コラム記事
column
column
日進月歩で発展が進むICT技術のなかにあって、FAXやビジネスフォンは日本の官公庁やビジネスシーンや深く根付いており、しばらくの間は無くなる気配がありません。
2006年の総務省発表のデータによれば、日本企業でのFAX普及率は97.8%でした。10年以上前の古いデータしかないため最新の普及率は不明ですが、FAXを廃止したという企業はあまり耳にしません。
インターネット回線やPC、スマホなどのデバイスが普及し、仕事での連絡手段としてはEメールがすっかり定着しています。しかし、わざわざFAXを使う必然性は無いように思える現代にあっても、FAXはいまだに多くの企業で現役選手として利用されています。
世界的にはFAXの需要はどんどん減退しているため、日本でのこの状況については欧米からは不可思議に映るようです。アメリカのニューヨークタイムズ紙やイギリスのBBCなどの海外メディアでも「日本人はなぜいまだにFAXを使い続けるのか」と、揶揄するような内容で報じられたこともあります。
なぜ日本企業ではFAXが無くならないのでしょうか。その理由について考察してみます。
Eメールの場合は送信しても相手に届いていなかったり、相手が気付かなかったりする可能性がありますが、FAXは到達確認ができるため、確実に相手に届いたことが分かります。また、送信履歴も保存されFAXの送受信に関するトラブルを避けることができるため、企業間で重宝されている側面があります。このFAXの信頼性が理由で、企業間での受発注や注文処理などはいまだにFAXで行われているケースが多いですよね。「正確性」を重視する日本の国民性が表れているのかもしれません。
インターネット回線上でデータをやり取りするメールに比べFAXはセキュリティが高いとよく言われます。Eメールのように誤送信が無いという方もいますが、FAXも番号を打ち間違えれば誤送信が起こりうる点は同じですね。
総信用紙をセット、相手のFAX番号を入力、送信ボタンを押す、これだけでFAXは送信できます。オフィスで常にPCで作業している方からすればFAX機器があるとこころまで行く方が面倒という声がありそうですが、1人1台のPCが支給されていない事務所や飲食店で、建設・工事現場などではこの「手軽さ」がゆえにFAXが重宝されています。また、PCやスマホの操作に慣れていない高齢の方が多いオフィスや事務所では、その手軽さが故にFAXが愛用されている側面があります。
FAXは紙に直接印刷されすぐに確認でき、そのまま保管することもできます。ITに馴染みのある人からすれば不思議に思われることかもしれませんが、高齢者を中心に「紙で確認したい、紙で保管したい」、「データで保管するのは手間がかかる、やり方が分からない」、「メールに馴染みが無く受信したメッセージを後から確認しにくい」などと考える方は多く存在するため、それもFAXが重宝されている原因の一つになっています。
このようにFAXは、「信頼性・確実性」といった点で官公庁や企業間で確実性が求められる連絡手段として重宝されています。また、高齢者やITリテラシーが低い方、PCなどのIT環境が整っていない事務所などでは「手軽さ・馴染み深さ」といった理由でFAXが重宝されています。
IT系の企業や独立開業を考えている方からすれば「自分からはFAXなんてしないし、FAX機は不要だ」と考えるかもしれませんが、日本企業ではまだまだFAX文化が根強く残っています。連絡手段としてFAXが必須の企業や官公庁も多く存在します。それらの企業や官公庁を相手にする限りは、FAXがどうしても必要になってしまいます。
そこでお勧めなのがインターネットFAXやスマホFAXです。
従来のFAX機器と比べ、インターネットFAX/スマホFAXは導入コストや紙の印刷・インク代などのランニングコストも削減でき、PCやスマホなど手持ちのデバイスでFAXの受信・送信が可能になるため、「FAX機なんてできれば導入したくない」と考えている企業や個人事業主の方に最適なサービスです。
今後働き方改革が進みリモートワークが進むとこともあり、日本のビジネスシーンではインターネットFAXやスマホFAXが急速に普及していくかもしれません。
政府主導で働き方改革が叫ばられるようになり、在宅ワークやリモートワークなどのテレワークの勤務体系を導入する企業は増加傾向にあります。事務所に出勤する従来の働き方ではなく自宅やシェアオフィスやカフェなどオフィスではない場所で働くことで、時間の有効活用や仕事の効率化などが図れるのがテレワークのメリットです。しかしこれを実現するためにはオフィスにいるのと変わらないようなICT環境下で仕事ができることが前提となります。パソコンやスマホだけがあれば完結できる仕事内容であれば問題有りませんが、FAXの送受信も必要という仕事スタイルの場合、FAX機などのハード機器はテレワーク導入時の大きな障壁となってしまいます。
しかしインターネットFAXやスマホFAXサービスを利用すればどこにいてもPCやスマホでFAXの送受信ができ、オフィスにいるのと遜色ない環境で仕事ができます。
上記は一例ですが、インターネットFAXやスマホFAXは様々な企業・業種・働き方にメリットをもたらします。