テレワークの需要が一段と高まっている今、テレワークをするための最適な場所を探している人も多いでしょう。
テレワークをする場所と言えば自宅やカフェなどをイメージしますが、環境が整っている場所であれば作業が可能です。
ここでは、テレワークに最適な6つの場所についてメリットやデメリットをお伝えします。
目次
テレワークに適した場所とは?
テレワークに適した場所をお伝えする前に、まずはテレワークを取り巻く状況を簡単に見ていきましょう。
コロナ禍で急速に広まったテレワーク
テレワークとは、ICT(情報通信技術)などを活用し、普段仕事を行う事業所・仕事場とは違う場所で仕事をすることです。
国土交通省が令和2年3月に公表した『平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査-調査結果の概要-』によると、新型コロナウイルス感染症対策として政府がテレワーク活用を呼びかけていたことを認知していた人は、調査サンプル全体で90.0%だったと公表しています。
また『テレワークという働き方を「知っていた」』と回答した人の割合は32.7%(前年度29.9%)と上昇傾向にあることからも、新型コロナウイルス感染症の流行によって、テレワークの認知度は急速に高まったと言えるでしょう。
テレワーク環境に必要な条件とは
国土交通省が行った調査によって、テレワーク環境を整えるための課題が浮き彫りになりました。
- 企業でないと閲覧・参照できない資料やデータなどがあった
- 営業・取引先や同僚・上司などとの連絡や意思疎通に問題があった
今回の新型コロナウイルス感染症の流行に限らず、大規模災害などの緊急時においても支障なく業務を行うためには、テレワークの環境整備が必要です。
そのための条件として、以下が考えられます。
- テレワークに関する社内規定や制度の整備
- 書類のぺーパーレス化・クラウド化
- 日頃からテレワークを実施する
- インターネットなどの通信費や水道光熱費、机や椅子などの作業環境を整えるための手当を用意する
このように働く場所の選択肢を広げるためにも、さまざまな視点で環境整備について考える必要があると言えるでしょう。
テレワークをどこでする?各場所を比較
テレワークができる場所はどんなところがあるのでしょうか。
ここでは代表的な場所と、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えします。
自宅
テレワークをするにあたって、まず候補にあがる場所は自宅ではないでしょうか。
ここでは、自宅でテレワークを行うメリットとデメリットをお伝えします。
【メリット】
自宅でテレワークを行う場合、出勤のための身支度の準備が必要ないため、部屋着を着て朝ごはんを食べながらメールをチェックすることも可能です。
また通勤時間や昼食を摂るために外出する時間なども削減できるので、隙間時間を家事や育児、介護に充てるなど、時間を有効に使えます。
自宅でテレワークを行う場合、人と接する機会が少なくなるため、新型コロナウイルスなどの感染症対策にもなるでしょう。
【デメリット】
自宅でのテレワークでは、仕事とプライベートの切り替えがしにくく、テレビやスマートフォンなどの誘惑も多いため自己管理が難しいデメリットがあります。
また、成果を出すためについ働き過ぎてしまい、業務時間を超えて作業してしまうケースもあるでしょう。
また、パソコン周辺機器やインターネット環境、机や椅子などの作業環境は仕事効率に影響しますので、自分で環境を整える必要があります。
コワーキングスペース
コワーキングスペースとは、個人事業主や起業家、テレワークができる会社員など多種多様な職種の人が仕事のために利用する施設です。
インターネット環境や印刷機などパソコン周辺機器が充実しているだけでなく、ミシンや工具などをそろえていたり、ドリンクや軽食の提供が充実していたりと、施設によって設備が異なります。
【メリット】
使用料金の支払いは、月額使用料と「ドロップイン」と呼ばれる1時間当たりの料金を支払う方法から選択できるケースがほとんどです。
毎日利用するのであれば月額使用料を支払い、息抜きを兼ねて時々利用するのであればドロップインを選ぶ、というように利用頻度によって選択できます。
また、多種多様な業種・業界の人が集まることから、交流の場と捉えている利用者も少なくありません。
情報交換やスキルアップなどが望める場所なので、新たなビジネスチャンスの可能性が広がります。
【デメリット】
コワーキングスペースの中には交流イベントが行われるなど「仕事をしながら交流もできる場所」として施設を運営しているケースが少なくありません。
そのため自由に会話ができることもあり、静かな雑音の少ない場所で仕事をしたい人には向いていない場合があります。
徒歩圏内にコワーキングスペースがない場合、交通機関を使った移動も必要です。
また、施設自体も不特定多数の人が利用する場所なので、新型コロナウイルスなどの感染症対策は欠かせないでしょう。
サテライトオフィス
企業のオフィスから離れた場所に設置するオフィスを、サテライトオフィスと呼びます。
【メリット】
サテライトオフィスは電源や印刷機、電話用ブース、会議室などの設備が整っていますので、普段使用しているオフィスとほぼ同じように働ける場所です。
仕事をするために用意された場所なので、基本的には私語が少なく静かな空間で、人目があるため緊張感をもって仕事に取り組むことができます。
【デメリット】
サテライトオフィスによっては、事前に利用登録をするケースや予約制の場所もあり、当日利用ができないこともあるので注意が必要です。
また自社の社員のみが利用できる場所もあれば、複数の企業が共同で利用する場所もあり、利用ルールもさまざまとなっています。
サテライトオフィスは私語が少ない環境ではありますが、多くの人が利用する場所です。
マスクを使用したりこまめに除菌をしたりと新型コロナウイルス感染症対策は必須でしょう。
宿泊施設
最近では、東京都が宿泊施設テレワーク利用促進事業を始めたこともあり、テレワークをするための場所を提供している宿泊施設が増えています。
【メリット】
今話題の「ワーケーション」をご存知でしょうか。
ワーケーションとは、通常のオフィスとは違う場所で働きながら休暇を取得する仕組みのことで、リゾートや観光地などでリフレッシュやリラックスをしながら仕事をするため業務効率の向上が期待されています。
宿泊施設には、机や椅子、Wi-Fi、LANケーブル、大型モニターなどの設備があるため、テレワークに最低限必要な設備がそろっています。
非日常を感じながらリラックスして仕事ができる点は、業務効率の面でメリットと言えるでしょう。
【デメリット】
通常の宿泊に比べると低い料金設定であることがほとんどですが、他のテレワーク施設に比べるとコストが高くなる場合があります。
また、宿泊施設のため予約が必須で、突発的な利用や長期的な予約ができない可能性があるでしょう。
カフェなどの飲食店
FreeWi-Fiが利用できる場所が増えていることもあり、テレワークを目的に飲食店を利用する人もいます。
【メリット】
カフェなどの飲食店は自宅のように気を散らす要素がないため、仕事に集中できたり、店内のBGMを聞きながら作業ができたりと、リラックスしながらテレワークができる場所です。
飲食店によってBGMやインテリアの雰囲気が異なりますので、好みの場所を選んだり、午前中と午後で場所を変えたりと、楽しみながらテレワークができます。
【デメリット】
飲食店を利用する時は必ず注文をしなければなりませんので、出費がかさむ点はデメリットでしょう。
混雑時は時間制限があったり、周りの目が気になったりすることも考えられますので、長時間の利用が難しい可能性もあります。
また、多くの人が利用する場所のため感染症対策も必要です。
モニターや印刷機などが利用できないため、パソコンやタブレットなどでの仕事以外はできないため、作業効率が悪くなる可能性があります。
セキュリティの観点から企業によってはFreeWi-Fiの利用を禁止しているケースもありますので、テレワークをする前は自社のルール確認が必要です。
レンタルスペース
テレワークができるレンタルスペースには「自宅以外に自分の部屋を持つ」という少し贅沢なイメージがあるかもしれません。
オフィス感のある内装やリラックスできる空間を意識したインテリアなど、施設によってさまざまな特徴があります。
【メリット】
建物の一室や建物ごとレンタルするので、自分や仕事仲間だけの空間を持つことができます。
また、サテライトオフィスなどに比べると契約も簡単なため気軽に利用できる場所です。
インターネット環境やWi-Fi、プリンターだけでなく、会議ができるようにプロジェクターやホワイトボードなどを設備していることもあるため、個人での利用から大人数の会議まで利用目的に合わせて選ぶことができます。
【デメリット】
個人でテレワークのために利用するのであれば、個室を選ぶことになります。
さまざまな人が利用している場所のため、利用前に部屋の除菌を行ったり定期的な換気をしたりと、新型コロナウイルスなどの感染症対策を意識する必要があるでしょう。
カラオケ店
テレワークのニーズが高まっていることもあり、昨今テレワーク対応のカラオケ店が増えています。
【メリット】
カラオケ店でテレワークをするメリットは、密室のため人の目や会話を気にする必要がない点があげられます。
電話やオンライン会議などで話す内容を第3者に聞かれる心配も少ないため、声のボリュームを気にする必要がありません。
また、電源やWi-Fiに加えてフリードリンクを利用できるカラオケ店もあることから、テレワークをするための最低限の設備は整っていると言えるでしょう。
【デメリット】
モニターやプリンターなどを利用できないケースが多く、また窓がないことも多く照明が暗く感じることもあるでしょう。
またほとんどの場所が密室となるため、新型コロナウイルスなどの感染症対策も気を使わなければなりません。
どんな場所でも万全のテレワークをするためには?
そもそもテレワークを実施するためには相応の設備が必要です。
ここでは、どんな場所でも万全にテレワークをするための条件について見ていきましょう。
インターネット環境は要チェック
メールやチャット、資料の共有などテレワーク中に社員やクライアントと連絡を取り合うためには、インターネット環境を充実させなければなりません。
自宅で行う場合、通信費を抑えるためにWi-Fi機器を設置する必要があるでしょう。
また通信状況が悪いと、メールの送受信やオンライン会議などのインターネットを使った業務に支障をきたすため、テレワークをする場所の電波状況を確認することが大切です。
どんな場所でも万全のテレワークをするためには、インターネット環境のチェックは欠かせません。
ITツールを整備しよう
インターネット環境を整えるだけでは、テレワークをするための環境整備ができているとは言えません。
チャットツールやオンライン会議が行えるツールを導入することに加え、さまざまな書類のペーパーレス化・クラウド化も求められます。
今まで紙媒体で管理していた書類をオンライン管理に切り替えることで、社員はいつでもどこでも、オフィスと同様に資料の「確認・作成・修正・共有」が可能です。
署名・捺印も電子署名などに切り替えることで、信頼性を担保しつつ利便性が向上します。
電話の対策も必要
テレワークで気掛かりな点のひとつに、オフィスに設置された固定電話の電話対応ができない点があげられるでしょう。
ここでは、オフィスにいなくても固定電話の対応が可能になる「03plus」をご紹介します。
「03plus」でどこでも電話対応が可能に
継続率97%、市外局番46局に対応している「03plus」は、アプリをインストールするだけで固定電話の対応が可能になります。
スマートフォンを使った通常の通話ではないので、社員の個人携帯にアプリをインストールしても企業が通話料金を負担できます。
複数人で代表電話番号を共有できるので「スマートフォンで通話中のため電話に出られない」といったケースでも、他の社員が対応可能です。
また、オフィスの電話番のためだけに出社するということも防げるため、社員が平等にテレワークを実施できます。
まとめ
働き方改革が推進されていることからも、自由に働く場所を決められたり、感染症対策の観点からテレワークを推奨したりする企業は増えてきました。
テレワークを実施するための課題も浮き彫りになり、さまざまな企業が対応に追われていることでしょう。
災害時や感染症流行時だけでなく、育児や介護で出社や残業が難しい社員にとっても、テレワーク環境を整備することはメリットがあります。
緊急時のリスク管理としてだけでなく、多様な生活スタイルに対応するためにも、テレワーク環境の整備が求められています。