいはスクワットなどの運動をしながら通話ができます。
電話対応は、テレワーク中の重要な悩みのひとつでしょう。電話応対者が必要だからとテレワークを導入できないということはありませんか。「03plus」は固定電話の番号を持つことができるので、テレワーク中でも電話応対が可能です。
代表番号機能を持たせることができるので、スマートフォンで代表番号の発着信ができます。パーク保留機能など、通常の電話と変わらない機能を持たせてあるので、通常のオフィスと変わらない応対も可能です。
まとめ
1on1(ミーティング)の実施で、テレワーク中の社員の心身の調子を確認するだけでなく、モチベーション向上や成長につながることが分かりました。
ミーティングを開くこと自体は、話者は2人だけなので、大勢の人に対して話をするWebミーティングやウェビナーを開くよりもとても簡単です。
1on1(ミーティング)を始める方は、どのようなことについて話すか、目的をはっきりと定め、内容を練ってみましょう。