電話転送についてまとめ。固定電話転送の問題を解決
スマートフォンの普及に伴い、個人のコミュニケーション手段として、メッセージアプリやSNSが主流となってきていますが、ビジネスの現場では、まだまだメインのコミュニケーション手段として、電話(音声通話)が利用されています。皆さんの自宅に固定電話を引いていないことはあっても、職場には固定電話が引いてあるのではないでしょうか?
固定電話は、その名が示す通り、固定されていて、携帯電話のように持ち運ぶことができません。固定されていることが、その住所に電話回線を引いている、というメリットにつながっているのですが、固定されていて携帯できない、ということが、コロナ禍のテレワークで多くの人が困ったように、「電話対応のために出社する」という状況を引き起こした原因にもなっています。
そんな時に便利なのが、転送電話サービスです。固定電話の電話番号宛てにかかってきた電話を別の電話番号に転送することで、固定されていることのデメリットの部分を解消することができます。
この記事では、固定電話番号の転送を中心に、携帯電話の転送や、比較的新しいクラウドPBXといったサービスについても、03plusでの具体例を交えながら説明していきます。
目次
転送電話とは?
転送電話とは、かかってきた電話を別の回線に転送する機能です。予め登録した着信先へ無条件で転送する「無条件転送」や通話を保留してダイヤルした先へ転送する「保留転送」、指定時間内に応答しない場合に転送する「無応答転送」、時間帯によって登録された着信先へ転送する「時間帯別転送」など、転送の条件や操作方法などにより、いくつかの種類があります。
電話会社が提供しているサービスとして代表的なものは、NTTがボイスワープの名称で提供している転送サービスです。ボイスワープは、かかってきた電話を予め登録した電話番号に転送サービスです。
ボイスワープについて詳しくは、下記URLからご確認ください。
NTT東日本 ボイスワープについて
ボイスワープは固定電話回線用の代表的なサービスですが、それの固定電話会社、携帯電話会社でも、かかってきた電話を転送するサービスを提供しています。
固定電話
東京03や大阪06など市外局番で始まる電話番号を、固定電話番号と呼びます。市外局番の電話番号を利用するには、原則として市外局番地域として指定されたエリアに物理的な回線を引く必要があります。物理的に固定され、携帯電話のように持ち運ぶことができないため、固定電話と呼ばれます。
以前は、家庭には必ず固定電話を引いていましたが、携帯電話やスマートフォンが普及し、若い世代を中心に固定電話を引いていない家庭も増えてきています。しかしながら、ビジネスの現場では、外部との主なコミュニケーション手段として、固定電話が利用され続けています。
電話会社が提供している物理的な回線が必要な固定電話サービスの主なものは、以下の通りです。
NTT東日本 ひかり電話
https://flets.com/hikaridenwa/
NTT西日本 ひかり電話
https://flets-w.com/opt/hikaridenwa/
KDDI auひかり電話サービス
https://www.kddi.com/phone/au-hikariphone/
Softbank おとくライン
https://www.softbank.jp/biz/voice/otoku/
上記すべての固定電話サービスで、オプションとして、無条件転送で固定電話を転送するサービスが提供されています。
携帯電話
携帯電話とはその名の通り、携帯して持ち運びができる電話のことです。携帯電話の電話番号の先頭は、090、080、070のいずれかとなっています。
主な携帯電話会社は、以下の通りです。
KDDI(au)
https://www.au.com/
Softbank
https://www.softbank.jp/mobile/
携帯電話各社も、無条件転送の転送電話サービスを提供しています。
固定電話・携帯電話の転送サービス
転送サービスは、固定電話や携帯電話それぞれで利用可能です。ただし、両者は使い方や利用シーンが異なり、サービスを提供する業者も異なります。そのため、固定電話・携帯電話の転送サービスには異なる機能が存在します。以下で、それぞれの転送サービスの特徴について解説します。
固定電話の転送サービス
固定電話の転送サービスを利用すると、固定電話宛てに着信した通話を、あらかじめ設定した別の固定電話や携帯電話番号へと転送することができます。
よくある利用シーンとしては、社員が営業やリモートワーク等で出払ってしまっているときに、会社宛ての着信を、社員の携帯電話へと転送するといったものです。社外にいながら会社宛ての電話に対応することができます。
固定電話の転送サービスは、コロナ禍のリモートワークの普及により、出社せずに電話を受ける手段として多く利用されるようになってきています。
各固定電話サービスでは、転送電話サービスをオプションとして提供しています。原則として、利用するには申し込みが必要となります。また、オプション料金の他、転送元(契約者)から転送先まで転送した分の転送通話料金が発生します。転送先の登録方法、転送の開始、停止方法などは、サービスごとに異なります。固定電話を転送するサービスの主なものについて、申込方法、オプション利用料金、転送先の登録、解除の仕方を簡単にまとめてみました。
NTT東日本 ひかり電話 ボイスワープ
https://web116.jp/shop/benri/vw/vw_00.html
[申込方法]
- 利用している固定電話の番号から局番なしの116に電話する。
- パソコン、スマートフォンで下記URLのホームページから申し込みを行う
https://flets.com/hikaridenwa/subscription/
[料金]
- 初期費用(※工事費等):2,200円(税込)
- 月額利用料:550円(税込)
[転送の設定]
<転送先の登録>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→2をダイヤル→ガイダンス→転送先電話番号+#をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の開始(無条件転送の場合)>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→完了
<転送の停止>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→ガイダンス→完了
NTT西日本 ひかり電話 ボイスワープ
https://flets-w.com/opt/hikaridenwa/service/voicewarp/
[申込方法]
- 0120-116-116に電話する
- 下記、URLのホームページから申し込みを行う
https://flets-w.com/opt/hikaridenwa/
[料金]
- 初期費用(※工事費等):2,200円(税込)
- 月額利用料:550円(税込)
[転送の設定]
<転送先の登録>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→2をダイヤル→ガイダンス→転送先電話番号+#をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の開始(無条件転送の場合)>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→完了
<転送の停止>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→ガイダンス→完了
KDDI auひかり電話サービス 着信転送
https://www.au.com/internet/service/auhikari/phone/option/forwarding/
[申込方法]
- パソコン、スマートフォンで下記URLのホームページから申し込みを行う
https://www.au.com/support/service/internet/procedure.htmlservice/call-forwarding/- 上記URLに記載の電話番号に、電話して申し込む
[料金]
- 初期費用:無料
- 月額利用料:550円(税込)
[転送の設定]
<転送先の登録>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→4をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→転送先電話番号+#をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の開始(無条件転送の場合)>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の停止>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→完了
Softbank おとくライン 多機能転送サービス
https://www.softbank.jp/biz/voice/otoku/option/gaiyou16/
[申込方法]
- 「おとくライン」カスタマーセンター(0088-221-221)に電話して申し込む
- パソコン、スマートフォンで下記URLのホームページから申し込みを行う
https://cportal.itc.softbank.jp/web/portal/login
[料金]
- 初期費用:無料
- 月額利用料:800円(税抜)
[転送の設定]
<転送先の登録>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→4をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→転送先電話番号+#をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の開始(無条件転送の場合)>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→1をダイヤル→ガイダンス→完了
<転送の停止>
受話器を上げて142をダイヤル→ガイダンス→0をダイヤル→完了
料金については、この他、転送を開始し、実際に固定電話にかかってきた電話が転送された場合の、転送元(契約者)から転送先まで転送した分の転送通話料金が発生します。各社、転送先の電話回線により、転送通話料が異なります。
より詳しくは、各社のホームページをご確認いただくか、各社の問い合わせ窓口までお問い合わせください。
携帯電話の転送サービス
携帯電話の転送では、無条件転送や無応答転送など以外に、電波圏外の場合に転送する、圏外転送が利用可能です。主に、個人事業主が海外に出張する場合や、商談中に電話に出られない時に電話代行サービスに転送するなどの用途で利用されているようです。携帯電話では、転送サービスを利用する際に、NTTドコモでは申し込みが必要ですが、au、Softbankでは、申し込みは必要ありません。また、NTTドコモ、au、Softbankの3社ともオプション料金は、無料となっています。ただし、転送元(契約者)から転送先まで転送した分の転送通話料金が発生します。転送先の登録方法、転送の開始、停止方法などは、サービスごとに異なりますが、Webページからも設定を行うことができます。携帯電話を転送するサービスについては、以下のリンクからご確認ください。
転送の種類
転送には、無条件転送・無応答転送・応答後転送というバリエーションがあります。
- 無条件転送
転送元の固定電話に着信があった際、すぐに設定した別の電話番号(担当者のスマホ、携帯電話など)に転送する方法。 - 無応答転送
転送元の固定電話に着信があった際、応答せずにいると別の電話番号へと転送されるもの。 - 応答後転送
転送元の固定電話で応答を行った後、担当者へ手動で転送を行う方法。
また、転送方法には外線転送と内線転送の2種類あります。それぞれどのような特徴を持つのか、以下で解説します。
外線転送
外線転送とは、固定電話宛ての着信を他の電話番号へと転送する仕組みのことです。事前に転送する電話番号を設定しておき、固定電話番号に着信があった際に転送できるようにします。会社宛てに電話がかかってきても、社内の社員は担当者の代わりに対応する必要がなく、担当者の携帯電話で直接電話を受けられます。例えば、営業で外回りする担当者が多い企業では外線転送を導入すると、スムーズな電話対応を行えます。
外線転送における応答転送の流れは以下の通りです。
- 電話に出て用件を聞いて外線ボタンを押す
- 担当者のスマホや携帯電話の番号を入力し、担当者に用件を伝える
- 接続ボタンを押して外線転送する
- 担当者が電話対応をする
外線転送の場合は、オフィスの固定電話から転送先の電話への通話料がかかります。
内線転送
内線転送とは、固定電話宛ての着信をオフィス内の担当者へ内線で転送する仕組みのことです。規模の大きい企業で、フロアや部署が違う場合に利用します。内線転送を利用すれば、担当者が席を移動することなく電話対応できるため便利です。また、内線通話を利用した転送なので、外線転送と違って通話料がかかることはありません。
内線転送における応答転送の流れは以下の通りです。
- 電話に出て用件を聞いて内線転送ボタンを押す
- 用件にあった担当者の内線番号を押す
- 電話の相手と用件を担当者に伝える
- 担当者が外線ボタンを押して保留を解除する
- 担当者が電話対応をする
電話対応では、顧客をなるべく待たせないようにすることが大切です。そのため、内線転送する場合は、内線番号を素早く正確に押せるように、番号のメモなどを近くに用意しておくようにしましょう。
また、転送方法には外線転送と内線転送の2種類あります。それぞれどのような特徴を持つのか、以下で解説します。
会社の固定電話を転送するメリット、デメリット
会社の固定電話を転送設定した場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下で転送するメリットとデメリットについて解説します。
転送のメリット
会社の固定電話を転送することにはさまざまなメリットがあります。
転送サービスを利用すれば、担当者がいつでもどこででも顧客からの電話に出ることができます。電話対応のために出社する必要がなくなることから、営業の外回りなどに集中できるようになるでしょう。テレワークの推進も行いやすくなります。
また、転送サービスを利用すれば、折り返し連絡の手間を省いて迅速な電話対応が可能です。折り返しによるロスがないため、顧客を待たせることがありません。取り次ぎによる伝達ミスも防げますので、顧客満足度の向上も実現できることでしょう。
転送のデメリット
転送サービスは担当者がどこにいても顧客対応できることが大きなメリットです。しかし、デメリットもいくつかあります。
無応答転送を利用する場合、転送先として設定されているスマホや携帯電話にのみ着信が集中してしまうため、特定の社員に負担がかかります。そして、転送するためには固定電話番号からスマホ宛てへの転送通話料もかかります。顧客からの電話であれば問題ありませんが、迷惑な営業電話も転送されてしまうため、無駄なコストがかかることがあるでしょう。
また、折り返し電話をする際は、会社の固定電話番号からの発信はできません。顧客は会社の電話番号宛てにかけて、転送先の社員と話すことができます。しかし、転送サービスは着信元から転送先に転送するサービスであり、スマホや携帯電話で固定電話番号を使えるサービスではありません。そのため、折り返す場合は携帯電話番号で発信するしかないのです。顧客によっては、知らない携帯電話番号からかかってきた電話に不安を感じることもあります。場合によっては出てもらえないこともあるでしょう。
転送電話で利用する場合の課題点
転送電話は便利なサービスですが、実際に利用してみるとさまざまな課題点が浮かび上がってきます。具体的にどのような課題点があるのか、以下で解説します。
1つの番号にしか転送できない
転送サービスは複数ありますが、無条件転送をする場合は1つの番号にしか転送できません。無条件転送とは、転送元の固定電話に着信があった場合に、設定した別の電話番号(担当者のスマホや携帯電話など)へすぐに転送する方法のことです。1日に多くの電話がかかってくる場合、無条件転送設定にしたままだと、一人の社員にかなりの負担がかかります。電話対応に追われてパフォーマンスが低下し、通常業務がおろそかになることもあるでしょう。
クラウドPBXを活用すれば、この課題は簡単に解決できます。クラウドPBXは、固定電話番号宛ての着信を、複数の端末で受けることが可能です。そのため、電話対応の負担が一人にかかることがありません。
取り次ぎの手間が増える
応答後転送の設定をしている場合、取り次ぎの手間が増える可能性があります。応答後転送とは、転送元の固定電話で社員が応答を行った後、担当者へ手動で転送を行う方法のことです。顧客としては折り返し電話を待つことなくスムーズに担当者につながるため、利便性の高い転送といえます。しかし、電話の一次対応をする社員にとっては、取り次ぎの手間があるため負担がかかります。
クラウドPBXを活用すればこの課題も解決可能です。前述の通り、クラウドPBXは複数の端末で固定電話宛ての着信を受けられます。そのため、電話担当者は社員全員であり、特定の人に負担がかかることはありません。自動音声により着信の振り分けができるIVR(自動音声応答)を活用すれば、取り次ぎの手間をシステムに任せることが可能です。
転送通話料が発生する
転送サービスは利便性の高いサービスですが、転送通話料がかかるのがネックです。顧客からの大切な電話を取りこぼさないためには、転送通話料は必要なコストであるため、ある程度は仕方ないでしょう。しかし、何度もかかってくる迷惑な営業電話も転送されれば転送通話料がかかります。規模の大きい企業の場合は迷惑電話の数も多いので、無駄な転送通話料がかかってしまいます。
しかし、クラウドPBXを活用すれば、転送通話料はかかりません。迷惑な電話を着信拒否する機能もありますので、コストとともに社員の負担を減らすこともできます。
クラウドPBXとは?
会社の固定電話番号を転送する場合の問題点を解決することができる、クラウドPBXとは、どのようなものか、ご存じでしょうか?クラウドPBXとは、従来オフィス内に置かれていたPBX(電話の構内交換機)をクラウド化し、インターネット上で利用できるようにしたサービスです。電話回線を収容して利用するため、外線発着信、通話などを行うことができます。クラウドPBXといっても様々な機能があり、提供会社ごとに利用できるサービスも異なっていますが、概ね以下のような機能を備えています。
クラウドPBXの主な機能
- 外線発着信
- 内線通話
- 保留・転送、またはパーク保留
- 留守番電話
- 音声自動応答(IVR)
この他、PCやスマホアプリの利用、インターネットFAXや顧客管理システムとの連携、通話録音などサービスにより、様々な機能を利用することができるものがあります。
電話回線の収容については、サービス内で電話番号を取得できるもの、電話回線を別途契約する必要があるもの、の2つの種類があります。
クラウドPBXについてさらに詳しくはこちら。
「03」「06」など主要都市の市外局番に対応!
▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」
固定電話転送とクラウドPBX
ここでは、固定電話転送と、クラウドPBXを組み合わせて利用する場合について、さらに詳しく見ていきます。まず、クラウドPBXはインターネット上にあるため、電話回線がなくても、インターネット環境があれば、電話機能を利用することができます。また、ほとんどのサービスで1つの電話番号を複数の端末で利用できるようになっています。会社の固定電話番号の転送先を、クラウドPBXに収容された電話回線の電話番号に設定することで、複数の端末で着信を受けることができるようになります。
- 着信は複数端末で受けられるが、会社の固定電話番号から発信はできない。
サービスによって異なりますが、端末として、インターネットに接続して利用できるIP電話機やパソコン、スマートフォンを利用することができます。これにより、リモートワーク中の従業員が複数同時に電話応対を行うことが可能になります。ただし、この場合、着信を受けられるだけで、会社の固定電話番号からの発信はできません。発信もできるようにしたい場合は、クラウドPBXに使用している電話回線を収容するか、固定電話番号ポータビリティで、電話番号をクラウドPBXに移転する必要があります。
転送電話ではなくクラウドPBXを利用するメリット
固定電話とクラウドPBXを転送サービスによって組み合わせる方法についてご紹介しました。しかし、さらなる利便性を得るためには、会社の固定電話そのものをクラウドPBXサービスにて利用することをおすすめします。 この場合に得られるメリットについてご紹介します。
- 転送料金が不要 転送電話サービスと組み合わせて使う形ではなくなるため、転送料金が不要になります。
- スマホで同じ番号で発信・折り返しができる 転送電話サービスの場合は、折り返しをするとその携帯電話の番号から発信することになるため、着信した番号と異なる番号からの折り返しになってしまっていました。 クラウドPBXの場合は、スマホに着信がきて出られなかった場合、そのスマホから「相手がかけた番号」を使って折り返すことができます。これにより相手方の不信感を抑えることができます。
固定電話転送とスマホアプリ
クラウドPBXの中には、端末としてスマートフォンを利用できるものがあります。具体的には、対応するアプリをスマートフォンにインストールして利用します。固定電話番号の転送と組み合わせて利用することで、外出先でも会社宛ての着信を受けることができるようになります。テレワークは、必ずしも自宅で行うとは限りません。IP電話機やデスクトップPCなどを端末として利用している場合、持ち運ぶのは大変ですし、移動中はインターネット回線を利用することが困難です。スマートフォンアプリで利用することができれば、コワーキングスペースやカフェ、公園などでも、着信を受けることができます。
固定電話転送とインターネットFAX
FAXもテレワーク推進の妨げになることがあります。FAXを廃止して、メールなどインターネットを利用した通信手段に完全に置き換えてしまえれば問題ないですが、例えば、受注業務で取引先が対応してくれない場合は、FAXを廃止することで売上げが減少し、仕事に支障をきたしてしまうことが考えられるため、おいそれと廃止することができません。
この問題についても、インターネットFAXを利用できるクラウドPBXを使えば、問題を解決することが可能です。電話と同様に、FAXも電話回線を使用しているので、同じように会社のFAX番号の転送先として、クラウドPBXの電話番号を指定すればよいのです。
インターネットFAXとは、インターネット経由でファックスを送受信する仕組みの事です。通常FAXでは電話回線を利用しますが、インターネットFAXでは、FAX用の電話回線がなくてもFAXの送受信を行うことができます。FAXの受信の場合、画像データとして、PDFやJPEGといったファイル形式でサーバー上に保存されたり、特定のメールアドレスに送信したりすることが可能です。
転送電話と組み合わせることで、外出先でもFAXを確認できるようになるため、FAXを確認するために出社する、ということが必要なくなります。ただし、この場合でも、着信を受けられるだけで、会社の固定電話番号からの発信はできません。発信もできるようにしたい場合は、クラウドPBXに使用している電話回線を収容するか、固定電話番号ポータビリティで、電話番号をクラウドPBXに移転する必要があります。
03plusのご紹介
ここからは、実際に弊社が提供しているクラウドPBX「03plus」を利用した場合の設定方法、利用方法などについて具体的にご説明させていただきます。03plusとは、固定電話番号がスマートフォンアプリでも、電話機でも使えるクラウドPBXサービスです。申し込みはWebで完結、最短10分で固定電話番号を取得することができます。スマートフォンアプリをインストールし、IDとパスワードでログインすることで、複数人での電話対応やFAX送受信を行うことができます。回線工事などは必要ありません。外線発着信、内線通話はもちろん、時間外アナウンスや留守番電話、インターネットFAXなどの機能を利用することができます。詳しくは、03plusのページをご確認ください。
03plus
https://03plus.net/
固定電話転送と03plus
03plusを固定電話転送と組み合わせて利用するための手順は、以下の通りです。
- Step1 03plusを契約し、新しい電話番号取得する。
- Step2 会社の固定電話番号に、転送電話を契約する。
- Step3 03plusで着信の設定を行う。
- Step4 会社の固定電話番号の転送先を、03plusで新しく取得した電話番号にする。
Step1 03plusを契約し、新しい電話番号取得する
03plusの申し込みは、Webサイトから行うことができます。申し込みには、本人確認書類が必要になります。必要な書類は、法人で契約するか、個人で契約するかによって異なります。
必要な本人書類(法人契約の場合)
(1)履歴事項全部証明書、または、法人の印鑑証明書+定款
(2)
・代表者が申し込む場合→代表者の運転免許証、個人番号カードなど
・代表者以外が申し込みを行う場合は→委任状、申し込み者の運転免許証、個人番号カードなど
必要な本人書類(個人契約の場合)
・アプリで本人確認を行う場合→運転免許証、または、個人番号カード
・アップロードで行う場合→運転免許証、個人番号カード、健康保険証、住民票などの中から2点
詳しくは、本人確認手続きについてのページを確認してください。
https://03plus.net/identification.html
書類が準備できたら、申し込み画面にアクセスします。
https://03plus.net/order/index.php
画面の内容に従って、入力を行い、申し込み、初回支払いを完了させます。基本的には、転送不要の書留郵便で送付されるハガキを受け取り後に開通となりますが、個人名義、代表者の個人名義で申し込みを行う場合、アプリを利用した本人確認を行うことができ、この場合、本人確認完了後、すぐに開通し、電話番号を利用できるようになります。
申し込み時に、新しく契約する電話番号数を決める必要があります。会社の固定電話番号を転送して通話のみで利用する場合であれば、電話番号は1つで問題ありません。また、利用する端末1台につき、1つのIDを契約する必要があります。実際に使用する予定の端末台数分のIDを申し込みます。各種オプションも申し込むことができますが、会社の固定電話番号を転送して通話のみで利用するのであれば、必要ありません。電話番号、ID、オプションについては、後から追加することが可能です。
Step2 会社の固定電話番号に、転送電話を契約する
この記事の 固定電話の転送サービスの項を参考に、会社の固定電話番号に転送機能を付加します。
例えば、NTT東日本のひかり電話を契約している場合は、局番なしの116に電話して、ボイスワープの申込を行うかたちになります。
Step3 03plusで着信の設定を行う。
転送を開始する前に、03plusを利用する端末に設定しておきます。具体的には、利用するスマートフォンにアプリをインストールし、IDとパスワードでログインして、着信を受けることが可能な状態にしておきます。また、着信した端末から、別の端末に電話を取り次ぐ際には、パーク保留、内線通話の機能を利用します。事前に、内線用に端末名を設定し、内線番号を把握して、スムーズに取次ぎが行えるように操作方法を確認しておくことをお勧めします。
具体的には、以下のような操作となります。
- パーク保留を行う場合:通話中に保留ボタンをタップする
- 内線通話を行う場合:内線番号をダイヤルして発信する、または、内線一覧から端末名をタップして発信する。
- パーク保留をとる場合:ダイヤル画面右下のラインボタンをタップし、ライン画面を表示し、オレンジ色になっているラインをタップする。
Step4 会社の固定電話番号の転送先を、03plusで新しく取得した電話番号にする。
転送電話の契約が完了したら、会社の固定電話番号で、転送の設定を行います。転送先として、Step1.の手順で、新しく取得した03plusの電話番号を登録します。テレワークなどで出社しない日は、前日に転送の開始を行っておきます。転送先の登録、転送の開始についても、この記事の 固定電話の転送サービス の項を参考にしてください。
FAXを転送して、インターネットFAXを利用したい場合は、03plusでFAX用にもう一つ番号を取得し、会社のFAX番号に転送サービスを契約して、転送先として登録するかたちになります。03plus側のオプションとして、転送先に登録した番号とアプリでFAXを利用したい端末のIDに、クラウドFAXのオプションを追加しておく必要があります。
FAXを転送して、インターネットFAXを利用したい場合は、03plusでFAX用にもう一つ番号を取得し、会社のFAX番号に転送サービスを契約して、転送先として登録するかたちになります。03plus側のオプションとして、転送先に登録した番号とアプリでFAXを利用したい端末のIDに、クラウドFAXのオプションを追加しておく必要があります。
03plusで転送を受ける場合の注意点
以上の手順で、会社の固定電話番号の転送先に03plusで新しく取得した電話番号を指定することで、複数台で着信を受けることができるようになります。ただし、03plusで複数台同時に着信を受けるようにするには、運用上の注意点があります。
複数台同時にアプリで利用する場合、アプリが前面に表示されている(アプリのダイヤル画面等が表示されている)ものが優先的に着信する仕様となっています。利用している端末すべてで、アプリが前面であれば、同時にすべての端末に着信します。1台のみアプリが前面の場合、その1台にのみ着信するかたちになります。端末すべてで、アプリが背面(アプリが閉じている状態)の場合は、プッシュ通知からアプリを起動するかたちになります。具体的には、プッシュ通知→アプリ自動起動→着信が鳴る、という流れになっています。着信するとプッシュ通知が送信され、3秒以内に自動起動した端末にのみ、着信します。ネットワークの遅延や端末の動作が遅いなどの理由で、3秒以内に自動起動できなかった端末には、着信しません。専用IP電話機や宅内機器で利用する場合は、これらが優先して着信するかたちになります。アプリと同時に着信させたい場合は、常にアプリを前面にしておく必要があります。
また、転送通話料にも注意が必要です。他の番号に転送した場合と同様に、03plus宛てに転送されたときにも転送通話料金が発生します。着信は自分たちでコントロールすることは難しいですが、あまりにも転送通話料金が高くなってしまうようであれば、別の方法を検討した方がよいかもしれません。
また、03plusでは、一つの電話番号を、通話用にも、FAX用にも利用することができるようになっていますが、会社のFAX番号を転送して、03plusのインターネットFAXで受信する場合には、FAX用に別の番号を契約することをお勧めしています。これは、通話、FAXを併用した場合に、着信が通話か、FAXか、判定する処理が入るので、着信が少し遅延してしまうからです。
03plusの転送と電話代行サービスを組み合わせてもっと便利に
これまでは、03plusで転送を受ける場合について解説しました。ここでは、03plusからの転送先として電話代行サービスを組み合わせるケースについて解説します。
電話代行サービスとは、会社にかかってきた電話を電話代行業者のオペレーターへと転送すると、代わりに電話応対してくれるサービスです。。転送先のオペレーターは、自社の社員として顧客対応を行います。代行する内容にもよりますが、基本的には電話をかけてきた「顧客の名前」「電話番号」「お問い合わせ内容」などを確認します。着信があったこととオペレーターが得た情報は、社内で使っているチャットツールやメールにテキストにて転送されます。それを確認し、必要に応じて担当者が折り返し電話をして顧客対応する、というのが電話代行サービスを活用した場合の電話対応の流れです。
03plusの転送と電話代行サービスを組み合わせる場合、まずは03plusを契約し、転送オプションに加入します。合わせて、電話代行サービスを契約します。両者を契約後、03plusの転送オプションにて取得した市外局番付き電話番号にかかってきた電話の転送先として、電話代行サービスから指定された電話番号を設定します。これで、03plusから電話代行サービスへの転送設定は完了です。
03plusから電話代行サービスに転送すれば、一次対応を社員が行う必要がなくなります。そのため、社員は行うべきコア業務に集中できますし、営業先でも着信を気にすることがありません。そのため、業務効率化や業績アップを実現できることでしょう。
03plusの転送オプション機能は、転送先番号の登録・変更をアプリやお客様ページからいつでも行えます。転送のオン・オフを簡単に切り替えられますので、必要に応じて柔軟に活用できるのが魅力です。着信時には転送元の端末には着信せずに自動転送されますので、顧客に転送電話と気づかれないという特徴もあります。社員のスマホにも着信しませんので、業務を止めることがなくなります。さらに、03plusで複数番号を契約している場合は、番号ごとに転送電話設定できます。そのため、電話代行サービスを利用する番号、普通に着信を受ける番号と使い分けできます。
このように、03plusから転送して電話代行サービスを利用することにはさまざまなメリットがあります。柔軟に設定できますので、幅広いシーンで便利に利用でき、業務効率化を実現できることでしょう。転送オプション料金は、1番号当たり月額500円とリーズナブルですので、ぜひ03plusの転送機能のご利用をご検討ください。
03plusのおすすめ利用方法
基本的には、ここまでの手順で会社の固定電話を03plusに転送して、複数の端末で着信を受けることができるようになりますが、03plusは使い方次第でさらに便利になります。
例えば、時間外アナウンスのオプションと組み合わせれば、会社の営業時間外にかかってきた着信した場合に、音声アナウンスが自動で再生されるようにすることができます。音声は、録音アプリなどで録音したものはもちろん、03plusにはテキストを音声変換する機能があるので、合成音声でメッセージを作成することも可能です。平日、土日、祝日、時間帯によって、音声を変えることができるので、昼休みの時間や休日に転送されてきてしまうことを防ぐとともに、電話をかけてきてくれた方に、きちんとアナウンスを行うことが可能となります。さらに、留守番電話のオプションも利用することができます。手が離せず、誰も電話に出ることができない場合に、留守番電話に切り替わります。電話をかけてくれた方が要件を録音することができるので、スムーズに対応することが可能となります。
また、03plusは、固定電話番号ポータビリティ(LNP)に対応しています。電話転送で運用した結果、転送通話料が高額になってしまうような場合は、電話転送ではなく、03plusに固定電話番号ポータビリティすることを検討してください。対応エリア内に限りますが、固定電話番号ポータビリティが可能であれば、これを行うことで、電話転送ではなく直接着信するかたちになるので、転送通話料が発生しなくなります。
03plusでは専用IP電話機の提供も行っていますので、事務所では、スマートフォンだけでなく、固定電話機を利用することもできます。
固定電話番号ポータビリティについては、別の記事で詳しく説明していますので、下記記事を参照してください。
固定電話番号ポータビリティ(ナンバーポータビリティ)について
https://03plus.net/lnp/index.html
固定電話番号ポータビリティ(LNP)の条件
https://03plus.net/lnp/conditions.html
番号移転について
https://03plus.net/number_transfer.html
「03」「06」など主要都市の市外局番に対応!
▸ 固定電話番号がスマートフォンで安く使える「03plus」
まとめ
ここまで、電話転送について、また、会社の固定電話番号を転送してテレワークを行う場合の問題点や解消方法についてなどを説明させていただきました。また、電話転送と組み合わせて03plusをテレワークで活用する方法について説明させていただきました。テレワークでの活用方法については、下記RULでさらに詳しく説明しています。
テレワーク電話の03plus。会社の電話がスマホで使える。
https://03plus.net/telework/
コロナ禍ではテレワークが推奨され、電話転送を利用する会社も大幅に増加したという調査結果があります。この記事を読んでいただいたかたの中にも、コロナ禍で電話転送を利用するようになった会社の方も多いのではないでしょうか?
インターネットが普及し、スマートフォンやクラウドサービスが発達した世の中では、会社の固定電話番号は、古臭い過去の遺物と考えられてしまうかもしれません。しかし、固定電話は誰もが簡単に組織宛てに連絡することができるインフラとして、とても便利なものです。特に企業の固定電話番号の利用は、今後の残り続けることでしょう。たとえ、コロナ禍が終息したとしても、今後も、様々な理由で、テレワークのような新しい働き方が推進されていくものと考えられます。会社の固定電話を”なかなか廃止できないお荷物”として捉えるのではなく、世の中の変化に合わせた新しい働き方の中で、電話転送やクラウドPBXなどと組み合わせて、さらに便利に活用していくということを考えることも大切なことだと思います。
03plusでは、電話転送と組み合わせた利用方法だけではなく、会社の固定電話をより手軽に、より便利に活用できるような機能を今後も追加していきたいと考えています。
固定電話でお困りの場合は、ぜひ、03plusをご検討ください。
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